2017/08/16

日本軍の失敗の本質から考える、イノベーションに必要な10のポイント


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前回のエントリーは、失敗の本質 - 日本軍の組織論的研究 という本に書かれていた 「日本軍の失敗の本質」 を取り上げました。

前回エントリー:日本軍の失敗の本質が、現代のビジネスに問いかけるもの


今回のエントリーは後編です。内容は、具体的にどうすれば、失敗の本質を現在のビジネスへの教訓にできるかです。


日本軍の失敗の本質


日本軍の失敗は、現代の日本企業などビジネスにも通じます。逆に言えば、失敗からの教訓は十分に活かされていません。

本書で指摘されている日本軍の失敗の本質は、次のように書かれています。

日本軍の最大の失敗の本質は、特定の戦略原型に徹底的に適応しすぎて学習棄却ができず自己革新能力を失ってしまった、ということであった。

この失敗の本質は、前半と後半の2つに分けることができます。

現代のビジネス用語で解釈をすれば、前半の 「特定の戦略原型に徹底的に適応しすぎた」 はガラパゴス化、後半の 「学習棄却ができず自己革新能力を失ってしまった」 はイノベーションを起こせなかったことです。

特定の戦略や戦い方に固執したから自己革新ができませんでした。自己革新ができなかったからこそ、今のやり方に固執してしまったとも言えます。

どうすれば自己革新ができるのでしょうか。ここからは、イノベーションに必要な考え方、どんな行動を取ればよいかを考えます。


成功体験にとらわれない


失敗の本質で指摘された 「特定の戦略原型に徹底的に適応しすぎた」 とは、過去の成功体験にとらわれすぎたことです。自分が過去に成功した経験は確かに貴重なものです。しかし、時としてその成功体験が足かせになります。

常に、もっと良いやり方があるのではないかという姿勢が大切です。


環境 (前提) は常に変わることを受け入れる


そもそも自己革新が必要なのは、環境が変わるからです。環境が変わらない、競争相手がいないのであれば、それまでの成功体験を捨てなくともよいでしょう。

しかし、環境は常に変わっていくものです。それに合わせて自らも変わらなければいけません。


常識を見つけ、常識を外してみる


イノベーションとは 「未来の当たり前」 を実現することです。現在はないもので、未来には当たり前になっていることです。

逆に言えば、現在の当たり前を前提にしていては、未来の当たり前にはなりません。

現在の当たり前とは、今ある常識です。常識は当たり前のことだからこそ、知らない間に前提になってしまっています。意識して常識を見つけ、その常識をなくしたらどうなるかと考えてみる、あるいは、今ある常識を変えるために何ができるかを考えた先に、イノベーションがあります。


理想から逆算する


現状の延長ではなく、ゼロベースから理想を考え、そこから逆算します。理想から逆算したときに、何が問題なのか・どう解決できるか・自分たちは何ができるかです。

理想を考える際に、改善ではなく10倍にするとどうなるかといった、一見すると不可能とも思えるスケールで描くとよいです。


くだらないと思えることにも興味を持つ


特に破壊的なイノベーションは、外からやってくるものです。ビジネスで言えば、業界の外から来ます。業界の常識からすると始めはくだらない・愚かなことと思えたことが、気づけば業界をひっくり返していたという状況です。

一見するとくだらないことでも興味を持っておく姿勢は、イノベーションを起こされるのではなく、自分たちが主体的に起こすためには必要なことです。


小さくはじめる


まずはやってみるという姿勢です。小さくはじめるとは、小さな PDCA をまわしてみるということです。計画や仮説は、やってみてはじめて筋のいいものかどうかがわかります。

大切なのは、失敗してもいいのでまずは実行してみることです。そして、失敗に目を背けるのではなく、失敗から学び次に活かすことです。


常に学び続けるという姿勢


貪欲に学ぶ姿勢も、イノベーションを起こすために必要な要素です。失敗から学ぶ、他人から学ぶ、他の業界の成功や失敗事例から何を学ぶかです。


できない理由ではなく、できる理由を考える


困難に思えることにできない理由を挙げることは誰でもできます。自己革新というイノベーションを起こすためには、できない理由ではなく 「できる理由」 を考えます。

できる理由から入ると、頭の中ではできる前提でものごとを見たり、考えるように切り替わります。同じ事象にも、できないから見るか、できる前提で見るかで着眼点や発想が変わります。


アイデアを組み合わせる


アイデアについての名著 アイデアのつくり方 には、「アイデアとは既存の要素と既存の要素の新しい組み合わせである」 と書かれています。

アイデアを組み合わせるヒントは、他の業界のやり方を自分たちに当てはめる、自分の考えを人に話してみて、相手の発想と自分の発想を組み合わせることです。つまり、なるべく自分とは違う要素を手に入れることです。人にぶつけるときは、自分と同じような人よりも、立場や環境の異なる人を選ぶとよいです。


多様性を受け入れる


自分と異なる発想を持つ人、考え方をする人がいれば、自分だけでは思ってもみなかったアイデアが生まれます。アイデアとは異なる既存要素の組み合わせであり、要素が違うほど組み合わさったアイデアはユニークなものになるでしょう。

実現するために多様性のある環境が望ましいと私は考えます。


まとめ


今回のエントリーでは、日本軍の失敗の本質からの教訓として、自己革新というイノベーションをどうすれば起こせるかを考えました。

前回のエントリーでは、失敗の本質をご紹介したものの、ではどうすればよいかの具体的な how がなかったからです。今回のエントリーを書くために10個出そうと決め、考えてみました。ご紹介したのは以下です。

  • 成功体験にとらわれない
  • 環境 (前提) は常に変わることを受け入れる
  • 常識を見つけ、常識を外してみる
  • 理想から逆算する
  • くだらないと思えることにも興味を持つ
  • 小さくはじめる
  • 常に学び続けるという姿勢
  • できない理由ではなく、できる理由を考える
  • アイデアを組み合わせる
  • 多様性を受け入れる




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多田 翼 (書いた人)