今回は新規事業開発の話です。
✓ この記事でわかること
- 新規事業開発でよく起こること (特に大企業で)
- 初期フェーズではまずは顧客理解
- 3C と新規事業開発
- 顧客視点からの競合の設定方法
この記事で書いているのは、新規事業開発での顧客理解の重要性です。やってしまいがちなアプローチと比較して、顧客理解から始める方法をご紹介しています。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
新規事業開発でよく起こること
これは特に大企業で起こりがちなことで、新規事業開発の初期フェーズからいきなり綿密な事業計画を作ってしまうことがあります。
事業計画と言うほどなので、計画を作るためには詳細の情報や分析を必要とします。
そのためにやることは新規事業の背景情報のために、これまでの社内での検討状況を当時の資料で見返したり、担当者に社内ヒアリングをします。
他には競合の類似商品やサービスの分析です。さらには、まだ開発の初期段階にもかかわらず、参入する市場規模や成長性、獲得できるシェアや売上見込みのシミュレーションまで早くもやってしまいます。
この中ですっぽりと抜け落ちているのが顧客視点です。
初期フェーズではまずは顧客理解から
新規事業開発の最初にまずやるべきなのは顧客理解です。
顧客理解のために2つのターゲット設定をします。1つはターゲット顧客、もう1つは 「ターゲット課題」 です。
ターゲット顧客設定から自分たちが想定する顧客像を明確にします。顧客定義です。
次に、その顧客が抱える課題のうち (通常は複数の課題がある) 、自分たちはどの課題に注力するかの 「ターゲット課題」 を明確にします。
新規事業開発は、1 にも 2 にも顧客理解からなのです。
3C で見る順番
戦略をつくる時や現状把握で役に立つフレームに 3C があります。3つの C で、Competitor (競合) , Company (自社) , Customer (顧客) です。
ここまでの話を 3C に当てはめると、新規事業開発の初期段階では 3C のうち Customer の優先順位が高く、Company と Competitor は後からでいいです。
社内関係者のヒアリングは、顧客理解をし想定する顧客のことに誰よりも詳しくなった 「顧客の専門家」 になった後です。競合分析の前に、顧客が置かれた状況と顧客課題を理解するのです。
顧客視点からの競合設定
競合設定や競合分析の補足です。
もちろん、競合の分析は大事です。しかし順番があり、まずは顧客理解からです。
顧客理解をすれば自ずと競合の存在が見えてきます。というのは競合とは顧客が決めるものだからです。
競合とは、顧客が何かをしたい、問題を解決したいと思った時に、顧客の頭の中に思い浮かぶ選択肢の候補です。厳密に言えば、選択肢の中で自社商品・サービス以外の候補が競合です。
逆に言えば顧客理解が不十分な状態では、競合はわからないはずです。仮に競合を設定できたとしても、それは自分たち都合の競合です。
まとめ
今回は新規事業開発での顧客理解の重要性についてでした。
最後に記事のまとめです。
新規事業開発でよく起こること (特に大企業で)
- 新規事業開発の初期フェーズからいきなり綿密な事業計画が作られる
- 社内での以前の検討状況を調べたり、担当者に社内ヒアリングをする
- 競合の類似商品やサービスの分析、市場規模・成長性、シェアや売上見込みのシミュレーション
- 抜け落ちているのは顧客視点
初期フェーズではまずは顧客理解から
- 2つのターゲット設定をする (ターゲット顧客とターゲット課題)
- ターゲット顧客設定から自分たちが想定する顧客像を定義する
- 顧客が抱える課題のうち、自分たちはが注力する 「ターゲット課題」 を明確にする
3C と新規事業開発
- 新規事業開発は 1 にも 2 にも顧客理解から [Customer]
- 社内関係者のヒアリングは、顧客のことに誰よりも詳しくなった 「顧客の専門家」 になった後で [Company]
- 競合設定は顧客の頭の中に浮かぶ選択肢。顧客理解をすることによって初めて競合が見えてくる [Competitor]