2016/02/12

売れっ子の美容師に必要な3つのスキルは、できるビジネスパーソンにも当てはまる




少し前に、美容院で髪を切ってきました。

担当してもらう美容師は、いつもの方です。こちらの要望を汲み取り、手際よく切ってもらえます。カットをしている時の会話も話ができず、楽しい時間をもたらしてくれます。

仕事の話題になれば、お互いの専門が全く違う領域なので話が盛り上がります。美容師の仕事について興味深い話を教えてくれます。

前回は、ちょうどその美容院がリニューアルオープン直後というタイミングでした。内装や外装をどのように変えたかやその狙い、リニューアル前後での顧客の変化 (数と質の両方) など、美容院の経営に関連する話が聞けました。

■ 美容師に求められる3つのスキル

もう1つ、おもしろい話が聞けたのは、担当の美容師の方が考える、美容師に求められる3つのスキルでした。

この3つは、自分が仕事にしている分野にも当てはまります。多くのビジネスパーソンの方にも参考になる、普遍化できるスキルでした。

1. 技術

3つのスキルのうち、美容師としてのベースとなるものです。いかにうまく髪を切れるかです。他にも、ムラなく髪を染めたりパーマの技術があります。

同じ仕上がりでも早く切れたり、流れるような手さばきで髪を切れることも、ここで言う技術に含まれます。

2. センス

美容師に求められるセンスとは、いかにお客さんの期待に応えた髪型に仕上げられるかです。

お客がこういう髪型にして欲しいという要望にそのまま応えられるだけではなく、時には「こういう髪型も似合うと思いました」と、お客から言われていない髪型をつくり、期待を超える髪型を提供できるかだそうです。

お客さんが仕上がりの髪型について明確なイメージがない場合、どういう髪型にしましょうかとお客に聞いても、「おまかせで」という返答になるときがあります。

センスのある美容師さんであれば、そのようなお客にも美容院を出るときは満足して帰ってもらえます。一方で、単に全体の髪型を短くして整えただけでは、不満までは抱かれないものの、お客が期待した以上の満足感は生まれないでしょう。

流行の髪型を知っていて再現できるだけではなく、いかにそのお客さんに似合う髪型をイメージできるかのセンスがあるかどうかが、良い美容師の条件とのことでした。

3. コミュニケーション

3つ目のスキルはお客とのコミュニケーションです。

大きくは2つあり、髪を切っているなどの接客中の会話から、美容院にいる時を楽しい時間にできるかと、お客との会話を通してその人がなりたい髪型のイメージを引き出していくコミュニケーション能力です。

前者の楽しい時間にできるかには、美容師が提供する話題が豊富などの話し上手なタイプと、お客の話を親身に聞くことで話相手になる聞き役タイプがあります。

後者の、お客との会話から、いかになりたい髪型のイメージを引き出せるかという視点は興味深かったです。

「どんな髪型にしましょうか」と美容師のほうから最初に聞いても、その段階では「こうしてほしい」とはっきりとした髪型イメージが、お客さんの自分の言葉で返ってくることは多くないそうです。その場合は、雑誌のモデル写真を見てイメージを合わせたりする方法がよく使われます。

髪を切る前の仕上がりイメージの会話だけではなく、髪を切っている途中のコミュニケーションを通じて、お客がなりたい髪型イメージをいかに引き出していくかが求められるとのことでした。

■ 美容師に必要な3つのスキルは、あらゆるビジネスパーソンに当てはまる

美容師に求められる3つのスキルは、それぞれが連動しています。

お客さんとのコミュニケーションを通じて、お客がどんな髪型になりたいかや、お客さんの性格/日常なども含めて理解する。時には似合うだろうと思うことを言われなくてもイメージできるセンス。お客さんが満足してくれる髪型をつくる技術。

このように3つはつながっているのです。

ビジネスパーソンにとって、「自分のお客」は必ずしも社外の取引先の人だけではありません。上司や同僚、他部署の人などの仕事を通じて「自分の価値を提供する相手」は全てお客です。

このように考えると、上司や同僚とも日々、接客をしていることになります。

美容師さんの仕事は、お客さんとの接客業です。その意味で、美容師に求められる3つのスキル (高い技術 // お客さんの期待以上のものをイメージできるセンス // お客のことを理解するコミュニケーション) は、あらゆるビジネスパーソンにも当てはまります。

例えば、マーケティングのための市場データや自社顧客データ分析のケースで考えてみます。

高い技術があるとは、高度な集計/分析手法を使った経験や統計知識があったり、集計から分析し結果を出すまでのスピードが早いことです。

センスとは、自分のデータ分析結果を提供する相手が、本当のところは何を求めているかをイメージできるスキルです。時には、相手が言っていないことまでつくりだすことも必要になります。

コミュニケーションとは、相手の要望や意図を引き出すことです。

いくら高度な分析技術が使えても、そのやり方やアウトプットが相手の依頼とマッチしなければどうなるでしょうか。ビジネスの観点からは有益どころか、自分のリソースを効率よく使えなかったという意味ではマイナスです。

コミュニケーションを通じて相手の理解が不十分であれば、分析の手法自体は正しくても、相手にとってはこれが欲しかったとはなりません。結局自分のやったことは間違っていたことになります。

■ センスを磨き独自資源にする

担当の美容師さんから聞いた、美容師に必要な3つのスキルのうち、教えやすいものは技術とのことでした。学ぶ側も、ある程度の時間をかければ一定レベルの技術水準までは到達できます。

一方で、教えるのが最も難しいスキルはセンスだそうです。

理由は2つあり、センスについての自分のやり方を、言葉にして一般化することが簡単ではないためです。

もう1つの理由は、仮にセンスを言語化できたとしても、自分のセンスが、他人にそのままフィットするとは限らないからです。

センスに限らず、自分が持っているものを他人に教える場合、自分という具体例を一般化し、それを相手の具体例に落とすことが必要です。具体 → 一般化 → 具体化 という流れです。

センスについては、具体 → 一般化 と、一般 → 具体化 のそれぞれで難しさがあるのです。

逆に言うと、技術、センス、コミュニケーションの3つで、センスで他の人より長けていれば、それは自分独自の資産として武器になります。相手に教えにくいということは、それだけ真似されにくく価値があるからです。

どうすれば自分のお客が満足してくれるかをイメージできているか。ときには相手の期待以上の価値を提供できているか。担当美容師さんとの会話からの気づきでした。


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