2010/11/20

ネットテレビが変えるもの

2010年5月にグーグルはテレビとネットの機能を併せ持つグーグルTVの構想を発表しました。そして10月下旬、グーグルとソニーによる「ソニーインターネットTV」がアメリカで発売されました。

「Android」OSを使ったグーグルTVの特徴は、テレビ画面に表示される検索窓にキーワードを入力することでテレビ番組、ネット上の動画、Webサイトなどを横断的に検索し、その映像を再生することができる点にあります。

■視聴を180度変える

このようにネットテレビはテレビ+パソコンの両方の要素を兼ね備えていますが、単純に1+1=2となるかと言うと個人的にはそれ以上のインパクトがあると思っています。なぜならば、私たちの視聴を180度異なるものにする可能性があると考えているからです。

従来のテレビ視聴は、テレビ局が番組をどの曜日のどの時間に放送するかを決めていました。よって視聴者は見たい番組が放送される時間に合わせてテレビをつけます。もちろん、DVDなどでの録画で見るパターンもありますが、基本的な構図はテレビ局が番組放送をコントロールしています。

一方のネットテレビ。上記のような番組放送も依然として残ると思いますが、前述のグーグルTVの特徴のようにネット上の動画に加え、オンデマンドでの視聴も増えていくはずです(現時点でも一部オンデマンドはありますが)。このように視聴者自らがYouTubeなどの動画やオンデマンドの番組を見るようになるわけで、ネットテレビにおいては視聴者が映像コンテンツを見ることに対して主導権を握ることになります。先ほど視聴を180度変えると表現したのは、主従関係が変わるこの状況を指してのことです(図1)。




ネット上にはYouTubeなどの動画サイトがあり、あるいはおそらく今後はネット上での映画配信や番組のオンデマンドサービスの充実など、ユーザーはテレビ番組放送だけではなく、様々なコンテンツを楽しむことができるようになります。

ところが多くのコンテンツが選択肢になるほど、放送されるTV番組は相対的に今よりも見られなくなるということが起こってくるはずです。良質な番組は今後も視聴者からは支持されるでしょうが、そうでない番組は見てもらえなくなる。ネットテレビによって自分の見たい番組を簡単に探すことができ、オンデマンドで用意されているので、好きな時間に自分の見たいコンテンツを自由に見る楽しさ、つまりコントロールできることをユーザーは覚えてしまうのではないでしょうか。


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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にてマーケティングリサーチ マネージャー (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝 8km のランニングとピアノ。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。