2012/02/25

自分を変えた「時間配分の見直し」と「片づけ」の方法




今年の初め(2012年1月2日)に高3の時の同窓会がありました。

企画した時にせっかくなので担任の先生も呼ぼうということで実現したもので、先生と会うのは高校卒業以来でした。同窓会の締めのあいさつで先生からメッセージをもらいました。

  • 妥協することなく挑戦してほしい
  • ビジョンを持って行動してほしい
  • 自立した人になってほしい

2012/02/18

Screenwise panelから考えるGoogleの「本質」と貪欲なまでのデータ至上主義

以下のモデル図は、グーグルとユーザーの関係を簡単に表したものです。

グーグルは無料で検索やGmail、YouTubeなどの様々なサービスをユーザーに提供してくれます。その代わりにグーグルが得ているのは膨大なユーザーデータであり、それをさらなるサービスの利便性向上や、グーグルの主要ビジネスモデルであるネット広告事業に活かしています。ユーザーは利便性を享受し、グーグルも集めたデータを有効活用/マネタイズしているというウィンウィンが成立している。この集まってくる膨大なデータ(ビッグデータ)活用がグーグルの本質的な部分だと思っています。

■Googleが集める個人データの価値

そういえば、「グーグルがユーザーから集めているデータの価値は、年間1人あたり50ドル~5,000ドルの価値がある」との報道が以前にありました(参考:Who Would Pay $5,000 to Use Google? (You)|Real-Time Advice - SmartMoney)。日本円にすると4,000~400,000円(1ドル80円とした)になるわけで、これだけのお金を支払う価値があると思っているのは、主に広告主でしょう。広告主にとって価値があるのは、ユーザーデータにより自分たちのターゲットとする層に広告を出せること。上記で、グーグルは収集したデータをマネタイズしているとしましたが、本当に個人データにこれだけの価値があるとすると、グーグルはこの金額×ユーザー数だけの売上やそこから利益を広告ビジネスから得ていることになります(もちろん、データ価値分を全て売上につなげているかはわからないので、単純な計算にはならないとは思いますが)。

私たちは普段ウェブを当たり前のように使い、検索やGmailなどのグーグル提供サービスを利用しています。利用状況がデータとなり積み重なると、私たちの利用データの価値は最大40万円になるというのはなかなか信じられないかもしれません。直接グーグルから「個人データをくれてありがとう。これをお礼に」などとお金をもらっているわけじゃないですしね。

■Googleの新しい取り組み

ところが、先日のグーグル関連のニュースで実際にグーグルが直接ユーザーにお金を支払うというものがありました。
ネット閲覧を追跡させてくれたら25ドル--グーグルがギフトカードを進呈|CNET Japan
Googleが協力してくれた人に礼金を払って詳細なWeb利用実態調査を|TechCrunch Japan

グーグルが始めるのは、自分が訪問するウェブサイトと利用方法の追跡で、許可してくれたユーザーに対し、最大で年間25ドルを支払うとしています(支払われるのはAmazonギフトカードで)。グーグルによると、協力許可してくれたユーザーに支払うのは「我々なりの『ありがとう』の気持ちの伝え方」とのことです。追跡の方法はGoogle Chromeにブラウザ拡張システムをインストールし、そいつがユーザーの利用データを自動収集しグーグルに送られるもの。グーグルによれば目的は、人々がインターネットをどのように利用しているかを調査することで、製品およびサービスの向上を図るためだと述べています。

グーグルはさらに詳細なユーザーデータを集めようとしていて、専用のルーターをユーザーに配布し自宅のネット接続環境に組み込んでもらうようで、そのルーターがより詳細にネット利用状況を記録する仕組みです(Screenwise Panelと言うそう)。また、特定のサイトに訪れた人にアンケート調査をすることもあるようで、これに協力してくれた人には、謝礼として最初に100ドル、その後は毎月20ドル支払うそうです。ルーターを使うとクロームブラウザを使った追跡以上のかなりのデータが取れるんだと思います。おそらく、ウェブ利用のあらゆるデータがルーターで収集されるイメージ。もちろん、個人情報は匿名化され個人を特定しないなどの処置は取られるとは思いますが、ウェブで何を検索したか、どういうサイトに訪れたか、どんな動画を見たか、何のゲームをしたか、・・・などなど。

