2013/08/31

書評「会社を変える分析の力 」:データ分析をする時の4つの自問自答

「会社を変える分析の力」という本が、ここ最近考えていたこととドンピシャという感じで、示唆に富む内容でした。

本書は、データ分析をする際の「心得」が書かれています。データ分析の心得は、高度な分析モデルやツールを使うケースから、Excelで関数を使って集計しグラフを作るという場合にもいずれにも当てはまります。本書で言われていることはどれも至極当然のこと。でも、実際に自分はできているか。全てにYesとは言えない自分がいました。

■このデータ分析は、問題解決のための意思決定にどれだけ使えるのか?

本書のスタンスで明確にしているのは、ビジネスにおけるデータ分析は問題解決につながってなんぼ、というもの。

データ分析とはデータで問題を解決すること。問題解明につなげる意図がないデータ収集や数値計算は、その方法がどれだけ高度であっても単なる「数字遊び」と著者は言います。

データ分析から得られた結果/示唆を、問題解決のための意思決定にどれだけ使えるか。ここが肝であり、「データ分析=意思決定の重要性×意思決定の寄与度」で決まると。2つ目の意思決定の寄与度とは、意思決定のための判断材料が数多くある中で、どれだけ重要な材料になれるかです。

■データ分析をする時の4つの問い

本書を読み始める前に目次を見て、まず始めに読んだ箇所が「データ分析をする時の4つの問い」でした。一番に目を通したこともあってか、読後においても最も印象に残っている問いかけでした。

著者は、データ分析の際には4つを自問自答するようにしていると言います。4つはデータ分析でビジネスを変える力の鉄則を問うものだから。若手を育成する際にもこの4つを繰り返し、繰り返し問いかけるそうです。

1.その数字にどこまで責任を取れるか?

データ分析者の役割とは端的に言うと数字を作ることです。であるならば作った数字に自分が責任を持てるかどうか。分析結果を出すと、それが大変なプロセスほど満足感も高まります。でも、その数字が本当に正しいのか、計算ミスや分析ミスをしていないか。疑いの目を向ける。自分自身がその数字に違和感がなく納得のいくものかどうか。

なお、「数字が正しいか?」と「予測結果が正しいか?」は少し別の話です。データ分析結果というのはあくまでもっともらしい答えであり、その予測通りになるとは限らないです。責任を持たなければいけないのは、あくまで分析が正確にされているかどうかです。

2.その数字から何がわかったか?

データ分析をした結果、前年比で30%増えた、みたいなことがわかります。ここで注意しないといけないのは、この段階では計算結果に過ぎないということ。本当に必要なのは、この結果から何がわかったかという「解釈」です。解釈は示唆・インサイトなどと表現してもいいですが、数字の意味を具体的に言えるかどうかです。

数字の解釈をするためには、分析の発端である分析課題、仮説、データや分析の前提/制約まで立ち返り、トータルで考える必要があります。数字を数字で終わらせないためにも「その数字から何がわかったか?」と問いかけるのです。

3.意思決定にどのように使えるのか?

データ分析の価値は意思決定のためにどう使えるかです。それなのに、「意思決定にどのように使えるか?」にちゃんと答えられないようなら、それは単なる分析遊びをやっていたにすぎないかもしれません。

著者は、多くの分析者はこの問いに「予測ができるようになった」などと答えると言います。でもこれは答えになっていない。どのように使えるか?の答えとしては、予測ができるようになり何の意思決定にどう使えるようになったかまでを具体的に言える必要があります。

がんばって分析を進め解釈もした、でもそれが意思決定には使えない時ほど無駄なことはありません。これを防ぐためには、いきなり計算や分析プロセスに入るのではなく、自分はこれからどういう問題に対して分析を始めるのか、得られるであろう結果/解釈が意思決定に役立つかどうかをまず最初に考える。そのための問いが「意思決定にどのように使えるのか?」。

4.ビジネスにどれぐらい役に立ったか?

データ分析の価値は意思決定にどれだけ役立ったかですが、ビジネスにおいてはこれだけでは十分ではありません。データ分析からわかったことが実際のビジネスに貢献できたかどうかです。ビジネスへの貢献度を具体的な数字で答えられるのが理想です。単に売上に貢献できましたとかではなく。

データ分析でビジネスに役立つところまで持っていくには、分析をして終わりではなくその結果を役に立てたい、もっと貢献したいという強い気持ちが求められます。意思決定者の立場になり、当事者意識を持つ。意思決定にどう使い、それが実際のビジネスにどう活かされるのか。より具体的にイメージしてみる。この問いかけに対して答えられる時、データ分析者として初めて達成感に浸れるのです。

■その深掘りは、単なる知的好奇心を満たすためにやろうとしていないか?

読んでいる中であらためて自分が問われていると思った1つが、「そのデータ分析は自分の知的欲求を満たすだけのためにやろうとしていないか」でした。

データ分析のプロセスで一般的なのは、大きなところからデータで明らかにし、徐々に詳細や深掘りをしていく流れです。どこを細かく見ていくかを決める際に、その深掘りはデータ分析の目的(設定した課題)と仮説に沿ったものになっているかが本来です。そうではなく、単に自分の好奇心だけのWhy?を知るだけの深掘りになっていないか。課題解決・仮説検証・意思決定につなげる分析は頭ではわかってはいるのですが、いざデータ分析にどっぷり入ってしまうと、ついつい視野が狭くなってしまいがちです。目的やゴールを見失わないようにしなければ、と。あらためて。

★  ★  ★

本書で書かれているのは、データ分析をする際の心得や姿勢と、著者の経験や事例の具体例が中心です。逆に言うと書かれていないのは具体的な分析モデルであったり解析手法です。この本を読んですぐに分析力が向上することは望めないかもしれません。

ただし、本書の心得を理解し、そもそもデータ分析とは何なのか。何のために、どう活用するのか。実際のビジネス課題は千差万別で、分析からわかることも様々。意思決定にどう使い、それがビジネスにどう貢献できるか。このあたりを常に意識しながらデータ分析を進めるのか、それとも単に「数字あそび」をやっているだけなのか。以下のデータ分析での4つの問いは、意識し続けたいと思っています。
  • その数字にどこまで責任を取れるか?
  • その数字から何がわかったか?
  • 意思決定にどのように使えるのか?
  • ビジネスにどれぐらい役に立ったか?




