2015/10/31

子ども用の貯金には、投資信託での自動積立+スポット積立




2015年10月下旬、2人目の子どもが生まれました。

子どもの誕生に祝い金をもらいました。祝い金から、出産に伴う入院費や内祝い等の支払い分を差し引くと、いくらかのまとまったお金が残ります。

このお金をどうするかと言うと、投資信託への積立にまわしています。この投資信託は子ども専用分として運用していて、自分が使っている投資信託とは分けています。

■子ども用の「貯金」を投資信託で

親が子どもへのお金を貯金する場合、一般的には、銀行の普通または定期預金口座に預けることだと思います。私の場合は、預金口座ではなく、子どもの貯金用として信頼できると判断した投資信託にお金を入れています。感覚としては、投信信託に貯金をしているわけです。

もちろん預金口座に比べ、増える/減るという不確実さ(リスク)があります。自分の中の判断として、このリスクは取れるとして投資信託を使っています。

具体的には、以下のような積立をしています。
  • 毎月一定額を自動積立。例:子ども1人につき毎月1万円
  • 4ヶ月ごとの児童手当が支払われたら、全額をスポット投資
  • 誕生日や入学等のお祝い金、お年玉をもらえたら、使って残った分をスポット投資

■子ども用に使っている投資信託

子ども用の貯金(資産形成)として使っている投資信託と証券会社は、

ひふみプラスについて少し補足です。

姉妹ファンドである「ひふみ投信」は自分の資産運用として投資をしています。

ひふみプラスをあえて使っている理由は、自分と子どもの分を区別したいのと、ひふみプラスのほうが購入を柔軟にできるからです。ひふみ投信へのスポット投資する場合は、銀行口座からひふみ投信の指定する銀行口座(三菱東京UFJ)への振り込みをすることでできますが、この振り込み手続きがやや面倒に感じたためです。

なお、ひふみ投信には子どものためのくるみ口座があります。これも考えたのですが、口座開設が別途必要だったので、すでにあった楽天証券からできるひふみプラスにしました。

当分の間は、子ども専用の貯金としてひふみプラスに入金を続けるつもりです。引き出し(投資信託の解約)をするケースとしては、
  • 教育費としてまとまったお金が必要になった時。例:高校や大学入学金、受験費用、留学費用
  • その他まとまった支出が発生した時。例:病気や怪我による手術/入院費用、損害賠償

■ジュニア NISA は使い方に合わない

子どもへの貯金として、他に候補としてあるとすれば2016年4月からはじまるジュニア NISA です。

2015年10月現在では、これまで書いたような目的でジュニアNISAは使わない方針です。現時点ではまだ開始されていないのと、決定的な理由は18才まで払出不可だからです。つまり、子どもの年齢が18才になるまでは現金化できないのです(2016年開始時点)。

途中での払出しもできるようですが(災害時等を除く)、その場合、生じた利益に対して遡及して課税されるとのこと。NISA の非課税メリットが享受できないです。

18才まで払い戻しができないというジュニア NISA の趣旨は理解できます。ただ、上記の引き出しイメージで挙げたように、自分の使い方に合わないです。


2015/10/28

分析で比較する時、その「分け方」に意図がありますか?




分析の本質は、比較することであると考えています。

何かと何かを分けて比較することで、はじめて多い/少ないなどの違いがわかります。例えば、同じものを前月や前年と時系列で比べることであったり、男女や年代ごとに分けての比較をします。

比較するために「分ける」ことが分析のキモであり、「何のために、どのように分けるか」の工夫が重要な意味を持ちます。分け方にこそ、分析者の力量が問われます。

分けることに注意が必要なのは、単なる知的興味からの思いつきでの分解にならないようにしたいことです。

より適切に分けるためには、もう一歩踏み込んで考えるべきです。つまり、特にビジネスでの分析においては、何がわかれば実行可能でかつ意味のある結論を導き出せるかを、常に意識することだと思っています。