グーグルがユーザーに直接お金を支払ってユーザーデータを集める。これを図にすると以下のイメージです。あらためて考えると、グーグルが直接ユーザーにお金を払うパターンって、これまでなかったような気がします。


■ちょっと話が専門的になって「調査の代表性」の話

グーグルに協力すると伝え専用ルーターを自宅設置で8000円、その後は協力し続ける限り毎月1600円がもらえる。単純計算で年間に27,200円、いかがでしょうか?これってやってみてもいいかなと思いますか?

これは人により意見が分かれ、「ウェブでの利用データなんてすでに取られているわけだしそれにお金がもらえるんなら協力してもいい」と言う人と、「自分のウェブ利用履歴が取られるのはお金もらってもイヤ」と言う人がいると思います。協力してもいいと言う人には、単にお金がもらえちょっとした小遣い稼ぎになるというだけの人もいるかもしれません。

実はこれって結構大事なポイントだったりします。クロームからにしても、専用ルーターからにしてもグーグルが集めるデータが何に使われるかの具体的な目的はグーグルに聞いてみないとわかりませんが、いずれにせよ一定規模の人たちからデータを集めないと、あまり有効に活用できないのです。ちなみに専用ルーターを配布するのは2,500世帯と書かれていましたが、まずは小規模でスモールスタートし、各種課題に目処がつけば対象世帯を拡大させるのだと思います。

で、さっき大事なポイントになると言ったのは、協力する人の「偏り」がどの程度発生するか、です。具体的には、いくら多くの人から協力許可を得てもその人たちが「普通の」人ではないとすると、その人たちの集まりは一般的な人からずれることになるので、データの価値に疑問が生まれてしまいます。極端なイメージとしては、協力する人が特定のサイトばかり利用する場合(例.YouTubeの利用が普通の人よりやたらと多い)、それがあたかも世の中全般のことのように見えてしまう。そうすると、そのデータを使った意思決定をミスリードする可能性があるのです。

専門的な表現をすると「調査の代表性」と言うのですが、まあでもこれはグーグルにとっては百も承知でしょう。そもそもグーグルは今回の事例のように礼金を払わない方法で普段からユーザーの利用データは集めているわけで、そこではある程度の代表性は担保されているように思います。それ以上のデータをあえて集めたいので礼金を直接ユーザーに支払うという形をとっているので、それに対するメリット/デメリットは十分に議論されての結論なはず。

個人的には、ユーザーが自分に関するデータで直接対価がもらえるのはアリだと思っています。前提として、自分の個人データが「誰が」「何の目的で」使うかを把握した上でというのが望ましいと思いますが。これって、以前のエントリーで触れたビッグデータにおける「第三の壁」を超えた世界なんですよね。詳細は省略しますが、この流れを期待していますし、世の中はその方向に動いていくのかなと思っています。
ビッグデータに付加価値を与えた企業が次世代の覇者となる|思考の整理日記


※参考情報

Who Would Pay $5,000 to Use Google? (You)|Real-Time Advice - SmartMoney
Help Us Make Google Better||Google
Google paying users to track 100% of their Web usage via little black box|ars technica
Google Screenwise: New Program Pays You To Give Up Privacy & Surf The Web With Chrome|search engine land
ネット閲覧を追跡させてくれたら25ドル--グーグルがギフトカードを進呈|CNET Japan
Googleが協力してくれた人に礼金を払って詳細なWeb利用実態調査を|TechCrunch Japan
ビッグデータに付加価値を与えた企業が次世代の覇者となる|思考の整理日記


2012/02/11

なぜ「10分1000円」のQBハウスに人は並ぶのか

以下のイラストを見るといつも、これはよくあるなと思う1枚です。思い当たる方も多いかもしれませんが、往々にして関係者の間での理解/認識のずれというのは発生するものです。