2013/08/25

なぜイチローは日米通算4000本安打を打てたのか

イチロー選手が日米通算4,000本安打を達成しました。以下の動画は記録達成の瞬間です。


Toronto Blue Jays vs New York Yankees-Ichiro 4,000 Hit - YouTube

ヒットを打った後にチームメイトがダッグアウトから出てきて、観客からも祝福されるシーンは感動でした。実況アナウンサーが「ヨンセン!」「オメデトウ!」と、ちょくちょく日本語を入れているのもうれしいですね。

■成功の裏には2倍以上の失敗や悔しさがある

4000本安打達成後のインタビューが、イチローの考え方/哲学が色々出ていておもしろかったです。例えば、以下のコメント。
─タイ・カッブ、ピート・ローズしかいない4000という大台

「これややこしい数なので、両方のリーグの数字を足しているものですから、なかなか難しいんですけど、ヒットを打ってきた数というよりも、こういう記録、2000とか3000とかあったんですけど、こういうときに思うのは、別にいい結果を生んできたことを誇れる自分では別にないんですよね。誇れることがあるとすると、4000のヒットを打つには、僕の数字で言うと、8000回以上は悔しい思いをしてきているんですよね。それと常に、自分なりに向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかと思いますね」

引用:日米通算4000本安打達成のイチローが会見(全文掲載)/一問一答 (MLB.jp(GyaO!)) - Yahoo!ニュース

後半の「誇れることがあるとすると、4000のヒットを打つには、僕の数字で言うと、8000回以上は悔しい思いをしてきているんですよね。それと常に、自分なりに向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかと思いますね」。

野球ではヒットを打てるのが3割を超えていれば、バッターとして十分な数字です。3割のヒットの裏には、7割のヒットではない結果があります。安打製造機とも言われるイチローと言えでも、4000本安打を達成した裏には8000回の悔しさがあるのです。

イチローが言わんとしているのは、4000回の成功の裏には8000回の失敗があって、自身が誇りに思っているのは、成功も失敗も両方に向き合ってきたこと。成功の倍だけ失敗や悔しい思いがあり、だからこその成功であると。

これと同じようなことを、バスケの神様であるマイケル・ジョーダンも言っています。
選手生活の中で9000本以上のシュートをミスした。300回近く試合に負けた。26回ウイニングショットを任され、失敗した。人生の中でなんどもなんども繰り返し『私は失敗した』。それが私が成功した理由だ。
I've missed more than 9000 shots in my career. I've lost almost 300 games. 26 times, I've been trusted to take the game winning shot and missed. I've failed over and over and over again in my life. And that is why I succeed.

■現状を受け入れる「自己肯定感」と「その次」

イチローの記者会見でのインタビュー内容は他にも印象的な言葉がたくさんあります。自分に対してどこまで満足しているかについて、こんなやりとりがありました。
─他の選手はどこかで満足している。イチローさんはない?

「いえいえいえ、僕満足いっぱいしてますからね、今日だってもの凄い満足してるし、いやそれを重ねないと僕は駄目だと思うんですよね。満足したらそれで終わりだと言いますが、とても弱い人の発想ですよね。僕は満足を重ねないと次が生まれないと思っているので、もの凄いちっちゃい事でも満足するし、達成感も時には感じるし、でもそれを感じる事によって、次が生まれてくるんですよね。あの意図的に、こんな事で満足しちゃいけない、まだまだだと言い聞かせている人は、しんどいですよ。じゃ、何を目標にしたらいいのですか、嬉しかったら喜べばいいんですよ。と言うのが僕の考え方ですけどね」

引用:日米通算4000本安打達成のイチローが会見(全文掲載)/一問一答 (MLB.jp(GyaO!)) - Yahoo!ニュース

世間のイチローへの見方は「意図的に、こんな事で満足しちゃいけない、まだまだだと言い聞かせている人」な気がします。ひたすらに理想を追い求め、自分を高める選手。これまでの数々の記録に対しても、満足/喜びではなく「まだまだ」と思っている。そんなイメージです。

だから「嬉しかったら喜べばいいんですよ。と言うのが僕の考え方ですけどね」と言っているのは、ちょっと意外に思えました。

自分にどこまで満足するか、素直に喜べるかどうか。ポイントは、イチローがその前に言っている「僕は満足を重ねないと次が生まれないと思っているので、もの凄いちっちゃい事でも満足するし、達成感も時には感じるし、でもそれを感じる事によって、次が生まれてくるんですよね。」にあるように思います。

満足をして終わりではなく、すぐに次を見据える。逆に言うと、次のステージに行く前にしっかりと、喜んでおいたり満足/達成感を得ておく。自分の中で成功体験とNext Stepを繰り返しているからこそ、良い循環ができている。

達成という現状を素直に受け入れ(喜び)、次につなげる。先の成功の裏には失敗があるという話も同じで、失敗という現状に正面から向き合い、逃げることなく乗り越えた先に成功がある。

成功も失敗も、全て自分のことであり、自己肯定感をどこまで持てるか。成功して満足感に浸るだけでもなく、失敗して「自分は全然だめだ」と逃げるのでもない。自分自身や自分のいる環境を受け入れられるか。どんな状況でも最後には「大丈夫」「また次」と思えるか。色々と考え悩んだ後に、最終的には自分を肯定して、受け入れ、そこから前向きに考え、次の行動を1つでも起こす。

その1つ1つの積み重ねが、今回の日米通算4000本のヒットにつながったと思っています。



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イチローが語った生き方に見る「勝ち続ける意志力」
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オーディオブックを献本いただき、初めて聴いてみた所感

以前のエントリー記事で、「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」という本の書評を書いていました。
「MAKERS」書評:Web世界で起こった革命がモノづくりでも起こる未来は明るいのか?

「MAKERS」のオーディオブック版が8月23日より配信開始とのことで、このエントリー読んでいただいた株式会社オトバンク様からいただきました(いわゆる献本のような形です)。同社はオーディオブックなどの音声コンテンツを配信するFeBe(フィービー)を運営しています。

オーディオブックとは、本を耳から聴くものです。例えば、以下のサンプル音声を聞いてみるとイメージしやすいと思います。どちらも、クリックすると再生ページに飛び再生が自動で始まります。
  • 「もしドラ」のオーディオブックサンプルはこちら 
  • 今回いただいた「MAKERS」のサンプルはこちら 

■オーディオブックを聴いてみた

オーディオブックをちゃんと聞いたのは今回が初めてでした。まず思ったのは、同じ本でも文字を目で読むのと音で耳から入れるのでは、感覚として全く違うことでした。脳の異なる場所が刺激される感じで、新鮮な体験です。

記憶への残り方も目と耳では同じ内容でも違うように思いました。今回はMAKERSというビジネス書でオーディオブックを経験させていただきましたが、小説だともっと違った体験になるように思います。

