投稿日 2013/08/11

YouTubeで音楽をヘビーに聞くようになっての雑感

ふと気づけば、最近は音楽を聞くのがYouTubeが多くなっています。

自分の日常で音楽を聞くのは、通勤などの電車の中、自宅、仕事で集中したい時。このうち、自宅と仕事時はYouTube(YT)を使っています。

YTには音楽コンテンツがかなり充実していると思っていて、その中でもよく利用しているのは60分くらいのDJの人がミックスしたコンテンツです。YTにはSubscription(登録)の機能があり、気に入ったDJさんは何人かは登録しています。(例えば、 Soulful Evolution JaBigMike WhitfieldHeiera Mark MelloTrevor NygaarddarkocorazzoErwin Westerborg)

YTで音楽を聞く時は作業用BGMとしてです。音楽を聞く時間も増えました。一日あたり3,4時間は聞いています。YT利用者全体でみた場合、たぶんヘビーユーザーの1人になっているように思います。以下は、YTで音楽を聞くようになり、ここ最近思っていることです。

■音楽の保有意識の低下

以前であればiPhoneの中に入っている曲を聞いていました。今でもなくなったわけではないですが、YTの音楽を聞くことで音楽の保有意識がなくなりつつあることを実感しています。

YTで音楽を聞くことに関しては、曲を持っている実感はなくて、ただYT上にある音楽を「再生」するだけという感覚です。保有もダウンロードもしている認識もなく、ただそこにある音楽を聞いているだけです。

音楽再生はCDというメディアだった頃に比べ、iTunesからiPodなどにダウンロードして聞くスタイルに変わった時、音楽の保有意識も変わりました。CDという物理的なメディアに入っていたものが、MP3形式になり音楽に対してモノの感覚が薄れた記憶があります。

それでもiTunesの中(PCの中)だったり、iPod/iPhoneの中には入っているという意識はあったので、保有の実感はありました。それがYTでストリーミングで聞くことが多くなり、音楽はもはや保有ではなく、その時だけ利用し聞くものになりました。

保有意識の低下によって、今のところ、だからどうというわけではないのですが、あらためて思うとこの感覚の変化は大きいと思っています。

■YTが使えない環境で顕在化した不便

通勤での電車内でも音楽を聞いていることが多いのですが、今のところこの時間はYTは使わずに、iPod touch内に保存してある音楽を聞いています。

電車内でもYTは使えないこともないのですが、通信が弱いので途切れてしまうことがあります。デバイスも常に通信をするので、バッテリーの消費も激しくなります。なので、通信をせずに音楽を聞くとなると、デバイス内の音楽を聞いています。

従来はこのモバイルデバイス内のローカル保存の音楽を聞くという視聴スタイルに特に不便は感じなかったのですが、自宅等の屋内でYTで聞くことが多くなると、YTを使いにくい環境下での不便が顕在化してきています。

デバイス内で保存してある曲数は、YT上にある音楽の多さに比べると少ないので、曲に飽きてきてしまいます。それに比べるとYTで聞ける音楽は感覚としてほぼ無限にある感じなので、選曲に迷うこともないんですよね。iPodから曲をいちいち選ばないといけないのが、意外に不便に感じてしまうようになってきています。これはYTを音楽用として利用する前には全くなかった不便です。

■コンテンツプロバイダーにプロもアマもない。ただ自分が気に入った音楽を聞くだけ

上記で自分がYTで登録しているDJさんのいくつかをご紹介しました。昔の、CDでミックスを買っていた頃を思い出すと、CDを出せるようなDJはその世界でのかなりのトップクラスだったはずです。

一方、YT上にはプロのDJもいれば、セミプロ、アマなど様々なクラスが混在しています(プロやセミプロの定義はここではあまり厳密に考えていません。要はトップ級だけではないということを言っています)。あらためて思うのは、自分にとって大事なのは音楽というコンテンツプロバイダーがブロorアマではなく、自分の好きな曲を提供してくれるか、自分の音楽嗜好/センスに合っているかどうかです。

