2013/03/31

会議を充実させるために大切にしている3つのこだわり

プロジェクトマネジメントをやっていて、こだわりたいと思っているのが「会議」です。

会議は、プロジェクトを前に進めるために欠かせないものであり、プロジェクトの成否のカギを握ると言っても言い過ぎではないです。

会議というのは、関係者で集まり何か特定の話題について話し合う場です。直接に顔を合わせることでメールや電話ではできないようなコミュニケーションが可能になります。

情報の共有、議論・アイデア出し、何かを決める、など、会議をうまく使うことができればプロジェクトはスムーズに進みます。しかし、有効に活用できなければ、会議の時間をムダにしただけではなく、プロジェクトの進捗自体にも影響しかねません。

今回のエントリーでは、会議について大切だと思っていることを書いておきます。

■ その会議はコストをかける価値を生み出しているか?

会議を考えるにあたり、前提として持っておきたい認識が2つあります。

2013/03/30

「はじめてのコモンズ」セミナー:参加目的と学び

前回のエントリーでは、コモンズ投信が主催する「はじめてのコモンズ」参加し、セミナー概要について書きました。

今回のエントリーはその続きで、セミナーに参加し考えたことを中心に書いています。前回は客観的なセミナー内容、今回は主観が主です。

■「はじめてのコモンズ」セミナー参加の目的

そもそもの今回の参加目的から。以前のエントリーでも書いたように、資産運用をするにあたり配分(アセットアロケーション)は次のように設定しています。
参考:今年こそ資産運用:本気で取り組みたいので戦略的に考えてみた|思考の整理日記
  • 現金/預金:15%
  • 日本株式:30%
  • 外国株式:30%
  • 外国債券:25%
コモンズ投信の投資信託商品である「コモンズ30」は国内30銘柄で構成されるので、コモンズ30に期待するのは、日本株30%の中に組み込むこと。なので、今回の参加目的は話を直接聞いて、組み込み判断をするためです。他の目的として資産運用・投資の勉強もありました。

投資信託という商品の中身は目論見書を読めば一見わかったような気になりますが、実は具体的な中身はよくわからないように思っています。投資方針や考え方、リスク等の説明はありますが、実際にどこにどうやって投資しているかの情報は、開示資料だけだとあまり見えてこない印象です。わかった気がするけど、どうもモヤモヤする感じ。

これって、「投資する自分のお金の行き先がよくわからない」ということ。結局のところ、自分は何に投資しているのかが把握できていない。大切な自分のお金だからこそ、投資したお金が何に使われているのかを知りたいんですよね。もう少し言うと、投資したお金に期待するリターンの源泉は何なのかということ。このあたりが、投資信託についての表面理解ではなく中身もちゃんと知りたい理由です。

なので、セミナーに参加し、コモンズ投信のトップである伊井社長から直接聞いてみたかったわけです。投資に対する考え方やファンド哲学、銘柄選定プロセス、選定された銘柄に何を期待しているのか、など。

このあたりは、やはり実際に話を聞いてみた意味はあったと思っています。

■アクティブ投資信託という選択

日本株への投資はTOPIXや日経平均に連動するインデックスではなく、アクティブ運用がいいと考えています。これはセミナーで伊井社長も話していたように、日本はすでに低成長時代に入っているため、TOPIXなどの市場インデックスはパフォーマンスは高くないと理解しています。市場全体に投資し、利益を得るのが難しくなっている。

なので、個別の優良企業を選ぶことになりますが、自分でどの銘柄が良いかを判断するのはとても難しいと思っています。自分はそういうプロではないし、そもそもそんな時間はない。代替案として、プロに任せることだと思っていて、それがアクティブ投資信託。投資する銘柄選択をアウトソースするイメージです。

重要になるのが、自分の投資先を選ぶことを託していいかを自分の頭で判断すること。そのためにさっき書いたようにセミナーに参加したわけです。

投資信託のメリットは、少額から積立てられる点。自分の資産運用の考え方は30年くらい継続できる仕組みにしたく、自動積立で手間(つまり時間)がかからないのが魅力です。

積立で投資をすることで、投資タイミングを分散させる「時間分散」もできます。時間分散は伊井社長も強調していました。というのも、世界的な金融緩和により株価などの振幅が以前よりも大きくなっていて(しかも世界中で動きが連動している)、国/地域の分散以上に時間分散でリスクを抑える考え方が大事になるからです。購入手数料が無い投信であれば、何回にも分けて買ってもコストを少なくして買えます。

■「日本株の投資≠日本経済への投資」という考え方

セミナーでの収穫の1つがこの考え方です:日本株の投資は、必ずしも日本経済への投資にあたらない。

グローバル化が進むことで、海外に進出する企業は世界中で収益を上げています。日本企業も例外ではなく、海外売上高が国内を上回ったり、大半を国外で稼いでいる企業も存在します。見方を変えると、それらの企業への投資は、海外の成長(と外国でのその企業の成長)によるリターンが投資期待になります。つまり、投資先は国内企業であっても、実質は海外に投資をしているという構図。

セミナーでの伊井社長のコメントとして「日本株、中国株というくくりはあまり意味がなくなってきているのではないか」、と。納得感のある説明として、新興国の成長から利益を得る場合には2つあって、
  • 新興国の企業に投資する
  • 新興国に進出している先進国企業(外資)に投資
前者の新興国の企業自体も成長はしているが、投資先として成熟していないケースもあり、であれば後者への投資で成長を取り込むのが有効ではないか、とのこと。

「日本株の投資≠日本経済への投資」という考え方の意味するところで、海外売上比率の高い企業への投資は世界に投資していると考えることもできるのです。

この考え方は目から鱗というか、あらためて気付かされた視点でした。

日本企業への投資=日本経済への投資と表面だけを捉えるのではなく、結局自分は何に投資しているのかを考えること。その企業の本業は何で、どこで稼いでいているのか。結果、投資リターンの本質的な源泉はどこにあるのか。

そう考える重要性を教えてもらったと理解しました。

とすると、上記の資産配分である、日本株:30%・外国株:30%の区分けも、形式的なものにすぎなくなるので、今後は少し変えることになるかも。


※参考情報
コモンズ投信の「はじめてのコモンズ」セミナーに参加してきました|思考の整理日記
今年こそ資産運用:本気で取り組みたいので戦略的に考えてみた|思考の整理日記


2013/03/29

コモンズ投信の「はじめてのコモンズ」セミナーに参加してきました

コモンズ投信が主催する「はじめてのコモンズ」に行ってきました。

コモンズ投信の伊井社長が直接、会社概要や「コモンズ30」ファンドについて解説をしてくれるセミナーです。説明は他にも、資産運用のポイントや投資信託の選び方、保険や貯蓄についてなどかなり幅広く、投資全般について多岐に渡りました。

「はじめてのコモンズ」という名前からわかるように、セミナー対象者はコモンズに関心があったり、資産運用自体これから、という人たち。私自身も、コモンズには興味があるものの、まだ口座開設や投資はしていない状況です。

参加人数は6人で(定員10名)、会場はコモンズ投信の会議室。2時間の予定が、質疑応答も十分に取っていただき、終わってみると1時間程度の延長。伊井社長曰く「つい話しすぎてしまう」らしく、時間が延びるのは毎回のようです。

今回のエントリーでは、備忘録も兼ねてセミナーの概要をまとめておきます。客観的なセミナー内容が中心で、参加して考えたことなどの主観の部分は別のエントリーで書いています。なお、以下で書いている順番はセミナーの流れとは一部変えています。

■セミナー開始

はじめに伊井社長から出席者に簡単な質問から。質問は3つで、
  • コモンズをどこで知ったか
  • 資産運用経験
  • 今日聞きたいこと
各自の自己紹介やブリーフィングも兼ねている感じでした。

■コモンズ30について

「30銘柄(企業)を厳選し30年かけて長期投資する」スタンス。銘柄選定の考え方は、長期的に企業価値を上げている会社。30社への投資額はほぼ均等とのことでした。コモンズ30の詳細はこちら

銘柄選定プロセス:
  • 公開企業の3,600社のうち、リサーチや定量/定性分析から150社に絞る
  • 150銘柄をさらに絞込み30社を選定。イメージは150人から30人のベストなチームをつくる(全て4番バッターで構成されたかつての巨人のようにはしない)
30銘柄のうち、年間で3社程度は入れ替えをしているそうです。理由は、①自分たちが選定を見誤ったと判断した時、②社長交代などで選定基準から外れた時。

(結果的に)選定された銘柄の特徴は、海外売上高比率の高い国内大手企業が中心。世界(特にアジア)の成長を取り込める企業が選ばれている。コマツ、日産、ホンダ、日東電工、ユニ・チャームなど。コモンズ30の投資銘柄はこちら

金融業界関係者が買いたい商品がない問題意識を持っている。コモンズでは自分たちが買いたい商品をつくった。現在のコモンズ30の顧客数は3,000名で、そのうち積立比率は70%と業界最高水準。