その一方で、オーディオブックは自分には合わないなとも感じました。合わないというのは私自身が本に求めるニーズを満たしてくれないという意味です。簡単に書いておくと、
  • インプットの速さが耳と目では、目のほうが早い。速読と速聴では速読のほうが効率がよい(速聴のトレーニングをすれば変わるかもしれませんが)。オーディオブックにもFeBeには2倍速コンテンツが用意されていますが、それでも目で文字を読むほうが早い。本をパラパラとページをめくってざっと全体観をつかむのもオーディオブックではできない
  • メモが取りにくい。本であればメモを取る時にはただ次のページに進まず立ち止まれますが、オーディオブックの場合は気になったフェーズを聴いてメモを取るためにはデバイスを一時停止する必要があり、この作業が面倒に思いました
  • 付箋や電子書籍のハイライトができないので、後からオーディオブックを聞き返したい箇所にダイレクトに行くのが困難。よって、再読(再聴)で必要な箇所だけ聴くことや、読後のまとめがやりづらい。【8/26追記】FeBeのオーディオブック再生用アプリ“KikuPlayer”では付箋機能がある

思うに、紙や電子書籍の目で読む本と、オーディオブックでは読者層が異なってくるのではないかなと。目で読むのも音で聴くのも両方好む重なるユーザーは存在はすると思いますが、読書のヘビー層はオーディオブックとは相性があまりよくないのかもしれません(少なくとも私がそうでした)。

それよりも、あまり読書をしない人であったり、読みたくても読書をする時間が取れない人が、隙間時間や何かをしながら聴くというイメージがあります(家事とか)。通勤中に聴くのもありかもしれません。満員電車で本を手にできない状況でも再生ボタンさえ押せれば聴くことができそうです。

■FeBeを見てみると

ここからはFeBeを見ての所感です。FeBeはオーディオブックなどの音声コンテンツを配信するサービスサイトです。

正直な感想として、もったいないと思いました。オーディオブックなどの音声コンテンツがあるのに、仕組みとして使いやすいようには思えなかったからです。
  • 購入(音声ファイルダウンロード)できるのがデスクトップPCのFeBeサイトのみ(?)。iPad/iPodやAndroidスマホでもやってみましたが、うまくダウンロードできませんでした
  • Mobileでのダウンロードページには「iPhoneやiPodをご利用の方は、ストリーミング再生となり、音声の保存はできません」。この方法は使いやすいとは言えない・・
  • iPhoneに音声ファイルを入れる場合は、デスクトップでダウンロード→iTunesへインポート→iPhoneと同期という流れ。厳しい言い方をすればこのやり方は5年くらい古い印象です。初期のiPodとiTunesを同期させて音楽を取り込んでいた時代のやり方。専用アプリで購入/ダウンロード、ファイル保存、再生、を全てMobile内で完結させる仕組みを用意すべきと思いました。聴くまでのハードルをなるべく下げないと。【8/26追記】FeBeのオーディオブック再生用アプリ“KikuPlayer”では、付箋機能やリピート再生、倍速再生などの利用が可能。スマホからのダウンロード再生もアプリより行うことができる
  • 理想を言えば、Amazonのページには同じ本が紙でもKindle版(電子書籍)のどちらも買えるので、そこにオーディオブックが買えるとよいと思いました。オーディオブックはKindleアプリから聞ける仕組みに

オーディオブックの価格設定も気になりました。基本的には紙の本と同じ値段です。日替わりの値下げや、有料会員になると安く購入できる仕組みもあるようですが、それを考慮しても割高感があります。例えば、今回のMAKERSオーディオ版は1995円。紙と同じというのは高い印象です。

価格に対する個人的な感覚としては、紙の本>電子書籍>オーディオブックの順番。この理由を考えてみると、コンテンツ内容は同じですが、目に見えるリアリティみたいなものがあるほど、価格の価値としては高く感じてしまうからだと思います。

紙の本に比べると電子書籍はモノとしてのリアリティは下がりますが、電子書籍デバイスの中に画面内で存在はしています。ぎりぎりモノとして認識できるレベル。

オーディオブックは電子ファイル化された音声なので、電子書籍に比べてさらに実態としての存在感が低く感じるんですよね。だから実態感が、紙の本>電子書籍>オーディオブックとなり、価格許容度もこの順番になってしまう。AmazonではKindle版が同じ紙の本より安いことが多いので、紙の本>電子書籍が普通になっている一方で、「オーディオブック=紙の本」がなおさら高いように感じてしまいます。

オーディオブックについては、まずは認知を広げ、ユーザーを増やせるかどうかだと思うので、潜在ニーズのある層でも価格がボトルネックとなってしまうのではないか。戦略的な値付けも大胆にやってみてもいいかもと思いました。

★  ★  ★

色々と書いてしまいましたが、オーディオブックはコンテンツとしては紙の本や電子書籍とはまた違って、故に紙/電子書籍では応えられなかったニーズを満たせる可能性があると思います。

詳細の数字は割愛しますが、海外に比べて日本でのオーディオブック市場は小さいようなので、これからの国内でのオーディオブック市場の拡大はどこまでいくのか。今回いただいたMAKERSを機に関心領域の1つとなりそうです。


2013/08/24

マネーフォワード:お金への「虫の目/鳥の目」両方がある便利なツールをご紹介

毎月、月末or翌月初に資産運用をする時間を少し取っています。資産運用と言っても毎月やっているのは最低限のことで、
  • 1ヶ月あたりの収入と収支を見る。収支については食費にいくらのレベルでざっくり
  • 毎月の投資は基本的には投資信託への自動積立で、特にやることは無し
  • 資産配分(アセットアロケーション)を確認。アロケーション項目は現金/預金、日本株、海外株、外国債券の4つ
を15-30分くらいでやっています。3ヶ月に1度くらいの頻度で、資産配分の調整をしています。

■重宝しているMoney Forward

毎月の収入と収支を管理するのに使っているのはMoney Forward(マネーフォワード)です。使うようになって毎月の資産管理が効率的にできるようになりました。マネーフォワードを使い続けている理由は、
  • 家計簿と資産管理の2つが同時にできる
  • プラットフォームとして一元化された利便性
  • マネーフォワードの理念

1.家計簿と資産管理の両方ができる

2つが同時にできる個人向けサービスって、ありそうでなかったんですよね。本来、家計管理と資産管理は密接につながっています。ファイナンスにおいて、賃借対照表(BS)と損益計算書(PL)が連動しているように、個人レベルでも家計簿と資産管理は連動しているんですよね。家計簿がPLで、資産管理がBSのイメージです。

毎月の収入/支出を家計簿で把握しつつ、もう少し長い時間軸で資産管理もできるのが特徴です。家計簿という「虫の目」と、資産管理の「鳥の目」の両方がマネーフォワードにはあります。

家計簿と資産管理が連携していることで、自分の資産トータルに対して毎月の収入と支出は何%なのか、資産に比べての生活レベルが把握でき、単に今月は支出が多い/少ないだけではなく、資産全体量を意識しながら把握できます。

