2017/04/04

半沢直樹の仕事観 「仕事は客のためにする。ひいては世の中のためにする」


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半沢直樹シリーズの第三弾である ロスジェネの逆襲 で、半沢直樹と部下の森山が、以下の会話のやりとりをします。森山が、あらためて半沢の信念を聞いているシーンです。

「もしよかったら教えてもらえませんか」 森山は問うた。 「それはどんな信念なんでしょうか」

「簡単なことさ。正しいことを正しいといえること。世の中の常識と組織の常識を一致させること。ただ、それだけのことだ。ひたむきで誠実に働いた者がきちんと評価される。そんな当たり前のことさえ、いまの組織はできていない。だからダメなんだ」

「原因はなんだとお考えですか」 森山はさらにきいた。

「自分のために仕事をしているからだ」 半沢の答えは明確だった。「仕事は客のためにするもんだ。ひいては世の中のためにする。その大原則を忘れたとき、人は自分のためだけに仕事をするようになる。自分のためにした仕事は内向きで、卑屈で、身勝手な都合で醜く歪んでいく。そういう連中が増えれば、当然組織も腐っていく。組織が腐れば、世の中も腐る。わかるか?」

真顔でうなずいた森山の肩を、半沢は微かに笑ってぽんとひとつ叩いた。

過去に読んでいた ロスジェネの逆襲 を再度読み、考えさせられたのが 「自分は何のために仕事をするか」 でした。

半沢直樹のシリーズ小説で共通するのは、「正しくないこと」 に半沢が真っ向から立ち向かっていくことです。

半沢は、自らのポジションを不利にする可能性があるにもかかわらず、肝の座った考え方と行動を取ります。度重なる銀行組織からの左遷への圧力を物ともせず、自分が正しいと思う正義を貫くのです。

ベースとなっているのが、上記の引用で取り上げた半沢直樹の仕事への信念です。仕事を自分の出世や保身のためではなく、顧客のため、社会のために仕事をする、というものです。

あらためて考えさせられたのは、自分が取り組んでいる仕事のモチベーションが、自分自身が評価されることや、まわりからの承認を得る・認められるためになっていないかでした。あからさまに出世やポイント稼ぎではないにしても、どこかにそういう気持ちを持って日々の仕事に取り掛かってしまっていないかです。

自分はなぜその仕事をやるのか、そもそもの理由が自分のためという内向きな要素が入ると、過去の自分の経験からも、ものごとの判断を見誤るなどの影響が出てしまいます。自分が仕事をする上で基本的なところですが、日々の業務の中でつい忘れがちになることです。

半沢直樹の仕事観を通じて、あらためて思い直すことができました。



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多田 翼 (書いた人)