投稿日 2017/04/29

子どもの 「好奇心の芽」 を摘まないために、親がやってあげたいこと


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子どもの芽を摘まないで


危うし!小学校英語 という本の最後のあとがきで、あるノーベル賞の受賞者と著書との、子育てに関する話のやりとりが書かれています。

子どもの 「芽」 を摘まないで

ノーベル賞受賞者の子育てアドバイス

ノーベル賞受賞者の会合の司会をした時のことです。ノーベル物理学者章を受賞した物理学者と雑談する機会がありました。たまたま自分に初めての子どもが生まれたばかりだったので、「子どもをあなたのような科学者に育てるには、どうしたらいいのでしょうか」 と問いかけました。

すると、「何もしてはいけません」 という、意外な答えが返ってきました。

「すべての子どもは、生まれながらにして科学者です。周囲の大人が、寄ってたかって子どもをイジって、その子にしかない芽を摘んでしまってダメになるのです」 。その言葉はいまだに心に残っています。

もし、さきほどのノーベル章学者に、「子どもに英語を教えることをどう思うか」 と聞いたら、なんと答えるでしょうか。「よけいなことをするな」 と言うような気がします。

幼い子が英語塾に通ったりするのは、もったいないことです。そんな時間があれば、友だちと泥んこ遊びに夢中になったり、空や雲を見上げ、道ばたの草や花に見とれ、小さな虫を見つめ、犬と遊ぶ。そんな些細な、しかし、かけがえのないひとときがどれだけ貴重なことかと思います。


子どもの好奇心を邪魔しない


「子どもの『芽』を摘まないで」 からの示唆は、子どもが本来持っている好奇心の邪魔を大人がやってはいけない、ということです。

子どもが持つ自由な好奇心について、ノーベル賞受賞者は 「子どもは生まれながらにして科学者」 と表現しています。親や周囲の大人がその好奇心に気づかず、あるいは、大人の都合のよいように子どもをさせることを 「芽を摘んでしまっている」 と指摘しています。

親へのアドバイスは 「何もしてはいけない」 です。子どもが自由に、自分の好奇心に従って感じ行動し、遊ぶことを推奨しています。


自分の娘に見る好奇心


私は子どもが二人いて、3才と1才です (2017年4月現在) 。子どもの様子を見ていると、大人の自分とは全く違った好奇心を持っていることに気づきます。

例えば、気に入った遊びは、自分の気が済むまで繰り返しています。同じ階段を何度も登り降りをしたり、毎日のように似顔絵や好きなキャラクターを画用紙に描いています。他にも、積木を縦に積み上げては倒れる遊びを、ずっとやっていることもあります。


子どもの好奇心を尊重する


繰り返す様子を見ていると、大人からすれば 「そろそろ他の遊びをやったら」 と思えます。つい 「 (他の) これで遊ぼうか」 と勧めてしまいたくなります。

これがまさに 「子どもの芽を摘んでしまう」 ことです。同じ動作の遊びを何度も繰り返しているのは、子どもにとっては好奇心が続いているからこそです。本当に子どもを思うのであれば、親としてできること子どもの好奇心を尊重し、何もしないことです。

もちろん、子どもがやろうとすることが危険であったり、他の子に迷惑がかかるようなことは、親がそれをやめさせるべきでしょう。最低限のコントロール以外は、子どもが持つ好奇心を最大限に尊重してあげたいです。

親としてやってはいけないと思うのは、親の自分の都合で、子どもの好奇心を邪魔することです。

例えば、子どもが家への帰り道でアリの行列などに興味を示し、その場でアリを眺めているとします。この時に、親が早く家に帰りたい自分の都合を優先し、無理やり帰ろうとしないことです。公園で、服や靴が汚れるからといって、泥んこ遊びや砂場遊びを止めさせないことです。

この本での 「すべての子どもは、生まれながらにして科学者です。周囲の大人が、寄ってたかって子どもをイジって、その子にしかない芽を摘んでしまってダメになるのです」 という言葉は、あらためて考えさせられました。



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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。