2.プラットフォームとしての利便性

特徴の2つ目がプラットフォームとしての利便性です。自分が使っている銀行口座、証券口座、クレジット、投資信託、ポイント、年金、等々とマネーフォワードを連携させることで、マネーフォワード内にほぼ全ての自分の金融資産が一元化できます。

マネーフォワードと連携している銀行や証券等は増えているので、使い始めた当初はまだ少ない印象でしたが、13年8月時点で連携している金融機関は1,300を超えています。独立系の投資信託も、鎌倉、コモンズ、さわかみ、セゾン、ひふみと主要どころは入っています。

自分が使っている金融機関の口座をマネーフォワードに登録すると、あとは自動で預金額等の情報を読みに行ってくれます。例えば給料が銀行口座に振り込まれたり、証券口座内の株式資産額の変動なども全て自動更新。マネーフォワードを見れば、ほぼ最新の資産/家計簿状況が見られるというわけです。

マネーフォワードを使う前は、毎月の資産運用で自分の資産がどれだけあるかを確認するためには、銀行口座と証券口座を全部ログインして調べていました。銀行で4-5つ、証券口座で3-4つ、とネットのマイページから見られるのは便利とはいえ、1つ1つログインするのが相当面倒でした。今はマネーフォワード上に全てあるので、ログインはマネーフォワードのみ。これがほんと便利なんですよね。デスクトップPCブラウザ、スマホアプリ(iOS/Android)のどこからでも使えるのも良いです。

3.マネーフォワードの理念

マネーフォワードを使うきっかけとして、上記の仕組み/機能面での利便性以外に、ビジョンに共感したことでした。マネーフォワードのページには次のように掲げられています。
お金を前へ。人生をもっと前へ。

我々のサービスを通じて、個々人のお金に対する悩みや不安が軽減し、日々の暮らしの改善や夢の実現する。
そして日本国内の「お金の流れ」が変わり、より世の中が活性化し、新たなチャレンジを生み出しやすい環境づくりに貢献することが、我々が当事業を行う最大の目的です。

引用:ビジョン|株式会社マネーフォワード
特に後半の「『お金の流れ』が変わり、より世の中が活性化し、新たなチャレンジを生み出しやすい環境づくりに貢献」部分。そのためにお金を前へ、というマネーフォワードの名前の意図。いい理念だと思います。

■インターフェイスはもっと使いやすくなるはず

こんな感じで、これからも使っていきたいマネーフォワードですが、一方でここが使いにくい、というのもあります。主にはインターフェイスで、
  • スマホアプリは、起動しホーム画面を立ち上げるごと、ページ遷移ごとに、毎回通信をしてデータを更新。スマホ用の使用スピード感としては遅すぎる。通信状況によっては5秒とかかかることもあり、ここをなんとかしてほしい。ローカル端末には極力保存せずクラウドに読みに行く仕組みとはいえ、スピード感が・・orz
  • デスクトップのページ遷移が、特に「家計」でうまく設計されていない。例えば、「収支内訳」を見ていて、日用品項目(例:10,000円)の内訳が見たい時は、支出詳細にページを遷移させる必要がある。支出詳細はデフォルトが時系列順なので、項目別は手動変更。10,000円の内訳詳細を見るのに何段階もステップがある。「月次推移」も同様。月次の場合はさらに、3ヶ月前の項目詳細を見るためには、支出詳細に言って、1ヶ月ごとにページを遷移させて戻るのも手間。つまり、項目→詳細とブレイクしたいのに、ページ遷移がたくさんあって行き着くまでに時間/手間がかかる
  • 「資産」の内訳は、預金、株式、投資信託、FX、等。株式と投資信託については、日本株、外国株、国内債券、海外債券、のように投資先でもカテゴライズされていると理想。ただし、これは投資商品の中身から判断しないといけないので、自動振り分けは難しそう。せめて手動でいいのでカテゴリー分けができるとよい

★  ★  ★

マネーフォワードはサービスを改善し続けている印象があり、プレミアム会員専用のサービス、登録金融機関の拡大、家計/資産アドバイスのコンサル的なサービス、等々を追加しています。

何度か要望としてリクエストメールを送ったこともあり、レスポンスもそこそこ早く返ってきました。

Money Forward(マネーフォワード)はトータルでは便利で満足度が高いサービスです。


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資産運用を30年続けるためのMyルール


2013/08/18

書評「満員電車がなくなる日―鉄道イノベーションが日本を救う」

電車で通勤をする場合に、まず考えることは満員電車をどう避けるかです。

自転車などそもそも電車を使わないケースを除き、満員電車を避けるためには、①混んでいる路線を使わない、②混雑する時間帯を避ける、の2つ。

①は、住む場所と働く場所によるので、ある程度は固定されてしまいます。②は、朝は少し早く/遅く出社すること等でピークの時間帯をずらせます。

よくよく考えると、①②は電車への需要と供給で言うと、需要を減らす方法です。そもそも満員電車というのは、特定の時間帯における需要と供給の関係において、電車を使いたい人(需要)が、電車側で想定している乗客数(供給)を上回っている時に発生します。つまり、需要>供給の状態。①②で見過ごしがちな前提は、供給量はこれ以上増えないことではないでしょうか。

満員電車の問題は、需要と供給で考えると実はおかしいことだと思っています。資本主義社会であれば、本来は需要と供給のどちらかが多い場合、いずれは需要=供給の均衡点にいくものです。供給を増やす/減らす、需要の増減、価格調整など。しかし、満員電車については、需要>供給の状態が日本では何年も続いていて、日常の光景になっています。繰り返しますが、本来これはおかしいことです。

このあたりのことが詳しく書かれているのが「満員電車がなくなる日―鉄道イノベーションが日本を救う」という本でした。本書の特徴は、満員電車をなくためには、供給をどう増やすかに視点を置いていることです。乗客収容数を増やすために大きく3つ書かれていて、
  • 運行方法
  • 運賃の仕組み
  • 運転士免許制度の規制改革などの制度
を抜本的に見直す、というもの。

本書がおもしろいと思ったのは、満員電車が私たちの生活の中で当たり前になってしまっているが故に、どうすればなくせるかは思考停止になっていた自分の頭を刺激してくれる点です。冒頭で書いた①②の個人レベルで需要を調整するという小手先の話ではなく、仕組みとして。どうすれば多い需要に対して供給を増やせるかの話です。

■満員電車をなくす「運行方法」

電車において供給量を増やすとは大きくは、電車の本数を増やす、電車当たりの乗客数を増やす、の2つです。本書で紹介されている供給を増やすための案は、「そんな方法があるのか」と新しい考え方を提示してくれます。

例えば、電車の本数を増やすためには、現行の信号システムの改良が提唱されています。信号システムにより電車全体の運行が制御されている恩恵がある一方で、信号システムが電車本数の増加を実現する上でボトルネックになっていると言います。信号システムの向上により電車の本数が増やせると。