引用:顧客が欲しいのは「タイヤのブランコ」|ベンチャー社長で技術者で

この絵の場合、顧客の言ったことに最も近い理解をしたのはプロジェクトリーダーですが、現場(アナリスト⇒プログラマー)にいくと徐々に違うものとして理解されます。また、要件定義書とかWBSなどのプロジェクト計画書類は具体的に詰め切れていないのに実行フェーズに入っていき、社内調整が難航し得られるサポートはごくわずかです。

2012/02/05

ソーシャルデザイン:自分ごとの「問いかけ」から始めるのが素敵な未来をつくっていくヒント

「ソーシャルデザイン (アイデアインク)」という本をご紹介します。


ソーシャルデザイン (アイデアインク)

朝日出版社
売り上げランキング: 283





本のサブタイトルは「社会をつくるグッドアイデア集」です。

この本はウェブメディアである greenz.jp が発信している社会をよくするアイデアがたくさん載っています。greenz(グリーンズ)の社会を自分たちでよりよくしたいというエッセンスが併せて書かれています。

■ 2匹のパンダが配るたった1枚のチラシが28万人に共有された

おもしろいアイデアや事例が多く紹介されているので、それだけを読んでも考えさせられる内容です。

アイデア集の中で印象深かった事例は、WWF(世界自然保護基金)が2011年7月にハンガリーで実施したプロモーション活動でした。

ハンガリーでは、支払う税金の 1% をチャリティ団体に寄付できる制度があるようで、WWF がハンガリーの人々に寄付を呼びかけをチラシで行なうプロモーション事例でした。

たった1枚だけのチラシ紙で、28万人以上の人にメッセージを伝えたというのです。どんなプロモーションだったかはこの動画を見てもらうとイメージがつきやすいです。


Pandas in the mall. The greenest leaflet campaign for WWF.|YouTube

1枚のチラシを配ったのはパンダの着ぐるみを来た2人組です。

ショッピングモールのエスカレーターの上と下にスタンバイします。パンダ1号がエスカレーターに乗るお客さんにチラシを渡し、エスカレーターで上るまで間にチラシを見てもらいます。

ここからが普通のチラシ配りとは違うのですが、エスカレーターの終わりでパンダ2号がチラシを回収するのです。

そのチラシを今度はエスカレーターを降りる人に渡し、パンダ1号がエスカレーターの下でチラシを回収します。

この繰り返しです。エスカレーターの上下のパンダ2人と、エスカレーターの中だけで1枚のチラシがぐるぐる回っています。

エスカレーターの昇り降りの隙間時間をうまく使っています。

エスカレータでの移動時間は、わずか数十秒くらいです。その時間に読めるくらいの情報量です。パンダの着ぐるみが配るというのもインパクトがあります。

このプロモーション活動の様子は YouTub e等のメディアでも取り上げられ、話題を呼び、結果として28万人以上の人に伝わったという事例でした(本書での少し物足りない点を挙げるとすると、これだけの人々に伝わった結果どうなったかというその後の話でした。メッセージが届いた28万人の次の行動は、寄付は増えたのかです)。

■ 自分事から始める「問いかけ」

greenz が考える「ソーシャルデザイン」とは、社会的な課題解決と新たな価値を創出する画期的な仕組みをつくることとのことです。本書では、WWF の先ほどのプロモーション事例ようなユニークな興味深いアイデアが紹介されていいます。

共通してるのは、「何とかしたい」とか「こうなればいいのに」という個人的な思いから始まっていることです。

あとから話を聞けば、多くの人が同じように抱えることでも、それを強い問題意識として捉え、その人ならではのアイデアや解決方法を考え、実行し解決していくのです。「楽しさ」も併せ持ったアイデアです。

始めは自分事として取り組んだもので、次第に共感を呼び「自分たち事」になっていたのでしょう。世の中に影響を及ぼし、社会をよりよく変えました。

問題を認識していても(もしくは問題とすら意識されないものを)、誰かがやるだろうという他人事では生まれなかったはずです。自分事や自分たち事という1人称の世界だからこそ世の中を動かしたのではないでしょうか。