YTというプラットフォームに音楽だけでも多種多様なコンテンツがあり、その中で自分が気に入った音楽を聞くだけなんですよね。すごくフラットな世界という感覚です。

■音楽接触時間は増えた。ただしお金は払っていない

YTで音楽を聞くことが多くなり、結果として音楽視聴時間は以前よりも増えました。特に作業用BGMとして、PCで何かを集中してやりたい時はだいたい聞いています。

一個人として音楽利用時間が増えたのに対し、音楽に対して支払うお金は減りました。ことYTに関してはフリーです。厳密に言えば、YT内で見る広告のうちいくつかは課金が発生していますが(TrueViewで広告スキップをしない、スキップ機能がないIn-Stream)、これも自分のお金が支払われるわけではないので感覚としてはYTに一銭もお金を払っていないのです。

音楽視聴時間は増えているのに、支払うお金は増えていない、むしろYTを利用すればするほど減っています。今後、マーケットとして成り立つのかがとても気になります。

コンテンツプロバイダーにとっては、音楽視聴者から直接ではなく広告からお金を稼ぐことは可能です。CDやiTunesでのダウンロードでは、音楽を買う、つまり音楽視聴者から直接お金がまわってきていました。YTでは、お金の流れとしては視聴者からではなく、広告主からYT経由(Google経由)で支払われます。

このエコシステムが良いのか悪いのかはなんとも言えないのですが、気になるのはお金という視点で見た時にマーケットとして、今後も成り立つのかどうか。利用者にとってYTでタダでいくらでも音楽を聞けるうれしい環境ですが、音楽提供者にとって金銭的な旨みがなくなれば、プラットフォームとしては成立しなくなる?というのがここ最近の感心事です。

■YTでの音楽視聴は、YT本来の使い方?

YTで音楽を視聴すると言っても、作業用BGMとして利用する場合には「視」はありません。ユーチューブなのに、映像は全くと言っていいほど見ていなく。ただ音を聞いているだけです。

動画のほうも、1時間とかある音楽コンテンツはもともと映像はないようなもので、1時間ずっと同じ静止画が表示され、音楽だけ流れるというパターンも結構あります。コンテンツ提供者側も利用者側もはじめから動画を見ることは想定していないということ。

YTはもともとは動画サイトなのに、映像が作られていない/ニーズがないというのはよく考えるとおもしろい現象です。YTがもともと想定していた使い方ではないように思いますが、動画サイトなのに映像ではなく音だけに一定のニーズがあり、需要と供給が成り立っているのは興味深いです。


投稿日 2013/08/10

決断とは最善を尽くすこと:落合博満の采配論から学ぶ意思決定の心構え




中日ドラゴンズの前監督である落合博満氏は自らの著書 采配 で、次のように書いています。

どんな局面でも、采配というものは結果論で語られる事が多い。

(中略)

責任ある立場の人間が下す決断ーーー采配の是非は、それがもたらした結果とともに、歴史が評価してくれるのではないか。ならばその場面に立ち会った者は、この瞬間に最善と思える決断をするしかない。そこがブレてはいけないのだと思う。
投稿日 2013/08/04

子どもは親の鏡:出産予定日がちょうど1ヶ月後なので忘れないように

今日は8月4日。9月に子どもが生まれるのですが、予定日が9月4日(水)です。

あと1ヶ月なんですよね。1ヶ月ってすぐに時間が経つ感覚なので、待ち遠しい限りです。そういえば今朝、初めて夢に自分の子どもが出てきました。

自分の子どもが生まれるということで、子育て系の本も読むようになりました。今回のエントリーでご紹介したいのは「子どもが育つ魔法の言葉」

本書のキーメッセージは「子どもは親の鏡である」。子どもは常に親から学んでいて、親の姿を見ている。親のありのままの姿を子どもはよく覚えている、というもの。親の考え方、言動、行動が子どもに与える影響は大きいのは、実感としても理解できます。