現在使われている信号システムは、1964年の東海道新幹線の開業当時から基本機能はほとんど向上していないそうです。新しい信号システムの詳細は割愛しますが、信号システムをより高度なものにすることで、電車の本数増が期待できます。例えば、現在は2分間隔で電車が来るのが、1分間隔にできる、など。

電車本数増で考えるべき視点としては、電車発着の遅延をどう防ぐかも重要と思いました。駆け込み乗車によって起こる一度ドアを閉めた後にもう一回開く光景はよくありますが、積もり積もると電車の遅れにつながります。ある電車が遅れると、その前後も運行が調整され電車システム全体で見ると運行効率が下がります。電車遅延への影響がもっと大きなものは、人身事故、天候、信号トラブルなど。このへんを解決する仕組みがないと、新しい信号システムを導入して本数を増やせたとしても、電車遅延の影響がより大きくなってしまいます。

電車の供給量を増やすための、電車当たりの乗客数を増やす方法について。本書の提案の中でも印象に残っているのは、2階建電車の導入です。単純に考えると、電車を2階建てにすることで受け入れられる乗客数は2倍になります。

実現のためには多くの課題があると思いますが、発想としてはおもしろい。

電車だけ2階、乗り降りの駅が1階だと、電車内で1→2階に上がり下りをしないといけない不便が発生します。なので課題としては、2階建ての電車に乗るためには駅のホームも2階建て対応にする必要があります。しかも全駅について。地下鉄であれば、地下の空間を路線/駅ともに広くしないとそもそも走れません。また、架空電車の場合、電車用の電線も2階建ての分だけ上に上げることになります。

■満員電車をなくす「運賃の仕組み」

運賃の仕組みを見直すことも、色々と考えさせられました。新幹線や一部の特急列車を除き、現状の電車の運賃は移動距離で決まります。基本的には遠くに行くほど運賃は高くなります。

一方、移動中の車内での状態は運賃には考慮されていません。座席に座っていくのも、立ちっぱなしも、満員電車でどんなに車内で過ごしにくくても、運賃は変わりません。よくよく考えると、座席に座れるかどうかは運頼みなところが多いんですよね。たまたま目の前の人が降りたので自分が座れたり、優先席でも譲ってもらえるかどうかは、時と場合によります。電車からの提供サービスとして、価格に違いが出るのはどこまで運んでくれるかのみで、移動中の快適さは入っていないのです。

本来であれば、移動中の提供サービスが加味され、それに合わせた価格体系が望ましいのではないでしょうか。より快適に移動したいなら、少し高い運賃でも良いというニーズはあると思います。実際に新幹線では自由席と予約席で値段が違いますし、予約席でもよりゆったりできるグリーン席があります。

普通の電車や地下鉄でも、もっと柔軟な運賃設定ができれば需要と供給がもっと動くはずです。通勤ラッシュというのはそれだけその時間帯に電車を使いたい人が多いので、需要が増えるのであれば価格を上げる。逆に空いている時間帯は価格を下げる。座席に座る人には立っている場合よりも快適なので、その分を価格に反映する。

こうした自由度の高い価格設定のために、本書ではスイカなどのICカードがうまく使えないかということが書かれています。例えば座席にICカード読み取り装置をつけ、カードをかざしプラスアルファの運賃を支払うことで座席が降りて座れるようになるというもの。

ここも実現へのハードルはいくつもありそうですが、実験的にでもいいので一回やってみてほしいところです。

■満員電車という社会問題を解決するために

本書のスタンスとして明確にしている仮説は、満員電車の歴史は「運賃抑制の歴史」である。もし、電車の商品価値とコストに応じた運賃設定が可能になれば、財源確保ができ満員電車をなくせる、というものです。

運賃が低いことで、より多くの人が電車を気軽に利用できることは、社会全体で見ると大きなメリットです。一方、自由度のない運賃設定により、満員電車が慢性的に発生しているとする考え方が本書の根本にあります。

考えてみると、満員電車というのは混んでいる分だけ一度の電車で運べる人間の数が多いということなので、人を移動させるという観点だけを考えれば非常に効率的な仕組みです。しかし、乗っている側からするとあれほど非生産的な時間はありません。

満員電車は社会問題の1つだと思うので、少しでも解決された社会にするためにはどうすればよいか。「満員電車がなくなる日―鉄道イノベーションが日本を救う」という本は考えるきっかけを与えてくれます。




2013/08/17

ブログのアクセス数減少が教えてくれた大切な2つのこと

Google Analyticsというサイトのアクセス解析ツールがあります。自分のブログへのアクセス状況が、これだけで十分に分析できる便利なツールです。

Analyticsを見ていて気づいたのが、8月に入ってからブログへのアクセス数が減少したことでした。ページビュー数(PV)のトレンドグラフを見ると、それまでに比べ明らかに減ってしまっています。

これまではPVの傾向としては少しずつ増えていたこともあり、いきなりPVが減ってしまいその水準が一時的ではなく続いているので、正直に言うと知った時はちょっとショックでした。

■PV数の減少要因を分析してみると・・

とはいえ、気にしていても仕方ないのでもう少しGoogle Analyticsで分析してみることに。PV数は、訪問者数×訪問者あたりPV数に分けられて、減少要因はそもそもの訪問者数が減っていたことでした(ユニークユーザー数も減少)。

その次に気になったのは流入経路。具体的にはGoogle検索からの流入がどうなっているか。このブログへの流入元でGoogleからは過半数を超えていて、Yahoo!も入れると検索で訪れてもらえる割合が大きく占めます。Google経由がどうなっているかはインパクト大なんですよね。安心したのはGoogle検索経由での流入は変わっておらず、むしろ流入元の構成比で見るとGoogle経由の%は上がっていました。どうやらGoogle流入以外に減少要因がありそうです。

じゃあPVが減ってしまった理由は何なのか。Google Analyticsの分析自体がおもしろいこともあり、色々と見たくなります。

■その分析結果にはどんな意味があるのか。Next Stepにつながるか

でも、減少要因を探るのはここでやめました。なぜなら、これ以上深掘りをして要因を突き止めたとしても、その分析結果が次に活かせないと思ったからです。理由が判明してもそれをもってPV数を増やしたり、減少前の元の水準に戻すことはすぐには難しい。

アクセス解析によりPV減少要因を分析することは全くムダではないのですが、その一方で分析をする際に常に頭に入れておかないといけないのが、その分析結果をどう使うのか。So what?であり、分析がネクストアクションにつながらないのであれば、どんな意味があるのか。今回の例で言えば、PV数減少理由が分析によりわかったとしても、それが自分のブログ運営に活かせないのであれば、アクセス解析自体にあまり意味がないと思いました。Next Stepにつながらないんですよね。