■投資について

伊井社長からのアドバイスとして、「金融商品は旬のものは買わないほうがよい」。正確に言うと、人気のあるものを人気のある時に買わないこと(例:W杯や五輪で注目されたブラジル)。理由は、旬なものはその時点ですでに高値になっているケースが多いから。

世の中には旬な情報が溢れ目につきやすい。例えば、マネー雑誌、ネット、大手金融機関の情報はその時の旬なものを取り上げる傾向がある。短期的な雑誌売上やアクセス数を目的としているため。情報は鵜呑みにしない姿勢で、自分の頭で考えることが大切。

投資には2つのハードルがある:
  • 良い商品をどう選ぶか(投資対象)
  • 投資タイミング
投資タイミングのほうが圧倒的に難しいとのこと。投資のプロでもタイミングだけの勝負だけで勝ち続けるのは厳しく、ましてや一般人には困難。よって、時間分散の考え方・実践がポイントに。

投資の3つの原則は、①長期投資、②複利運用、③分散投資。特に個人投資家にはこの3つは大事であると考えているとのお話でした。

哲学として、「分からないものには投資をしない」。ただし、分からないことを理解した上での投資は可。大事なのは、利益を出す本質的な源泉はどこにあるかを把握すること。投資のリスクは価格変動よりも不透明性にある。

資産を増やすためには3つしかない:
  • 所得を増やす。自分への投資が必要
  • 支出を減らす。保険やローンの見直しがポイント。「保険はブラックボックス満載の商品」
  • お金にも働いてもらう
3点目のお金に働いてもらうは、ストックとフローの資産の両方を回すことが大切で、
  • ストック:預金などすでに余っている資産も時間分散を行う
  • フロー:毎月の余裕分も積立等で投資へ

■分散投資の考え方

世界的な金融緩和により株価などの振幅が以前よりも大きくなっている。それも、世界中で動きが連動している。よって、国/地域の分散以上に、「時間分散」の考え方が大事に。投資の方法としては、一定額を積立していくドルコスト法が有効。

ドルコスト法では、安い時にたくさん買え、高い時に少し買うことになり、結果的にうまく買える。毎月一定を積み立てるドルコスト法はプロにはなかなかできず、個人投資家の強み。時間を味方につけられる。

ただし、ドルコスト法は買うという「入口戦略」としては良いが、売り時の「出口戦略」は自分で考える必要がある。例えば、老後資金のために積立てている場合、65歳で換金することが決まっていれば、2-3年前から少しずつ解約していくとよい。一度に全て現金化するのはリスク。

積立のメリットは、(買うタイミングを決めるなどの)時間をかけずに続けられること。続けることが大事。上級者は、相場が悪い時は積立額を増やし、良い相場では減らすという調整はあり。

■日本株の投資≠日本経済への投資

グローバル化で、企業への投資が必ずしもその国の経済への投資ではなくなっている。伊井社長のコメントとして「日本株、中国株というくくりはあまり意味がなくなってきているのではないか」。海外売上高が大きい企業への投資は、海外への投資とも言える。

例えばダウ30銘柄のうち、16社は海外で儲けている企業。この間、ダウが史上最高値を更新したが、アメリカ国内の景気がいいというよりも、海外の成長を取り込んでいる企業の株価上昇と見ることもできる。

新興国の成長から利益を得る場合、以下の2つがある。
  • 新興国の企業に投資する
  • 新興国に進出している先進国企業(外資)に投資
後者で成長を取り込むのが有効ではないか。

■先進国への投資

先進国は低成長時代に入っている。TOPIXなどの市場インデックスはパフォーマンスは高くない。市場全体に投資し、利益を得るのが難しくなっている。よって、個別の優良企業を選ぶことが必要。

日本も同じ状況で(むしろこの傾向強い)、アジアなど世界の成長を取り込める一部の企業をどう選び投資するかがカギ。日本株は長期集中投資がキーワードではないか。

■今の金融業界の話

個人金融資産は約1,500兆円。大部分がシニアに偏っているのが現状(60歳以上で60%、50歳以上で80%)。一方の20-40代の現役世代は「歴史的にお金がない」状態。現役世代の1/4世帯で貯蓄なし。以前は数%程度だった。

結果、大手銀行や証券会社の金融機関はシニア層相手のビジネスをしている。シニア向けに資産運用のアドバイス。定期から投資信託商品を売っている。

■資産運用と資産形成

すでに資産を多く持っているシニア世代は「資産運用」、資産が少ない現役世代はこれから「資産形成」。資産運用は短期、形成は長期と時間軸の違いがある。

大手金融機関が資産運用向けのサービスを展開しているのに対して、直販やネット証券、ネットバンクの商品は資産形成に適している。アドバイスとしては、選ぶ金融機関を間違えないこと。

★  ★  ★

以上は、セミナー内容の客観的な概要です。参加して考えたことなどの主観のエントリーはこちらです。(「はじめてのコモンズ」セミナー:参加目的と学び|思考の整理日記


2013/03/24

どれだけタフな交渉でも大切にしたい5つの原則

今の仕事は、あるプロジェクトのマネジメントをしています。この役割になった当初、痛感したのがもっと交渉力をつけないと、ということでした。

プロジェクトを管理するにあたり、社内外の関係者との調整はプロジェクト全体の進捗にも関係します。うまく合意できればスケジュール通りに進み、予算も想定通りでいけます。調整ができないと、スケジュールにひびくだけではなく、プロジェクトそのものにも影響することもあります。

そのために大事だとあらためて感じたのが交渉でした。こちらが考えていることをどう伝えるか、相手の言い分を理解しどこまで組み込むか。

表面的な交渉スキルではなく、そもそもの交渉とは何かから本格的に学ぼうと思ったのをきっかけに、交渉に関する本を何冊か読んでみました。ハーバード流交渉術などの古典的なものから、弁護士等の交渉のプロが書いた本まで、それなりに網羅的に読めたと思っています。今回のエントリーでは、交渉において原則としたい考え方を整理しています。

自分の中で、交渉の原則として大切にしたいポイントは次の5つです。
  • 交渉で大切なのは良い人間関係を築けるか。どれだけ相手とWin-Win・相互満足を目指せるか
  • 交渉相手を尊重し、相手の立場で考える
  • 人と問題を分ける。フォーカスするのは問題点とお互いの利害
  • 自分の感情をコントロールすること
  • 交渉は準備が8割

1.交渉で大切なのは良い人間関係を築けるか。どれだけ相手とWin-Win・相互満足を目指せるか

交渉は相手があってのものです。

複数の交渉に関連する本や実際の仕事を通じて思うのは、交渉相手との協力が不可欠であるということ。「交渉相手=敵」と位置づけるのではなく、あくまで「問題解決のパートナー」とみなす。お互いの立場は正反対でも、交渉を通じてどれだけ良い人間関係が築けるか、信頼し合えるか。この意識がまずは重要だと思います。

交渉では相手がいるということは、目指すべきはどれだけWin-Winが満たせるか。相互満足をいかに高めるかです。

こちらだけの要求が満たされ、相手の要望は叶わないような交渉および結果は、自分サイドだけを見れば成功かもしれませんが、相手と自分の両方で考えると交渉成功とは言えない。あくまでお互いの満足をいかに最大化できるかを目指す。

そのためのベースになるのが信頼に基づく交渉相手との人間関係だと思っています。交渉の本質は人間関係と言ってもいいくらい、交渉プロセスを通じて信頼関係を築いていく。

2.交渉相手を尊重し、相手の立場で考える

交渉でいかに信頼関係を築くか、相手との良い人間関係をつくれるか。そのために大切だと思っているのが交渉相手を尊重することです。お互いに異なる立場、利害を持っているので、交渉では時に相手への不満や納得できないケースも起こります。それでも相手をリスペクトする気持ちだけは忘れないようにする。

尊重するためには、相手の立場でどれだけ考えられるかがポイントになります。どういう立場で交渉に臨んでいるのか、利害は何か。相手の動機。なるべく向こうの立場を具体的に想像すること。

そのためにも相手の言い分や要求はしっかりと聴く姿勢が重要です。スタンスとして、こちらが話すよりも傾聴する・質問をするほうにウェイトを置いたほうがいい。経験からもそう思います。場合によっては向こうの要求は合理的でないと思っても、まずは聴く。とにかく聞く。そして言い分や相手のことを理解しようとする。納得する必要は必ずしもないですが、相手に理解していることを示すことが大事。

聴く姿勢から入ることで、相手の情報を引き出す効果もあります。要求の背景や理由も見えてくるし、話を聞くこと自体で相手に満足してもらうことにもつながると思っています。

リスペクトする気持ちを忘れず、相手の立場で考える、話を聴いて質問を投げかける。コミュニケーションを通じて信頼関係を少しずつ築いていく。一見遠回りかもしれませんが、こうした人間関係が交渉を通じてつくれるかが、結局は満足のいく交渉結果につながると思っています。

3.人と問題を分ける。フォーカスするのは問題点とお互いの利害

交渉において解決しなければいけないのは「問題」です。ついやってしまいがちなのが、問題ではなく相手を攻めてしまうこと。そうではなく、交渉相手と一緒に問題にフォーカスし、解決すべきお互いの共通の問題と位置づけるようにします。問題に対しては厳しい姿勢を取るのに対し、交渉相手には礼儀も含めて丁寧に対応する。

