2016/05/05

Google 創業者からの手紙 (2016年) に見る、Google が目指す創業時から変わらないゴール




グーグルが 「Founders' Letter (創業者からの手紙) 」 の2016年版を公開しました (2016年4月29日) 。

This year’s Founders' Letter | Official Google Blog


新たな人物が手紙を執筆


創業者からの手紙は、グーグルの取り組みや方針を説明するものです。グーグルが新規株式公開 (IPO) をした2004年から毎年公開されています。

2016年の創業者からの手紙は、例年と違う点がありました。手紙を書いた人物です。

これまでは、共同創業者のラリー・ペイジ氏 (Google の親会社 Alphabet の CEO (2016年現在)) とサーゲイ・ブリン氏 (Alphabet 社長 (2016年現在)) の二人の署名で公開していました。

今回は Google CEO (2016年現在) のスンダー・ピチャイ氏が創業者の手紙を書きました。ピチャイ氏は Google が Alphabet 傘下になった 2015年8月に Google CEO に就任しました。

今回のエントリーでは、2016年のグーグルの創業者からの手紙から、グーグルが何を実現することを目指しているのかを考えます。


Google のミッション


手紙の冒頭で、ピチャイ氏は1998年のグーグル創業当時からの変わらないミッションに触れます。

グーグルのミッションは 「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」 です。手紙は、このミッションは人々がモバイルを使うようになった今こそ、より重要であると言います。

In many ways, the founding mission of Google back in ’98—“to organize the world’s information and make it universally accessible and useful”—is even truer and more important to tackle today, in a world where people look to their devices to help organize their day, get them from one place to another, and keep in touch.


モバイルファーストから AI ファーストへ


「2016年 Google 創業者からの手紙」 は、モバイルファーストから人工知能 (AI) ファーストを掲げます。

モバイルかどうかのデバイスの形状が重要ではなく、人々の身近にあるコンピューターが人工知能のアシスタント機能を持つので、日常生活を豊かにすると指摘しています。

該当箇所を引用します。

Looking to the future, the next big step will be for the very concept of the “device” to fade away. Over time, the computer itself—whatever its form factor—will be an intelligent assistant helping you through your day. We will move from mobile first to an AI first world.


AI ファーストは手段にすぎない


海外メディアは、グーグルが Mobile first から AI first へのシフトを宣言したことを強調して伝えています。

しかし、私はモバイルファーストから AI ファーストへのシフトは、グーグルがやろうとしている本質ではないと考えます。

世界中の情報を整理し、あらゆる人々が使え有益な情報にするミッションは、人々が情報を活用するためにお膳立てをすることです。大事なのは、これらの情報を使って人々が何をするかです。

AI が搭載されたアシスタント機能も、重要なのは人工知能そのものではなく、何のためにいアシストするかです。アシストされて実現されるゴールがあるはずです。

つまり、グーグルのミッションと AI ファーストへのシフトは、両方ともが 「手段」 なのです。


創業時から変わらない Google の目指すゴール


グーグルのミッションも AI ファーストも目的のための手段と捉えたとき、グーグルは何を目的に置いているのでしょうか?

ピチャイ氏は、創業者の手紙の最後で述べていました。AI や、検索などのグーグルの提供サービスやプロダクトのテクノロジー、そして情報は世界中の全ての人々のためにあり、人々の生活を向上させる源であると強調しています。

引用です。

In all we do, Google will continue to strive to make sure that remains true—to build technology for everyone.

(中略)

In 17 years, it’s remarkable to me the degree to which the company has stayed true to our original vision for what Google should do, and what we should become.

For us, technology is not about the devices or the products we build. Those aren’t the end-goals. Technology is a democratizing force, empowering people through information. Google is an information company. It was when it was founded, and it is today. And it’s what people do with that information that amazes and inspires me every day.

Technology と Information はグーグルという企業を理解するキーワードです。グーグルは、これら2つが 「世界中の人々の生活をより良いものにする」 という信念を持っています。

グーグルのこの目的は、 2004年 IPO 当時の創業者の手紙から変わっていません。

Serving end users というテーマで、ラリー・ペイジ氏は 「グーグルのゴールは可能な限り多くの人々の生活を向上させることである」 「サービス提供はそのために最も優先度の高いこと」 と書いています。

Sergey and I founded Google because we believed we could provide an important service to the world-instantly delivering relevant information on virtually any topic. Serving our end users is at the heart of what we do and remains our number one priority.

Our goal is to develop services that significantly improve the lives of as many people as possible. In pursuing this goal, we may do things that we believe have a positive impact on the world, even if the near term financial returns are not obvious.

今回の2016年の Google 創業者からの手紙も、言っている根幹は創業時と同じです。

テクノロジーや情報を取り巻く環境は確かに変わりました。創業当時はネット環境がパソコン中心で、ネットユーザーも2016年現在よりも少なかったです。現在はますます多くの人がモバイルを使い、人工知能が搭載され、多様な環境になりました。

グーグルにとってはこれらは手段です。創業時も2016年も、ゴールは同じところを目指しています。

2016年の Google Founder’s Letter は、グーグルがどこへ向かおうとしているのかがよくわかる内容でした。

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多田 翼 (書いた人)