得られるであろう分析結果に対して、①誰に対して、②どんな意味があるのか、③それは次のアクションにどうつながるのか、は分析をしている最中には忘れがちになります。分析というプロセスはおもしろいので、本来の分析目的とズレたことまでやってしまう。今回はブログのアクセス解析というプライベートなことですが、仕事でも意識しておきたいとあらためて気付かされました。

■自分ができることに目を向け、バッターボックスに立ち続けること

もう1つ、今回のPV減少で思い出させてくれたことは、自分がどうしようもできないことには固執しないことの重要性です。

今回のケースで言うと、PV数が減るとか増えるというのは自分でコントロールできるものではないんですよね。ブログに訪問してくれるかどうか、訪問者が増えるかどうか、訪問してくれた人がどれだけ読んでくれるか、これらの結果としてのPV数です。

自分がコントロールできないことに、これ以上気にしていても仕方ない。そもそもPV数を気にすること自体が時間や自分のエネルギー配分の無駄と思えるようになりました。ことブログについては、自分がやれることにフォーカスすべきなんですよね。読んでもらえるのに耐えられる文章にすること、自分ならではの考察/意見も入れるようにすること、ただ読んでもらうのではなく役に立つ内容と思ってもらえること、そして、何よりも更新を続けること。

本来、気にすべきKPIにすべきは、PV数や訪問者数ではなく、自分がコントロールできること。エントリー数とか更新頻度。自分ができることに集中して、バッターボックスに立ってバットを振り続けること。たまにヒットが打てるかもしれませんが、ゴロが続くことのほうが多いので、それでもやり続けられるかが大事だなと、あらためて思いました。


2013/08/11

YouTubeで音楽をヘビーに聞くようになっての雑感

ふと気づけば、最近は音楽を聞くのがYouTubeが多くなっています。

自分の日常で音楽を聞くのは、通勤などの電車の中、自宅、仕事で集中したい時。このうち、自宅と仕事時はYouTube(YT)を使っています。

YTには音楽コンテンツがかなり充実していると思っていて、その中でもよく利用しているのは60分くらいのDJの人がミックスしたコンテンツです。YTにはSubscription(登録)の機能があり、気に入ったDJさんは何人かは登録しています。(例えば、 Soulful Evolution JaBigMike WhitfieldHeiera Mark MelloTrevor NygaarddarkocorazzoErwin Westerborg)

YTで音楽を聞く時は作業用BGMとしてです。音楽を聞く時間も増えました。一日あたり3,4時間は聞いています。YT利用者全体でみた場合、たぶんヘビーユーザーの1人になっているように思います。以下は、YTで音楽を聞くようになり、ここ最近思っていることです。

■音楽の保有意識の低下

以前であればiPhoneの中に入っている曲を聞いていました。今でもなくなったわけではないですが、YTの音楽を聞くことで音楽の保有意識がなくなりつつあることを実感しています。

YTで音楽を聞くことに関しては、曲を持っている実感はなくて、ただYT上にある音楽を「再生」するだけという感覚です。保有もダウンロードもしている認識もなく、ただそこにある音楽を聞いているだけです。

音楽再生はCDというメディアだった頃に比べ、iTunesからiPodなどにダウンロードして聞くスタイルに変わった時、音楽の保有意識も変わりました。CDという物理的なメディアに入っていたものが、MP3形式になり音楽に対してモノの感覚が薄れた記憶があります。

それでもiTunesの中(PCの中)だったり、iPod/iPhoneの中には入っているという意識はあったので、保有の実感はありました。それがYTでストリーミングで聞くことが多くなり、音楽はもはや保有ではなく、その時だけ利用し聞くものになりました。

保有意識の低下によって、今のところ、だからどうというわけではないのですが、あらためて思うとこの感覚の変化は大きいと思っています。

■YTが使えない環境で顕在化した不便

通勤での電車内でも音楽を聞いていることが多いのですが、今のところこの時間はYTは使わずに、iPod touch内に保存してある音楽を聞いています。

電車内でもYTは使えないこともないのですが、通信が弱いので途切れてしまうことがあります。デバイスも常に通信をするので、バッテリーの消費も激しくなります。なので、通信をせずに音楽を聞くとなると、デバイス内の音楽を聞いています。

従来はこのモバイルデバイス内のローカル保存の音楽を聞くという視聴スタイルに特に不便は感じなかったのですが、自宅等の屋内でYTで聞くことが多くなると、YTを使いにくい環境下での不便が顕在化してきています。

デバイス内で保存してある曲数は、YT上にある音楽の多さに比べると少ないので、曲に飽きてきてしまいます。それに比べるとYTで聞ける音楽は感覚としてほぼ無限にある感じなので、選曲に迷うこともないんですよね。iPodから曲をいちいち選ばないといけないのが、意外に不便に感じてしまうようになってきています。これはYTを音楽用として利用する前には全くなかった不便です。

■コンテンツプロバイダーにプロもアマもない。ただ自分が気に入った音楽を聞くだけ

上記で自分がYTで登録しているDJさんのいくつかをご紹介しました。昔の、CDでミックスを買っていた頃を思い出すと、CDを出せるようなDJはその世界でのかなりのトップクラスだったはずです。

一方、YT上にはプロのDJもいれば、セミプロ、アマなど様々なクラスが混在しています(プロやセミプロの定義はここではあまり厳密に考えていません。要はトップ級だけではないということを言っています)。あらためて思うのは、自分にとって大事なのは音楽というコンテンツプロバイダーがブロorアマではなく、自分の好きな曲を提供してくれるか、自分の音楽嗜好/センスに合っているかどうかです。

YTというプラットフォームに音楽だけでも多種多様なコンテンツがあり、その中で自分が気に入った音楽を聞くだけなんですよね。すごくフラットな世界という感覚です。

■音楽接触時間は増えた。ただしお金は払っていない

YTで音楽を聞くことが多くなり、結果として音楽視聴時間は以前よりも増えました。特に作業用BGMとして、PCで何かを集中してやりたい時はだいたい聞いています。

一個人として音楽利用時間が増えたのに対し、音楽に対して支払うお金は減りました。ことYTに関してはフリーです。厳密に言えば、YT内で見る広告のうちいくつかは課金が発生していますが(TrueViewで広告スキップをしない、スキップ機能がないIn-Stream)、これも自分のお金が支払われるわけではないので感覚としてはYTに一銭もお金を払っていないのです。

音楽視聴時間は増えているのに、支払うお金は増えていない、むしろYTを利用すればするほど減っています。今後、マーケットとして成り立つのかがとても気になります。

コンテンツプロバイダーにとっては、音楽視聴者から直接ではなく広告からお金を稼ぐことは可能です。CDやiTunesでのダウンロードでは、音楽を買う、つまり音楽視聴者から直接お金がまわってきていました。YTでは、お金の流れとしては視聴者からではなく、広告主からYT経由(Google経由)で支払われます。

このエコシステムが良いのか悪いのかはなんとも言えないのですが、気になるのはお金という視点で見た時にマーケットとして、今後も成り立つのかどうか。利用者にとってYTでタダでいくらでも音楽を聞けるうれしい環境ですが、音楽提供者にとって金銭的な旨みがなくなれば、プラットフォームとしては成立しなくなる?というのがここ最近の感心事です。

■YTでの音楽視聴は、YT本来の使い方?

