2010/10/30

なぜネットサーフィンは死語になったのか?

今週の前半は中国に行っていました。今回の滞在は上海のみでしたが、印象に残っていることとして、話を聞いた複数の人が「趣味はネットサーフィン」と言っていたことがあります。なぜ強く印象に残っているかと言うと、ネットサーフィンという言葉自体がここ5年くらい耳にしていなかったから。今回のエントリーでは、ネットサーフィンがなぜ死語になったかを考えることで、あらためて自分の情報収集について整理してみます。

■ネットサーフィンとは

そもそもネットサーフィンとはどのような行為なのでしょうか。いくつかのサイトを調べてみましたが、一番しっくりくる表現はWikipediaに掲載されていた次のような説明です。「ウェブページの閲覧において、各ページを、興味のおもむくまま次々に表示して閲覧していく行動を、波から波へと渡るサーフィンに見立てた造語」。ちなみに、Wikipediaには次のようにも書かれています。インターネットが普及し始めた1990年代から2000年ごろまで頻繁に使われていた。

さて、なぜネットサーフィンをしなくなったのか。ここで、この疑問を少しずらし、「なぜ自分はネットサーフィンをしていたのか」を先に考えてみます。私の場合は、ネットサーフィンが趣味とまではいかなかったものの、ネットを使い始めた頃はあるサイトを見て、そこに貼ってあったリンク先を「興味のおもむくまま」に次々と閲覧していたこともあります。当時を思い出すと、ネット自体がめずらしかったこともあり、好奇心であったり、単純におもしろかったのがその理由のように思います。

■なぜネットサーフィンをしなくなったのか

では、なぜネットサーフィンをしなくなったのか。自分の場合を考えてみると、第一の理由として、ネット検索精度の向上があります。別の言い方をすれば、ネットサーフィンよりもGoogleなどの検索エンジンを使ったほうが効率がいいということ。ネット検索精度の向上は、検索エンジンのシステム技術の向上に加え、自分の検索スキルもネットを始めた頃よりかは多少は上がっていることもあると思います。

第二にの理由として、ネットに使う時間配分のうちツイッターやRSS、あるいはこれらほどの利用頻度ではないとはいえSNSなどの存在です。あるいは、動画やオンラインでのゲームもあるかもしれません。このようなネット上のコンテンツが充実したことで、ネットサーフィンよりもおもしろい時間の使い方ができ、ネットサーフィンが不要になったのだと思います。

■ネットは目的ではなく手段

ネットサーフィンをなぜしなくなったかを考えると、そもそもとして自分の場合は、ネットの利用が目的から手段になっていることだと思います。ネットを使い始めた当初は、ネット自体がものめずらしいこともあり、ただなんとなく使っていたようにも思います。一方で、今はどうかというと、「情報収集」と「ネットでの買いもの」という2つの目的のための手段でしかないのです。ネットでの買いものも、例えば本を買う場合は広い意味では情報収集とも言えそうです。

ここで、ネットサーフィンを含め、ネット検索、RSS、ツイッターなどを下図のように分類してみます(図1)。



横軸は、能動的に情報を探しにいくか、情報が向こうからやってくるかどうか(受動)。例えばRSSやツイッターは情報が時々刻々と入ってきます。それも向こうから勝手に。一方の縦軸は、自分の欲しい情報にたどり着く精度です。つまり、効率よく情報収集できるかどうか。例えばネットサーフィンはおもしろいサイトもあればそうでない時もあり、様々な情報に行きつきます。ツイッターも同様で、雑多情報の中に自分に必要な情報もあればそうでないものもある。それに比べ、検索やRSSのほうが効率よく情報が収集できます。

ネットが情報収集のための手段と位置づけた時、情報収集をいかに効率よくするかが重要になります。上図から考えるとネットサーフィンでは非効率であり、自ら検索をしたりRSSなどを利用することで効率化を図ってきたのだと思います。

■いかに効率よく情報を集めるか

そこで、これからも考えていきたいのがどう情報収集を効率化するかです。検索スキルも十分ではないと思いますし、RSSについても登録しているサイトやRSSの使い方自体ももっとよくできそうです。

そしてSNSとツイッターです。上の図では玉石混交のセグメントに位置づけました。でももしかしたらまだ自分の活用方法が甘いだけなのかもしれません。最近感じることとして、ツイッターがRSSに近い役割を担えるような気もしますが、一方で現時点ではRSSはとても重宝しています。このあたりは、引き続きいろいろと試しながら試行錯誤が続きそうです。


※参考情報
ネットサーフィン (Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3


2010/10/23

コンテンツの価値はタダになるのか?