問題について、相手と共通点は何か・相違点はどこにあるのか。問題や利害への相違点については相手と話し、お互いの認識を確認すること。その際に相手の言い分にも耳を傾け、真摯に受け止める、理解を示すことの重要性はさっき書いた通りです。

問題について厳しい姿勢を取るということは、こちらも主張すべきことはきっちりと言うべきです。意見や考えは言わないと伝わらないし、どんなに気まずい雰囲気だろうが伝えるべきことはしっかりと言う。あくまで問題を解決するため、解決できるという前向きな姿勢で臨むことが大切です。

4.自分の感情をコントロールすること

言うが易し行うが難しなのが、交渉中の自分のコントロール。いかに感情や態度を自分で管理できるかです。

交渉とは信頼・良い人間関係を築くこと、相手を尊重する、話を聞いて理解する。これはわかっていても、実際の交渉の場では頭に血が登ることもあるし、利害や意見の隔たりが大きい時は、投げ出したくなることさえあります。その時に、立ち止まって、もしくは一歩下がって、冷静な自分を取り戻せるかどうか。一時の感情に流されずに理性を保てるか。こうした人間力も問われるのが交渉だと思っています。

自分の感情コントロールのためにどうすればよいか。まずは交渉目的に立ち返ることだと思います。交渉で何を決めようとしているのか、どんな結果が望ましいのか。

ハーバード流交渉術の本では「バルコニーに上がる」と表現されていますが、気持ちをその場から離し、あたかもバルコニーから庭を見ているように、交渉から距離を取り客観視してみるのも有効です。イメージとしては、自分が交渉している部屋や状況を、部屋全体が映るカメラで状況を眺めている感じ。その絵を自分の頭の中で思い描いていると、結構冷静になれたりします。

感情をコントロールするために、感情的な意見からは良い結果が生まれないと言い聞かせるのも大切。あとは、休憩を取ってその場から実際に離れることも有効です。トイレに行くだけでも、ちょっとコーヒーを飲むだけでも。

5.交渉は準備が8割

交渉の良し悪しは準備で決まると言ってもいいくらいです。交渉が困難であるほど準備に時間をかけるべき。交渉準備のポイントとしては、
  • 交渉の目的を明確にする
  • 獲得目標を設定する:①理想的なケース、②これ以上は譲歩できない最低ラインの設定、③理想と最低ラインの間の落とし所。落とし所は可能なら複数用意しておくとよい。何が譲れないのか、妥協点は何かを明確にすること。譲れない場合については、最悪、交渉決裂も視野に入れておく
  • 自分と相手の状況を整理:強みと弱みは何か。相手の立場、交渉で求めてくると考えられる主張・要望、相手の利害は何か
  • 代替案や他の選択肢はあるか。代替案はどのタイミングで出すか。すぐに出してもよい案、なるべく出さずに取っておくのか。多くの選択肢を用意して交渉できるとベター
  • 交渉に使える時間を確認する。いつまでに交渉を終え合意する必要があるのか。

★  ★  ★

今回のエントリーでは交渉について、これからも大切にした自分の中での原則を書いています。交渉は相手があってのことだし、当然ながらこの通りにうまくいかないケースもあります。むしろ経験上、すんなりと交渉プロセスが進むほうが少ないです。

交渉って、上司への提案・メンバーへの仕事の依頼・クライアントとの折衝など、いろんなパターンがあると思っています。いずれにも共通していることとして、交渉とは結局のところ自分の人間としての器が試されているということ。あらためて、大切にしたいと思っている交渉の原則は、
  • 交渉で大切なのは良い人間関係を築けるか。どれだけ相手とWin-Win・相互満足を目指せるか
  • 交渉相手を尊重し、相手の立場で考える
  • 人と問題を分ける。フォーカスするのは問題点とお互いの利害
  • 自分の感情をコントロールすること
  • 交渉は準備が8割
このうち、1~4までをできるようにすることは、自分の生き方や価値観が問われるし、人としての成長につながるのではと思っています。交渉については、テクニック的な話からそもそも論まで幅広いですが、これからも5つは大切にしたい考え方です。


最後に、当時、交渉を勉強するために参考にしていた本をいくつかご紹介しておきます。あまり載せすぎてもくどいので5冊ほど。












2013/03/23

父親になるということ

タイトルの通りですが、子どもが生まれることになりました(予定は9月なので「これから」です)。

子どもはずっと欲しいと思っていたので待望の第一子です。本当の父親としてのスタートは実際に生まれてからかもしれませんが、今の時点で思うことを少し書いてみます。

■親の立場になって初めて気づいた「親への思い」

「自分の子どもができた」と知った瞬間は忘れられません。その時から自分が親になるということを意識し始めました。

親の立場で見られるようになってあらためて思ったのは、自分自身の親に対する感謝でした。もちろんこれまでも、自分を産んでくれたこと、育ててくれたことへの感謝の気持ちは持っていたのですが、生まれる前のことはあまり考えていませんでした。自分の子どもができたとわかってから、まだ生まれていないその子どものことをすでに色々と考えるんですよね。どんなふうに育ってほしいとか、何を伝えたい、名前、どんなふうに考えてほしいとか、こんな生き方をしてほしい、などなど。

で、思ったのが自分の両親も自分に対しては同じように思っていたんだろうな、ということ。例えば、母親が自分を妊娠中に気をつけていたことや意識して食べていたもの・取るようにしていた栄養の話とか、父親が一所懸命に考えてつけてくれたであろう「翼」という名前、生まれる前から自分のことを色々と考えてくれた。ありがたいな、と。そんなことは今まで考えたことはなかったのですが、自分の子供ができるとわかってからは、生まれる前の段階も含めて自然に親への感謝の気持ちをあらためて持つようになりました。

親の立場を実感するようになって、「自分の親の自分に対する気持ち」を少しリアルに感じることができた。そこから生まれた感謝の思い。この気持ちはどこかで親に伝えたいです。ちょっと今さらなので恥ずかしいとも思うのですが、せっかくの機会だし、今度実家に帰った時にでもそれとなく伝えてみようかなと思っています。

■子どもが今の自分を見てかっこいいと思ってくれるか

親の自覚を持つようになって、生まれてくる子どもに対して何を伝えたいかを考えるようになりました。自分の考え方や生き方を子どもにもちゃんと知ってほしいなと思っています。そのためには自分自身のことをもう少し整理しておく必要があるんですよね。伝えたいことを明確にしておきたい。本当に伝えたいことは何か。

伝え方も2つあると思っていて、直接話すことと間接的に伝えるやり方。間接的というのは、親の背中を見て子どもはどう感じて何を受け取るのかというイメージです。話したことについて親が実際にその通りにやっているのがわかれば、正面から語ったことと背中で語ったことがリンクする。その分だけ伝わって、子供もそこから考えてくれる。そんな親子関係になれればなと。

背中で語るということは、ある意味で自分の生き方を直接の言葉以上に子どもに見せるようなもの。子どもの目って鋭く、大人のウソを簡単に見抜く力を持っていると思います。特に親を見る子どもの視線はなおさら。言っていることと実際にやっていることが違えばすぐに気づくはず。

だからこそ問われるのは、自分がやっていることを自分の子どもに嘘偽りなく見せられるか。自分の選択や行動を誇れるか。自分の子どもが今の自分を見てかっこいいと思ってくれるか。

これまで自分の中で大切にしたいと思っていたのが、自分の気持ちにウソはつかないことでした。自分の感情や気持ちを誤魔化さないようにすること。今年になって自分が父親になる意識が生まれてからは、子どもに「自分で自分にうそをついていない」とはっきり言えるかどうかも考えるようになりました。

★  ★  ★

子どもができると、自分の中で守りの気持ちが大きく出てきてしまうかもしれません。もちろん守りの意識も大切ですが、これまで以上にチャレンジする気持ちを持つようにしたいです。

生まれてくる子どもに、いつか、自分が選択したチャレンジを伝え、こういう生き方もある、リスクを取って挑戦することの大切さを伝えたいと思っています。チャレンジすることを子どもに強要することはしたくはないですが、少なくともそういう生き方があることを知ってほしいんですよね。単なる上辺だけの言葉ではなく、自分の体験談としてリアリティのある話、伝え方を子どもにしたい。

そのためにも、リスクを取って挑戦する気持ちは忘れないようにしたいと思っています。そして実際にそういう選択・行動を取る。


2013/03/20

Googleのビジネスモデルとイノベーティブであり続ける魅力

ビジネスモデルを考える上で大切な要素は「誰が顧客なのか?」を把握することです。そのビジネスモデルで誰にどんな価値を提供するのかです。

もう1つはお金の流れです。基本は顧客に提供する価値への対価としてお金を支払ってもらうことですが、全ての顧客からお金をもらわなくてもビジネスモデルは成り立ちます。どの顧客からお金をもらって、どの顧客からはお金をもらわないのかです。

誰が顧客なのか、どんな価値を提供するのか、お金の流れはどうなっているのか。この3つを考えつつ、以下の2つが成り立っているかどうかがうまいビジネスモデルを見極めるポイントです。