YTで音楽を視聴すると言っても、作業用BGMとして利用する場合には「視」はありません。ユーチューブなのに、映像は全くと言っていいほど見ていなく。ただ音を聞いているだけです。

動画のほうも、1時間とかある音楽コンテンツはもともと映像はないようなもので、1時間ずっと同じ静止画が表示され、音楽だけ流れるというパターンも結構あります。コンテンツ提供者側も利用者側もはじめから動画を見ることは想定していないということ。

YTはもともとは動画サイトなのに、映像が作られていない/ニーズがないというのはよく考えるとおもしろい現象です。YTがもともと想定していた使い方ではないように思いますが、動画サイトなのに映像ではなく音だけに一定のニーズがあり、需要と供給が成り立っているのは興味深いです。


2013/08/10

決断とは最善を尽くすこと:落合博満の采配論から学ぶ意思決定の心構え




中日ドラゴンズの前監督である落合博満氏は自らの著書 采配 で、次のように書いています。

どんな局面でも、采配というものは結果論で語られる事が多い。

(中略)

責任ある立場の人間が下す決断ーーー采配の是非は、それがもたらした結果とともに、歴史が評価してくれるのではないか。ならばその場面に立ち会った者は、この瞬間に最善と思える決断をするしかない。そこがブレてはいけないのだと思う。

「こんな判断をしたら、周りから何と言われるだろう」

そうした邪念を振り払い、今、この一瞬に最善を尽くす。
監督の采配とは、ひと言で言えば、そういうものだと思う。

引用:書籍「采配」

落合監督の采配論は示唆に富みます。ここで言う采配とはチームに対して指示/指図をする行為ですが、「采配」を「何かを決める」と置き換えてみると個人レベルでも考えさせられます。

A か B のどちらかを決める必要があり、甲乙つけがたいケースがあるとします。特に仕事においてはよくある状況です。

答えのない世界なので、どちらかを選ぶ決定的な根拠があるわけでもありません。でもどちらかに決める必要がある状況です。

よくやってしまいがちなのは、「どちらが正解なのか」という問いを立ててしまうことです。

落合監督は采配における判断基準を、次のように言っています。

自分の采配を「正しかったか」それとも「間違っていたか」という物差しで考えたことがない。ただあるのは、あの場面で最善と思える決断をしたということだけである。

引用:書籍「采配」

落合監督の采配論からの教えは、決断に対して正しいか/間違っていたかがわかるのは結果論でしかないということです。何かを決めた結果がわかって初めて過去の決断に対しては正しいか間違いがわかるのです。

決断時点では、決断の結果が出る未来についてはわかりません。よって、決めることへの判断基準は「これは最善と思える決断なのか」なのです。

言い方を変えると、決断に対して自分は納得できている、責任を持てる状態になっているかです。

考え抜いたかどうか、根拠となる論理に自分で納得できているかです。自分の決断が後から振り返った時に間違っているかもしれません。それでも今現時点で「最善の決断」と思えるかどうかです。

仕事に限らず、日々の生活においても何かを決める場面はたくさんあります。直感的に選ぶこともあれば、メリット/デメリットを考慮して選択するケースもあります。

いずれにも共通して言えるのは、決断した時点では正解も不正解もないということです。正しいか間違いなのかは後から過去を振り返った時の結果論でしかありません。

A or B で A を選んだ結果論としての正しいか間違ったかにすぎず、もし B を選んでいた時の結果論はわかりません。厳密に A or B において、本当に A を選んで正解だったのかは誰にもわからないのです。

だからこそ、「今、この一瞬に最善を尽くす」心構えが大切です。




2013/08/04

子どもは親の鏡:出産予定日がちょうど1ヶ月後なので忘れないように

今日は8月4日。9月に子どもが生まれるのですが、予定日が9月4日(水)です。

あと1ヶ月なんですよね。1ヶ月ってすぐに時間が経つ感覚なので、待ち遠しい限りです。そういえば今朝、初めて夢に自分の子どもが出てきました。

自分の子どもが生まれるということで、子育て系の本も読むようになりました。今回のエントリーでご紹介したいのは「子どもが育つ魔法の言葉」

本書のキーメッセージは「子どもは親の鏡である」。子どもは常に親から学んでいて、親の姿を見ている。親のありのままの姿を子どもはよく覚えている、というもの。親の考え方、言動、行動が子どもに与える影響は大きいのは、実感としても理解できます。

本書で印象的だったのは、以下のフレーズです。
  • 認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
  • 誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
  • 叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう

■認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる

親のスタンスとして、子どものことを認めてあげられるようにしたいと思っています。子どもとはいえ、1人の存在として認めることであったり、子どもがやること、言うことに対しても受け入れるようにしたい。食事をこぼして床にぶちまけたりとか、時には怒りたくなるようなことでも、まずは受け入れる。認める。そのすぐ後にきっと怒ってしまうような気もしますが、認めることなしに叱ることは避けたいなと。

子どもの立場で考えると、一番の身近な存在で信頼できる大人が親です。そんな親から自分は認められていると感じられるか。認めてもらえないのであればその影響は大きいように思います。本書に書かれている「認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる」というのはわかるんですよね。自分のことが親に認められたと実感できると、そんな自分のことを誇らしく思え、好きになるというか。

■誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ

子どもの何を誉めるとよいか。親として大切にしたいのは、プロセスをまずは誉めることです。自分で考えたこと。行動を起こしたことに対して。やる気とかモチベーション。時には失敗もするかもしれませんが、まずは結果に至るまでのプロセスにおいて誉めるようにしたいと思ってます。

意識したい褒め方としては、具体的に誉める、その場ですぐに伝える、時にはさらに良くなるような助言もセットで誉める。

親から見て、子の長所についても触れて、子ども自身が自分の良い面をわかるようにもしてあげたいです。2つあって、自分が長所と思っていることを親に認めてもらえること、自分が気づいていないことでも長所と指摘され意識することで、新しい自分が見つかる。ポジティブに捉えられるようになり、自己肯定感を持てるようになってほしいですね。