本書で印象的だったのは、以下のフレーズです。
  • 認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
  • 誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
  • 叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう

■認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる

親のスタンスとして、子どものことを認めてあげられるようにしたいと思っています。子どもとはいえ、1人の存在として認めることであったり、子どもがやること、言うことに対しても受け入れるようにしたい。食事をこぼして床にぶちまけたりとか、時には怒りたくなるようなことでも、まずは受け入れる。認める。そのすぐ後にきっと怒ってしまうような気もしますが、認めることなしに叱ることは避けたいなと。

子どもの立場で考えると、一番の身近な存在で信頼できる大人が親です。そんな親から自分は認められていると感じられるか。認めてもらえないのであればその影響は大きいように思います。本書に書かれている「認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる」というのはわかるんですよね。自分のことが親に認められたと実感できると、そんな自分のことを誇らしく思え、好きになるというか。

■誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ

子どもの何を誉めるとよいか。親として大切にしたいのは、プロセスをまずは誉めることです。自分で考えたこと。行動を起こしたことに対して。やる気とかモチベーション。時には失敗もするかもしれませんが、まずは結果に至るまでのプロセスにおいて誉めるようにしたいと思ってます。

意識したい褒め方としては、具体的に誉める、その場ですぐに伝える、時にはさらに良くなるような助言もセットで誉める。

親から見て、子の長所についても触れて、子ども自身が自分の良い面をわかるようにもしてあげたいです。2つあって、自分が長所と思っていることを親に認めてもらえること、自分が気づいていないことでも長所と指摘され意識することで、新しい自分が見つかる。ポジティブに捉えられるようになり、自己肯定感を持てるようになってほしいですね。

子育てに関する本を何冊か読みましたが、よく出てきてたのが「自己肯定感」でした。自分を認めること、何が起こっても「大丈夫」と思えること、自信を持つこと。自己肯定があることで、考え方が前向きになれます。

自分の長所や努力を誉めることで、子どもはそれが正しいアプローチと理解できる。それが次のプロセスにつながっていく。こうした良い循環ができることで明るく前向きな子になってほしいと願っています。

■叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう

子どもを誉めることは大事だとわかっていても、怒ったり叱るケースもあります。どういうふうに叱るかは結構難しいなと感じています。

叱る時に意識するようにしたいのは、その場で叱ること、具体的に叱る、公平であること。その場でというのは、後から叱っても効果は低いように感じるので、具体性も併せて、次につながる叱り方をしたい。決して自分のストレスやイライラの解消のために怒ったり叱ることはないように(公平に叱る)。

「怒ったり叱ったり」と書いて思ったのが、怒ることと叱ることの2つを分けて考えたほうがいいなということ。必ずしも2つはセットである必要はなくて、怒る要素は減らし叱ることにフォーカスしたいです。

怒る行為は、親にとって自分本位なこと。感情的になることは仕方ないですが、自分の気持ちを子どもに向けてぶつけているイメージです。でもそれは果たして子どもにとって良いことなのか。子どもにとってプラスになるからこそ叱る。子どもにとっても長い目で見ると怒られるのでなく、叱られたほうが得るものも多くなる。そんな親子関係を目指したいもの。

叱る回数が多くなり過ぎないようにも気をつけたいです。目指したいのは誉めると叱るの割合が1:1くらいになること。理想は誉めるほうを多くすることですが、果たしてそんなうまくいくのかな。

★  ★  ★

こうして考えると、親の役目もなんとなく見えてきます。子どものことを受けとめ、肯定し、認めてあげること。励まし、誉めてあげる。叱る時には公平におもいやりをもって。

こうした子どもへの直接の触れ合いだけではなく、普段からの親の立ち振舞を子どもはきっと見ているはず。子どもは親から学ぶ、子は親の鏡であるという本書の指摘は、忘れないようにしたいと思っています。

最後に、本書からの引用です。
けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもはみじめな気持ちになる
子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう

励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば、子どもは、この世はいいところだと思えるようになる

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。