2013/09/14

初めて知った親の教育方針




2013年9月、長女が生まれました。少しずつ親としての実感や責任を感じるようになっています。


親がアンケートに書いていたこと


自分の親があるアンケートに書いていた内容を知る機会がありました。以下はそのアンケートの質問と両親の回答です。

2013/09/08

書評:「それ、根拠あるの?」と言わせない データ・統計分析ができる本

ビッグデータやデータサイエンティストという言葉もわりと普通に使われるようになり、「統計学が最強の学問である」という本がベストセラーになったりなど、データへの関心が大きくなっています。

一方で、データの使い方、統計の知識/技術をどう使うか、特に統計学は理論を知っていてもそれを実際にどう使えばいいかはハードルがあるように思います。平均値くらいはビジネスでも抵抗なく使っているものの、中央値や標準偏差、さらには相関分析や回帰分析になると、使用頻度は低いのが現状ではないでしょうか。

私自身、相関や回帰分析を知った時は考え方・理論がおもしろいと思ったものの、机上の知識を超えるまでは時間がかかり、日常や仕事でどう使うかがすぐにはイメージできなかった記憶があります。

統計の基本的な知識は知っているけど、実践でどう使っていいかよくわからないと思っている方におすすめなのが、「それ、根拠あるの?」と言わせない データ・統計分析ができる本

本書は、「海外マーケット進出という事業計画書を作成する」といったストーリーに沿って、データや統計分析をどう扱えばいいかがわかりやすく平易に書かれています。データ分析の目的、発想の仕方、データの集め方、標準偏差などのビジネスでの活用を解説してくれます。

扱っている統計学の範囲は、相関分析と単回帰分析までですが、統計は身近なツールとして具体的にイメージするにはむしろこれくらいでいいんですよね。本書を読んでもっと知りたくなった方は、Next Stepとしてさらに高度な統計に入っていけばいいと思うので。

■標準偏差

標準偏差は、そのデータがどれくらいのバラツキを持っているかを数字で把握できる指標です。平均が50で標準偏差が15というデータがあれば、その意味はデータ全体の2/3は平均50±15の範囲(35~65)にあるということ。同じ平均で標準偏差が5であれば、全体の2/3が45~55の範囲に入ります。

標準偏差5に比べて15のほうが、それだけ広い範囲に広がったデータ(バラツキがある)ということがわかります。ここまでが統計学の知識で、これを実務でどう活用するかが具体的なストーリーで体感できるのが本書の特徴です。

標準偏差の例で言うと、新規参入しようとしている市場規模は50億円がわかっているとして、この見通しはどの程度の下振れ/上振れがあるのかがリスクです。このリスクを定量的に評価するのが標準偏差。

50億に対して標準偏差が5億であれば、リスクを45億~55億円の±10%とみなせます(45~55の範囲はデータ全体の2/3なので確率は約67%)。50億市場と推定したけど、実は45億だったというのがリスクとして想定する下限。これがどういう意味かというと、例えばその市場での自社売上金額シェアが10%の場合、50億市場では売上は5億ですが、45億市場では売上4.5億と、5000万円低いケースがリスクとしてあり得ますよ、ということ。標準偏差はバラツキを表すという統計の知識が、事業計画のリスク分析に使えるという実践例です。

■相関分析と単回帰分析

本書では、相関分析と単回帰分析もビジネスにどう使えるかが説明されています。

相関分析については、新規参入市場で計画の売上・利益を達成するための「施策」と「売上」の相関を分析しています。チラシ配布、TVコマーシャル、店頭でのディスカウントの各施策と売上の相関係数を比較することで、どの施策が筋がいいかが数字で比較できます。ストーリーはかなり単純に設定されていますが、相関をどうビジネスに使うかのイメージとしてはわかりやすいです。

施策と売上の相関が高いということは、その施策をすれば高い確率で売上増に貢献できます。相関が高くなければ、施策が売上に貢献する場合もあれば、そうでない時もあり、ビジネスとしてはGoを出しにくいと考えられます。

単回帰分析では、先に相関分析で得られた効果がありそうな施策について、どの程度の売上が期待できるかのシュミレーション例として紹介されています。単回帰分析のモデルはシンプルで、施策にかけたコストに対して、どの程度の売上が見込めるか。コスト:説明変数、売上:目的変数です。