  • エンドユーザーや顧客に、既存のモデルより高い価値/低いコストが提供される
  • ビジネスモデルの関係プレイヤー全員にWin-Winが成立する

■ Google のビジネスモデル

Google のビジネスモデルで考えてみます。Google は大きく3つの顧客を持っています。① Google ユーザー、② 広告主、③ コンテンツ製作者。①Google ユーザーとは Google 検索だったりの Google サービスを使う一般ユーザーのことです。

この3つの顧客に Google は何を提供しているかと言うと、

  • Google ユーザーへの提供価値:検索サービスや、Gmail、Google Map、等々の便利なサービスを提供。全て無料で使える
  • 広告主への提供価値:AdWords のテキスト表示形式だけではなく、バナー広告や YouTube での動画広告など、各種のターゲティング広告。広告主は自分たちのことを知ってほしいターゲットに対して広告を表示できる価値
  • コンテンツ製作者への提供価値:コンテンツの収益化に寄与。自分のサイトやブログに AdSense を導入することで広告を表示し、成果に連動して Google からお金が支払われる

ビジネスモデルを考える時にカギになるのが、お金の流れです。誰から誰にお金が渡り、何に対して支払われるのかを見るのです。

Google のビジネスモデルの特徴としては、3つの顧客に対して、お金をもらう顧客ともらわない顧客を明確に分けている点です。

  • 広告主からはお金をもらう
  • Google ユーザーへは無料でサービスを提供
  • コンテンツ製作者へはお金を支払う(広告主からの収入の一部を渡す)

お金の流れをまとめると、Google は広告主からの収益があるから、Google や検索サービスなどをユーザーに無料に提供でき、コンテンツ製作者にはお金を支払うことができるのです。

相乗効果もあって、Google ユーザーが増えるほど、広告媒体としての Google の価値は上がります。広告主やコンテンツ製作者にはそれが Google への魅力を高めます。

こうした好循環がグーグルのビジネスモデルの特徴です。3つの顧客は上記の提供価値を享受でき、結果、Win-Win が成り立っています。これが Google のプラットフォームとしての強みです。

■ Google の魅力:Think innovative

グーグルのビジネスモデルはうまく成り立っていると思います。ただし、グーグルの魅力はそれだけではなくイノベーティブであり続けようというスタンスです。

最近の例で言うと、これまでになかったものを出そうとしているのが Google Glass です。ウェアラブルコンピュターの具体化であり、すでにプロトタイプとして実物ができています。早ければ2013年中にも発売されるのではとの噂もあります。

Google Glass でどんなことができそうかのイメージが、YouTubeにありました。


Discover the Future of Frozen Foods | Marie Callender's and Healthy Choice|YouTube

Google Glass はスマホ/タブレットが主体である現在のモバイル世界の一歩先をいくものです。

スマホは大きさや重さも持ち歩くには問題はないですが、使うためには操作が必要です。ロック解除をし、画面をタップ/スクロール、タッチスクリーン上で文字入力など、指を使った操作です。

フィーチャーフォンよりも直感的な操作ができるようになったとはいえ、まだまだ各種操作が残っていて、スマホ利用シーンによってはめんどくさかったりします(満員電車ではスマホと言えども使いにくい)。

これがメガネタイプの Google Glass であれば、今の操作から解放されることが期待できます。今は音声入力がメインだと思いますが、技術が進歩すれば目の動きで操作できるようになるはずです。視線、まばたき、等の目の瞳やまぶたの動きと連動してコンピューターが動きます。

こういう未来に対して、Google は本気で実現しようと取り組んでいるところから、彼らがイノベーティブであり続けたいと思っていると感じます。

Google の強みは、こうしたイノベーティブな気概を持っているのと、それを支えるビジネスモデルです。

別の言い方をすれば、プラットフォームがあり、顧客がいて、安定的な収益がもたらされている。稼いだお金をイノベーティブな取り組み投資ができるのです。いくらイノベーティブなことをやりたいと思っていても、それができるだけの開発投資がなければ机上の話です。

変化の早い世界なので、Google のビジネスモデルといえども、未来永劫で保証されているわけではありません。革新的なことを取り組み続けられるか、それを支えるだけのお金が得られるビジネスモデルを持っておけるのか。Google ユーザーの1人として注目しています。


※参考情報
Google Glass - Home
注目しているGoogle Nowから考えるGoogleの描く未来|思考の整理日記



2013/03/17

これからは仕事で役立つことを「仕事以外」から学ぶ時代に。で、どうすれば?

ライフネット生命の出口社長が日経ビジネスのインタービュー記事で語っていたことが示唆に富む内容でした。

■仕事で役立つことを「仕事以外」から学ぶ

記事では、出口社長は「仕事以外のところから、仕事に役立つことを学ぶしかない」と語っています。ちょっと長めですが、記事からの引用です。
20世紀は、仕事に役立つことは仕事の中でだけで学べば、通用する時代でした。会社で出世もできました。それは戦後日本がゼロから高度成長期の波に乗り、右肩上がりでどんどん伸びていったからです。会社でマジメに働いてさえいればハッピーでいられたからです。

日本が国際連合に加盟した1956年からバブルの90年までの間の、日本の経済成長率は、平均で約7%です。つまり、10年で経済規模は倍になる数字です。こんなスピードでの成長を34年間続けていたのです。ある意味で、マジメに働く、というのが最大の戦略で、仕事のことは仕事で学べばいい時代だったのです。

ただし、こんな夢のような時代は、先進国で老人大国で少子化の進む今、そしてこれからの日本には2度とやってきません。少なくても私たちの生きている間はたぶんない。

何も考えずに、同質の人だけが集まる会社で仕事をしてさえいればハッピーになれた34年間は、もう終わっているのです。

じゃあ、どうすればいいのでしょうか?それは、仕事以外のところから、仕事に役立つことを学ぶしかない。言い換えれば、これまでの常識を捨てる。

■仕事以外から学ぶための3つのアイデア

この考え方は、あらためてそうだな思いました。もちろん仕事からは学ぶことはありますが、仕事以外からも学ぶこと・発見はたくさんある。

仕事以外で学ぶとは、消費者や商品/サービスのユーザーとして見ることだと思っています。仕事の視点だとどうしても提供者側の視点で世の中を見てしまいますが、逆の視点である消費者の見方も大切なこと。

じゃあ、仕事以外のところから、どうやって学ぶか。あらためて考えてみます。

1.身の回りを観察してみる

よく、「電車の中では人間観察をしてます」というのを聞きますが、人の行動などを意識して観察することは、何か新しいことを知るための第一歩だと思います。

ちょっと前に読んだ『ビジネスマンのための「行動観察」入門』という本には、あるエピソードが紹介されていました。著者が乗った電車でカップルが話をしていたそうですが、女の子は時々自分の携帯電話の画面を見ては話をしていたそうです。著者は、女の子はメールか何かを気にしているのだろうと思ったそうですが、実は携帯の画面を鏡として使っていたとのこと。彼氏と話しながらもメークや髪型の身だしなみを整えていたのです。

このエピソードで得られる示唆は、観察したことで「事実」と「解釈」を分けること、少なくとも何が事実でどこからが自分の解釈・意見なのかを意識しておく重要性です。電車のカップルの例だと、事実は女性が話しながら携帯画面を見ているまで。はじめに観察者である著者が思った「メールでも見ているのだろうか」は事実ではなく解釈。もしその解釈をあたかも事実として捉えていると、その先の実は鏡として使っていたには行き着かなかったはず。

普段から身の回りのことを単に「見る」のではなく「観察」してみる。何が事実でそれに対してどんな解釈ができるか。仕事以外から学ぶためのはじめの一歩です。

2.視点を変えてみる

意識して視点を変えてみるのも、新しい発見があり学びにつながると思っています。視点を変えるとは、例えば、見えている現状ではなく理想の姿をイメージしてみる、子どもの視点、当事者の視点、などなど。

あるべき姿という理想像から考えるのは、普段からよくやっていたります。一度現実は置いておいて、どうなったら理想的かをまずはイメージしてみます。そして理想と現実のギャップを考えて、埋めるためには何が足りないのか、どうすればよいかを考えてみる。現状をいったん外してあるべき姿から逆算する視点です。

自分と違う立場で考えてみるのも有効だと思っています。例としては、お店や何かのイベントに行った時に、もし自分が運営する側だったらどうするだろう、どんな工夫ができるだろう、などと考えてみる。当事者意識を無理やりでも持って見ること。

自分の立場から見た視点というのは、意識しないとかなり強く固定されてしまうと思っています。視点を変えてみようという意識を持つだけでも、自分のレンズは変わるはずだし、仕事以外から学ぶ(自分のレンズという常識を捨てる)ことにつながるのではないでしょうか。

3.ヒト・モノ・カネ・情報の流れを考える

最後の3つ目はちょっと応用編です。ビジネスモデルはどうなっているかを考えてみること。表面的に見えていることではなく、その裏で仕組みとしてどう作られているのか、人や物の流れはどうなっているのか、お金はどう流れているのか、を想像してみるのです。

