2017/04/15

書評: 大国の掟 - 「歴史×地理」 で解きほぐす (佐藤優)


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大国の掟 - 「歴史×地理」 で解きほぐす という本をご紹介します。著者は佐藤優氏です。



本書の内容


本書の内容紹介では次のように書かれています。

大統領選後のアメリカはどうなるか?イギリス離脱後の EU のゆくえは?プーチンのユーラシア主義の本質とは?

英米からロシア、中東から中国まで。新旧政治家の比較考察から、各国に特有の論理を読み解く歴史的アプローチ。地理をふまえて各国の戦略に迫るアプローチ。双方の合わせ技で国際情勢の本質を一気に把握する。「分析家・佐藤優」 の集大成!

点と点がつながる


この本が興味深く読めるのは、点と点がつながるからです。

国際情勢として、アメリカ、イギリス、ドイツ、ロシア、中東、中国、そして日本が取り上げられています。例えばロシアの動向は、中東のシリア情勢や IS に相互に影響し合います。中東情勢は中国ともつながります。

本書では 「変わらない要素」 に注目して、国際情勢が分析されています。変わらないものとは 「歴史」 と 「地理」 です。

扱われている、アメリカ、イギリス、ドイツ、ロシア、中東、中国、日本のいずれも歴史を遡れば、類似しているパターンが繰り返されていることに気付かされます。興味深いのは、反復の背後には地理的な要因が強く影響を与えていることです。

読み進めると、その国の過去と今という2つの点がつながり、あるいは、現在の別の2つの国がつながります。異なる点をつなげてくれるのは歴史的な視点と地理的な視点です。

補間として、宗教や民族の視点も与えてくれます。特に中東情勢を理解するためには、これらの要素は欠かせません。

中国が抱える問題


中国と周辺国との摩擦が強まっているのは、中国が大陸国家と海洋国家の2つのベクトルを同時に志向するようになったことが原因だと佐藤氏は言います。日本との関係にも軋轢が生じており、同じ海洋国家として対立するようになるという指摘でした。

中国が今後抱える危険要素として、新疆ウイグル自治区に第二のイスラム国が誕生する可能性があるという分析は興味深く読めました。




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多田 翼 (書いた人)