2016/07/30

Google の20%ルールに見る失敗を良い経験にする方法




グーグルは「20%ルール」という文化を持っています。

20%ルールとは、自分の業務時間の 20% までは、本来の担当業務ではない仕事に使うことができる制度です。過去に 20% ルールから、Gmail や Google Now などのサービスが生まれました。

How Google Works という本には 20% ルールについて次のように書かれています。

このルールについては誤解が多い。ここで重要なのは時間ではなく、自由だ。この制度があるからと言って、グーグル・キャンパスが毎週金曜日に夏休み状態になり、エンジニアがクリエイティブなさぼり方を競っているわけではない。

実際には夜や週末を使って「20% ルール」のプロジェクトをする社員も多いので、「120% ルール」といったほうが妥当かもしれない。

(中略)

日常業務に支障が出ないかぎり、20%ルールは専制的なマネジャーに対する牽制であり、社員に本来の業務以外に取り組むことを認める手段である。

グーグルが自社の社員に 20% ルールを奨励する意図はどこにあるのでしょうか?この本には次のような説明があります。

20% ルールの最も重要な成果は、そこから生まれる新プロダクトや新機能ではない。新しい試みに挑戦する経験を通じて、社員が学ぶことだ。たいていの 20% プロジェクトでは、日常業務では使わないスキルを学び、普段は一緒に仕事をしない同僚と協力する。

プロジェクトから目を見張るようなイノベーションが生まれることはめったにないが、携わったスマート・クリエイティブは必ず以前より優秀になる。ウルス・ヘルツルがよく言うように、20% ルールほど効果的な社員教育プログラムはないのではないか。

優秀な社員に自由と裁量を与え、20% という一定の制約の中で意欲的に取り組んでもらいます。20% ルールでグーグルが意図しているのは、結果もさることながらプロセスにあります。

普段とは違う業務に、異なる人たちと組織を超えて一緒に働くので、通常の仕事では得られない経験ができます。20% の仕事から学び、得たことを本来の業務にも活かすという好循環が 20% ルールの意義です。

引用した中に「プロジェクトから目を見張るようなイノベーションが生まれることはめったにない」とありました。

20% ルールでは、いつもの仕事ではなく、かつ関わる人も通常業務とは異なるので多様な経験ができる一方、リスクも伴います。20% ルールの取り組みには、普段よりもチャンレンジするものが多いのでしょう。

これに関連することで、同じく How Google Works という本には「失敗」について興味深いことが書かれています。

イノベーションを生み出すには、良い失敗のしかたを身に着けなければならない。失敗から学ぶのだ。どんな失敗プロジェクトからも、次の試みに役立つような貴重な技術、ユーザ、市場の理解が得られるはずだ。

アイデアは潰すのではなく、形を変えよう。世界的イノベーションの多くは、まったく用途の異なるものから生まれている。だからプロジェクトを終了するときには、その構成要素を慎重に吟味し、他の何かに応用できないか見きわめよう。

ラリーがよく言うように、とびきり大きな発想をしていれば、完全な失敗に終わることはまずない。たいてい何かしら貴重なものが残るはずだ。そして失敗したチームを非難してはいけない。メンバーが社内で良い仕事に就けるようにしよう。

他のイノベーターも、彼らが制裁を受けるかどうか注目している。失敗を祝福する必要はないが、ある種の名誉の印と言っていいだろう。少なくとも挑戦したのだから。

失敗はしたくないものです。しかし、何かに挑戦するかぎりは失敗はつきものです。大事なのは、起こってしまった失敗にどう向き合うかです。

まずは失敗の原因を明らかにすることです。ただ、その時に、グーグルの失敗への考え方からの示唆は、原因究明を悪者探しではなく、失敗から学ぶことを目的にすべきということです。

そして、失敗からの学びや得られたアイデアをそれで終わりにするのではなく、次のことに応用することが大切です。失敗を良い経験にするか、思い出したくもない苦い経験になるかは、失敗後にどう向き合うかによるのです。




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