うまいビジネスモデルが成り立つ条件としては、以下の2つがあると思っています。
  • エンドユーザーや顧客に、既存のモデルより高い価値/低いコストが提供される
  • ビジネスモデルの関係プレイヤー全員にWin-Winが成立する

ビジネスモデルという仕組みをイメージするために、顧客にとってどんな価値が提供されているのかを考えてみる。何に価値があるから、人はそれにお金を払うのか。単にモノが欲しいからではなく、その先の体験自体に価値があることもあります。

消費者がお金を払ってまで手に入れたいその価値を提供するために、どんな工夫がされているのかも考えてみる。値段を下げるためにどんな工夫をしているのか、そもそも、どんなコスト要因があり、どこが下がっているのか・下げられそうなのか。

ビジネスモデルに関係しているプレイヤーはどれだけいて、それぞれがどんな役割を果たしているのか。お互いにWin-Winが成り立っているか、成り立っているように見えればWinは具体的に何か。

などなどを色々とイメージしてみる。言うは易しですが、仕組みを理解するために、ヒト・モノ・カネ・情報の流れを考えてみる。もちろん、実際の仕組みは見えていないことも多いので想像の域を超えないこともあります。目的は仕組みを完璧に理解することではなく、あくまで「仕事以外からどう学ぶか」なので、色々と考えてみるプロセス自体に意味があると思っています。そこからヒント・アイデアを得られればOKという。

今回のエントリーでは、仕事以外から何を学ぶか、どうやって学ぶかを考えてみました。3つあって、
  • 身の回りを観察してみる
  • 視点を変える
  • ヒト・モノ・カネ・情報の流れを考える
そのために重要だなと思ったのが、「好奇心」と「考えることを自体を楽しむこと」。そもそもとして、仕事以外から学ぶって、やらされ感があったり楽しくなければ長続きはしないような気がします。身の回りへの興味関心があって、それに対して好奇心が湧く。なぜとかどうなっているのかを考えることを楽しんでみる。こういうマインドを持ちたいなと思っています。

★  ★  ★

日経ビジネスのインタービュー記事では、出口社長が言っている内容でもう1つおもしろかったことがあります。
コミュニケーション、とりわけウェブでのコミュニケーションは、その舞台での中心が20代30代です。だったら彼ら彼女らの文法に従うのが筋、というものです。以来、私は、ライフネット生命に関するウェブ・コミュニケーションやPR、宣伝戦略については、20代社員の言う通りにする、と決めました。
人には得手・不得手があります。スーパーマンでもない限り、苦手なことやよくわからない分野は誰もが持っている。自分に不得意分野があることは把握できていても、それを認めることは時として難しいもの。年齢が上がったり、ポジションが上になるほど、なかなか受け入れがたいのかもしれません。わかっていても素直になれない、「負け」を認められない。

出口社長は違います。インタビュー記事の中で、20代社員の企画に全く理解できずに大反対だったものの、実際に企画をやってみるとその20代社員のほうが正しかったと出口社長は言っています。そして、「アホは、私でした」と。

それ以来、出口社長は、ライフネット生命のWebコミュニケーションやPR・宣伝戦略については、20代社員の言う通りにする、若手に任せきると決めたそうです。社長である立場の人がここまで言い切れるのって、すごいことだなと。


最後に、以下の本は仕事以外からどうやって学ぶかの、①身の回りを観察してみる、②視点を変える、③ヒト・モノ・カネ・情報の流れを考える、でそれぞれ参考になると思うものです。






※参考情報
20代の社員に「アホは出口さんです」と言われました インターネットのコミュニケーション 出口治明編|日経ビジネスオンライン


2013/03/16

スティーブ・ジョブズのメッセージ「点と点をつなげる」ために大切にしている3つのこと



スティーブ・ジョブズのプレゼンは見る者を惹きつけます。

中でも自分にとって最も印象的なのは、2005年の米国スタンフォード大学卒業式の祝賀式で卒業生に向けて行ったスピーチです。

Text of Steve Jobs' Commencement address (2005) |STANFORD UNIVERSITY

■ スティーブ・ジョブズからの3つのメッセージ

卒業生を前に、ジョブズは伝えたいことが3つあると言ってスピーチは始まります。その3つとは以下です。

  • 点と点をつなげる:バラバラの経験であっても将来それが何らかのかたちで繋がる。大学を中退し、自分の好きなことをやって得られた経験は、後にMacを生み出すときに大いに役立った。
  • 愛と敗北:アップルでの突然の解雇される(人生をかけて築いたものを失ってしまう)。アップルから追い出されたことで、も う一度挑戦者になる気持ちに。私は人生でもっとも創造的な時期を迎えることができた。妻とも出会えた。アップルを追われなかったら、今の自分はなかっただろう。
  • 死について:毎朝、鏡に映る自分に問いかけるようにしている。「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか」と。「違う」という答えが何日も続くようなら、ちょっと生き方を見直せということ。1年前にすい臓ガンを患っていた。一時は死を覚悟したことから、死というものが大切な概念であると言うことができる。誰もがいつかは死を迎える、自分もいつかは死ぬという認識が、重大な決断を下すときに一番役立つ。死は生命の最高の発明である。

2013/03/10

今年こそ資産運用(実行編):運用方針とか投資商品をご紹介

前々回のエントリーでは資産運用について書きました。
参考:今年こそ資産運用:本気で取り組みたいので戦略的に考えてみた|思考の整理日記

エントリー内容はタイトルにもあるように、資産運用を取り組むにあたっての自分なりに考えた戦略についてでした。ポイントは、
  • 現状把握と目標設定:今持っている全ての資産を洗い出し、現状の資産配分を見える化する(ただし家電などのモノの資産は除く)。資産形成の目標は人生設計から「30年後に1億円」と設定
  • 資産運用の戦略を考える:運用するにあたって、リスクの確認、期待リターンの設定、目標資産配分(アセットアロケーション)を決める。
  • 戦略の実行へ:将来資産のシュミレーション、投資する金融商品の選定、目標資産配分が保たれているかを確認しながら、無理なく継続できる運用に

今回のエントリーでは、3つ目の実行についてその後の状況を書いています。前回が戦略策定とすれば、今回は戦略実行フェーズ。

戦略は実行して初めて価値があるものだと思っています。考えた戦略は仮説にすぎないので、実行する中で仮説検証をするイメージ。資産運用で言うと、運用という実行を通じて、設定した期待リターン通りになるか、現在の資産配分を目標とする資産配分に組み替えていけるか。

■資産運用の方針

実行にあたっての資産運用の方針は以下のとおりです。
  • 資産運用は目的ではなく手段:資産運用に時間をかけすぎない。お金に稼いでもらい、自分は本業から稼ぐ(自分の仕事に集中する)
  • 継続できる仕組みに:日常生活や仕事に支障を来さないようにする。インデックス中心の運用とする。積立し保有、1ヵ月/3ヵ月/1年ごとにモニタリング、場合によっては資産配分のりバランスを行なう。目標は30年続けられる仕組みに
  • 資産運用の勉強は続ける:運用自体に時間はかけないが、投資への勉強や情報収集は怠らない。日々のニュースにアンテナを張り、ネット・書籍・(セミナー?)等から運用のやり方・投資商品・税金の仕組みは勉強したい

■投資する商品

資産運用をするにあたり、各資産の配分(アセットアロケーション)は次のように設定しています。
  • 現金/預金:15%
  • 日本株式:30%
  • 外国株式:30%
  • 外国債券:25%
この配分になるように、それぞれのカテゴリーの中で自分のお金を投資します。まず取り組んだのは外国株式と外国債券。日本株式の投資先についてはまた今度考えるつもりです。

外国株式は個別株への投資はハードルが高いと考え、インデックス投資信託とETFに決めました。毎月一定額を投資信託に積み立て、ある程度まとまった金額になったらETFに投資先を切り替える。リレー投資というやり方です。

投資先は「MSCIワールド・インデックス」と「MSCIエマージングマーケット・インデックス」に連動するファンドやETF。先進国全体と新興国全体に投資するイメージです。色々と調べてみて、投資先は以下の商品としました。

投資信託:
ETF:
ETFの先進国投資は2つ候補があり、まだ1つに絞っていないのですが。

外国債券については現時点の結論から言うとFX(外国為替証拠金取引)にしようと思っています。他に候補としては、外貨建てMMF・外積の投資信託・外国債券・外貨預金もあったのですが、FXで外貨買いポジションを保有する運用とします。

なので目指すのは金利差によるリターンで、為替変動からのリターンは狙わないように決めました。基本は買いポジションを保有し続けることにし、頻繁な売買はやらない。FXのデイトレードとかになると、上記の運用の方針である、「時間を使い過ぎない」「本業に集中する」ができなくなると思った次第。レバレッジもかけずに1倍で考えています。