日経新聞10月19日朝刊の経済教室に、「知的資源大国へ戦略を持て」という題で知的財産についての記事が掲載されていました。今回のエントリーでは、この経済教室の内容整理とコンテンツの価値について考えてみます。

■経済教室の内容整理

先端技術やアニメや漫画など、日本が生み出した「知的財産」は諸外国からの評価が高いものが少なくありません。今回の経済教室の筆者である金沢大学工業大学の杉光一成教授は、このような財産により、日本の経済・社会の活性化へどうつなげるかという視点も大切であると主張しています。知的財産を「資源」として海外に輸出して外貨を得ることで国富を増大させることを国家の目標とする「知的資源立国」を目指せ、という主張です。

著者は知的財産を石油などの天然資源と同様に資源とみなしていますが、一方で相違点もあると言います。第一に、知的資源は「無限」であること。例えば石油はいずれ埋蔵量を使い果たし枯渇する有限のものですが、特にアニメなどのコンテンツは人が思考をやめない限りは無限の産出が可能です。相違点の第二には、知的資源の「もろさ」。すなわち知的資源は究極的には情報にすぎず、石油などのモノが盗まれることに比べ、容易に流出する可能性があります。しかも、情報は一度流出してしまえば、その回収は非常に難しいのです。

こうした知的資源の特徴を踏まえ、著者の指す「知的資源立国」とは次のような考え方になります。「知的資源の国外への流出を最小化し、輸出を最大化することで国富を増大させることを目標とする国家戦略である」。なお、ここで言う輸出とは、外国で取得した権利を有効活用した海外事業収入および外国企業からのライセンス収入です。

経済教室では、特に知的資源の流出最小化という観点から具体的な政策例として、模倣品・海賊版拡散条約の交渉などを含む外交政策の強化、知的財産権侵害の取り締まりが緩い国に対しては毅然とした態度で臨む、などを挙げています。 

ここまでを整理します。すごくざっくりと書いてしまうと、以下のようになります。

・日本には知的財産があるが、外貨を稼ぐ資源として有効活用されていないのではないか
・コンテンツなどの知的資源は「情報」であり容易に流出する特徴がある
・よって、知的資源の流出最小化・輸出最大化を目標とする国家戦略を目指せ

■コンテンツの価値

マルクスとエンゲルスによる「資本論」では、商品には大きく2つの価値があるとしています。1つ目は「使用価値」。これは、個人の主観や状況によって異なり比べることのできない価値のことです。例えば、極端な例ですが、遭難して何日も食糧を口に入れていない人には食パンとダイヤモンドはどちらが使用価値があるでしょうか。おそらく、空腹を満たすパンのはずです。一方で多くの人にとってはダイヤモンドのほうが魅力がある。このように人やその状況で変わるのが使用価値です。2つ目は「交換価値」。商品の価値を数で認識し、客観的な価値のことです。例えば、つくられるのに要した労力や資源、時間の度合で価値を判断します。パンとダイヤモンドで言えば、その製造工程ではダイヤのほうが労力も時間もかかります。よって、交換価値が高いのはダイヤとなります。

ちなみに、お金になぜ価値があるかというと、上記のような商品の価値と交換できる存在だから。正確には、交換できると「信用」されているからです。お金があれば、それに応じて様々な物・サービスを買うことができます。でもお金に価値があるのは、(発行しているその国の)信用力が前提としてあることも忘れないようにしたいです。

さて、コンテンツには様々な種類があります。音楽データや映画・アニメ・ドラマなどの動画、漫画や書籍、ゲーム、など、あらためて考えてみると日本ではたくさんのコンテンツがあります。これらのコンテンツはコンピューターやネットなどのデジタル技術が発達したことで、ほぼ全てを情報やデータとして扱えるようになりました。例えば、音楽データはダウンロードでき、アニメなどはYouTubeで、ゲームもPCや携帯からオンラインで楽しめます。最近では、ようやく日本でも電子書籍について議論されるようになりました。

ここが重要な点だと思いますが、コンテンツがデータだということは、(規制がなければ)簡単にコピーできるということです。理論的には無限に増殖させることが可能で、かつコストはほとんどかかりません。そして、無限に増やせるということは希少価値は限りなくゼロになり、すなわち、価格はゼロとなってしまうのです。別の言い方をすれば、コンテンツにお金を払う価値がないということ。

■コンテンツでどう稼ぐか

ここで上記の経済教室です。著者は天然資源とは異なる知的資源の特徴として、無限と流出のしやすさの2点を挙げました。これを考慮し「流出最小化・輸出最大化を目標とする国家戦略」を目指せとしています。しかし、一方でコンテンツはタダなのです。

そこでどうなるかと言うと、1つは知的財産権などの規制により、コンテンツの無限増殖を防ぐことです。これでコンテンツに希少価値が生まれます。もう1つは、コンテンツは結局は時間を使うためのコト、あるいは減らないコトなので、いかに有限の(減ってしまう)モノに転換して、お金を稼ぐかではないでしょうか。具体的なイメージとしては、アニメ自体はコンテンツというコトなので、アニメ内の人気キャラをフィギュア化したモノを売る、といった感じです。フィギュアを作るには、石油などの有限資源が必要であり、つまりコンテンツのように無限に増やすことができず、それはすなわち希少価値があるということだからです。

コンテンツなどの知的資源に対して、「流出最小化・輸出最大化を目標とする国家戦略」を掲げたとしても、コンテンツの特徴を大きな流れで踏まえた上で実行しなければいけないなと思います。


