2016/05/03

安倍首相の考えるリーダーの責任、積極的平和主義と日本の安全保障への認識




書籍 日本よ、世界の真ん中で咲き誇れ は、安倍晋三と百田尚樹の両氏の対談本です。

2012年と2013年の二回に渡る対談です。第2次安倍内閣は2012年12月末に誕生したので、発足前後でのタイミングです。

この本を読むと、安倍首相が二度目の総理大臣に就任するにあたって、当時どのように考えていたかがわかります。

今回のエントリーは、安倍首相のリーダー観、平和を実現し維持することの考え方、日本の安全保障への認識についてです。


リーダーの判断は国家の命運を握る


本書の 「はじめに」 で、安倍首相は次のように書いています。

百田さんの小説の大きなテーマのひとつは、「他者のために自らの人生を捧げること」 ではないかと思っている。私自身、若き日に政治家を志してから常にそういう気持ちを忘れずに政治に取り組んできた。

『永遠の0』でも『海賊とよばれた男』でも、百田さんはそういう日本人を描いている。

もうひとつ、百田作品を読んで思うのはリーダーという者の責任の重さである。ビジネスの世界でも、その場、その場でのリーダーの判断、決断によって、会社の命運が左右される。

世界の歴史を振り返っても、一国のリーダーが判断を誤ったために国が滅びたことは何度もある。

百田さんの作品を熟読しつつ、私は夜半、国の命運を思い、眠れないこともある。

同じくリーダーシップについて、百田氏との対談で安倍首相は 「永遠の0」 に学んだことを次のように言っています。

私が『永遠の0』のなかで特に印象深かったのが、前線の兵士たちは極めて勇敢に戦っているにもかかわらず、判断を下す司令官に決断力と勇気のない者が多いという描写です。

まさにそのとおりだと思いました。指揮官によるその場その場での判断と決断の誤りによって多くの人々が命を失うことになり、国家の命運を危ぶむことにも繋がりかねない。

いま私も、いわば国の大きな判断を下す立場に立っているわけですが、『永遠の0』を読むと、改めて指揮官の役割の大きさを感じます。


積極的平和主義と安全保障の考え方


安倍首相がよく使う言葉に 「積極的平和主義」 があります。

積極的が頭に付く平和主義と、付かない平和主義では何が違うかの説明が十分にされていません。本書で、安倍首相は以下のように語っています。

日本は積極平和主義に変わるべきだと思うんです。平和という言葉を唱えれば、それで平和が維持できるわけではありません。

積極的に平和を維持していく、あるいは平和をクリエイトしていくために何をすべきか。日本はその責任を果たしていく必要があると考えています。

安倍首相の平和への考えです。平和はただ与えられるものではない、祈ったり口にするだけでは平和は保たれない。平和は、自分たちが行動し能動的に実現するものという考え方です。「平和をクリエイトする」 と表現しています。

本書では百田氏と安倍首相の対談の他に、防衛大学卒業式 (平成25年3月) での安倍首相からの訓示が掲載されています (全文はこちら) 。

安倍首相の日本の安全保障の認識が見て取れます。

万が一の 「そのとき」 には、国民の生命と財産、我が国の領土・領海・領空を、断固として守り抜く。その責任感を胸に刻み、諸君には、いかなる厳しい訓練や任務にも、耐えていってもらいたいと思います。

日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しています。

諸君が、防衛大学校の門をたたいた4年前 (引用者注: 4年前は2009年) とは異なり、我が国の領土・領海・領空に対する挑発が続いています。

諸君が、これから臨む現場で起きていることは、冷厳な 「現実」 であり、「今、そこにある危機」 であります。

今、この瞬間も、諸君の先輩は、荒波を恐れず、乱気流を乗り越え、泥にまみれながらも、極度の緊張感に耐え、強い誇りを持って、任務を立派に果たしています。

私は、その先頭に立って、国民の生命・財産、我が国の領土・領海・領空を守り抜く決意であります。

日本が置かれた状況を 「我が国の領土・領海・領空に対する挑発が続いている」 と明確に認識しています。この見方は、積極的平和主義にもつながります。


最後に


安倍首相の考えるリーダーの責任、積極的平和主義の考え方 (平和を維持するためにどうするか) 、日本の安全保障への認識は、私はどれも全く違和感はなく、うなずけるものです。



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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にてマーケティングリサーチ マネージャー (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝 8km のランニングとピアノ。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。