
2013年4月から新しい会社に転職しました。
転職活動中は、他の会社に面接を受けていました。数は多くはなかったですが、マーケティングやマーケティングリサーチの会社、IT / ネット系、外資の戦略コンサルなどです。
どの面接でもよく聞かれる質問
転職活動を通じて思うのは、どの面接でも聞かれる内容は共通点があることです。私の今回の転職では、業界を問わず、面接官からよく聞かれた質問は5つでした。
- あなたはなぜ今の会社を辞めるのか?なぜこの会社に入りたいのか? (転職動機)
- これまでの仕事で、成し遂げた最大の功績は何か? (これまでの成果)
- これまで一番大きな失敗や印象に残っている失敗は?その失敗から何を学んだか? (失敗と学び)
- 短期と中長期での目標、やりたいことは? (今後の目標)
- 専門分野についての質問。戦略コンサル系ではビジネスケース (ケースインタビュー)
今回のエントリーでは、5つの質問項目について詳しくご紹介します。最後に、面接でのやりとりで心がけるとよいことを書いています。
1. 転職動機
どの面接でも聞かれたのが 「なぜ転職をするのか?」 でした。2つあり、① 今の会社を辞める理由と、② なぜ当社に希望しているのかです。
辞める理由については、ネガティブな要素はあまり出さないほうがいいです。
私自身が話していたのは、今の仕事に区切りがつくタイミングで社外も含めて今後の可能性を考えている、新しい環境にチャレンジしたい、今の会社を積極的にやめたいという気持ちはない、などです。あくまでより良い仕事環境を探しているというスタンスを伝えていました。
入社希望については、その業界の魅力やこれまでの自分のキャリアとの関連性 (どう貢献できるか) 、入って何をやりたいか、それがこの会社である理由を話しました。
希望理由はなるべく具体的な話をすると面接官の反応も良かったです (追加で質問を受ける) 。逆に言うと他の業界や会社でも通用するようなテンプレート的な回答だと、会話はあまり盛り上がらないように思います。
2. これまでの成果
自分のこれまでの仕事で何をやってきたかも王道の質問です。
まずはキャリアの概要を聞かれ、その中で一番の成果は何かです。面接官の質問意図としては、この人は何を達成したのか、どんな結果を出したのかです。経験上、まずどんな結果を出したかを聞かれ、次にそのプロセスについての質問が来ました。
これまでの成果については、面接官が自分と同じ業界なのかどうかで説明量が違ってきます。ある程度バックグラウンドが共有できている相手なら話は早いです。そうでない場合は話したい成果の背景や課題、今の自分の会社やクライント / 業界にとってどんなインパクトがあるかも、相手の反応を見つつ説明したほうが良いです。
成し遂げたことがチームでやったことなのか、自分一人での功績なのかも伝えます (もしくは向こうから聞かれる) 。チームでの場合は自分の役割は何だったのかです。
成果について話すときに重視していのは、単に 「どれだけがんばったか / 苦労したか」 のプロセスよりも、やった結果はこうです、という成果にフォーカスすることでした。成果については具体的な数字や変化・業績への貢献を伝えると、聞く側も理解しやすく、その後の追加質問が出たりと話を続けることができます。
成果に対する面接官の質問意図は、結果が出せる人材かどうかを見ることだと思います。
3. 失敗と学び
成果とセットで聞かれることが多かったのがこれまでの失敗談。この質問にどう回答するかで候補者の考え方/特徴がよく出ます。
NG だと思うのは 「これまで大きな失敗はしていない」 という回答です。失敗をしない・大きな失敗談がないということは、仕事においてチャンレンジしていないということだからです (失敗をしない簡単な方法は挑戦しないこと) 。
失敗談を話す時に心がけていたのは、具体性と客観性です。失敗が起こった背景・失敗の原因と (話せる範囲で) 具体的な説明をしていました。また、失敗の当事者であったとしても第三者的な視点も交えるとよいです。
