2013/10/20

実は守破離の「守」こそ大事だなと思った話

「模倣の経営学―偉大なる会社はマネから生まれる―」という本の主題は、イノベーションはマネから生まれるという考え方です。

マネと聞くと、独自性や創造性がないものと思われるかもしれません。日本語には猿真似という言葉があったり、英語ではCopycatなんて表現もあります。

本書で追求しているのは表面的な真似ではなく、本質的な模倣から生まれるイノベーションです。表面的なと言うのは企業で言えば製品/サービスのレベルで、本質的な模倣は事業の仕組みや原理まで落とし込むこと。

■徹底した模倣から生まれる能力の向上と創造性

模倣はむしろ知的であり、創造的なものとしていて、印象的だったのがドトール創業者である鳥羽博道氏の言葉でした。
「徹底してその人に見倣い、研究し、模倣する。その過程で個人の能力は相当高まるだろう。そして、その高まった能力によって個人のオリジナリティというものが生み出されることになると思う」

引用:書籍「模倣の経営学―偉大なる会社はマネから生まれる―」

つまり、徹底した模倣から生まれる創造性です。

真似と言っても忠実に再現しようとすると高い能力が要求されます。真似をする対象の理解から始まり、模倣プロセスにおける試行錯誤。負荷のかかる作業です。この負荷を通して学習をし、能力が高まるということなのでしょう。

■守破離の「守」に注目してみる

日本には「守破離」という考え方があります。武道や芸術等における師弟関係のあり方で、守→破→離という3つのプロセスです。Wikipediaから引用すると、
  • まずは師匠に言われたこと、型を「守る」ところから修行が始まる
  • その後、その型を自分と照らし合わせて研究することにより、自分に合った、より良いと思われる型をつくることにより既存の型を「破る」
  • 最終的には師匠の型、そして自分自身が造り出した型の上に立脚した個人は、自分自身と技についてよく理解しているため、型から自由になり、型から「離れ」て自在になることができる

本書を読んで、自分の中で守破離への考え方が変わりました。今までは「破」と「離」が大事だと理解していました。「守」は単に言われたことをやるだけ、目標とする対象の真似をするにすぎないと思っていて、そこから少しずつ自分のオリジナルに進化させていく「破」と「離」のプロセスこそ大事であると。

本書で書かれている「徹底した模倣のプロセスにおける試行錯誤から能力が高まる」を考えると、「守」の段階で、いかに学べるかが重要だとあらためて思いました。どれだけ徹底的に真似ができるか。表面的な真似ではなく、なぜそうするのかの原理や本質まで見抜き、それを自分のものにする。

そう考えると、守破離のスタート地点から道が分かれます。誰の真似をするのか、その人の何を真似るのか、どうやって真似するか。真似する対象を選ぶ際に、Who, What, Howの3つが大切になります。

★  ★  ★

本書では、「イノベーションはマネから生まれる」という考え方のもと、いくつかの企業がどんな真似をして成長したかの事例が書かれています。

クロネコヤマト、トヨタ、スターバックス、ドトール、などなど。どの事例も真似を通した試行錯誤があり、仕組みレベルまで立ち返り、時には自分たちのオリジナルも生み出すことで、イノベーションが生まれました。

真似をするという行為は、企業だけではなく個人レベルでも考えさせられることが多かった本です。




follow us in feedly このエントリーをはてなブックマークに追加

Facebook Page

最新エントリー

バックナンバー

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...