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情報スクリーニングと情報摂取

私たちのまわりには大量の情報があります。玉石混合の情報が時々刻々と洪水のように流れていきます。



○情報についてのドラッガーの言及

情報についてピーター・ドラッガーは、著書である「ネクスト・ソサエティ」の中で次のように述べています。
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情報を道具として使うようになるや、それが何であり、何のためであり、どのような形であり、いつ得るべきであり、誰から得るべきであるかが問題になる。 (p.110から引用)
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職業上、情報リテラシー(活用能力)を高めたいと思っていますが、どうすればいいのでしょうか。個人的には、情報のインプットとアウトプットの両方をいかに高めるかを日頃から意識したいと思っています。



○読むべき本を判断する

最近読んだ本に、「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術」(立花隆 文春文庫)があります。その中で著者は、情報が氾濫する中で欠かせないのは、素早い情報スクリーニング術と情報摂取術であるとしています(p.41)。

この本ではそういった考え方から、
・ その本が読む価値があるか否か。読む価値があるとして、どの点においてあるのか
・ いまの自分にとってどういう読みを要求している本かを、素早く見極める
・ それにふさわしい読みを選択する
と書かれています。

なお、ここでいう本には小説のようなページを順に読んでいくものは対象としていません。



○まずは全体像をつかむ

では、どのように本を読んでいけばいいのでしょうか。著者が主張するのは、まずは本の構造をつかむことです。その本が自分にとって、精読に値するかどうか、値するとすればどの点かを判断するためです。 

まず最初にその本の全体像をつかむために、具体的には以下の手順をとります。
・ はしがきとあとがきをしっかり読み、目次を構造的にしっかり把握する
・ 章単位で全体の大きな流れをつかむ
・ 次に節単位を読み、パラグラフ単位でパラグラフの頭の文章だけを次々に読む

著者は、とにかく頭から終りまで強引に目を通したほうがいいとの意見です。なぜなら目的はあくまで全体像の把握であり、枝葉の理解はその次だからです。まず終わりまでいってから二度目の読みをどうするかを考えます。

以上のことを意識すると、その本を読むべきかどうか、すなわち、自分にとって必要な情報かどうかを少しずつ判断できるようになります。少なくとも自分の読書法は変わったと実感しています。



○最後に

繰り返しになりますが、冒頭でも書いたように、素早い情報スクリーニングと情報摂取が大事であり、その理由は、まさにドラッガーが言うように情報を道具として使うためなのです。


ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる

ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術 (文春文庫)


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多田 翼 (運営者)

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。マーケティングおよびマーケティングリサーチのプロフェッショナル。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

前職の Google ではシニアマネージャーとしてユーザーインサイトや広告効果測定、リサーチ開発に注力し、複数のグローバルのプロジェクトに参画。Google 以前はマーケティングリサーチ会社にて、クライアントのマーケティング支援に取り組むとともに、新規事業の立ち上げや消費者パネルの刷新をリードした。独立後も培った経験と洞察力で、クライアントにソリューションを提供している。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信中。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。