投稿日 2013/05/12

YouTube 有料チャンネルを開始した Google の狙いを、ビジネスモデルから考えてみる




YouTube が有料チャンネルを開始


YouTube が、月額課金制でチャンネルを開設できる新サービスを開始しました (米国時間 2013年5月9日) 。


まずはパイロットプログラムとしてのスタートのようです。チャンネルに登録 (サブスクリプション) したユーザーから課金できるもので、最低料金は月額99セントからです。

全てのチャンネルに14日間の無料トライアル期間がつけられ、年間契約でディスカウントもされるとのことです。

今回の YouTube 有料チャンネルが、Google のビジネスモデルにどう影響するかを考えてみます。
投稿日 2013/05/11

鏡に映った自分とどう向き合うか

「ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則」という本では、「良い企業(good company)」と「偉大な企業(great company)」の違いを6年に渡り調査し、得られた知見から偉大な企業の法則をがまとめられています。趣旨は、どうすれば良い企業は偉大な企業になれるのか。6つの法則が提示され、1つ目が「第五水準のリーダーシップ」です。

■第五水準のリーダーシップと謙虚さ

第五水準というのは調査の過程で明らかになった経営者の能力の5つの段階のうち、最も高い段階。5つというのは下から順に、
  1. 有能な個人:才能、知識、スキル、勤勉さによって生産的な仕事をする
  2. 組織に寄与する個人:組織目標の達成のために自分の能力を発揮し、組織のなかで他の人たちとうまく協力する
  3. 有能な管理者:人と資源を組織化し、決められた目標を効率的に効果的に追求する
  4. 有能な経営者:明確で説得力のあるビジョンへの支持と、ビジョンの実現に向けた努力を生み出し、これまでより高い水準の業績を達成するよう組織に刺激を与える
  5. 第五水準の経営者:個人としての謙虚と職業人としての意思の強さという矛盾した性格の組み合わせによって、偉大さを持続できる企業を作り上げる
4つ目の段階までは意外感はありませんでしたが、第五水準は独特のものだと感じました。とりわけ謙虚さを挙げているのが印象的です。

謙虚さについて本書で強調していたのが「窓と鏡」という考え方。成功した時と失敗した時の捉え方/考え方で、
  • 窓:成功を収めた時は窓の外を見て、成功をもたらした要因を見つける。まわりのメンバー、外部要因、幸運など
  • 鏡:結果が悪かった時は自分に責任があると考える。他人や外部要因、運の悪さのためだとは考えない
最近思っていることが、謙虚さって大事だなということ。自分には何が足りないかを常に意識していたり、良い仕組みや他人の優れた考え方/やり方を積極的に自分に取り入れる。常に学ぶ姿勢。「窓と鏡」の考え方にあるように、成功した時ほど驕るのではなく勝って兜の緒を締める。失敗した時は自分のことを振り返ってみる。

■鏡を見た後にどうするかが大切

鏡を見ることについてもう少し考えてみます。

自分のミスや至らなさを認識することも大切ですが、もう1つ大事なのはその状況から逃げないことだと思います。「自分は全然だめだ」と考えてしまうかもしれませんが、そんな自分を肯定しそこから一歩踏み出せるかどうか。自分のことをあきらめずにもう一回立ち上がってみるという決意です。鏡を見て、目の前にいる自分を客観的に捉えるだけではなく、受け入れ、じゃあどうするかを考え、ネクストアクションを取る。

良いところも悪いところも含めて今の自分を認めるという自己肯定感は、ここ最近、よく考えることです。大変な状況でも最後には「大丈夫」と思えるか、自分自身や自分のいる環境を受け入れられるか。色々と考えた後に、最終的には自分を肯定して、そこから前向きに考え、行動を1つでも起こす。そんなふうにありたいと思っています。

一度くらい跳び越えられなくても、もう一度跳んでみようと思えるかどうか、それを自分の意思で決められるか。この積み重ねが大事だなと。

米Yahoo!の現CEOであるマリッサ・メイヤーはある対談で次のように言っていました(対談当時はGoogle社員)。
I always worked with the smartest people I could find. You surround yourself with the smartest people. They just challenge you and elevate the way you think and make you think harder and deeper about things.
それはサイコーに頭の良い人たちに囲まれて仕事するような職場だったということ。彼らは自分に挑戦状を叩きつけてきた。それが自分の思考レベルの水準UPにつながるのだ。いままでよりもっと一生懸命考え、ずっと深く考えなければついていけないような環境だ。

And I always did something that I was a little bit not ready to do.
もうひとつの共通点はそれらが「背伸び」しなくてはいけない、ワンランク上の仕事だったということだ。

(引用:サイコーに頭の良い人たちに囲まれて仕事するような職場を選ぶこと そして「背伸び」しなくてはいけないワンランク上の仕事を引き受けろ マリッサ・メイヤー|Market Hack)
この考え方は同意です。あえて厳しい環境に身を置くチャレンジをしてみる。受け身ではなく主体的にそういう場へ飛び込んでみる。