外貨の投資先は、米ドル・ユーロ・豪ドル・ポンド・カナダドル。あまり広げすぎずに、まずは米ドル・ユーロ・豪ドルの3つでもいいかもしれません。

なお、外国株式と外国債券(外貨)への投資を考えるにあたり、参考になった本は「【新版】内藤忍の資産設計塾 外貨投資編 (資産設計塾シリーズ)」でした。

■積立の方法

積立資金は大きくは2つに分けて考えました。今すでに手元にあるお金(ストック)と、今後の給与等からの収入(フロー)。

外国株式への投資なら、ストック分を何回かに分けてETFに投資、フローは投資信託に毎月積立をします。ストック資金はフローに比べて結構まとまった額なので、1~2年くらいかけて少しずつと思っています。例えば3ヵ月ごとに投資し、2年なら計8回。なので、まずは今月から投資信託への積立てから始めることになります。

外国債券への投資は、ストックと1年分のフローを合算し、12で割った分を毎月投資します。1ヵ月ごとに5つ(もしくは3つ)の通貨をFXで買ポジションとして購入。

■使っている証券会社

資産運用にあたり使っている証券会社は、SBI証券・楽天証券・マネックス証券です。FXはこの3つでもできるのですが、今回新たにSBI FXトレードで口座を開設しました。証券会社については、「これがベスト」というのが自分にはまだなく、3つそれぞれを使っているのが現状です。

強いて言えば楽天証券が使いやすいように感じていますが、結局は3つを併用しています。プラス、今回から増えたSBI FXトレードもある。このあたり、個人投資家の方々はどういう使い方をされているのか、ちょっと気になるところです。同じように複数使用なのか、1つだけで運用しているのか。個人投資家の勉強会とかセミナーみたいなのも出てみたいなと思っているので、機会があれば伺ってみたいですね。

★  ★  ★

先週に「今年こそ資産運用をちゃんとやろう」と決め、実際に取り組んでみると、意識が変わってきていることを実感しています。経済や政治、海外のニュースも含め、いろんな数字や出来事が以前よりも自分事化されるというか。

今回は外国株式への投資にあたり、色々と金融商品を調べてみましたが、かなりおもしろかったです。過去のトレンドを確認したり、コストの比較、リターンとリスク、などの数字を見る。これって仕事柄、やり出すと楽しくなってきてついつい時間を忘れてしまう。「時間をかけすぎない」という方針はちゃんと守らないと。


※参考情報
今年こそ資産運用:本気で取り組みたいので戦略的に考えてみた|思考の整理日記




2013/03/09

シニアシフトの衝撃:有望な市場とビジネスモデルを考える着眼点

話題の本、「シニアシフトの衝撃」を読みました。本書ではシニアシフトの事例がいくつか紹介されています。
  • リカちゃん人形に「おばあちゃん」が登場
  • ゲームセンターはシニアの遊び場に
  • 平日昼間のカラオケ客の6割がシニア


「シニアシフトの衝撃」という本がおもしろかったのは、シニアビジネスの現状や今後を紹介するだけではなく、具体的にどういう市場に目を向ければよいかの着眼点と、どんなビジネスモデルに可能性があるかまで、結構踏み込んで書かれている点でした。

■市場:飽和しているのは市場ではなく、私たちの頭の中

有望なシニア市場とはどこなのか?それは、ユーザー側では何かが変化しているにもかかわらず、旧態依然とした不便や不満が多い市場と説明されています。

どういうことかと言うと、例えばスマホ。スマホ=若年層の利用が多いと思いがちですが、今後はシニア層にも広がっていきます。タブレットも同様で、画面サイズが大きく文字を拡大表示できるタブレットのほうがシニアには魅力でしょう。シニアでのスマホ/タブレットへのニーズは増えるというユーザー側では変化が起こっています。

しかし、現状ではこのようなニーズの高まりに十分に対応できていないように思います。富士通のらくらくホンはありますが、60代以上向けユーザーに特化したスマホやタブレットがもっとあってもいい。せっかく興味があって使ってみたいと思っているのに、受け皿が用意できていないのです。

このように、消費者やユーザーの変化に対し、提供側がキャッチアップできていない。結果、ユーザー側では顕在的・潜在的に不満や不便を感じている。ここに商機があると言います。既存の市場は一見すると飽和しているように見えても、そうではない。ユーザーの価値観が多様化しているニーズに対応できていないため、まだまだ「不」が存在する。その不を解決する商品・サービスが提供できれば、有望な市場になるという指摘です。

一見すると飽和しているがまだそこにはフロンティアがある、というのは考えさせられる指摘です。本書で印象深かった言葉が「飽和しているのは市場ではなく、私たちの頭の中である」。提供者側に固定観念があって市場が飽和していると決めつけてしまい、新たなニーズに対応できていない状況です。

シニアビジネスの観点で言うと、30・40代から見ると何でもないことも、高齢者にとっては不安・不満・不便を感じているケースがいくつか書かれていました。例えば、
  • 老眼の進行:お年寄りの身体機能の低下により不便が発生する。店頭での値札・商品説明・POP等の文字が小さく、老眼になった高齢者には読みづらい。結果、販売機会ロスにつながってしまう
  • 脚力の衰え:年齢とともに筋力が落ちるので、フロアのちょっとした段差に足をつまずきやすい。エスカレーターのスピードが年配者には早すぎる。なるべく歩く距離を短くするような動線の効率化ができていない
  • 聴力低下:年齢を重ねると聴力が低下する。売り場での商品説明が聞き取りにくい。店側は明瞭な発音やわかりやすい説明が求められる。店内のBGM音量や選曲にも配慮が必要
  • 頻尿:高齢者には頻尿症状が多い。買いものの途中でトイレに行きたくなっても、近くにない。またはトイレへの案内がわかりにくい。トイレ自体も汚かったり使いにくかったりすると、店への印象が悪くなる。最近の過度に自動化されたトイレの使い方が高齢層にはわかりにくい
  • 認知機能の低下:年を取ると一般には記憶力や認知力が低下する。商品の説明において色々と効果を羅列すると印象が残らない。それよりも「骨が丈夫になる」など1点に絞って訴求するほうが効果的
シニア層の身体の変化は若い人にはなかなか想像しにくいものです。だからこそ、購買行動にどう影響するかを考え、売り場やサービスに反映することが大切です。

有望なマーケットを考える上で、本書でもう1つ印象に残っているのが「ビジネスは非合理の中に商機あり」。シニアへの↑への対応をしようとすると手間もかかり、コスト増要因になります。非合理に見えることでも、きめ細かい対応を地道にやり続けることでシニアに魅力的になる。短期的ではなく先を見据えて取り組むことで、非合理は商機になるという考え方です。

非合理というのはこれまでの常識や慣習から、提供側が勝手にそう思っているだけなのかもしれません。過去の成功体験から非合理と思い込んでいるにすぎないのでは。「飽和しているのは市場ではなく、私たちの頭の中である」に通じると思いました。

■コト消費とモノ消費を連動させるビジネスモデル

有望な市場がありそうだということがわかって、次に考えたいのがビジネスモデルです。その市場でどうやってお金を稼ぐのか。どんな価値を提供し、何に対してお金を支払ってもらうのか。

本書がおもしろかった2つ目のポイントはここです。事例を交えながらこんなビジネスモデルがありますよ、というのが参考になりました。例えば、なるほどと思ったのが「コト消費」と「モノ消費」をどう連動させるかについて。

モノ消費という「商品の消費」に対して、コト消費とはモノ消費以外の「時間の消費」を指します。この2つがうまく組み合わさっている例として、スーパー銭湯が紹介されていました。スーパー銭湯へ行くと入場料を払い、まずはお風呂に入ります。風呂から上がると喉が乾いているのでビールを1杯、つまみも欲しくなって買う。次にマッサージをしてもらったり、人によっては施設内の理髪店に入る。一通り終わるともう一回入浴へ。

スーパー銭湯に来て時間を使ってもらうだけではなく、一連の流れの中に、それぞれお金を使ってもらう仕掛けがあるのが特徴です。東京ディズニーランドなどのテーマパークも同じで、入場料を払ってもらって終わりではなく、園内での食事やイベントで課金があり、最後にはお土産を買ってもらう流れです。消費が連動し、1つ何かを買うとそれが次の消費につながる。こうした消費の連鎖設計がよくできているケースです。

銭湯やテーマパークは維持管理のコストがかかり、それ単体では収益がなかなか上げにくいように思います。なので、どこでお金を稼ぐかというと、入場料以外のプラスαの部分。ここをいかに連携させお客さんに楽しんでもらうか、提供者側にとってはお金を払ってもらえるかなのです。

■シニアビジネスの垂直展開と水平展開

日本はすでに少子高齢化が現実となり、総人口が減っていく時代になっています。少子高齢化は今後、世界でも起こっていくことがわかっています。見方を変えれば、日本は今後の世界共通課題にいち早く取り組んでいるという状況です。日本は課題先進国であり、望ましいのは課題を持っているだけではなく積極的に取り組み解決もしているという課題解決先行国。

シニアビジネスで可能性を感じたのは、企業にとってはタテとヨコに展開できるチャンスが目の前に広がっているということ。

タテというのは、これまではシニア層はターゲットではなかった企業も、人口動態がシニアシフトが確実に起こる/起こっている国内ではシニア対応を迫られます。ターゲットの年齢を上げるという垂直展開が必要で、これを機会と見るか脅威と捉えるか。機会と位置づけて取り組み、有望な市場を見極め持続可能かつ収益力のあるビジネスモデルが築ければ、チャンスです。