2010/10/17

Amazonの競争戦略ストーリー

「この商品を買った人はこんな商品も買っています」 - アマゾンには協調フィルタリングと呼ばれるレコメンド技術が使われています。レコメンドにより、自分と嗜好性の近いユーザーが好む商品が提示されます。

■Amazonのコンセプト

一方、別の商品をクリックすると、こんなメッセージが出てくることもあります。「お客様は、2010/8/9にこの商品を注文しました。」 このメッセージを見て、初めて自分はすでに買ったことがあることに気づき買うのをやめるでしょう。

なぜアマゾンは、このようなメッセージを表示してくれるのでしょうか。アマゾンにとっては機会損失とも言えます。それは、アマゾンのコンセプトを見ると理解できます。「ストーリーとしての競争戦略」(楠木 建 東洋経済新報社)という本には、アマゾンのコンセプトは次のように書かれています。「モノを売るのではなく、人々の購買の意思決定を助けるサービスを提供する」。アマゾンのレビュー機能や、アマゾン・マーケットプレイスにより中古品と新品が比較しやすいようになっているのも、このコンセプトに基づいています。

■Amazonの戦略ストーリー

書籍「ストーリーとしての競争戦略」の趣旨は次のようなものです。「優れた戦略とは思わず人に話したくなるようなストーリーだ」。アマゾンの戦略ストーリーの概念は下図のようになります(図1)。



アマゾンでしかできない経験を顧客に提供することで、それがトラフィックが増加につながり、サイト訪問者を増えることで売り手もまた多くなります。そうなると、ユーザーからすれば、選べる商品が増えますます顧客の経験を充実させます。このような成長サイクルにより、低コストが実現し、ひいては低価格で顧客に提供できる。これも顧客の経験につながります。アマゾンの戦略はこのような好循環のストーリーでまわっています。

■戦略ストーリーの5C

同書では、ストーリーの構成として、以下のような5Cを提示しています(表1)。



■クリティカル・コア

この本で特におもしろかったのは、4つめのクリティカル・コアでした。ストーリーを起承転結で考えた場合、クリティカルコアは「転」に当たります。その特徴は「一見して非合理」としています。別の表現をすれば、部分最適ではないが全体で見ると理に適っているというもの(図2)。



「ストーリーとしての競争戦略」では、アマゾンのクリティカル・コアは「巨大な物流センターにある」と著者は指摘しています。ネットで店舗を持つということは、一見すると在庫管理やそのスペースから解放され身軽になることが期待できます。しかし、アマゾンは2000年当時から巨大な物流センターへの投資を続けていたようです。アマゾンのベゾスCEOは次のように公言しています。「倉庫こそアマゾンの最大の資産である」。

ではなぜアマゾンは物流センターと在庫を持つ道を選んだのでしょうか。アマゾンを利用していて感じるのは、商品の豊富さと確実な手配です。これにより、欲しい商品の検索・比較・購入・配送まで大きなストレスがなく、商品が手元に届きます。プレミアム会員であればエリアによって注文した商品がその日の当日に届けてもらうことも可能です。前述のアマゾンのコンセプトやストーリーという全体にとって、自前で物流センターを構築することは、彼らにとっては「合理的な」選択なのです。

しかし、外部の人間、特に競合他社にはアマゾンの全体像は見えず、物流センターは「一見して非合理」に見えます。ここだけを考えると、むしろやるべきことではない選択に映ります。一方のアマゾンにとっては、物流センターというクリティカルコアがあっての戦略ストーリー。このような競合他社によるクリティカルコアの模倣の忌避により、差異化も実現できます。

■最後に

「ストーリーとしての競争戦略」はなかなかおもしろい本でした。上記のようなコンセプトやクリティカルコアの説明だけではなく、多くの事例も掲載されています。アマゾン以外にも、スターバックスやサウスウエスト航空、マブチモーター、あるいは中古車販売のガリバーの戦略ストーリーなど、「思わず人に話したくなる」ものばかりでした。500ページ以上のボリュームのある本ですが、読んでよかったです。




2010/10/16

次世代ネットTVとこれからの視聴率

TV番組の人気を知る指標の1つに、視聴率があります。

■視聴率の意義

日本では2000年3月以降、「ビデオリサーチ」(以下、VR)の調査結果がそのまま世帯視聴率となっており、同社のHPには視聴率を調査する意義として、以下の点が挙げられています。
・スポーツ番組や大事件が起きた時の特別番組などの視聴率から「国民の関心の高さを探る」
・視聴率の移り変わりから「社会の動きを知る」
・テレビ局や広告会社等が広告取引をする際に、テレビの媒体力や広告効果を測るため
・視聴者がテレビをよく見る時間帯やよく見る番組を知ることで、番組制作・番組編成に役立てる

■VRの視聴率調査

視聴率には「世帯視聴率」と「個人視聴率」の2つがあり、VRが集計をしているのは世帯をベースにした世帯視聴率です。例えば、視聴率が10%の番組というのは、テレビ所有世帯のうち10%の世帯でそのテレビ番組がつけられていた、ということになります。