思うのが、自分には大変な状況になった時に、そこから「背伸び」ができるかどうかが分かれ目になるのではということ。まわりの自分より頭の良い人たちに最初は圧倒されますが、その環境や自分の足りない部分を受け入れて、そこからジャンプしようと前向きに捉えられるかが大切だと思っています。

鏡の自分に正面から向き合えるか。映った自分を受け入れられるか。そして、そこから前に一歩踏み出せるか。このあたりがここ最近の自分のテーマです。




投稿日 2013/05/06

資産運用を30年続けるためのMyルール

資産運用を続ける上で大切にしたいと考えているルールは次の通りです。
  • 自分が何に投資をしているかを理解する(投資リターンの源泉を把握する)
  • PDCAをまわし続ける
  • 普段のニュース/情報収集・投資のための勉強は怠らない
  • 時間をかけ過ぎない
今回のエントリーでは、あらためて自分の資産運用/投資を続けるために心がけたい内容を整理しています。

■自分が何に投資をしているのかを理解する

考え方として、「分からないものには投資をしない」は大事にしたいです。投資する自分のお金の行き先をちゃんと知っておくこと。

大切な自分のお金だからこそ、投資したお金が何に使われているのかを知りたいんですよね。投資信託であっても、どんな企業にどれくらい投資しているのか。その企業はどういうビジョン/理念のもとで、何をしていて、どんな価値を世の中に提供しているのか。投資対象の利益を出す本質的な源泉はどこにあるかを自分が把握していること。

鎌倉投信の鎌田社長がセミナーで言っていた言葉で印象的だったのが、「投資の最大のリスクは自分が何に投資しているかがわからないこと」でした。

■PDCAをまわし続ける

資産運用を取り組むにあたって、PDCAをまわすこと。そのためのポイントとしては、
  • 現状把握と目標設定:今持っている全ての資産状況を見える化(ただし家電などのモノの資産は除く)。資産形成の目標は人生設計から「60歳で1億円」と設定
  • 資産運用の戦略:運用するにあたって、リスク・期待リターンの設定、目標資産配分(アセットアロケーション)を持っておく
  • 戦略の実行へ:将来資産のシュミレーション、投資する金融商品の選定。設定期待リターンと実際のリターンのズレを確認。目標資産配分が保たれているかを調整していく
戦略的な資産運用を続けていきたいと思っています。戦略とは、「あるべき姿」と「現状」の2つを結ぶもの。現状⇒あるべき姿(ゴール)にどうやってたどり着くかを考える。

資産に当てはめると、「現状資産」と「目標資産」のギャップを埋めるのが資産運用だと考えています。人生設計から見た時に「いつまでに・どれだけの資産」というゴールを設定する。

戦略は実行して初めて価値があるもの。考えた戦略は仮説にすぎないので、実行する中で仮説検証をしていくイメージです。資産運用で言うと、運用という実行を通じて、設定した期待リターン通りになるか、現在の資産配分を目標とする資産配分に維持できるか。

■ニュースの自分事化する。投資の勉強を怠らないように

資産運用に取り組むからには、やるべきことは怠らないようにしたいと思っています。普段からニュースや世の中の動きに関心を持っておくこと。アンテナを張って、ニュースが自分にどう関係するのかも考えるようにしたい。

ニュースの背景や影響、それが自分の投資にどうつながるのか、自分にとってどういう意味があるのか、などを考えてみる。世界も含めた世の中の出来事に対して、自分事にできるよう意識してみる。

資産運用のための勉強も怠らないようしたいです。直近の話題で言うと日本版ISA(アイサ。先日、名称がNISA(ニーサ)と決まったようです)。少額投資非課税制度で、投資金額100万円分までの株式投資や投資信託にかかる値上がり益や配当金(分配金)が非課税となるもの(13年現在は10.147%で、14年からは通常20.315%の税金がかかる)。まだ細かいところまで理解しきれていないので、このへんの情報アップデートもしていきたいところ。

■資産運用自体に時間をかけすぎない

本業である自分の仕事に集中すること。休日は家族や知人との時間、もしくは一人での時間を大切にすること。投資のための勉強をすると上で書きましたが、優先順位は自分の仕事に関しての勉強。本末転倒にならないように。

そのためには、資産運用のプロセスの自動化をしておきたいです。毎月の自動積立や、毎月・3ヶ月毎・1年毎の資産確認で何をするのか/やらないのか。目標は30年、無理なく続けられる仕組みとしてつくりたいです。資産運用は目的ではなく、あくまで手段と位置づける。

★  ★  ★

以前のエントリーで、ものごとを大局的に見るために意識したいことを書いています。参考:大局観を磨くための3つの視点|思考の整理日記

キーワードは「多・長・根」で、
  • 多:複眼で捉える
  • 長:短期ではなく長期スケールで見る
  • 根:物事の本質を問う
この3つは、資産運用においても大切にしたいと思っています。


※関連記事

今年こそ資産運用:本気で取り組みたいので戦略的に考えてみた
今年こそ資産運用(実行編):運用方針とか投資商品をご紹介

コモンズ投信の「はじめてのコモンズ」セミナーに参加してきました
ひふみ投信の「ひよこ塾」セミナーに参加してきました
鎌倉投信の「結い 2101」セミナーに参加してきました


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。