分けることの背後には、分けることで要因ごとに理解でき、そこから仮説や意思決定ができるという、ビジネス上意味のある結論を導き出そうとする明確な意図があるべきです。

分析の目的は、興味があるから分析するのではありません。ビジネスとしての判断を助け、効果的な打ち手を生むことを期待するから分析するはずです。

どんなに高度な分析をしても、その結果が有効な打ち手につながらなかったとしたら、ビジネスへのインパクトは小さくなってしまいます。

ビジネスにおいて役に立つ分析や使える分析結果とは、実際の効果が生まれるところまで掘り進めた分析のことです。「使える」ところまで追求しないと、せっかくの分析結果も絵に描いた餅になりかねません。

例えばユーザー分析において、性別年代で分ける、ヘビーユーザーとライトユーザーに分ける、スマホなら利用 OS で分ける。これらの分ける視点は、ある程度の分析経験があれば思いつくものです。

このような各種の「分ける」ことについて大切なのが、分けて比較分析した結果や得られるであろう示唆はアクションにつながるのか。単なる知的好奇心ではなく、目的や意図を持った分け方になっているかは、常に心がけたいことです。


2015/10/24

soundPEATS Q9A Bluetooth イヤホンが、ランニングにはぴったりでした




3ヶ月ちょっと前に(2015年7月)、ランニングを始めました。

始めた経緯や開始直後の身体の変化などはこちらです。(ランニングを始めたことで変わった身体のトラッキングデータ)

毎日、20分くらい走っています。距離で 5km ほどになります。

ランニング中は、Podcast でラジオ番組を聞いています。Android を使っているので、Podcast アプリは Podcast Addict を使っています(利用しているのは有料版)。いくつか試し、このアプリが一番使いやすかったです。

2015/10/22

コツコツ型の資産運用のはじめ方




少し前にある方から資産運用の相談を受けました。

相談時の状況は、金融資産のほぼ 100% が現金、普通または定期預金として銀行口座にありました。株式等のリスク資産は持っていませんでした。その方はアラサー女性です。

今回のエントリーでは、その時にアドバイスした「資産運用のはじめ方」をご紹介します。

1. 現状の金融資産を調べて把握する

まずは自分が今、どれだけのお金を持っているかを理解することが第一歩です。

手持ちの現金、各銀行口座にいくら入っているか。すでに株式や投資信託を持っている場合は、値上がり/下がり益も含めてどれだけあるかを調べます。

どこまでを金融資産に含めるかですが、この時のケースでは各種保険は含めませんでした。年金は含めました。自分の年金が現時点でどれくらい分の資産になるかはねんきんネットで確認できます。

各資産を洗い出した後、カテゴリーに分類します。キャッシュ、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券、年金、その他(REIT 等)の7つに振り分け、それぞれにいくらあり、全体の何 % を占めるかを見える化します。

2. 目標を決める

資産運用にあたって、何のために / いつまでに / いくらを目指すのかを明確にします。例えば、リタイヤ後の生活資金のために、30年後に3,000万円を目指す、などです。

3. 資産配分を決める

30年後に3000万円を目指すなどのゴールに向けて、目標とする資産配分を決めます。上記の 1 で確認した資産配分と同じカテゴリー区分において、キャッシュに xx%、国内株式に xx%、と割り振ります。

厳密には、期待リターンとしての年率を設定し(例: 3%)、それを30年間で複利運用し、目標とする資産額に届くかどうかを計算することになります。

ただ、今回のケースでは複雑なことはやらないと決めました。まずは、はじめの一歩ということで、キャッシュと年金を 80%、残りの 20% を株式や債券などのリスク資産とする方針にしました。彼女にとってはリスク資産 0% → 20% を資産運用をしながら目指すことになります。