課題先進国の日本において、垂直展開で培った経験・ノウハウ、商品/サービスは、今後同じ課題が発生する他国にも展開できる武器になります。これがシニアビジネスをヨコに広げる水平展開。タイムマシン経営の考え方です。日本、そして世界のシニアシフトが起こる中、それを活かすも殺すも、捉え方次第だと感じます。

★  ★  ★

「シニアシフトの衝撃」はシニアビジネスについてよくまとまっていました。単にシニア向け市場が有望という表面的な話ではなく、シニアシフトの現状がどういう構造になっているか、具体的なシニア層の不(不安・不満・不便)、有望な市場、ビジネスモデルや商品/サービスの事例、今後のシニアビジネスの可能性まで。

下記のダイヤモンド・オンラインに本書の内容が一部書かれているので、興味のある方はぜひ。


※参考情報
シニアシフトの衝撃 超高齢社会をビジネスチャンスに変える方法|ダイヤモンド・オンライン




2013/03/03

今年こそ資産運用:本気で取り組みたいので戦略的に考えてみた

今年こそ本気で取り組もうと思っているのが資産運用です。

これまでも運用はしてはいたのですが、自分の中であまり考えてやってるとは言えず、「ちゃんと考えて運用しないと」とずっと思っていました。ここ最近は売買もなく保有しっぱなしの状態。

今回のエントリーでは、資産運用を再開するにあたり、自分の考え方や取り組み方を整理しています。

■資産運用と戦略

戦略とは、「あるべき姿」と「現状」の2つを結ぶものだと思っています。現状⇒あるべき姿(ゴール)にどうやってたどり着くかを考えるのが戦略。

資産についても同じ考え方で、「現状資産」と「目標資産」のギャップを埋めるのが資産運用だと考えています。人生設計から見た時に「いつまでに・どれだけの資産」というゴールを設定する。現状資産から見て足りない分を、資産運用でゴールにたどり着くイメージです。

戦略も戦略策定と戦略の実行の2つがあるように、もう少し細かく考えると資産についても、「資産設計」と「実際の資産運用」に分けることができます。
  • 現状の資産を把握する
  • あるべき姿を描く
  • 資産運用の戦略を考え、実行する

■現状の資産を把握する

まず取り組んだのは、自分が今持っているお金を知るところから。現金、銀行口座の預金、保有している金融商品、など全てのお金を見える化する作業です。なお、ここで言う資産には家電とかの持ち物は無視しています。売ればお金になるものなので資産と言えばそうですが、家にあるモノ(家電・家具・本・服・等々)を金額で見積もるのは現実的ではないと判断しました。

保有資産を、①現金/貯金、②日本株式、③外国株式、④外国債券の4カテゴリーに分け、使っている銀行口座や証券口座を確認し、全てをExcelシートで表にしました。

表のイメージはバランスシート(賃借対照表)の左側だけつくる感じで、自分の資産をBSのように流動資産と固定資産に分けています。流動か固定かの違いは、流動資産は生活用のお金としました。万が一で収入がゼロになっても1~2年は生活できる金額を流動資産として確保しています。

自分のBS(ただしモノは除く)をつくってみると、あらためて自分が今持っている資産とその配分が確認できます。これだけでもやってみた価値はありました。数字で全てを視覚化すると、すごくよくわかるんですよね。

■あるべき姿を設定する

次が、戦略のゴールとなる、あるべき姿を考えます。資産運用では「いつまでに」「どれくらいの資産にする」の2つで、人生設計から設定します。人生設計はざっくりとでもいいので、それぞれ何歳くらいでどんな人生になっているか、そのためにこれくらいのお金が必要かも、というのを色々と考えてみました。

人生設計の詳細はここでは触れませんが、今回、資産運用のゴールを「30年後に」「1億円」と設定しました。1億については、ゼロから1億をつくるのではなく、あくまで現在自分が持っている資産をスタートとしてのゴール設定です。

「30年」「1億」という目標は絶対的なものとは考えず、あくまで現時点でのゴールイメージです。未来はある程度の不確実性があるので、柔軟にしたいと思っています。仕事、生活環境、家族構成、政治、経済、などの変化に応じて適宜見直すことになるはず。

■戦略

「現状」と「あるべき姿」が明確になったので、ここからは戦略を考えるフェーズです。やったことは3つです。
  1. 許容できるリスクの確認
  2. 期待リターンの把握
  3. 目標とする資産配分(アセットアロケーション)の設定
やってみて実感したのは、これら3つは連動するので色々と数字を変えながら、ある程度の試行錯誤が必要ということ。目標資産配分によって、リスクや期待リターンが変わり、その逆も起こる。各数値を変えると、数字で遊んでいるような感覚でした。以下は、今回考えた上記3つの設定結果です。

1.目標の資産配分

現金/預金、日本株式、外国株式、外国債券の4カテゴリーで次のような資産配分としました。なお、外国債券は外貨建てMMFやFXを想定しています。
  • 現金/預金:15%
  • 日本株式:30%
  • 外国株式:30%
  • 外国債券:25%
資産配分は結構色々とつくってみましたが、現時点ではこれに落ち着きました。コモディティとかREITも興味がないわけではないのですが、まずはこれだけでの運用を考えています。配分としては、もう少し日本株式を多くしてもいいかなと思ってもいるのですが。

2.許容できるリスク

資産運用で重要だと思っているのが、上記の資産配分とリスクです。リスクとは不確実性の尺度で、要はこれくらいは損失が出ますよ、というあらかじめの把握です。覚悟とも言えます。

リスクの算出はさっき決めた資産配分とそれぞれのリスク値を使って加重平均で計算しました。リスク値には過去実績からの標準偏差を使って、標準偏差×2(2σ:確率95.4%)を使っています。

リスク加重平均の計算は資産配分×各リスクで、具体的には次のように「配分×(標準偏差×2)÷100」を計算しました。標準偏差は年間の数字です。
  • 現金/預金:15×7.2÷100=1.08
  • 日本株式:30×47.6÷100=14.28
  • 外国株式:30×37.8÷100=11.34
  • 外国債券:25×25.0÷100=6.25
なお、各資産の標準偏差×2の値は書籍「【新版】内藤忍の資産設計塾─あなたとお金を結び人生の目標をかなえる法」にあった過去実績データ(p.177)を利用しています(最新のデータが見つかれば随時更新したい)。

4つを合計すると32.95になります(加重平均値)。つまり、標準偏差×2で考えたリスクは±33%。意味としては「1年で最大でもマイナス33%分の損失が発生。それ以上はまず出ないだろう」となります。仮に1,000万円とすると、最大で330万ほどの損失が出るというリスクイメージです(+330万円もありえる)。

3.期待リターン

リスク同様に年率の期待リターンも資産配分と各リターンから加重平均で求めます。資産配分×各期待リターン。詳細の計算は省きますが、期待リターンは年率5.90%になりました。固めに考えリターン5%で設定することにしました。これは次の資産シュミレーションの前提となるものです。

■資産推移シュミレーション

資産配分と期待リターンから今後の資産がどう推移するのかシュミレーションをします。考え方は、目標とした30年を期待リターン5%の前提で、「現在の保有資産」と「これから積み立てる資産」の2つに分けてそれぞれどれだけ増えるかを計算します。これからの積み立てとは、例えば毎月5万積立とし、それを30年続けた場合のシュミレーションです。

ここから得られる結果が最初に決めた目標と乖離していないかを確認します。目標とシュミレーションに大きなズレがなければ、期待リターンの設定が期待としては妥当であるということにもなります(実際に期待リターン通りに運用し続けられるかは別ですが)。

以上、ここまでが現時点でやったことです。

■Next Step

この先にやることとして考えているのは、

各資産内で投資する金融商品の決定:運用方針はインデックス運用を考えています。日本株式なら個別株ではなくインデックス投資信託やETFに投資します。その投資先(商品)をどこにするかの選定が次のステップ。外国株式も同じ運用方針です。個別株は興味ありますが、インデックス中心の運用にする理由は、自分が金融のプロではないのと資産運用でそこまで時間がかけられなそうだから。外国債券は外貨建てMMFかFXを考えていて、どの通貨にどれだけ配分するかを決めることになります。

現在資産配分と目標資産配分のズレを直していく:現状では乖離があるので目標配分になるべく近づくように投資をします。投資先は↑で決めた各商品。おそらく1年くらいかけて投資時期を分散しつつ配分を目標値に合わせることになりそうです。

毎月の運用:月末or月初にその月の収入と支出をざっくりとでもいいので把握しようと思っています。特に支出がどれくらいあるのかをちゃんと数字で理解しておきたく、収入-支出から毎月の積立金額の妥当性もチェックしたい。

3ヶ月ごとの運用:2つあって、資産配分の確認と、目標資産配分と現実配分の調整(リバランス)。資産配分はほっておくと目標値からずれていくと思うので3ヶ月に1回くらいは是正しておきたいと思っています(いずれは年1回でもいいかも)。リバランスはその場で売買するよりも、積立金額を変えることを考えています。