少し専門的な話になりますが、視聴率の調査方法は大きく3つあります。1.PM(ピープルメータ)システム、2.オンラインメーターシステム、3.日記式アンケート(詳細はビデオリサーチHP)。現在のVRの視聴率調査仕様は以下の通りです(図1、表1)。







なお、VRでは視聴率の対象となるのは、地上波放送、BS放送、CS放送、CATVなどのテレビ放送で、VTRやDVRの録画・再生、テレビゲーム、パソコンによるテレビ放送の視聴などは視聴率に含まれません。

■Apple TVとGoogle TV

今年になって、アップルとグーグルのネットTV発売が話題になっています。アップルTVの特徴は、保存機能をなくしストリーミング放送に特化している、本体価格は99ドル、コンテンツレンタル料金はHD映画を4.99ドル・テレビ番組を99セント、などにあります。

一方で、グーグルTVの特徴は、TVとWebの融合で、TV番組から提携コンテンツやネットまでキーワードで検索できるという点にあります。例えば、TV番組を見ていて、最近気になる商品のCMが流れたので、関連情報をYouTubeや商品のウェブサイトをチェック。あるいは、ブログ、アマゾンや楽天市場、比較サイトなどで口コミや価格を調べる。場合によっては、ツイッターやSNSで友達にシェアしたりなどが、グーグルTVで全部できてしまいます。

おそらく、アップルTVとグーグルTVはそれぞれiOSとアンドロイドOS(あるいはクロームOS)で動くので、モバイルなどの周辺端末とも相性がいいはずです。具体的には、リビングで見ていた番組の続きを、外出先でモバイルで見ることなどの連携ができそうです。

■次世代ネットTVのコンテンツ

このように、特にグーグルTVにおいては従来のTVで視聴できるよりもコンテンツの種類が大きく増えます。動画系のコンテンツとそれ以外のコンテンツに分けて整理してみました(図2、図3)。



 

それぞれ、ぱっと思いついたままに挙げていますので厳密な意味ではないかもしれませんが、ここで強調して言いたいのは、グーグルTVのような新しい価値を提供する次世代ネットTVでは、従来のテレビで見られる番組と比べ多様なコンテンツを楽しむことができるという点です。

■これからの「視聴率」

日本の広告費は約5億2000億円で、うちテレビが約1兆7000億円、一方のネット広告は7000億であり、まだまだテレビのほうが1兆円ほど大きい状況です(2009年の電通調べ)。上記のように、ネットTVが普及し、テレビとネットの広告費は2つの相乗効果が認められればこれらの数字を単純に足し合わせた水準にとどまらず、合計額以上の規模になるかもしれません。

そう考えた時に、上記のような幅広いコンテンツを楽しむことを前提にした場合、冒頭で触れた視聴率では正しく知る指標としては物足りないような気がします。あるいは、前述の視聴率の意義を十分に果たせなくなるように思います。視聴率もまた変わらなければならないのではないでしょうか。

例えば、視聴「率」ではなく、視聴人数や視聴回数などの絶対数のほうが広告効果を測りやすいかもしれません。あるいは、視聴者はどういうリンクをたどり情報を得たのかも気になるところです。多くのコンテンツがオンライン上にあり、また各端末がアンドロイドなどのOSがベースになれば、現在の視聴率調査とは全く異なる新しい手法によりこれらのデータが得られることが期待できそうです。


※参考情報

○視聴率関連

視聴率について (ビデオリサーチ)
http://www.videor.co.jp/rating/wh/index.htm

視聴率 (Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%96%E8%81%B4%E7%8E%87

消費動向調査 - 平成22年3月実施 (内閣府)
http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/2010/1003honbun.pdf

○Google TV / Apple TV

今度こそテレビとWebの統合なるか 「Google TV」は従来のWebテレビと何が違うのか? (@IT)
http://www.atmarkit.co.jp/news/201005/21/tv.html

グーグルTVでテレビはどう変わる? 広告主は歓迎、安いコストでテレビ広告が可能に (日経ビジネスオンライン)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20100528/214662/

Apple TVなんて目じゃない、ソニーが「Google TV」採用した理由 (Tech Wave)
http://techwave.jp/archives/51511941.html

早く日本にもやって来い! 新発売のApple TVに驚きの絶賛評価が続出中... (GIZMODE)
http://www.gizmodo.jp/2010/10/apple_tv_review.html

やはりアップルはインターネットテレビを出してきた (大西 宏のマーケティング・エッセンス)
http://ohnishi.livedoor.biz/archives/51124653.html

Apple TV対Google TV、勝つのはどちらか (ITmedia)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1009/10/news011.html

○広告

2009年の日本の広告費 (電通)
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2010/pdf/2010020-0222.pdf