4. 投資対象を決める

色々と話をした結果、投資信託に毎月一定額の自動積立をすることになりました。購入対象は以下の通りです。

5. 投資額 (毎月の積立額) を決める

投資対象が決まれば、どれだけの資産額を投資するかを決めます。

今回の場合、毎月の投資額は、手取り収入から生活費等の支出を引き、残った分としました。これまでは普通口座または定期預金として貯金にまわっていたものです。

つまり、現金としての資産額は当面は増やすことなく、その分を投資信託で積み立てをしていくことになります。

6. 証券口座を開設

今回のケースでは、ひふみ投信は独立の投資信託なので、ひふみ投信に口座を開設します。詳しくはこちらにあります (ひふみ投信|口座開設のお申込み)。

外国株式の投資信託運用のための証券会社としては、SBI証券楽天証券を勧めました。証券会社にお金を入れる銀行口座はすでに持っている口座を使えました。

7. 運用開始 → 定期的に資産配分を確認

口座開設後に、それぞれで自動積立設定をします。

その後は、毎月や3ヶ月ごとくらいで、資産配分を確認していきます。今回のケースでは、投資信託がリスク資産に当たり、全体金融資産の 20% を目指します。

まずは資産運用をやってみようというスタンスではあるものの、目標とするこの資産配分(アセットアロケーション)を意識しながら運用をします。

一方で、日々の値上がり/下がりに一喜一憂することなく(資産の確認頻度が多くなりすぎず)、コツコツと長い目でやっていくことが大切であることを伝えました。


2015/10/18

デメリットを補って余りある公共図書館の提供価値




本を読むのが好きです。普段は通勤電車がもっぱらの読書時間です。

2015年現在、ここ3年くらいは本は買うよりも、図書館で借りて読むほうが多くなっています。

週末の土日のどちらかはほぼ毎週、図書館に行っています。図書館は、自分の生活の中では欠かせない存在になりました。

東京都内に住んでいるので、利用している図書館は区立図書館です。区内には10以上の図書館があります。利用しているのはそのうちの1つです。

区内の図書館は連携していています。予約がネットからでき、ある図書館に予約した本がなくても(貸出中 or その図書館には置かれていない)、他の図書館にあれば取り寄せてもらえます。行く図書館は最寄りの1つだけですが、実質は区内の全ての図書館を利用できるようになっています。

1人の読者の立場で考えたとき、図書館から本を借りて読むのと本を買って読むのとでは、それぞれにメリットとデメリットがあります。

メリット
  • 本を買わなくても読める
  • (紙の)本を買って所有しないので、自宅に本がたまらない

デメリット
  • 読みたい本が必ずしもあるわけではない
  • 人気の本は貸出中ですぐに読めない。予約をするが、本によっては読めるのが数ヶ月先になる
  • 読む本を借りに図書館まで行く必要がある。読んだ本は返しに行かなければならない
  • 貸出期間があり、期限までに読み終わる必要がある
  • 公共の本なので、本にメモを書いたりページに折り目をつけることができない
  • (極希に)本にメモや落書き、破れなど、本が傷んでいる

デメリットは6つでした。6つを一言で表現すれば「本を買って所有しないから発生する不便さ」です。逆に言えば、本を買えば全て解消される不満な点です。

図書館の中核的な機能の1つが、本や CD/DVD などの無料での貸し出しです。この中核機能に対して、自分が感じるメリットを価値として深掘りすると、
  • 読みたい本が無料でレンタルできる → 買って読みたいとまではいかない本が気軽に読める → 様々な種類の本を読むことができる (読書体験の充実)
  • 本が自宅にたまらない → 本が部屋を占領することなく余裕スペースができる
図書館のデメリットが本を所有しないから発生することに対して、メリットは所有しないことで得られるものです。メリット/デメリットは、本を買って所有しないことの表と裏にあたります。

メリットとデメリットを並べると、単純な数ではデメリットが多いです。それでも図書館の利用をするのは、図書館がもたらす自分への提供価値が、デメリットを上回るからです。
 
もう1つ、図書館の中核機能とそれに対する価値があります。

図書館は大量の本を購入し保有しています。図書館の利用者は老若男女で、ありがたいのは赤ちゃんや幼児向けの本も充実している点です。図書館内には子ども専用のスペースが設けられています。

