投稿日 2014/02/16

「まだ死ねない理由」 に時間を使えていますか?




先日、父方の祖母が亡くなりました (2014年1月) 。


祖母への最期の見舞い


亡くなる2週間くらい前、御見舞に行きたいとふと思いました。なんとなく 「行かないといけない」 と感じてのことでした。

会いに行った時は泣いて喜んでくれました。帰る時に握った手は温かく、あの御見舞は忘れられない時間です。そして、祖母と会った最後になりました。


自分に残された命をどのように使うか


あらためて思うのは命には限りがあるということです。人生の有限性を考えた時、時間をどのように使うかとは、自分に残された命をどのように使うかです。

時間を使う = 残された命を使っていくことです。時間の使い方を考えることは、人生のあり方を問うこととも言えます。

「いま自分は死ねるか?」 と自分が問われれば、「まだ死にたくない」 とはっきりと答えられます。大切なのはその根拠が自分の中で明確になっているかです。もう一歩踏み込んで考えると、死ねない理由を持っているだけではなく、日々どれだけの時間をそれに使えているか、です。

自分の 「いま死ねない理由」 は、例えば、子どもの存在があります。昨日夫婦で会話したのが、もし娘がいなくなっても自分たちはやってはいける、でも、自分たち (親) がいなくなれば娘は自分一人で生きていけないというものでした。

だから 「まだ死ねない」 と自信を持って言えます。であれば、自分の時間を使う優先度の高いものに、子ども (家族) と過ごす時間があり、日々、それができているかどうかです。

祖母の死を通じて、あらためて振り返るきっかけになりました。


スティーブ・ジョブズの死生観


故スティーブ・ジョブズは、米スタンフォード大卒業式 (2005年6月) のスピーチで、死について以下のように語っています (日本語訳は英語の後に続きます) 。

When I was 17, I read a quote that went something like: "If you live each day as if it was your last, someday you'll most certainly be right." It made an impression on me, and since then, for the past 33 years, I have looked in the mirror every morning and asked myself: "If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?" And whenever the answer has been "No" for too many days in a row, I know I need to change something.

Remembering that I'll be dead soon is the most important tool I've ever encountered to help me make the big choices in life. Because almost everything ― all external expectations, all pride, all fear of embarrassment or failure - these things just fall away in the face of death, leaving only what is truly important. Remembering that you are going to die is the best way I know to avoid the trap of thinking you have something to lose. You are already naked. There is no reason not to follow your heart.

(snip)

Your time is limited, so don't waste it living someone else's life. Don't be trapped by dogma ―which is living with the results of other people's thinking. Don't let the noise of others' opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.

私は17歳のときに 「毎日をそれが人生最後の一日だと思って生きれば、その通りになる」 という言葉にどこかで出会ったのです。それは印象に残る言葉で、その日を境に33年間、私は毎朝、鏡に映る自分に問いかけるようにしているのです。「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか」 と。「違う」 という答えが何日も続くようなら、ちょっと生き方を見直せということです。

自分はまもなく死ぬという認識が、重大な決断を下すときに一番役立つのです。なぜなら、永遠の希望やプライド、失敗する不安… これらはほとんどすべて、死の前には何の意味もなさなくなるからです。本当に大切なことしか残らない。自分は死ぬのだと思い出すことが、敗北する不安にとらわれない最良の方法です。我々はみんな最初から裸です。自分の心に従わない理由はないのです。

(中略)

あなた方の時間は限られています。だから、本意でない人生を生きて時間を無駄にしないでください。ドグマにとらわれてはいけない。それは他人の考えに従って生きることと同じです。他人の考えに溺れるあまり、あなた方の内なる声がかき消されないように。そして何より大事なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。あなた方の心や直感は、自分が本当は何をしたいのかもう知っているはず。他のことは二の次で構わないのです。

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。