2016/03/05

2016年2月にブログで注目を集めた本 (月間クリック数ランキング)




このブログでは、書評やエントリーの参考情報として引用することで、本や商品を取り上げています。

2016年2月の1ヶ月で、クリックが多かった本をご紹介します (5冊)。順番はクリック数の多かったものです。


意思決定のための 「分析の技術」 - 最大の経営成果をあげる問題発見・解決の思考法 (後正武)




著者は元マッキンゼーの後正武氏です。分析技術の理論と具体例を体系的に説明した一冊です。

初版は1998年です。その間、ビジネスや分析環境は大きく変わっています。しかし、内容に全く古さは感じませんでした。データ分析の根幹が書かれています。

本書では分析の基本は4つあると言い、それぞれの詳細が解説されています。

  • 大きさを考える
  • 分けて考える
  • 比較して考える
  • 時系列を考える

本書には分析の理論とともに、多くの事例が書かれています。具体例は筆者がコンサルティングで扱ったケースを基にしているので、コンサルの分析手法が学べるのも本書の特徴です。

データ分析の目的は、正しい対応をするという次のアクションを明確にする姿勢であると本書では強調しています。

分析自体はあくまで手段です。分析とは、物事の実態 / 本質を正しく理解することです。それを通じて、正しい認識 / 判断がされ、正しい対応や行動をすることが目的です。

書評エントリーはこちらです。上記の分析の基本としての4つのポイントをご紹介しています。

書評:意思決定のための 「分析の技術」


この世で一番おもしろい統計学 - 誰も 「データ」 でダマされなくなるかもしれない16講+α (アラン・ダブニー / 山形浩生 (訳))




この本の特徴は2つあります。マンガで書かれていることと、取り扱う統計の範囲を明確に絞っていることです。

後者については、訳者が 「他の統計の本では80ページですむところを、200ページもかける」 とあとがきで書いています。それだけじっくりと説明されているのです。

本書全体を通して扱うのは、無作為抽出、標本数、平均、標準偏差、正規分布、信頼区間、仮説検定、p 値。これだけです。それぞれの難しい数式は巻末で説明しています。

平均や標準偏差から一気に正規分布まで説明します。その後に、信頼区間、仮説検定と p 値を重点的に扱います。

統計の基本となる考え方がまんがで書かれているので、イメージとして頭に残るので、わかりやすいです。タイトルにある 「データに騙されない」 ための統計リテラシーを学べる本です。

以前のエントリーはこちらです。

書評: この世で一番おもしろい統計学 - 誰も 「データ」 でダマされなくなるかもしれない16講+α (アラン・ダブニー / 山形浩生 (訳))


ストーリーとしての競争戦略 - 優れた戦略の条件 (楠木建)




この本の内容紹介は、次のように書かれています。

戦略の神髄は、思わず人に話したくなるような面白いストーリーにある。

大きな成功を収め、その成功を持続している企業は、戦略が流れと動きを持った 「ストーリー」 として組み立てられているという点で共通している。

戦略とは、必要に迫られて、難しい顔をしながら仕方なくつらされるものではなく、誰かに話したくてたまらなくなるような、面白い 「お話」 をつくるということなのだ。

本書では、多くの事例をもとに 「ストーリー」 という視点から、究極の競争優位をもたらす論理を解明していく。

本書で書かれていたことで、思わず人に話したくなったのは、ある競争戦略フレームでした。SP と OC という戦略概念です。

  • SP (Strategic Positioning): ポジショニングの戦略。他社と違うところに自社を位置づけること。SP は、何をやり/何をやらないかという意思決定や活動の選択
  • OC (Organization Capability): 組織能力による差別化。他社には簡単に真似できない組織や仕組みとしての強みのこと。表面的には真似することができても、実際の組織内での実行レベルでは中々真似できないもの。時間とともに常に進化していく

SP が他社と違ったことを 「やる」 に対して、OC は他社と違ったものを 「持つ」 ことです。SP は短期的な戦略的意思決定で、OC は中長期での競争優位性となるものです。

SP と OC のわかりやすい例えが、レストランです。

SP (やること) はどんなメニューを提供するかです。例えば日本食なのか中華なのかイタリアンか、さらには日本食でも高級/庶民的、あるいは伝統的な料理か新しい料理かの、他店との違い (ポジショニング) です。

一方の OC (持つこと) は、腕前のよい料理人やシェフを雇い、どんな厨房や、料理の注文 / 調理 / 提供する仕組みを持つか、あるいは仕入先やどんな素材を持っておくかです。


なぜ、あの会社は儲かるのか? - ビジネスモデル編 (山田英夫)




様々な企業のビジネスモデルが紹介されています。

他の類似本と違うのは、単にビジネスモデルを紹介しているだけではないことです。ビジネスモデルの事例紹介 → 仕組みの一般化 → 他業界にある同様のモデル紹介となっています。具体化 → 抽象化 → 具体化、で説明されているのがよかったです。

同じビジネスモデルでも違う業界に適用されていることで、そのモデルの本質的な仕組みを理解しやすいです。書かれている内容がきっかけや刺激になり、そのビジネスモデルを自分の業界や、自分の仕事に活かせないかと考えてみることもできます。

この本の関連エントリーは以下です。本書で取り上げられていたビジネスモデルのうち、最も印象的だったコマツ建機の KOMTRAX (コムトラックス) について取り上げています。

KOMTRAX:コマツ建機の美しいビジネスモデル


5歳までに決まる!才能をグングン引き出す脳の鍛え方 育て方 (成田奈緒子)




2016年3月現在、2歳6ヶ月と5ヶ月の2人の娘がいます。

あらためて自分の子育てを振り返ってみると、考え方や自分がやっていることは、この本に書かれていたことが影響していることに気づきます。

本書に書かれていた子育てで目指すゴールイメージは、次のような子どもです。

  • 自己肯定感があり、前向きな子
  • 自分の頭で考え、自分言葉で表現できる子
  • 自立し主体的に行動できる子

本書で強調されていたのが、脳を鍛えることです。1つ1つはそんな難しいことではないのが印象的でした。ポイントは、以下の3つです。

  • 子どもには五感からの刺激を与えること。刺激を与え続けることが大切
  • 親子の対話を通じて楽しい生活を送る
  • 子どものことを受け入れる。子どものありようを1つ1つ認めてあげる

書評エントリーはこちらです。本書で紹介されていた、子どもの脳を鍛える4つのステップを中心に書いています。

親子で楽しむ 「子どもの才能をグングン引き出す脳の鍛え方/育て方」

最新エントリー

多田 翼 (書いた人)