こうした図書館の機能に対して、自分にとって価値があるのは、2才の娘を連れて行くとたくさんの本に興味を持ち、図書館で親子で楽しくすごす時間を持てることです。

幼児向けの本に囲まれた環境で憩いの場になるのも、小さい子どもを持つ親にとっては図書館の価値の1つなのです。


2015/10/16

もうすぐ生まれる子どもの名前の決め方




二人目の子どもが、あと1ヶ月以内くらいで生まれる予定です(2015年10月現在)。

性別判定もほぼ間違いなさそうとのことで、女の子のようです。あと1ヶ月なので、そろそろ名前を決めたいタイミングです。

今は、候補の名前をいくつか絞り出せた状況です。名前候補を絞っていく中で、自分の中でいくつかの判断基準があることに気づきました。

今回のエントリーでは、子どもの名前を決める判断基準をあらためて整理してみました。

1. 音の響き

耳で聞いた時の響きを重視しています。名前だけの音の響きと、フルネームで聞いた時の両方です。名前が耳にどう残るか。これは感覚的なもので、心地よい名前の音であってほしいと思っています。

なぜ音の響きを大切にするかと言うと、日常生活においては、自分の名前を文字で見るよりも、耳で聞く回数が多いからです。名前が脳に入る頻度として音からの情報が最も多いわけです。

親や友だち、先生から自分の名前を呼ばれる時に、あるいは、自己紹介として自分の名前を口にする時に、音の響きとして良いものであってほしいという親の気持ちです。

2. 名前や漢字の持つ意味

名前に込める意味を大切にしたいと思っています。また、使う漢字がどんな意味を持つかも考えます。

同じ音の名前であっても、漢字でどう表現するかで、名前の印象は変わります。漢字には一字一字に意味があります。子どもの名前に使う漢字に、自分の子に持って欲しい意味が含まれていることが理想です。

3. 文字での見た目

文字が視覚的に気に入るかも、名前を決める判断基準です。音の響き同様、これも感覚的な基準です。

視覚的に名前の字をパッと見て、見た目のバランスが良いものであってほしいと思っています。

4. 字画

フルネームで名前を書くと、総格や人格などが画数によって決まります。それぞれの画数によって性格などが、占いのように出てきます。

字画にこだわりすぎることがないよう、あくまで参考程度に見るくらいですが、候補として残っている名前は一応調べています。

5. 他人との名前の被り

友人 / 知人の名前は、その人のイメージがすでに強くできています。子どもの名前が他の人と同じになることにネガティブな気持ちはないのですが、子どもにつける名前で、避ける傾向にあるのが、友人や知人と同じ名前になることです。

名前が被るかどうかの判断基準でもう1つ、ネットで検索した時にどういう検索結果が出るかがあります。

例えば芸能人などの著名人の名前の場合、検索結果の上位はほぼ関連ページへのリンクが出ます。公式ページ、SNS、Wiki、本人写真など。

そうではなく、特定の有名人の名前ではない場合は、検索結果の上位は姓名判断や名前占いのページリンクが並びます。

強いこだわりがあるわけではありませんが、なるべくは被りがない名前にしてあげたいと思っています。


2015/10/13

資産運用として使っている投資信託と、株式や債券に投資し資産運用をする理由 (2015年現在)




毎月一定の金額を、資産運用にまわしています。投資信託を利用し、自動積立を設定しています。

今回のエントリーでは、毎月の自動積立先である投資信託のご紹介と、なぜ資産運用をしているかの理由を書いています(2015年10月時点)。


■自動積立をしている投資信託

2015年10月現在の積立対象ファンドは以下の通りです。リンク先はモーニングスターです。()内の数値は、自動積立での配分比率です。

日本株式 (アクティブ投信)

海外株式 (インデックス投信)

海外債券 (インデックス投信)

投資配分は、日本株式 : 海外株式 : 海外債券 = 55 : 30 : 15 です。


■株式や債券に投資をする理由

1. 自分の資産を分散させるため

投資信託などを通じた株式や債券に投資する前は、自分の金融資産のほぼ全てが現金または銀行の普通預金でした。

意図的にこうしていたわけではなく、何も考えずに単にそうなっていました。企業のバランスシート (BS) で言うと、BS の左側において、そのほとんどを流動資産として手元にキャッシュとしてあった状態です(モノはここでは BS に考慮せず)。

これに問題意識を持ったのがきっかけで、資産運用を積極的に考えるようになりました。

2015年現在、キャッシュ以外に、日本株式、海外株式、海外債券、年金で自分の金融資産は構成されています。

日本株式、海外株式、海外債券のいずれも、スタンスは長期保有です。短期的な売買をするつもりはなく、毎月の自動積立から買い、そのまま保有を続けています。

株や債券は、その時々の景気と連動し値上がり/下がりが発生します。投資信託を保有し始めた当初は、上がり下がりに一喜一憂をしていました。しかし、今はほとんど気にすることがなくなりました。