2010/10/10

実はよく知らなかったイスラム教のこと

世界には様々な宗教があります。下図は、1980年と2010年における主な各宗教の人口構成比です(図1)。

出所:「世界キリスト百科事典」(1980年)、「ブリタニカ国際年鑑2010」(2010年)
(1980年の人口はWikipediaを参照) 


■イスラム教とは

先月、旅行でエジプトに一週間滞在しました。初めてのイスラム圏の国への旅行だったわけですが、あらためて思ったことに、自分はイスラム教について実はよく知らないことに気付きました。帰国後、たまたま見つけた「高校生からわかるイスラム世界」(池上彰 集英社)を読んでみました。もっとも1冊くらいでは、最低限の知識にもならないかもしれませんが。

そもそもイスラム教のイスラムとは、「神に帰依する」という意味です。つまり、神様を信じ、神様の教えに従うということ。

イスラム教の信仰は、六信と五行から成り立っています。六信とは6つの信仰箇条で、1.神、2.天使、3.啓典、4.使途、5.来世、6.定命。啓典とはコーランのことです。五行とは5つの信仰行為であり、1.信仰告白、2.礼拝、3.喜捨、4.断食、5.巡礼です。


■六信とは

六信についてWikipediaを確認すると、これらのうち1.神と、4.使途がイスラム教の教義の根本に関わり、イスラム教徒は、アッラーが唯一の神であり、預言者であるムハンマドが真正な神の使途であると固く信じてると記載されています。ちなみに、イスラム教徒になる方法は、2人のイスラム教徒の証人の前で「アッラーのほかに神はなし」「ムハンマドは神の使途なり」とアラビア語で唱えることです。なお、イスラム教の神は日本語で「アッラーの神」という言い方をしますが、これは正確ではないようです。というのは、アッラー自体が神という意味を持っているからです。


■五行とは

五行についても簡単に書いておきます。1つ目の信仰告白とは、「アッラーのほかに神はなし」「ムハンマドは神の使途なり」、つまり、アッラーこそが唯一の神でありそれ以外に神は存在せずアッラーを信じること、その唯一の神の言葉を預かったのがムハンマドであると、常に言うことです。

2つ目の礼拝とは、1日5回、メッカの方向に向かってお祈りをすること。夜明け前の太陽が昇る前、昼過ぎ、午後3時くらい、日の入り、寝る前、の5回です。メッカはムハンマドが生まれて育ちイスラム教を教え始めた場所です。

3つ目は喜捨、つまり、寄付をしたり恵まれない人のためにお金を恵みなさいということ。どれくらいの額かというと、喜捨の目安は収入の2-2.5%程度。サウジアラビアでは、喜捨による税が存在するようです。また、喜捨に関係するところではイスラム金融があります。コーランの教えに基づくイスラム銀行は利子が存在しません。銀行は資金を(コーランの教えに反しない)事業にむけます。よって、銀行へお金を預けるというのは、間接的に喜捨を実践しているとも言えそうです。

4つ目は断食について。1年に1回、ラマダーンという月がありその1ヵ月は断食です。ただ、1ヵ月間全く何も食べないというわけではなく、日の出前の夜明け前から日没までの間は、飲み食いをしてはいけないというものです。エジプトに行った時の現地のガイドさんが言っていましたが、断食の期間はむしろ体重が増えるなんてこともあるようです。どういうことかと言うと、日中は飲み食いを我慢するのでその分夜にたくさん食べてしまい、それも盛大にお祭り気分で飲み食いすることもあるとのことで、自分のこれまで持っていた断食のイメージとかなりかけ離れていました。また、全てのイスラム教徒が断食をするわけではなく、子供や妊婦さんは断食をする必要がないそうです。

5つ目の巡礼は、前述のメッカへの巡礼。本当は毎年一回はメッカへの巡礼が望ましいのですが、せめて一生に一度はメッカに行くことが望ましいとされているようです。


■ユダヤ教・キリスト教・イスラム教は密接に関わる

これは、今まであまり知らなかったのですが、この3つの宗教は密接に関わっており、複数の共通点が存在します。ユダヤ教とキリスト教については知っていましたが、イスラム教がそれぞれと関係しているとは知りませんでした(正確には習ったはずだけれども忘れていた)。簡単に整理すると下表のようになります(表1)。


中段のモーゼ、イエス、ムハンマドはイスラム教では全て「預言者」です。預言者とは、神の言葉を預かる者という意味。ただし、イスラム教にとっては同列ではなくムハンマドが最後の預言者としています。モーゼを通じて神の言葉を伝えたのがユダヤ人は正しく守ろうとはしなかった、イエスに神の言葉を託したがキリスト教徒も正しく守っていない、そこで、ムハンマドを最後の預言者と決め、人間たちが守るべきことを最後の言葉として伝えたということになっているようです。とはいえ、イスラム教の考えでは、モーゼもイエスも神の言葉を預かっている存在には違いないので「預言者」なのです。

では神の言葉を信者はどうやって知るのか。イスラム教徒にとっては、ムハンマドが聞いた神の言葉を書き記したコーランを読みあげることで、人々は神の言葉を知ることができます。なお、イスラム教徒にとっては、キリスト教の「旧約新書」も「新約聖書」も聖書であり、神の言葉であると信じています。ただ、前述のようにムハンマドが伝えたコーランこそが本当の言葉であり、故に、コーランを読めば良いという考え方のようです。