単回帰分析からわかるのは、コストに対する費用対効果と、目標売上を達成するために必要なコスト。さっきの相関分析と合わせて考えると、売上につながる施策が実際にどの程度ビジネスに貢献できるのかが見えてきます。施策&売上の相関が高く、かつ売上への寄与が高い施策は迷わずOKが出ると思います。相関が高くないが売上寄与は大きい施策と、相関は高いが売上寄与は小さい施策がある場合、どちらを優先するかは意思決定が必要です。前者は当たれば大きい博打系、後者は確実だがインパクトは小さい着実系で、どちらが良いかはケースバイケースです。

単回帰分析なので単純化されていますが、それでも過去のデータから単回帰という将来へのシュミレーションをつくり、そのシュミレーション結果から経営の意思決定に使える事業計画見通しの数字を出しているのです。

★  ★  ★

本書ではあえて統計の範囲を最低限に絞り、それだけでも実務にはこんな活用があることがイメージできる内容です。標準偏差、相関分析、単回帰分析などについて、Excelでどう計算できるかも図表を交えて説明があります。

統計学はおもしろい学問ですが、実際のビジネスでどう使えばいいかがイメージしづらいものだというのが多くの人の認識ではないかなと。知識と実践がうまく橋渡しができていないケースが多いように思います。

本書の著者は、日産自動車で事業戦略や人材育成計画などをデータを活用されている方です。図表も多く、表現も平易で、ビジネスパーソンにとって実践的で分かりやすい内容になっていました。


※関連記事
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データ分析だけだとまだ五合目くらい




2013/09/07

出産に立ち会っての雑感

2013年9月1日の日曜早朝、長女が生まれました。

その2日前の金曜夜に妻が入院し、陣痛が本格的に始まった*のが土曜の15時くらい。いよいよかと思ったら、誕生まで13時間くらいかかった出産でした。
*10分間隔くらいの定期的なサイクルで来る陣痛

出産直後の心境は、とにかくほっとしたことが一番大きかったです。生まれた感動もありましたが、それよりも安堵感のほうが強かったです。

出産のタイミングが土曜〜日曜朝にかけてだったので、妻に付きそうこともでき、出産も立会いました。自分にとって貴重な経験でした。

■陣痛

いよいよ出産という段階を専門的には分娩第一期と呼びます。10分間隔の陣痛が始まり子宮口が全開する(約10cm)までのフェーズ。初めての出産である初産婦であれば10-12時間くらい、2人目以降の経産婦であれば4-5時間だそうです。分娩にはフェーズは3段階あって、分娩第二期が赤ちゃんの誕生、分娩第三期で胎盤が出てきます。(このページが詳しいです:みるコム。プレママ(妊娠期); お産の進行)

傍らで妻の出産プロセスを付き添った感想は、分娩第一期が精神的にも肉体的にもハードでした。もちろん妻のほうが自分と比べようがないくらい過酷な状況だったとは思います。

分娩第一期の状況を簡単に書いておくと、
  • これまでは不規則な陣痛が10分おきくらいに定期的に感じるようになる。痛みの感じは生理痛のひどい時とのこと。痛みは30秒前後くらい続く。痛みを感じる背中をさするとやわらぐようなので、10分毎にさする
  • 陣痛の間隔が徐々に短くなる。同時に痛みもひどくなる。痛む位置も腰からお尻へと下がってくる。さするくらいでは効かなくなってくるので、痛い場所のマッサージ/圧迫に切り替える。あとは深呼吸を一緒にやる。痛みがひどくなると呼吸もうまくできないくらいになるので、「吸って、吐いて」「ゆっくり」を言い続け、妻の呼吸をリードする。陣痛が来るタイミングをスマホのストップウォッチで測っていて、10分→8分→5分→3分。ここまでで7時間
  • 陣痛間隔が10分を切るようになると、強い痛みで妻はほとんど何も動けなくなる。1回の痛みも1分〜90秒と長くなる。自分ができることは、痛む場所のケアと呼吸リード、「大丈夫」「もう少し」みたいな言葉をかけ続ける、あとはトイレの入口までの付き添いと水を汲んでくることくらい
  • 痛む場所のケアは、陣痛間隔が3分を切るくらいになると全力で押すくらいじゃないと効かなくなる。有効だったのはゴルフボールを使ってお尻の痛む位置を押すこと。それもマックスのパワーで。この時の時間帯が20時〜朝3時くらいだったので、ここが精神的/肉体的にもきつかったです(正直最後のほうはフラフラでした)