そうなってくると、自分の中の感覚として、日本株式 / 海外株式 / 海外債券のいずれも「貯金」のようなものになっています。貯金形態として、普通口座預金、日本株式、海外株式、海外債券という、異なった形で分散されている。このようなシンプルな考え方をしています。

もちろん、株式や債券には変動リスクがあります。この点は口座預金と違います。厳密には、株式や債券はプラスにもマイナスにも振れる貯金と見なしています。

2. 自分の金融資産を世の中に役立てるため

自分の日々の生活で、大きな資金(100万円単位以上)が必要になるケースは稀です。生活費と、何かあった時の万が一に備えての生活資金さえあれば(例: 給与の6ヶ月分)、残りの資産はすぐに使う予定はありません。

この不要不急の資産をどうするかを考えた時、せっかくであれば世の中の役に少しでも役立って欲しいと考えています。

その具体的な方法が資産運用です。投資先が開示されていて、投資方針に共感できる投資信託を通じて、世の中にお金を流すやり方です。

自分が納得できる投資信託を経由し、投資信託が投資をしている企業に自分のお金が渡る。自分のお金が、その企業のビジネス活動に活かされ、ひいては世の中の経済活動に貢献できる。

これが理由の2つ目です。

3. 資産が増えることが期待できるから

資産をキャッシュで持つことに比べ、株式や債券で保有することで、値上がり益が期待できます。

その一方で、下がる可能性も同じだけあります。つまり、(キャッシュに比べ)リスクが高い金融資産です。

リスクのある金融商品に投資するにあたり、事前のリスクを評価する。その上で、許容できる範囲内であれば積極的にリスク資産を持つべきというのが、自分の考え方です。


2015/10/10

専門外の自分が人工知能「ディープラーニング」に注目する理由 (2015年現在)




2015年現在、人工知能 (AI) で最も注目されているのはディープラーニング (Deep learning / 深層学習) です。

ディープラーニングを使った Google の「ネコ認識」研究

ディープラーニングとは何かを理解するには、グーグルが2012年に発表した「ネコ認識」の研究がわかりやすいです。

グーグルの公式発表 (2012年6月)
Official Google Blog: Using large-scale brain simulations for machine learning and A.I.

発表論文 (PDF)
Building High-level Features Using Large Scale Unsupervised Learning - unsupervised_icml2012.pdf

研究で実施されたことを簡単に書くと、次の通りです。
  • YouTube 内の動画から約1,000万枚の画像を任意に抽出
  • 画像をディープラーニングにかける
  • コンピュータは、画像の中から人間やネコの顔の「特徴」を自らつくった(下の画像)。その特徴から、人間やネコを判断できるようになった

引用:Official Google Blog: Using large-scale brain simulations for machine learning and A.I.


何がすごいかと言うと、コンピュータが人間から「ネコの顔の特徴はこう」と教えられることなく、自らがネコの顔を学習し、ネコの顔の概念を獲得したことです。

ディープラーニング以前のマシンラーニング(機械学習)で同じことをやる場合、入力情報として「これがネコの顔である」と人間がコンピュータに示す必要がありました。

具体的には、ネコの画像だけを大量に見せ、そこからネコの特徴を理解するプロセスです。人間から教わることでコンピュータは学習し、ネコの特徴を獲得してわけです。

ディープラーニングはこのプロセスと似て非なるものです。

学習へのインプット情報として与えられたのは1000万枚の画像で、その中にはネコの入っていない画像もあり、様々な情報が混在する大量の画像です。そこから、コンピュータは自らの学習を通じて、(人間に指示されることなく)猫の顔の特徴を理解し、その特徴から猫の特徴を一般化したイメージを獲得し、それを画像としてつくることができたのです。その画像が上に示したものです。