キリスト教やユダヤ教の聖書も、イスラム教徒にとっては聖書であるというのは知りませんでした。実際にコーランの中には、ユダヤ教徒もキリスト教徒も同じ神の言葉を信じている民であるという表現があるようです(これを「啓典の民」と言う)。


■様々な考え方を知ること

今回、エジプトというイスラム圏への旅行、関連する本や複数のサイトなどを通じて、イスラム教の考え方やユダヤ教やキリスト教との関連を知りました。

多くの日本人にとって、宗教は日常の生活においてはあまり意識するものではない存在です。むしろ宗教そのものよりも、それにもとづくイベントのほうが生活に根付いています。例えば、12月は日本中がクリスマスの雰囲気になりますが、1ヵ月もしないうちに年が明けると多くの人は初詣に神社へ訪れます。あるいは、七五三は神社、結婚式は教会、お葬式はお寺で行われたりします。そんな日本人の1人として、各宗教の考え方は時に実感が伴わないものの、最低限とはいえ様々な考え方を知ることができました。ついおろそかになりがちですが、物事を考える際には複眼的な視点で捉えることはとても大事だなと、あらためて考えさせられました。


※参考情報

世界人口 (Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%BA%BA%E5%8F%A3

イスラム教 (Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E6%95%99

その他複数の関連サイト


2010/10/04

エジプト旅行記②

エジプト旅行記のつづきです。


ポンペイの柱(左)/ ホルス神(中央)/ ラムセスⅡ世(左)


■カイロ

成田からカイロまでの直行便で行ったので、日本を離れてまず足を踏み入れたのがカイロでした。カイロはエジプトの首都で人口約1600万人(2006年)でエジプト最大の都市。ただ、最も強く印象に残っているのは町のいたるところにあったゴミと絶え間なく鳴る自動車のクラクションです。ゴミはほんとに道路や家々のまわりのいたるところに捨ててある感じ。あまりに不思議だったので現地ガイドに聞いてみると、ごみ収集をしてもらうために捨ててあるとのことですが、それにしてもゴミだらけ。そして空気もたぶん相当悪い。カイロでは基本マスクをつけてました。

 
カイロ市内の様子


■交通事情  (特にカイロ)

前述のように、カイロでは車のクラクションが常に鳴っていました。始めはうるさくて仕方なかったものの、人間慣れるものですぐに気にならなくはなったのですが。となると、現地の人はクラクションにどれだけアラームを感じているのかちょっと不思議。なぜこれほどクラクションが鳴っているかと思って観察していると、理由はたぶん3つ。1つは交通マナー。比較対象が日本なので、どうしてもマナーが気になります。よく車がぶつからないなと思うほど。


■信号・横断歩道

2つ目の理由は、信号。そもそもカイロの道路には信号がほとんどなかったです。交差点には交通整理の警官が必ずいて、一日中交通整理をしているらしいです。すごい人件費かかってるなと思ったのですが、それがエジプトでは普通というから驚き。

3つ目の理由は歩行者。エジプト人は横断歩道がないところでも平気で道路を渡る。これもそもそもとして横断歩道をほとんど見かけないことが要因でしょう。しかしそれにしても堂々と渡る歩行者。よく車に引かれないなと見てるこっちが怖いほどでした。でも、よくよく見ると、歩行者もドライバーもある意味慣れているようで、あえて俯瞰してみると、車と歩行者が道路上で共存している感じ。


■バス

現地で最も多く利用したのが観光バスでした。一度、アスワン-アブ・シンベル間の約280kmの移動があったのですが、砂漠の中の高速道路(?)の道中は、テロ対策ということで車内に警官が乗り込みました。一方帰りは、観光バスが複数台まとまって移動するというコンボイで。これもテロ対策ので、エジプト政府からの要請のようです。

エジプトは観光産業は重要な収入源とのことで、テロには神経をとがらせている印象でした。帰国後調べてみると、世界旅行産業会議(WTTC)によれば、2007年のエジプトの観光収入は約214億ドル。エジプト経済全体における観光産業の影響力は、GDPの16%を占め、総雇用人口の14%が従事しているみたいです。


■列車・寝台列車

バス以外にも、飛行機や列車・寝台列車に乗る機会がありました。列車の乗り心地は思ったほど悪くはなかったものの、特に寝台列車の時間間隔は相当にゆるい感じでした。もともと、寝台列車のカイロ到着時間が朝の5:30と聞かされていたのですが、5:30を過ぎても到着する気配がなく、車掌さんに聞いてみると、6:00頃になりそうだとのこと。ちなみに別の車掌さんは6:30じゃないかと言ってました。で、結局到着時刻は6:15くらいで、二人とも正解(?)みたいなアバウトさ。これが日本なら、6:17とかにきっちり到着し、6:30になろうものなら、「到着が遅れ申し訳ありません」とかなる。色々と考えさせられる列車での旅でした。ちなみに、寝台列車は日本人は一等車を利用できたのですが、それでも二畳くらいのスペースしかなくこれはこれで貴重な経験でした。


