2016/10/10

2016年9月にブログで注目を集めた本 (月間クリック数ランキング)


Free Image on Pixabay


このブログでは、訪問いただいた方に役に立つと思ってもらえる本を紹介しています。読んだ本の書評を書いたり、エントリーの参考情報として本の内容を引用しています。

今回のエントリーでは、2016年9月の1ヶ月で、クリックが多かった本をご紹介します (5冊) 。順番はクリック数の多かったものです。



エクサスケールの衝撃 - 次世代スーパーコンピュータが壮大な新世界の扉を開く (齊藤元章)




書かれている内容で印象的だったのは以下でした。

  • 近い将来にエネルギーがフリーになるとほぼ断定されている。人間の社会生活の原動力のベースとなるエネルギーが、ほぼコストなしに無尽蔵に算出されるようになる
  • エネルギー問題というボトルネックが解消されるので、人々の生活の基礎となる衣食住が無料になる
  • 生活必需品の全てが事実上無料で提供されるため、お金を使わなくても生きていける
  • お金を稼ぐために働く必要がなくなる。お金や資本主義という社会形態も変わる。ただし、お金を得る以外の労働へのモチベーション、例えば社会貢献や自己実現のために働くことは残るので、労働が全くゼロにはならない
  • 病気や老化がなくなり、寿命からも解放される

こうした社会全体の変化は、エクサスケールというコンピュータに実現されると著者は言います。本書には、エクサスケールコンピューティングの詳細よりも、それによってどういった恩惠が人類にもたらされるのかの近未来像が描かれています。

本書は総ページ数が600ページほどあります。内容は興味深く、一気に読み終えました。全ての箇所は精読しなかったので、もしじっくりと読めばある程度の時間は必要です。

もちろん、書かれていることが本当に、数十年以内くらいのタイムスパンで起こるかどうかはわかりません。

それでも、壮大なスケールで書かれている本書からは考えさせられることが多く、読んでよかったと思える内容でした。

書評エントリーはこちらです。

書評: エクサスケールの衝撃 - 次世代スーパーコンピュータが壮大な新世界の扉を開く (齊藤元章)



ストーリーとしての競争戦略 - 優れた戦略の条件 (楠木建)




この本の内容紹介は、次のように書かれています。

戦略の神髄は、思わず人に話したくなるような面白いストーリーにある。

大きな成功を収め、その成功を持続している企業は、戦略が流れと動きを持った 「ストーリー」 として組み立てられているという点で共通している。

戦略とは、必要に迫られて、難しい顔をしながら仕方なくつらされるものではなく、誰かに話したくてたまらなくなるような、面白い 「お話」 をつくるということなのだ。

本書では、多くの事例をもとに 「ストーリー」 という視点から、究極の競争優位をもたらす論理を解明していく。

本書で書かれていたことで、思わず人に話したくなったのは、ある競争戦略フレームでした。SP と OC という戦略概念です。

  • SP (Strategic Positioning): ポジショニングの戦略。他社と違うところに自社を位置づけること。SP は、何をやり / 何をやらないかという意思決定や活動の選択
  • OC (Organization Capability): 組織能力による差別化。他社には簡単に真似できない組織や仕組みとしての強みのこと。表面的には真似することができても、実際の組織内での実行レベルでは中々真似できないもの。時間とともに常に進化していく

SP が他社と違ったことを 「やる」 に対して、OC は他社と違ったものを 「持つ」 ことです。SP は短期的な戦略的意思決定で、OC は中長期での競争優位性となるものです。

SP と OC のわかりやすい例えが、レストランです。

SP (やること) はどんなメニューを提供するかです。例えば日本食なのか中華なのかイタリアンか、さらには日本食でも高級 / 庶民的、あるいは伝統的な料理か新しい料理かの、他店との違い (ポジショニング) です。

一方の OC (持つこと) は、腕前のよい料理人やシェフを雇い、どんな厨房や、料理の注文 / 調理 / 提供する仕組みを持つか、あるいは仕入先やどんな素材を持っておくかです。



生涯健康脳 - こんなカンタンなことで 脳は一生、健康でいられる! (瀧靖之)




著者は脳医学者の瀧靖之氏です。世界最先端の脳画像研究を通して、16万人の脳画像を見てきました。

本書のタイトルでもある生涯健康脳には、 「人は亡くなる直前までしっかりとした頭を持ち、認知力を健全に保った状態で生活することが人生の理想であり幸せである。それを皆でめざしましょう」 という著者の思いが込められています。

生涯健康脳を実現するために本書で強調されているのが、日々の生活習慣の大切さです。具体的には、1日30分の有酸素運動、知的好奇心を常に持つ、人とのコミュニケーション、音楽の演奏や音楽を聴くことです。

本書からのメッセージは 「いつからでも、簡単なことから脳を健康にすることができる」 ということです。 「生涯健康脳」 のつくり方は日常の生活の中にあり、何歳からでも一歩を踏み出すことができます。

書評エントリーはこちらです。

書評: 生涯健康脳 - こんなカンタンなことで脳は一生、健康でいられる! (瀧靖之)



経営の教科書 - 社長が押さえておくべき30の基礎科目 (新将命)




書評としてのエントリーは残していませんが、 「大局観をいかにして磨くか」 というテーマが興味深かったので、ブログエントリーとして取り上げました。

大局的な視点でものごとを見るには 「多、長、根」 という3つがキーワードだとします。

  • 多:複数の視点から全体像を把握する
  • 長:短期ではなく長期のスケールで考える
  • 根:本質に立ち返る

詳しくはこちらのエントリーで紹介しています。

大局観を持つための視点は 「多 / 長 / 根」



外資系コンサルの知的生産術 - プロだけが知る 「99の心得」 (山口周)




気付きが多い良書でした。この本をおすすめしたい方としては、レポートやプレゼン資料の作成に自分のやり方が確立していて、普段はこの類の本は読まない方です。

本書の最初に、 「知的生産の戦略策定」 という考え方が出てきます。ここで言う知的生産物とは、レポート、企画提案書、プレゼン資料などを指しています。

知的生産のための戦略をどうするかで、興味深かったのは 「自分の知的生産物を、どうやって他の知的生産物と差別化するか」 という視点です。

一般的には差別化と言えば 「競合との差別化」 になります。本書でユニークなのは、知的生産では 「受け手がすでに持っている知識との差別化」 としていることです。知的生産物を届ける相手がすでに持っている情報や知識に対して、自分がつくるものに新しい情報や有益な価値があるかどうかです。

レポートなどの知的生産物を、受け手がすでに持っている情報や知識に対して、どう差別化するか。この視点は読み手である自分が持っていなかったものです。本書が受け手の既存情報と差別化されており、読む価値がありました。

詳しくはこちらのエントリーをどうぞ。

受け手の既存情報との差別化で、レポートやプレゼン資料をより価値のあるものにしよう

最新エントリー

多田 翼 (書いた人)