■ディープラーニングの可能性

ディープラーニングがこれまでの人工知能と一線を画しているのは、自らが「特徴」を学習することにあります。

これによって、どんなインパクトがあるのでしょうか。

例えば、人とのコミュニケーションロボットがディープラーニングを持っている場合です。ロボットは自分の行動と、その結果起こることの関係を学ぶことができるようになります。

人間に対して何をすれば人はやすらぎを感じるのか、何をすれば不快な気持ちを抱くのか。こうしたことを、いちいち人間が教えることなく、ロボット自らが、自分で経験を重ねることで学習していきます。

我々人間で言うところの「やってみてコツがわかるようになる」という感覚が、ロボットも同じようにできるようになるのです。

もう1歩考えてみると、コツがわかるようになるというのは、ものごとの「因果関係」をロボット自らが獲得することを意味します。

例えば、マーケティングにディープラーニングを使うとどうなるでしょうか。

マーケティングは、簡単に言えば目的(例: 売る)があって、その目的のために、アクションをすることです。マーケティング行動→結果という因果関係があります。

この因果関係をいかにつくりだし、実行し、結果を出すかこそマーケティングの醍醐味です。

ここに、ディープラーニングが適用できれば、売るという目的を達成するための要因をコンピュータ自らが学習により発見することが期待できます。これまでは人間がやっていたマーケティング活動をコンピュータがする。将来的には、マーケティングの完全自動化も実現されることも考えられます。

企画書をつくり人を説得することについても、ディープラーニングによって、どうすれば説得力のある企画書に仕上げるかまでもコンピュータがやってくれるかもしれません。人が指示するのは、目的(何のために誰を説得するか)を入力することだけです。あとは勝手に企画書ができあがります。

もっと進めば、コンピュータが知識を獲得していくでしょう。例えば、コンピュータに本を読ませ、どういうストーリーで書けば、人間が魅了される小説になるのかのコツを学ぶことができるはずです。

それを応用すれば、ヒット小説がコンピュータによって書かれる時が来るかもしれません。同じことを言うのでも、どういう文章で表現すれば読み手の琴線に触れられるのか。そうしたコツをコンピュータは学習を通じて獲得するのです。

ディープラーニングという、コンピュータがものごとの「特徴」を自ら発見し、高次の特徴をつくり出すことができる。人工知能のこの可能性は、とても大きなものだと思います。様々な産業に応用でき、ひいては日常生活にも影響を与えるでしょう。

★  ★  ★

ディープラーニングを理解するためにおすすめの本は、「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」です。

この本は、ディープラーニングについて、人工知能のこれまでの歴史、ディープラーニングの技術的な説明および課題、ディープラーニングの社会的な影響が、とてもわかりやすく書かれています。

グーグルやフェイスブックが開発にしのぎを削る人工知能。

日本トップクラスの研究者の一人である著者が、最新技術「ディープラーニング」とこれまでの知的格闘を解きほぐし、知能とは何か、人間とは何かを問い直す。(内容紹介より)





2015/10/07

書評『ビジネスに役立つ「商売の日本史」講義』(藤野英人)




過去の歴史を学ぶ意義はどこにあるのでしょうか。

過去の人間の営みを知り、現代に役立つ教訓や知恵を得ることです。

今回ご紹介したい本は『ビジネスに役立つ「商売の日本史」講義』です。本書の特徴は、日本史を、商売やお金の動き、つまり経済という切り口で書かれている点にあります。

日本の学校教育での歴史は、主に政治観点で教えられます。政治の視点から歴史を解釈することも大切です。

しかし、政治という切り口だけでは、政治的な出来事が起こった背景が十分に理解できない場合もあることが、本書を読んでわかります。

政治と経済は密接に結びついており、政治的な動きのバックグラウンドには、経済の変化が起こっています。あるいは、時の権力者(例: 幕府)による経済施策が人々の生活に強い影響を与え、それが政治の変化(例: 幕府の力が弱まりやがて倒幕へ)につながります。

■日本の歴史は「ヤマヒコ」と「ウミヒコ」が繰り返された

本書のベースとなっているのは、著者である藤野英人氏の大胆な仮説です。

「日本のお金は『外向き』と『内向き』の間を時代ごとにスイングする」という仮説です。

本書では、内向きを「ヤマヒコ」、外向きを「ウミヒコ」と表現します。ヤマヒコとウミヒコは、古事記や日本書紀に登場する兄弟の神さまです。2人は対照的な性格をしています。

