今回は意思決定の方法についてです。3つご紹介します。
✓ 大事な決断での意思決定の方法
- ゼロベースで考える
- 時間軸を長くする
- 上位概念に立ち返る
この記事を読んでいただきたいと思うのは、仕事で組織のマネジメントやプロジェクトマネジメントをされていて、影響の大きい意思決定をする立場にある方です。
決断に迷ってしまい決めきれない、判断がすぐにできずモヤモヤしている方に、意思決定の方法で参考になればと思います。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
意思決定の方法
重要な決定をする時におすすめしたいのは次の3つです。
✓ 大事な決断での意思決定の方法
- ゼロベースで考える
- 時間軸を長くする
- 上位概念に立ち返る
順番に見ていきましょう。
[方法 1] ゼロベースで考える
人は無意識にも今までやってきたことの延長でものごとを判断しがちです。過去の経験や成功体験を活用できていますが、新しいことへの決断には足かせになることがあります。
一度まっさらな状態にして、自覚できていないしがらみに目を向け取り払ってみるといいです。一旦ゼロベースで考えてみるのです。暗黙の前提や囚われている常識や先入観・固定観念を取り除き、それでもやりたいことなのか、やめるべきかを決断します。
[事例 1] スティーブ・ジョブズの決断
ジョブズが1997年に Apple に復帰した時、大きな 「やらない」 という決断をしました。
それまで Apple は広く事業を手掛けていました。具体的にはコンピューター、OS 事業、プリンタ、モニター、デジカメ、サーバー、各種アクセサリーです。
ジョブズの決断は Apple でやることをコンピューターと OS 事業だけに絞りました。それ以外はバッサリと捨てました。もしジョブズが Apple が過去からやってきたことに囚われ執着していれば、この決断は取れなかったはずです。ゼロベースで考え 「やらないこと」 を決めたのです。
[方法 2] 時間軸を長くする
人はえてして目の前のことばかりになります。良く言えば集中できていますが、一方で視野が狭くなっている状態です。
大事な決断をする時は時間軸を長くしてみるといいです。時間軸を伸ばす目安は2倍と4倍です。例えば3か月の目標を決めるなら6ヶ月と1年後を想定して、未来からの逆算で3ヶ月のことを決めます。
大事な意思決定ではぜひ時間軸という視野を広くとって考えてみてください。
[事例 2] 「迷った時ほど遠くを見よ」
これはソフトバンクの孫さんの言葉です。
ソフトバンクは創業から30年が経過した2010年に 「新30年ビジョン」 を発表しました。
書籍 孫正義 300年王国の野望 によれば、孫さんとビジョン策定のチームメンバーは30年ビジョンを考えているうちに、いつしか見据える未来を300年にまで広げていったとのことです。
この時に孫さんの頭の中にあった言葉が 「迷った時ほど遠くを見よ」 でした。30年先のあるべき姿や世界観を描く中での迷いを300年というさらに先の未来から逆算し、30年のビジョンを描いたのです。
ソフトバンクは 「新30年ビジョン」 の発表の場で次の300年ビジョンも公表しました。
[方法 3] 上位概念に立ち返る
大事な意思決定の時は視座を高めてみるといいです。具体的には、
✓ 視座を高める例
- 自分の仕事のことなら所属している部の目的や目標
- 部のことであれば事業全体から
- 事業のことなら会社の経営戦略や経営理念 (ビジョンやミッション, バリュー (価値基準) )
1つ上に立ち返り自分が判断しようとしていることを高い視座から見直してみるといいです。
[事例 3] Google の AI 技術利用への決断
Google はかつて自社の AI 技術を米国防省の軍事ドローン計画に提供する契約を結びました。2017年のことです。
しかし社員から反対の声が起こり、4000人の反対署名が集まり、十数人の社員が反対の意を示すために退職をする事態にまでになりました。
Google は方針を変えました。翌2018年に Google は AI 技術の軍事転用を中止すると決めました。
反対者の支えになっていたのは Google の社是の1つとしてカルチャーのようになっている 「邪悪になるな (Don’t be evil) 」 でした。これは Google での行動規範の1つです。
トップが一度は意思決定をしたことに対して、社員が上位概念である会社として大切にする行動規範に立ち返ってボトムアップで Google は 「やらない」 と決断したのです。
まとめ
今回は意思決定の方法についてでした。
最後にまとめです。
✓ 大事な決断での意思決定の方法
- ゼロベースで考える。暗黙の前提や囚われている常識・先入観・固定観念を取り除く
- 時間軸を長くする。伸ばす目安は2倍と4倍にし、未来から逆算する
- 上位概念に立ち返る。自分が判断しようとしていることを高い視座から見直す
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