■その他乗り物

個人の移動手段でエジプトで目立ったのは車でしたが、それ以外だとロバが多かったです。バイクとか自転車よりも多い印象。ロバは移動用だったり、荷物を運ばせたり、農業用だったり。かなりマルチな感じでした。


■イスラム教

イスラム圏の国に訪れたは今回が初めてだったのですが、キリスト圏とはまた異なる文化でした。もちろん観光をしてそこから表面的にしか見ていないので、それだけの感想しかないのですが。イスラム教の決まりでは、アルコールは飲むの禁止、婚前交渉禁止、女の人は家族以外には肌等の露出は極力禁止、など、やってはいけないことがあります。ただ、色々と話を聞いていると、決まりとはいえ守らないと罰せられるとかはないみたいで、人によってはお酒を飲む人もいるとのことで、(一部ですが)アバウトな感じもあり、もっと規律が厳しいと思っていたので意外でした。

イスラム教については、そういえば高校とかの世界史レベルでしか知識がなく、それよりもTVやネット等で報道される内容に影響され、本当のところを知らないことに気づきました。最低限のことは知っておいたほうがよさそうなので、少し勉強してみようと思います。


※参考情報

エジプト基本情報 (統計資料) エジプト大使館
http://www.egypt.or.jp/basic/statiscs.html

2010/10/03

エジプト旅行記①

先月、一週間の休みをとりエジプトに行ってきました。

 
スフィンクス(左) / カフラー王のピラミッド(右)

日本とは、文化・歴史・習慣・人種・気候など全くの異世界でした。現地で思ったことや感じたこと、考えたことを備忘録として記しておきます。


■エジプトの人々

あくまで旅行中に出会った・見かけた人たちだけですが、彼らの特徴はとても人懐っこいこと。目が合うだけで笑顔を向けてくれるだけではなく、手を振ったり、「Welcome to Egypt」などと声をかけてくる。また、「Japanese?」と聞かれ、そうだと答えると「コンニチハ」とあいさつをしてくる。子供たちも同様で、とても愛くるしい笑顔をくれる。ちなみに、向こうがよく使ってきた日本語は、コンニチハ・サヨナラ・センエン(1000円)・ヤスイ・ヤマモトヤマが多かったです。

一方で、バスの窓から見ていて印象に残ったのは、カフェや町中で座っているエジプト人。彼らはタバコを吸っているくらいで、特に話をするわけではなくただ座っているだけの人たちが多かった。現地ガイドに聞いてみたところ、仕事の休憩としてカフェなどに来ているとのことだったけど、それにしてもただ座っているだけの人が多いなという印象だった。


■物売り

どこの遺跡に行っても必ずと言っていいほど出入口やバスの駐車場にいた物売り。売っているのは観光客相手の土産物で、見かけたものだけでも、ツタンカーメンとかファラオやピラミッドなどの置物、アクセサリー、キーホルダー、Tシャツ、スカーフ、帽子、カレンダー、パピルスの絵やしおり、ラクダのぬいぐるみ、定規(?)、マグネット、ガラス細工などなど。売り方の特徴はおもしろくて、一番多かったのは「1dollar」と連呼してくる物売り。あまりに「1ダラー」ばかり言ってくるので、途中からはワンダラワンダラ・・という呪文にしか聞こえなかったり。それ以外には、ヤスイヨ・Noタカイ・センエンがよく使われている印象。

こちらが買う気がないとすぐに次の観光客に移るけど、ちょっとでも興味を示すとそのしつこさはすごかったです。狙った獲物は決して離さないというか、買わないとそのまま観光客のバスまで乗り込んでくるんじゃないかと思ったほど。ガイドさん曰く、ほとんどが偽物とのことだったので一個も買わなかったけど、どんなものを実際に売っているのかちょっと手に取ってみたかったのが今更ながらの心残り。


■買い物での値段交渉

特に観光客相手のお土産は、あまり定価という概念がないように感じました。というのも、交渉次第で価格は全然違ったりするから。例えば、始めは1個1000円と声をかけられます。で、こちらが「高い」と言うと、2個1000円 ⇒ 1個1000円のハンブンなどと下がっていき、最後には1ドルと破格の値段を提示してきたりします。もっとも、現地のガイドさんに聞いてみると、さすがに1ドルは安いようですが、2,3ドルくらいでも利益は出るようです。

上記は露店でのやりとり例ですが、わりとちゃんとしたお土産屋でも定価の10%オフは基本で、現地の雰囲気に慣れてくるとそこからどれだけ下げるかを、まるでゲーム感覚でやりとりするのがとてもおもしろかったりする。最終的には下がるのは数百円の世界だけど、現地の人とのコミュニケーションが旅行の楽しさの1つだと思っています。最後はお互いおもしろかったということで握手で終わるので、買ったモノより買うプロセスが楽しい。