本書の最後のほうで、次のことが書かれていました。

1 + 4 = ? を教えるのが日本の教育です。? + ? = 5 を教えるのが海外の教育だという話をよく聞く。

前者は与えられた問題に「正解」を考えさせ、後者は問題という「問いかけ」自体を考えさせるものです。

これは示唆に富みます。問いかけとは課題設定であり、イシューから考えること、論点を整理することです。

自分で立てた「問いかけ」に対して答えを考え実行し、その答えは必ずしも正解ではないかもしれません。あくまで個別解かもしれません。

前述の自分ごとにもつながる話で、個別解を共通解としていくこと、その出発点は問いかけから始めるという姿勢は大切です。ここは本書でも特に印象に残った内容でした。

※ 参考情報

greenz.jp
greenzこそがメディアの未来形 社会の問題を楽しく解決する「ソーシャルデザイン」(グリーンズ著)【湯川】|TechWave
Pandas in the mall. The greenest leaflet campaign for WWF.|YouTube
“1枚のリーフレットの到達力”を着ぐるみパンダが実験 ― WWFの面白キャンペーン|Markezine


ソーシャルデザイン (アイデアインク)

朝日出版社
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2012/02/04

マーケティング脳を鍛えるバリュープロポジションという考え方

マーケティングの活動を図にすると、大まかには以下のような流れになると思っています。


そしてマーケティングで目指すところは、顧客が欲しいもの(価値)を提供し喜んでもらうこと、かつ自社の売上と利益が上がるという、顧客と企業の両方を満足が両立するような好循環を築くことだと理解しています。

■本当の顧客中心主義とは

このようにマーケティングにとって顧客中心主義は大切な視点ですが、顧客中心主義をあらためて考えさせられたのが「100円のコーラを1000円で売る方法」(永井孝尚 中経出版)という本でした。著者の本書での問題意識は次の通りです。

「顧客が言うことは何でも引き受ける」という日本人の勤勉さは高度成長期を通じて無類の強さを発揮しました。しかし、それは同時に過当競争を生み出し、差別化ポイントを失わせ、「高品質ななのに低収益というアイロニカルな矛盾を生み出しています。
本書のテーマ――顧客中心主義とは、「顧客に振り回される」のではなく、「顧客の課題に対して、自社ならではの価値を徹底的に考え、提供する」ということなのです。(あとがきより抜粋)

本書は小説のようなストーリーで、マーケティングの基本的な考え方がわかるようなつくりになっています。「もしドラ」のマーケティング版と表現するとイメージがつきやすいかもしれませんが、主人公の久美は物語当初、顧客の言うことは絶対という考えからお客さんから言われたあらゆる要望/不満を全て盛り込んだ新商品企画を出します。しかし上司の与田には全く受け入れられず(与田はマーケティングの考え方を久美に伝授するという設定。もしドラで言うと「マネジメント」が担っていた役割)、ターゲットとなる顧客は誰なのか、ターゲットのどんな問題を解決するのか、本当のところはどんな価値を提供すると喜ばれるかなどを考えるようになり、新商品企画を修正し、最後は新しい市場を開拓するというストーリーです。

本書ではカスタマーマイオピアという言葉が出てきます。マイオピア(myopia)とは近視眼的/短絡的なことという意味ですが、これは久美の顧客要望を表面的にとらえ、顧客が抱えている本当の課題とそれに対してどんな価値を提供できるのかを考えていない状況に対して使われたもの。長期的に見るとお客さんが離れていってしまう状態です。

■バリュープロポジションという考え方

「顧客の課題に対して、自社ならではの価値を徹底的に考え、提供する」ためにはどんな視点が有効なのか。本書では図のようなバリュープロポジションという考え方が提示されています。バリュープロポジションとは、
1.顧客が望んでいる価値
2.競合他社が提供できない価値
3.自社が提供できる価値
の3つを満たすもの。つまり、競合ができなくて自社にできるという差別化された価値で、それが顧客が本当に望んでいる価値を提供するという考え方です。

引用:書籍「100円のコーラを1000円で売る方法」(永井孝尚 中経出版)

先ほどのカスタマーマイオピアとは、一見すると顧客が望んでいる価値の円の中に入るように思うが、実は長い目で見ると外側にあるものしか見えていない状態です。いかに上記の3つを満たすものを見出し、実行し、顧客に価値を届けて喜んでもらうか。