子育てに関する本を何冊か読みましたが、よく出てきてたのが「自己肯定感」でした。自分を認めること、何が起こっても「大丈夫」と思えること、自信を持つこと。自己肯定があることで、考え方が前向きになれます。

自分の長所や努力を誉めることで、子どもはそれが正しいアプローチと理解できる。それが次のプロセスにつながっていく。こうした良い循環ができることで明るく前向きな子になってほしいと願っています。

■叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう

子どもを誉めることは大事だとわかっていても、怒ったり叱るケースもあります。どういうふうに叱るかは結構難しいなと感じています。

叱る時に意識するようにしたいのは、その場で叱ること、具体的に叱る、公平であること。その場でというのは、後から叱っても効果は低いように感じるので、具体性も併せて、次につながる叱り方をしたい。決して自分のストレスやイライラの解消のために怒ったり叱ることはないように(公平に叱る)。

「怒ったり叱ったり」と書いて思ったのが、怒ることと叱ることの2つを分けて考えたほうがいいなということ。必ずしも2つはセットである必要はなくて、怒る要素は減らし叱ることにフォーカスしたいです。

怒る行為は、親にとって自分本位なこと。感情的になることは仕方ないですが、自分の気持ちを子どもに向けてぶつけているイメージです。でもそれは果たして子どもにとって良いことなのか。子どもにとってプラスになるからこそ叱る。子どもにとっても長い目で見ると怒られるのでなく、叱られたほうが得るものも多くなる。そんな親子関係を目指したいもの。

叱る回数が多くなり過ぎないようにも気をつけたいです。目指したいのは誉めると叱るの割合が1:1くらいになること。理想は誉めるほうを多くすることですが、果たしてそんなうまくいくのかな。

★  ★  ★

こうして考えると、親の役目もなんとなく見えてきます。子どものことを受けとめ、肯定し、認めてあげること。励まし、誉めてあげる。叱る時には公平におもいやりをもって。

こうした子どもへの直接の触れ合いだけではなく、普段からの親の立ち振舞を子どもはきっと見ているはず。子どもは親から学ぶ、子は親の鏡であるという本書の指摘は、忘れないようにしたいと思っています。

最後に、本書からの引用です。
けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもはみじめな気持ちになる
子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう

励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば、子どもは、この世はいいところだと思えるようになる

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2013/08/03

転職して3ヶ月を振り返る

気づけば転職して3ヶ月が経ちました。

感覚的に、3ヶ月が1年くらいの時間のように感じています。いや、もっと長い時間かもしれません。それだけ密度が濃かったし、早く時間が過ぎました。転職を通じて様々なことが変わりました。

今回のエントリーでは、あらためて転職後の3ヶ月を振り返ってみます。仕事で意識していた3つです。

■自分がいることで価値/成果を出せているか

今まで以上に強く意識していたのが、自分が参加したりいることで、何か価値・成果を出せているか。常に考えるようにしていたのが、そもそも自分の価値を出せているか、あるいはどうすれば価値を出せるかでした。

例えば会議。会議に自分が参加しても、発言がなくただその場にいるだけだったとします。これではもし自分が参加しなくても、その会議での議論だったり意思決定に何も貢献することはできません。自分への情報インプットがあるだけで、会議へのアウトプットは何もできていない。これでは何も価値や成果が出せていないことになります。

参加人数の多い情報共有が主目的の全体会議は別として、心がけていたのは会議では自分が参加することで価値/成果が出せているか、何をすれば会議に貢献できるか、でした。質問をする、意見を言う、会議をファシリテートする、など。

もう少し体系的に捉えると、①自分ができること、②自分がやりたいこと、③価値を出せること、の3つの領域が重なるところを見出だせるか、どれだけ増やせるか。そんなことを考えていた3ヶ月でした。もちろん、3つのうちどれかが欠ける場合もあります。それでも3つのうち何が当てはまらないかを意識しておく。どうすれば3つが重なるかを考えることが大切だなと思っています。

①自分ができることについては、まわりとの比較優位を考えています。それほど得意と思っていなかったことも、相対的に優位なのであればそれは自分ができることに含めています。②自分がやりたいことは常に忘れないようにしたいし、③価値を出せるかはこれができることが結局は自分の存在価値だと思っています。

■行動し一歩中に入り込む

とにかく自分から行動すること、どうするか迷った場合はアクションを起こしたほうがよい。転職をしてより実感をするようになりました。

自分から行動をしないと何も始まらないと言ってもよいです。直感的にでも「こうしたほうがいいかも」と思ったら、なるべくその場で行動する。結果的にそのほうがプラスになりました。この3ヶ月を振り返った時に、行動して失敗や後悔よりも、すぐにアクションをしなかったことでのミスが多かったです(成功よりも失敗のほうが記憶に残りやすいバイアスを考慮しても)。

行動を起こすことは、大小のレベルがあります。カジュアルなものだと、初対面の人でも自分から声をかけてみる、ランチを誘ってみる、社内ボランティアに参加したり、コミュニティに飛び込んでみる、など。いろんな人と知り合うおもしろさがあったし、さらに輪が広がりました。

行動を起こすことで未知の世界に一歩入り込むことができます。片足だけでもいいので、勇気を持って知らない領域にとにかく入ってみること。躊躇するのは最初の一歩を出すところで、一歩入ってしまえば案外すんなりといくものです。だからこそ一歩目が大事。自分が感じたこと、正しいと思ったことに対して、さっと行動できるか。このスタンスはこれからも続けていきたいと思っています。

■Have fun !!

今の会社でよく感じるのは、みんな楽しそうだなということです。仕事を楽しんでいるだけではなく、生活も含めトータルで楽しもうという雰囲気を感じます。

もちろん、仕事が全て楽しいわけでは決してなく、大変なことや苦労も多いはず。それでも最後には楽しむ、プラスのこととマイナスのことを全部足すとトータルではプラスになっている感じです。あるいは、自分でプラスと捉えるようにしているというか。「Have fun !!」という言葉がしっくりきます。

ちょっと思うのは、仕事がうまくいっているから楽しんでいるように見えるのか、楽しいと思うから仕事がうまくいくのか、どちらの因果なのか。ケースバイケースとは思いますが、私は後者でありたいと思っています。まずは「Have fun」と思うことを始点にしたいなと。強引にでもそうすることで、ふと気持ちも軽くなるし、自分のことが客観視できてまたチャレンジしてみようと思えます。

★  ★  ★

転職して3ヶ月過ぎて感じるのは、自分の居場所やどんな貢献ができるかがわかってきたことです。今の会社で生きていけると言えるようにはなりました。

とはいえ、成果を上げていきたいし、自分の価値をもっと出せるようにしたい。今回の振り返りで初心を忘れないようにもしたいと思いました。まだまだこれからです。


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