2010/04/24

スマートフォンとクープマンの目標値

MM総研が2009年度通期(2009年4月~2010年3月)の、国内携帯電話出荷状況の調査結果を発表しました(4月22日)。その中でスマートフォンについて次のような調査結果が出ていました。
・ 2009年度通期のスマートフォン出荷台数は234万台 (対前年113%増)
・ スマートフォン出荷台数シェアの1位はアップル:72.2%



シェアに関して、マーケティングでは「クープマンの目標値」という理論があります。米国の数学者であるクープマンが、シェアと市場推移の関連性を解析して得られた理論です。(図1)



アップル、つまりiPhoneの72.2%というシェアですが、クープマンの目標値の「独占的市場シェア:73.9%」に迫る水準です。この独占的市場シェアの定義は、書籍「シンプルマーケティング」(森行生著 ソフトバンククリエイティブ)では以下のように説明されています。「要するに独占シェアである。このパーセンテージを取れば、短期的に見ればトップが引っ繰り返る可能性はほとんどあり得ない。」(p.56より引用)

iPhoneの72%は出荷台数ベースなのでユーザーのシェアではありません。それでもスマートフォン市場においては、iPhoneが独占しており「一人勝ち」と言っていい状況です。(図2)





では、そもそも携帯電話市場全体に占めるスマートフォン市場はどれくらいなのでしょうか。MM総研によると、2009年度通期では6.8%(出荷台数ベース)。スマートフォン市場の規模は、前述のクープマンの目標値で確認すると、「市場的存在シェア」となります。ちなみに定義は、「市場においてようやく存在が確認される水準。つまり生活者が『こういうブランド(企業)もある』と思いだしてくれるレベルである。」(p.62,63から引用)

スマートフォンに関しては、認知率は一定程度あるような気がしますが、昨年度の出荷台数で見るとまだまだニッチな存在だと思います。今年はドコモの「Xperia」、ソフトバンクの「iPhone」「HTC Desire」、auの「IS01」「IS02」など、各キャリアからスマートフォン機種が出そろいます。

スマートフォンという呼び方は、従来の携帯より「スマート」というところから来ているのだと思いますが、スマートフォンがより一層普及することで「スマート」という枕詞がなくなる日も近いのかもしれません。



※参考資料
MM総研 2009年度通期国内携帯電話端末出荷概況
http://www.m2ri.jp/newsreleases/main.php?id=010120100422500


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多田 翼 (書いた人)