ヤマヒコ政権の特徴は、国内志向です。経済は内需が栄えます。

典型的なのは鎖国を敷いた江戸幕府です。他には鎌倉時代や戦後の自民党政治にもヤマヒコの要素を見ることができます。昭和においては、道路などのインフラ整備が国家政策として推進されました。田中角栄の日本列島改造論がまさにそうです。

ウミヒコ政権の特徴は、海外志向です。貿易に力を注ぐ傾向があります。

例えば、日宋貿易で権力を得た平清盛、日明貿易の室町時代、織田信長や豊臣秀吉などの戦国時代です。本書によれば、開国後の明治以降から戦前までもウミヒコの特徴があったと言います。

日本が、ヤマヒコまたはウミヒコとなることに強い影響を及ぼした1つに、その時代の中国大陸の政権がありました。大陸に権力の強い政権や漢民族政権であればウミヒコ政権(外向き)に、一方で弱い政権や非漢民族政権であればヤマヒコ政権(内向き)になったようです。

政権がどの地域に基盤を置いたかにも影響を与えました。外向きや中国大陸との関係が強いウミヒコでは西側地域に、内向きのヤマヒコでは東京などの東側地域が中心となります。

日本史を大きな流れで見ると、時代ごとでヤマヒコの性格が強い日本、ウミヒコの性格が強い日本が現れます。おもしろいと思ったのは、それぞれの特徴が交互にスイングするかのように、現代に至るまで歴史を重ねてきたことです。

ヤマヒコとウミヒコの時代・特徴を本書から引用すると、以下のようになります。




■歴史から学ぶ現代への教訓

本書のもう1つの特徴は、各時代の出来事について、経済視点からの教訓を筆者が示してくれることです。「歴史に学ぶ経済法則」として20個の教訓が書かれています。

歴史を学ぶことの意義は、過去の人間の営みを知り、現代に役立つ教訓や知恵を得られることです。本書では、現代への特にビジネスへの示唆が多くあります。本書のタイトルには「ビジネスに役立つ」とあります。

印象深かったものを1つご紹介します。著者が示す経済法則として「お金の流れの方向を見極めよ」です。

武士として初めて律令の最高位である太政大臣となった平清盛の話です。

平清盛は現代にも通じることを先駆的に行ないました。瀬戸内海を支配し、物流とそこでのマネーサプライを握ったのです。

清盛は貿易のための港を整備しました。当時の中国大陸を支配していた宋との日宋貿易から、多額の富を生み出しました。

瀬戸内海というお金とモノと人が集まるプラットフォームを構築したのが平清盛だったのです。平家は、貿易から様々なものを輸入しました。宋銭、陶磁器、薬品、香料、書籍などです。

現代への示唆として、よりお金の多く集まる分野で経済は発展することです。どこに、どういう意図でお金が向かっているのか。企業レベルでも、個人レベルでもこの視点は大切です。

中世に琵琶法師が語り継いだ「平家物語」で、源平の戦いでは平清盛は悪役として語られました。しかし、「経済」という視点で見ると、平清盛は違った一面を見せてくれます。

平清盛は、瀬戸内海での貿易活動を活性化させることで、「お金の流れをつくり、それを支配する」ことを先駆的に行った稀有な人物だったのです。




2015/10/03

人間性からの信頼、能力からの信頼




サッカーの内田選手の著書「僕は自分が見たことしか信じない」に、印象的なことが書かれていました。
サッカーに限らずチームスポーツにおいて、最も大事なことは周りから信頼を得ることだと思う。そのために僕が心がけていることは、練習をまじめにやる。文句や愚痴を言わない。普段からありのままの自分でいること。これは意識してやるようにしている。

でも、プロの世界ではこれだけじゃ足りないんだ。人間としては信頼を得られるかもしれないけれど、選手としては信頼を得るためには、やはり試合で結果を出して、実力を認めさせなければいけない。どこの国でも、どこのチームでも、そうしなければ本当の意味で信頼を得ることはできない。
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