1年ごとの運用:運用実績が資産シュミレーションの通りかを確認します。KPIとしては、実績リターンと期待リターン。この2つでかい離があるか、ある場合はその要因も理解する。そもそもの期待リターン設定が現実的ではないのか、マーケットの動きも含め、なぜそうなったかを考える。

★  ★  ★

運用は、なるべく無理なく継続できる仕組みにしたいと思っています。時間をかけすぎず・放置しすぎないように。かつ、資産運用のプロセス自体も楽しめればいいかなと。運用をすることで日本だけではなく世界のニュースにもアンテナが張れるだろうし、視野が広がればなお良しです。

最後に、今回のまとめです。
  • 現状把握:今持っている全ての資産を洗い出す(現状の資産配分を知る)
  • あるべき姿を描く:人生設計から「いつまでに・どのくらいの資産をつくる」の目標設定をする
  • 資産運用の戦略を考える:リスクの確認、期待リターンの設定、目標資産配分を決める。運用方針を考える
  • 戦略の実行:将来資産のシュミレーション、投資する金融商品の選定、目標資産配分が保たれているかを確認しながら、無理なく継続できる運用に




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2013/03/02

想定外に対処せよ:プロジェクトマネジメントで大切にしている2つのアプローチ

前回のエントリーはプロジェクトマネジメントをする上で大切にしてることを取り上げました。
若々しい脳を取り戻す「プロジェクトマネジメント思考」のススメ|思考の整理日記

好評だったので、今回はその続編として「プロジェクトマネジメントと想定外」について書いてみます。

プロジェクトでは予想外のことが起こります。思いもよらないことが次々に発生します。問題が出てきて解決したと思ったら、別の問題が表面化する。解決する、新たな問題、・・、の繰り返し。問題がほんと次から次に出てきて、もぐらたたきのような感じになります。

今回のエントリーでお伝えしたいメッセージは、想定外にどう対応するかです。

■そもそも想定外とは何か

想定外への対処の前に、そもそも想定とか想定外とは何かを考えてみます。想定外への考え方について勉強になったのは、失敗学を提唱する畑村洋太郎氏の著書である『「想定外」を想定せよ!―失敗学からの提言』でした。

本書では想定とは、人間が意図的・人為的につくる境界であるします。ここまでは考えるという範囲を線引し、その内側が想定、外側が想定外になります。境界をつくることで、はじめてその中で考えることができるのです。逆に言うと境界の外側(想定外)には考えが及びにくいことになります。

想定は人が勝手につくった境界内にすぎないので、想定外=絶対起こらないのではなく、想定外のことは確率が低いものの起こりえる。適切な境界設定であれば想定外のことが発生する確率は低いのですが、境界設定が不正確であれば想定外のことも起こる可能性が高くなるのです。

この認識がまず重要だと思います。想定外=起こる可能性がある。

■想定外にどう対応するか

想定外のことは起こりえる。この前提のもとで想定外にどう対応するか?これはプロジェクトマネジメントに限らず、仕事全般や日常生活でも大切な視点だと思っています。

アプローチとしては2つあります。①想定外をシュミレーションして想定を広げておく、②想定外が起こった時に被害を最小化する。

1.想定外をシュミレーションして想定を広げておく

頭の中で想定外のことも考えるようにするアプローチです。想定=考える境界なので、境界設定がそもそも妥当なのかを問う。あえて境界の外に目を向けてみる。ただし、やみくもに境界の外にシュミレーションを広げても現実的ではないのが難しいところです。

ではどうするか?有効だと思っているのが、前述の『「想定外」を想定せよ!―失敗学からの提言』で紹介されていた「逆演算」という方法です。

逆演算とは一言で言うと、結果から逆算して原因を考えるシュミレーション方法です。トラブルや失敗という結果をまずは考え、そこからなぜその結果が起こったのかの原因を推測する。Why?を繰り返し結果⇒原因をシュミレーションする思考法です。

逆演算が有効だと実感するのは、結果から原因へという時間を巻き戻して考えるだけで、「そういえばこんな可能性もある」と気づくことがあるからです。

例えば、上司(クライアントでもよい)にレポートを提出するケースで考えてみます。起こりそうな結果(トラブルや失敗)は、①提出期日に間に合わない、②上司/クライアントがレポート内容に満足しない、が考えられます。

①の提出遅れの原因は、そもそものスケジュール見通しが甘かった(上司の期日設定が無茶だった)、スケジュール内のある工程で予想外の遅れが発生した、などがありそうです。前者のスケジュール見通しが甘い要因は・・、と結果⇒原因を順に掘り下げていく。②についても同様で、満足しなかったのは、そもそも上司/クライアントの期待値を把握していなかったなのか、期待値は理解しているが満たせなかった(例:仮説不十分・結論/提案の方向性が違う・根拠が弱い・データが不適切)からのか、・・、と続けていく。

理想は、逆演算もするし、原因⇒結果の時間軸通りの順番でも両方の視点で考えておくことです。これは「売る側の視点」と「買う側の視点」、「提供サービス視点」と「ユーザー視点」の両方で考えることに通じます。相手の視点で考えると見える景色が全然違うように、結果⇒原因と原因⇒結果の複眼の視点があることで気付きが多くなるんですよね。

想定外の対処とはちょっと話がそれますが、ものごとを逆算して考えるのはスケジュールを立てる時にも有効です。最終的な期日をまずは設定し、そこから逆算して各スケジュールをつくっていく。結果⇒原因で考える逆演算と似ていて、スケジュールも逆算で考えることで抜けていること、違うタスクが実は同時並行で進めることがわかりスケジュールを短縮できることに気づけます。

2.想定外が起こった時に被害を最小化する

話を戻します。いくら綿密なシュミレーションをしても、完璧な想定外対策にはなりません。先に書いたように「想定外=考える領域の外」なので、どれだけ事前に考えておいてもやっぱり想定外は発生します。現実的には想定する境界をつくらない・境界を広げるのは考えることが無限に増えるので、どこかで線引をせざるを得ない。

そこで、事前対策とともに重要になってくるのが、想定外のことが起こった場合にどう対応するか。発生した時にいかに被害を最小化するかです。

今までの経験からポイントはいくつかあって、
  • 事実の確認:まずやるべきは状況確認です。想定外という予想していなかったこととはいえ、起こってしまった以上は早急な対処が必要になります。初動で大切なのが何が起こったのかを正確に把握する。事実確認で精査が足りないと、その後のリカバリーや今後の対策にも全部影響してしまいます
  • リカバリー:すぐの対応としての応急処置です。リカバリーでは根本的な解決にはならないこともありますが、これ以上被害が大きくならないように、とりあえず止血をする
  • 原因究明:リカバリーの目処が立ってきたら、並行して行なうのがなぜ想定外のことが起こったかの原因究明です。「失敗学」では原因究明と責任追及は分けて考えることを提唱していますが、これも大事なポイントだと思います
  • 今後の対策へ:原因が把握できたら対策を検討します。リカバリーで応急処置をできたとしても、根本的な治療をしておかないと同じようなことがまた起こりかねません。想定外のことが起こるというはポジティブに捉えれば、それを次に活かすことができる、知見がたまり教訓にできるということです。想定外事象という具体を抽象化する、得られた知見は他にも応用できないかを考える
想定外のことが起こった時にもう1つ重要だと思っているのが、いい意味で開き直ることです。真剣に対処するけど、必要以上に深刻にならないこと。動揺しすぎてパニックになってしまうと二次災害・三次災害が起きかねない。ミスがミスを呼ぶのを避け、被害を最小限に抑えるためです。

起こってしまった以上はその現実は変えられないので、今からどうするか。過去は変えられないけど、現実を見据え正しく対応することで、未来は変えることができると信じること。想定外というトラブル中でも、いかに自分自身をこういう精神状態に回復できるかも大切にしたい(と自分によく言い聞かせています)。

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プロジェクトマネジメントにおいて、想定外にどう対応するかを整理してみました。今回のエントリーのポイントをまとめると、
  • 想定とは人為的につくる境界。想定をつくることで人はその中で考えることができる。逆に言えば想定外のことは考えが及びにくい。想定外は起こりえるという認識を持つ
  • 想定外の対処法①:頭の中で想定範囲を広げ想定外のことに目を向ける。この時に有効なのが「逆演算」。起こりそうなトラブル・失敗という結果から原因をWhyで掘り下げる。結果⇒原因、原因⇒結果の複眼で見るとさらに効果的
  • 想定外の対処法②:事前対処をいくらやっても想定外は起こりえる。よって、発生した時にいかに被害を最小化するかも大切。事実確認、短期的リカバリー、原因究明、今後の対策を冷静に考える。いい意味で開き直る精神状態も大事。過去は変えられないので、現実に正しく対応することで未来は変えられる


※参考情報

若々しい脳を取り戻す「プロジェクトマネジメント思考」のススメ|思考の整理日記
「経験値を積む」と「レベルアップ」は別もので考える|思考の整理日記


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