投稿日 2015/03/17

Google グローバルマーケティング担当 上級副社長が語る 「マーケターは仲人たれ」




今回は、マーケティングについてです。

  • Google が考えるマーケターの役割とは?
  • 「マーケターは仲人たれ」 とはどういう意味?

こんな疑問に答える内容でブログを書きました。


記事でわかること


この記事でわかるのは、グーグルから学ぶマーケターの役割です。

グーグルのグローバル マーケティング担当責任者とマッキンゼーとのインタビュー対談が、マーケティングに示唆に富む内容だったのでご紹介します。

参考:How Google breaks through | McKinsey & Company (インタビューは2015年2月)


グーグルのグローバルマーケティング担当責任者は、上級副社長の一人でもある Lorraine Twohill 氏 (ロレイン・トゥーヒル  ※ 役職は2015年現在) です。ロレイン氏は、2003年にグーグルへ入社、2009年からグローバルマーケティングの責任者となり、2014年から上級副社長に就いています。


マーケターはどうあるべきか


マッキンゼーとのインタビュー対談で、印象深いコメントがありました。

マーケターはどうあるべきかについてです。マーケティングとは、「knowing the user と knowing the magic の2つをつなげるものである」 という指摘でした。

以下は、インタビューから該当箇所の引用です。

The way I think about marketing—and the way I tend to talk to my team about it—is “knowing the user, knowing the magic, and connecting the two.”

Knowing the user means understanding who your consumers are, who your customers are. Not just knowing who they are, but what they need, what are their deep insights, and understanding how we can help them.

Knowing the magic means knowing what’s in the hearts and minds of your engineers and your product managers, and what they’re building.

Connecting the two means bringing the magic built by engineers to the world in a way that is relevant, meaningful, and compelling to the everyday consumer. So we create something that the world will be excited about.

 (引用:How Google breaks through | McKinsey & Company)


Knowing the user と Knowing the magic



Knowing the user


生活者やユーザーを理解することです。

何を望んでいるのか、理解する過程で得られた発見やインサイトは何か、そして、彼ら彼女らに対して自分たちがどう役に立つかを理解することです。


Knowing the magic


生活者やユーザーに提供する自分たちのサービスや商品を深く知ることです。単に商品やサービスのことを知るだけではありません。商品やサービスをつくる人たちの思いまで理解することです。なぜその商品やサービスがつくられたかです。

 (knowing what’s in the hearts and minds of your engineers and your product managers, and what they’re building)


マーケターの役割は仲介者


ロレイン氏が強調するのは、マーケターとは、Connecting the "knowing the user" and “knowing the magic.” です。つまり、生活者と商品やサービスを結びつける存在であれ、と。

マーケターが仲介者であるというのは示唆を与えてくれます。

例えば、次のような解釈もできます。

マーケターは、生活者と商品/プロダクトの間を取り持つ仲人という役割です。マーケターがお見合いの席で自分自身を売り込むことは必要なく、結婚するのはあくまで消費者と商品という考え方です。

仲睦まじい夫婦になるためには、仲人は両方それぞれを理解することが大切です。片方の男性側だけを知っていて、男性側の人柄や良さばかりを女性に伝えるだけでは、うまくいかないでしょう。

両方のことを深く理解しているからこそ、2人が幸せに結ばれる役割を果たせるのです。

マーケターも同じであるというのが、ロレイン氏の考え方です。

A marketer is connecting the "knowing the user" and “knowing the magic”.


まとめ


今回は、Google から学ぶマーケティングについて書きました。

最後に今回の記事のまとめです。

  • マーケティングとは、「knowing the user と knowing the magic の2つをつなげるものである」

  • Knowing the user とは、生活者やユーザーを理解すること。
    何を望んでいるのか、理解する過程で得られた発見やインサイトは何か、そして、彼ら彼女らに対して自分たちがどう役に立つかを理解する

  • Knowing the magic とは、生活者やユーザーに提供する自分たちのサービスや商品を深く知ること。
    商品やサービスをつくる人たちの思いまで理解する。なぜその商品やサービスがつくられたか

  • マーケターとは、Connecting the "knowing the user" and “knowing the magic.” 、つまり、生活者と商品やサービスを結びつける存在であれ。
    両方のことを深く理解しているからこそ、2人が幸せに結ばれる役割を果たせる

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。