つづく


2010/10/02

サウスウエスト航空の戦略と日本へのLCC

アジア最大級のLCC(ローコストキャリア)であるエアアジアXが、今年の12月9日より羽田-クアランプールを結ぶ直行便の就航を発表しました。さらに同社は就航記念キャンペーンとして、同区間を片道5000円で提供するとあり話題を呼んでいます。通常は最低でも1万5千円程度ですので、3分の1の価格です。

ちなみにローコストキャリア(格安航空会社)には明確な定義はないようですが、Wikipediaには効率化の向上によって低い運航費用を実現し、低価格かつサービスが簡素化された航空輸送サービスを提供する航空会社と書かれています。


■サウスウエスト航空の競争戦略

LCCと聞くと思い浮かぶのは、アメリカのサウスウエスト航空、とりわけ同社のとった競争戦略についてです。このあたりについては、「ストーリーとしての競争戦略」(楠木建 東洋経済新聞社)に詳しく紹介されています。

航空会社の多くは、ハブ・アンド・スポーク方式という運航路線を採用しています。この方式は、各地から飛んでくる飛行機を拠点となるハブ空港に集結させる航空路線システムで、乗客にとっては最低限の乗り換えによりハブ空港を経由して目的地に行くことができます。つまり、出発地-ハブ空港-目的地。

一方でサウスウエスト航空の特徴は、同方式ではなく「ポイント・トゥ・ポイント路線」に特化していることです。大都市のハブ空港を使わず、小都市のあまり混雑しない「二次空港」に乗り入れます。なぜ、便利なハブ空港ではなく二次空港なのでしょうか。

第一に、二次空港は規模が小さいので空港のゲート料や着陸経費がハブ空港の半分~1/3程度で済むようです。第二に、「ターン時間」。ターン時間とは、空港に着陸した飛行機が次に飛び立つまでの所要時間のことです。ハブ空港は各地から飛行機がやってくるので時としてゲートが混んでいる場合、空くのを待たなければいけません。しかし二次空港を使用することで、ゲート空き待ちの回数や時間が減りターン時間が少なくて済みます。ターン時間は、航空業界においてはコスト低減を示す重要な指標。サウスウエスト航空はターン時間が15分程度で、大手キャリアの半分~1/3なのです。第三に、他の運航路線に依存されないことです。乗客がハブ空港を経由するということは乗り継ぎが発生し、乗り継ぎを考慮したフライトスケジュールを組むことになります。ハブ空港は一つの便が遅れると、ハブにつながっている路線全体のスケジュールが乱れます。一方で二次空港への直行便であれば、前の便が何らかの理由で遅延が発生したとしてもその影響はその路線の後続便だけです。

上記ではサウスウエスト航空の特徴として、ターン時間の短さを挙げました。その要因として二次空港を使っているとしましたが、それ以外にも同社の取組みは様々なものがあります。具体的には、全席が自由席であるため乗客はいい席を取ろうと早めに搭乗しようとします。結果的に出発の遅れが少なくなります。また、パイロット・客室乗務員・地上クルーなどの横断編成であるターンチームがあります。一般的にはパイロットにはパイロットの役割がありますが、サウスウエストのターンチーム制では、手の空いている人が臨機応変に助け合います。チーム単位で業績が評価され、報酬も連動します。

ここまで、サウスウエスト航空の特徴を見てきました。全席自由席、ターンチーム制、二次空港利用などによるターン時間の短縮。これらコスト削減ゆえのローコストキャリア。もとをたどれば、「ハブ空港を利用しない」という競合他社との差異化選択、つまり戦略です。


■日本でもLCCが身近に?

冒頭で取り上げたエアアジアX以外にも中国の春秋航空など、日本にも本格的にLCCが展開されそうです。日本のキャリアもようやくLCCへの取組みが動き出した感があり、ANAは別ブランドでLCCに参入する意向を表明しています。

今後は日本からであれば、例えばアジアへは国内旅行の移動コストよりも低い料金で旅行できるようになるかもしれません。逆もまた然りで、これまで日本に行きたくても行けなかったような人たちが日本に観光に来ることも考えられます。前述のサウスウエスト航空のコンセプトは「空飛ぶバス」、その意味はこれまではバスなどの交通機関で移動をしていた人たちを飛行機に載せるという考え方で、このような人たちの潜在需要を開拓できそうです。

これまではフツーの人には飛行機は大手キャリアのエコノミークラスくらいしか選べませんでしたが、これからはさらに安いローコストキャリアも選択肢として増えていくでしょう。あとは空港や空港までのアクセスの整備など課題は多いと思いますが、将来的には(アジア圏であれば)海外旅行と国内旅行がフラットな選択肢として並ぶような可能性を期待したいです。


※参考情報
格安航空会社 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%BC%E5%AE%89%E8%88%AA%E7%A9%BA%E4%BC%9A%E7%A4%BE




follow us in feedly このエントリーをはてなブックマークに追加

Facebook Page

最新エントリー

バックナンバー

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...