分娩第一期の最後3時間くらいは、妻の痛みは本当につらそうでした。見るに堪えないというか。苦しむ姿を間近で見ていて、泣きそうになりました。子どもを生むのにこんな大変な目にあわないといけないのかと。

こんな状況が、12時間くらい続きました。もし奥さんの出産に付きそう/立ち会う場合は、分娩第一期でどれだけサポートができるかが大事だなと思いました。病院の助産師さんなどのスタッフもやってくれますが、精神的なサポートはやっぱり家族がやる/やらないで、奥さんが言うには違うそうです。

サポートはシンプルに、①痛む場所のケア(圧迫など)、②深呼吸のリード、③「大丈夫」などの声をかける、をひたすらやればOK。初産婦の場合は12時間くらいやり続けるイメージを持っておけばいいかなと思います。あとは終わりや先が見えなくても「いつか終わりがくる」と希望を持ち続ける。実際に私は自分にも言い聞かせていました。

■出産

分娩第一期が終わると、つまり子宮口が最大になると(約10cm)、ようやく分娩台がある出産用の部屋に移動します。いよいよ出産フェーズのクライマックス。ここがいわゆる立会い出産です。妻の場合は、分娩台に乗り点滴を指したりの準備の時の痛みが最も強かったです。私のほうは割と冷静だったので、その分、見ていて耐えられなくなりそうでした。

分娩室でもこちらのやることは基本的に同じで、深呼吸のリードと応援の声がけ。声をかける時は、なるべく笑顔で、妻が少しでもリラックスできるようにしていました。痛みへの圧迫対処は助産師さんがやってくれました。それと、医師/助産師と妻の間に入る通訳。先生の指示を妻に繰り返し伝えつつ、妻の状況や言っていることを先生にフィードバック。

分娩台に乗った後のプロセスでは、お医者さんや助産師、自分も含めて、妻が赤ちゃんを生むのをみんなでサポートする感じです。ちょっとした一体感がチームにできてきます。手前味噌ながら自分も助産師の一人くらいの気持ちでした。

赤ちゃんが出てくるように、妻が2回いきむ→30秒〜1分ほどブレイクタイムを10回くらい繰り返し、ようやく出産。赤ちゃんの頭から生まれてくるのですが、感想としては「生まれた」というよりも「出てきた」という表現のほうがしっくりきます。

まず赤ちゃんの頭のてっぺんが出てきて、後頭部→肩→背中→お尻→足と、時間にしては一瞬ですが、本当に人が出てくる。出てきて数秒後くらいに産声を上げます。たぶんここが一番感動するポイント。

なんですが、この時に思ったのは、生まれた感動よりも、妻に対してよくがんばったという感謝+ねぎらいと、産声を聞いて何より一安心という感じでした。あとは先生や助産師さんへの感謝。生まれたことへの感動で泣くのかなと思ってたのですが、そんなことはなく。感動よりも達成感のほうが大きかったです。

★  ★  ★

あらためて振り返ると、出産とはこうもおもしろいプロセスでした。興味深いというか、妊娠期間も合わせると、出産までは母親のお腹の中にもう1人の人間が存在していて、出産ではお腹から赤ちゃんが人の形でそのまま出てくる。貴重な体験でした。

今回の立会い出産で認識が変わったのは、出産というのは新しい命が生まれるというよりも、赤ちゃんが外の世界に「出てくる」ということ。「生まれる」のは、赤ちゃんが出てくる出産時ではなく時間的にはもっと遡って受精したタイミング。ここが新しい命が誕生した時。

なので、「誕生日」という表現もちょっと違うような気がしています。すでに生まれていた赤ん坊が、母親の胎内から新しい世界に「出てきた日」(だからと言って誕生日という言葉を使わない/表現を変える、というわけではないですが)。

今日、妻と赤ちゃんが退院なので、新しい生活がいよいよ始まります。


※関連記事
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父親になるということ


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。