2013/06/30

書評「粗食のすすめ」

「粗食のすすめ 新版」が考えさせられる本だったのでご紹介。

本書での主張を簡単に書くと、「FOODは風土から。肉食中心のおかずをたくさんとる欧米型辺中の食生活よりも、日本人の体質に合うのはお米を中心とした食生活である」。

お米を中心にした食事とは、(できれば)玄米や胚芽米などの精製されていないお米とみそ汁を中心に、季節の副菜を1品、あとは漬物。

■Foodは風土

本書に書かれていたことで印象的だったのが、そもそも理想の食事はない、というもの。「◯◯さえ食べれば完璧」というものはなく、風土によってもその土地ごとに最適な食は変わる。

具体的な事例を引用すると、例えばイヌイットは野菜はほとんど食べず、アザラシやシロクマの肉を主食にしています。パプアニューギニアの高地で暮らす人々は、1日で1kg以上のサツマイモを食べ、それ以外を口にすることは極めて少ないそうです。

日本人からすると極端な(偏った)食生活に見えますが、イヌイットやパプアニューギニアの人たちに対して栄養バランスが悪く病弱であるという話は聞きません。むしろ、日本人のほうが食事の選択肢が多いにもかかわらず、貧血やアレルギー疾患などの慢性病が増えているのが現状です。

著者の言うFoodは風土。なぜ風土によって、良い食事は変わるのか。過去何千年と言う歴史の中で、先祖たちが食べては捨て、食べては選んで、その積み重ねでできあがったのが食習慣。伝統的な食習慣は、その土地に育った人の体質に一番合うもの。このへんの説明もわかりやすかったです。

■日本人の欧米型食生活は何が問題か

現在における日本人の欧米型食生活について、問題点を石炭ストーブに例えた説明がわかりやすかったです。
  • 燃料の入れすぎ:食べ過ぎ。ストーブは燃料を入れすぎると不完全燃焼になる。腹八分目は医者いらず
  • 燃料の間違い:石炭ストーブに最適な燃料は石炭。無理やり石油やガスを入れてしまっている状態。日本人の体質に合うのは、お米+穀物・芋類・野菜・豆類・魚介類を中心にした食生活。あまりにも欧米化した食生活になっている(肉・食品加工品・牛乳/乳製品・油脂類)
  • 空気(酸素)の不足:空気が不足していると完全燃焼しない。微量栄養素のビタミン/ミネラルが不足している
  • 不純物を入れている:化学物質(農薬/食品添加物)。これも完全燃焼を妨げる要因に
  • エントツが詰まっている:慢性的な便秘。主な原因は食物繊維の極端な不足
この問題を解決するためにどうすればいいか。それが粗食であると著者は言います。シンプルに、お米+味噌汁+季節の野菜を中心とした副食。

粗食についておもしろい考え方だなと思ったのは、丸ごと食べるが粗食の本質、というもの。色々なものを食べることが、バランスが良い食事ではなく、バランスとは1つの食物を出来る限り無駄なく食べることである。まるごと食べることこそ、素材を生かした「素食」であり、これが「粗食」の本来の意味である、と。

★  ★  ★

健康食系の本で時々あるのが、「これを食べれば絶対」という極端な説明になっているものです。本書では粗食を進める一方で、肉や牛乳は一切ダメまでは言っていない点も良いと思いました。

思うに、健康に良い食事を考えるにあたって、栄養素やカロリーにばかり目を向けているように感じます。結果、「これさけ食べれば/飲めれば」という何か魔法の食物を追い求めてきてしまったのではないかなと。

本来大事にしたいのは、何を食べるかの食事内容や誰とどこで食べるかの食事環境です。まず改善すべきかどうかを考えるのは普段の食事についてであり、その改善をしないままにサプリで栄養素を取ったり、食事を減らしたのにお菓子/ジュースに手が伸びたり。食事は毎日の積み重ねです。よく考えたら毎日3回もそのチャンスがあるんですよね。


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