2013/04/21

投資したい会社とイチローの共通点から考える 「当たり前」 と 「習慣と仕組み化」




前回のエントリーでは、鎌倉投信の投資信託 「結い 2101」 セミナーのレビューをアップしました。

前回エントリー:鎌倉投信の 「結い 2101」 セミナーに参加してきました


セミナーで、鎌倉投信の社長である鎌田さんが、次のことを言っていました。投資したい会社を見分ける視点として聞きました。

いい会社ほど 「自分たちがいい会社」 と思っていないもの。ただ当たり前のことをやっている認識。実はそこがすごいのだが、自分たちはそうは思っていない。


いい会社とイチローの共通点


この話を聞いた時、イチローが語っていた努力を思い出しました。

参考:イチロー、40歳にして惑わず ヤンキースでの決意|日本経済新聞(2013/2/13)


以下はイチローへのインタビュー記事からの引用です。

努力をすれば報われると本人が思っているとしたら残念だ。それは自分以外の第三者が思うこと。

もっと言うなら本人が努力だと認識しているような努力ではなく、第三者が見ていると努力に見えるが本人にとっては全くそうでない、という状態になくてはならないのではないか。

イチローの目指す努力とは、「習慣化され本人にとっては努力している認識はないが、まわり (第三者) から見るとそれは努力に見える状態」 です。努力を続け習慣にできるかどうか、習慣化できるくらいになって初めて 「努力」 と言えるという考え方です。

例えば、イチローは試合がある日は誰よりも早く球場に来て、ストレッチやランニングなど入念な準備をします。これは本人にとっては当たり前のことをやっているだけでしょう。しかし他の選手からすると、「イチローはすごく努力している」 と見えます。

鎌田さんの言う 「いい会社ほど自分たちがいい会社と思っていない。ただ当たり前のことをやっている認識」 は、イチローと言っていることに共通しています。


当たり前のことをきちんとやる


当たり前のことをやり続けることは、前の会社で新人だった時に、当時のメンターから学んだことです。

参考:毎日のように怒られながら学んだ 「当たり前のことをちゃんとやり続ける」 ことの大切さ


「当たり前のこと」 を当たり前にきちんとできるか、長く継続できるかです。この考え方は仕事以外の日常生活でも当てはまります。

以下は、人生を豊かに歩むために大切なこと どうでもいいこと という本からの引用です。

かつて僕は、尊敬する人から、こんな話を聞いたことがある。

「人間としての器が問われるのは、無人島に一人で流されたとき、朝起きてます何をするかだ」

無人島では、誰にも会うわけではない。だが、起きたらまず顔を洗い、ヒゲをそり、歯磨きをする。それができるかどうかが、優れた本質を持った人間である、と。

誰も見ていないところでこそ、人間は試される、ということだ。無人島できちんと生活できる人は、人間社会に戻ったときにもその生活は揺るがないだろう。これは、ライフ・マネジメントの核心を的確に表した話だと思っている。

結局、人生では、自分で人生をコントロールしているかどうか、が問われる。ダラダラと怠惰な暮らしをしているなまけものは、外でどんなに着飾っても見抜かれてしまう。顔つきや手つき、体つきに、すべて毎日の行動が出てしまうからである。もちろん人生に対する考え方も、である。

引用からの示唆は、どんな状況でも普段やっている当たり前をやり自分を律することができるか、1つ1つの積み重ねがその人を形作ることです。

引用の最後に出てきた話で、「人の全ての生活習慣や考え方は顔つきや体つきに表れる」 はその通りだと思います。

日々の思考や行動、日常の習慣、生きている姿勢そのもの、これら全てが積み重なって自分が成り立っています。私の人生観の1つは、「これまでの "今" が積み重なって今の自分がある、生まれてから死ぬまでの "今" の合計が人生である」 というものです。

いかに毎日をきちんと生活することができるかが、人生の大事な部分です。


習慣は文化であり人生


「当たり前のことをきちんとやり続ける」 とは、正しいことを習慣化することです。

当たり前のことを継続してできるようになると、やがて日常生活の一部になっていきます。やることを思い出したり、やらなければと意識して覚えておくことも不要になります。

あらためて思うのは、「習慣はその人の文化」 だということです。

文化は、長い時間をかけて積み重なってできます。日本の文化を考えてみても、そこには昔から日本社会で行われていること、日本人が続けてきた行為・考え方が1つの形になったものです。継続されたからこそ文化という形に昇華したのです。

もう1つ文化について思うのは、文化は相対化・客観化されて初めて文化だと気づくという点です。よくあるのが、外国人に日本のことを説明したり、海外旅行へ行って初めて日本の良さを知る、日本と外国の違いに気づくことで、自分には当たり前のことが文化として認識できます。

習慣もこれと同じで、習慣化されていることは本人にとっては当たり前の行動です。日常の1つで生活の中で自然とやっていることです。

習慣とは、その人の人生に密接につながっています。習慣が人生の全てとまではいきませんが、人生や人格に影響を与えています。だからこそ、正しいと思うことをいかに続けて習慣にできるかどうかです。


習慣にするための3つのコツ


習慣化するためには、継続する仕組みを自分でつくってしまうといいです。ポイントは3つです。


1. 続けることを優先する

やる内容をやや物足りないくらいのレベルにして、あえてハードルを低く設定する。

「やろう」 という意思の力をなるべく使わなくても、パッとできる分量にあえてしておくと良い。全力ではなく8割程度のパワーでできるハードル設定とする。意志の力に頼ってしまう仕組みは、継続を考えると難易度が上がる。


2. 枠を決めてしまう

この時間にやる、これをやる前にする、と枠をあらかじめ決める。いつも同じタイミングで行なうのも仕組み化として有効。生活の中でルーチン化をしてしまう。

例えば、朝起きてまずやるようにする、その後に朝食と一連の流れで固定する。別の言い方をするとあえてボトルネックにする。やらないと次のやりたいことに進めない仕組みにする。


3. 仕組みのメンテナンス

仕組み化ができても定期的に内容は見直したほうがいい。常にもっと良い方法はないかを考えておく。続けるためにもっとよい仕組みにできないかを考えるのも大切。



今回のエントリーではここ最近考えていることをあらためて整理してみました。「正しい当たり前のことをちゃんとやり続けること」 。言葉にすると当たり前に見えるからこそ、大切にしたい考え方です。



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多田 翼 (書いた人)