この円で考えた時に、中央の領域(顧客が望んでいる×競合他社が提供できる×自社が提供できる価値)は過当競争が起きます。ゆくゆくはコモディティ化となり価格競争になる。結局は売れない/売っても利益が出ない、という状態になってしまいます。あるいは、自社が(他社も)提供できるが、顧客が望んでいない(顧客が望んでいる価値の外側)過剰に高品質/高機能などを盛り込んでしまうというのも、手元にあるボタンの多すぎるTVリモコンなどを見ているとついつい思ってしまいます。

■キシリトールガムが創り出した歯医者さんの新しいビジネスモデル

バリュープロポジションの例として本書で紹介されていたのがキシリトールガムの事例でした。これはご存知の方も多いかもしれませんが、キシリトールガムはそれまでになかった「虫歯を予防するガム」という新しい市場を創りだしました。それまでのガムが提供していた価値は、味・香り・眠気防止などでした(そういえば歯磨き効果を謳うガムもあったような)。

キシリトールガムを普及させるやり方がうまいと思ったのは、歯医者さんを巻き込んでプロモーションをかけていった点です。プロモを成功させるカギは歯医者さんの賛同を得ることと考えたようですが、当初はうまくいきませんでした。なぜなら、ガムで虫歯予防をされてしまうと虫歯治療をする歯医者さんの仕事が減ってしまうと思われたからです。儲からなくなることへの拒否反応が起こった。そこで発想を変え、「歯医者の仕事は虫歯予防」というという新しい考え方で提案したのでした。この考えはキシリトールで虫歯を予防するというコンセプトにもうまく一致します。歯医者さんとしても、治療者ではなく予防したい顧客という新しい層を取り込める。歯医者さんとのWin-Winの実現を目指したのでした。提供する価値として目指したのは虫歯予防をすることで、本来の健康的な歯を維持するという考え方だったのでしょう。これがキシリトールガムのバリュープロポジションでした。

■最後に本書の所感を少し

本書は小説仕立てなのでさらっと気軽に読めてしまうものです。ただ、新商品のコンセプト(どんなターゲットにどんな自社にしかできないどんな価値を提供するか)が決まるまでにページ数を使い、その後の新商品開発の進め方や売っていく実行プロセスはかなり省略されていると感じました。実行フェーズでは、キャズムを超えるためにイノベーターやアーリーアダプター気質な顧客に集中することで事例をつくり、一定普及した後にその他80%の顧客に展開するというものくらいで、ここはもう少し内容があってもよかったです。

もう1つ、本書について思ったのはタイトルでもある「100円のコーラを1000円で売る」について。意味するところはいかに価値を上げるかだと思いますし、実際に本書で紹介されていたのはリッツカールトンのルームサービスで提供される1035円のコーラという話でした。具体的には部屋から電話で注文をすると、ちょうどよい冷え具合の温度に冷やされライムと氷が入ったコーラがグラスで運ばれてきたというもの。中身はコーラですが、サービスという目に見えない価値をつけることでトータルの「体験」を考えると与田は安いと感じた、というストーリーです。

あまり指摘されていなかったのは、リッツカールトンで1000円のコーラを売るやりかたは、ディスカウント店などで売るよりもそれ相応のコストがかかっていること。人件費だったり材料費などで、価格を1000円にしてもそこにどれだけの利益があるかという視点です。思うに、安いディスカウント店で1本当たり58円でコーラが売っていても、その裏で大量仕入れなどでコストが圧縮されており売って利益が出るようであれば良いわけで。タイトルだけを見ると1000円でコーラを売ることが正しいとも取れてしまいますが、100円でコーラを買うニーズがあり、そこに自社の利益があるのであれば、それはそれで顧客と企業の両方の満足が両立しているはず。「100円のコーラを1000円で売る方法」というタイトルは、本書で言いたいことの具体例の1つでしかないので、そこはちょっと違うかなと思いました。

100円のコーラを1000円で売る方法
永井 孝尚
中経出版
売り上げランキング: 305

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