2016/11/21

書評: 3000人のユダヤ人に YES と言わせた技術 (マーク富岡)


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3000人のユダヤ人に YES と言わせた技術 という本をご紹介します。



本書から学べるのは、交渉において何より大切なのは、交渉の基本は相手との人間関係をいかに良くするかということです。

そのためには、交渉が終わるときに双方がいかに満足できるか、Win-Win を目指せるかが重要であると著者は言います。厳しい交渉であっても相手を人として尊重し敬意を払ってさえいれば、相手もこちらの気持ちを汲み取り最終的には Win-Win の結果が生まれるとも言います。

最後に書かれていて印象的だったのは、交渉とは素晴らしい人間関係をつくるための1つのプロセスである、という言葉でした。

交渉を通じて、お互いの人間性や信頼に基づく良い人間関係を築き上げるためには、交渉相手に対して気遣う心を持っていることが大切です。

著者 (マーク富岡氏) のメンターであるマイヤー氏は、次のように著者に語ります。本書からの引用です。

ミュンヘンのバーで、ジントニックを飲みながら彼は言っていた。

「相手のためにしてあげられる最大限のことを、まずあなたのほうからすればいいんですよ、マークさん。相手にとってメリットのあることをあなたがすれば、相手から信頼を得ることができます。相手の信頼を得ることは、何より大切なことです。

信頼さえ得れば、多少交渉が紛糾しても、最後のところで必ず合意点が見つかると私は信じています」

まず自分の利益を確保することーーこれが交渉に勝つ唯一の手段だと考えていた当時の私には、衝撃的な話だった。

しかし、マイヤー氏は気持ちを先読みしたかのように私を導き、心地よいもてなしのような交渉をしてくれた。だからこそ私はたちまち彼のとりこになり、信頼を寄せたのである。

この本で書かれているのは、具体的な交渉ノウハウよりも、交渉に臨むときの考え方です。

著者のこれまでのビジネスでの交渉の話はいくつか具体例として紹介されてはいます。ただ、交渉状況が海外企業との新規取引を結ぶための契約の話が中心で、自分の状況では同じことは起こりにくいものが多かったです。

しかし、だからと言って、本書の内容から学びがないというわけではありません。

例えば、交渉では準備が8割、交渉の目的とゴールを常に意識すること (例: ノートに最初から書いておく) です。

他には、交渉において感情が高まってきたときの対処法も参考になりました。具体的には、感情的な意見からはいい結果が生まれないと自分に言い聞かすこと、議論で熱くなったときや険悪な雰囲気になったら短い休憩を入れる、です。

交渉は、いかに自分の言いたいことを伝え、こちらの要望を実現し、相手に勝つか、ではないのです。そういう気づきを与えてくれる本です。




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