失敗とともに何を伝えるかで重要になるのは、その失敗から何を学んだのかです。失敗やミス後の対策として何をしたのか、今後同じ失敗を起こさないために何が必要だと思うか、など、失敗を通じてどう成長したかです。
おそらく面接官として聞きたいのはこっちで、失敗から何を学習しどう活かしたのか。この話を業界が異なる人にもわかりやすく説明できるかどうかも問われます。
4. 今後の目標
入社動機にも少し重なりますが、仮にその会社に入ったとして何をやりたいのか (短期的に) 、5年後などの中長期で何をやっていきたいかです。この時点でどれだけ具体的な目標を持っているかを聞かれます。
やりたいことは今後も変わることは当然なのですが、ポイントは現時点でどれだけ具体的なやりたいことへの思いとその理由を伝えられるかです。
こちらの回答内容から、面接官も 「それならこういう仕事がある」 「こんな事例が過去にあった」 など、その会社のことを話してくれたりもします。
5. 専門分野・ケースインタビュー
中途採用なので、ある程度の即戦力として使えるかどうかを確認するための質問です。自分の専門分野についてだったり、あとはコンサルでほぼ必ずあったがケースインタビューという質問形式。
ケースインタビューでは、① 市場推定などのフェルミ推定系と、② 実際のコンサル案件にありそうな題材、の2パターンがありました。
実際にあった例で言うと、① は日本の GDP や将来人口推移などの質問が急に来たり、② はデジカメメーカーの社長から 「デジカメの新商品を出したいのだがアドバイスが欲しい」 というケースでした。補足情報として自社のデジカメ出荷量や競合とのシェアデータなども与えられました。
このケースでは、最初にデジカメの市場規模を推定し、与えられた補足データからデジカメ市場の特徴やその会社が置かれている状況の説明を求められました。次に、新商品を出すにあたっての戦略の方向性をどうするか、課題設定や仮説と解決方法などと詳細に入っていきます。
ケースインタビューでは、まずは5分から10分程度の考える時間をもらいます (面接官がその間席を外すこともある) 。考察結果を簡単に伝えた後は、面接官と議論をしながら進めます。
私自身はケース面接はおもしろく、特に外資系コンサルの場合はプロのコンサルタントとディスカッションができる貴重な機会でした。
ケースでは答えに正解はないので、自分はこう考える、それに対して面接官はどう考えるかがわかり、ホワイトボードを使ったりと議論が盛り上がることもよくありました。相手はプロなので、こちらの考えに足りない視点を指摘してくれたりと、「なるほど」 と思ったり、ディスカッション自体が楽しいと思える面接も多かったです。
会話のキャッチボール
今回は、中途採用の面接でよく聞かれる5つの質問を取り上げました。振り返って大事だと思うのは、次の2つです。
- 面接官と会話のキャッチボールをすること
- 聞かれたことに答えること
キャッチボールについては、聞かれた質問に一方的に話し続けるのではなく、概要をまず伝え (あえて詳細は話さずに) 、面接官からの追加質問をされてからディテールを話していくほうがいいと思います。概要を答える時に相手からしてもらいたい次の質問を想定して、あえて詳しくは話さず、追加質問を呼び込むやり方です。
キャッチボールができると、面接前の緊張もほぐれてくるし、面接官にとっても一方的に話されるよりも理解がしやすいはず。
面接では聞かれたことに答えることが大事
「聞かれたこと」 に答えるのも、当たり前に聞こえますが意識していないと意外にできないものです。会話のキャッチボールと共通しますが、相手の質問意図を理解した上で面接官の知りたいことをシンプルに答えます。こちらから話しすぎずに、要は面接でも 「会話」 がどれだけスムーズにできるかです。
面接官の立場で考えると、質問と回答という会話のキャッチボールを通して、その人と働きたいかどうかを見る。結局はそれが評価ポイントになります。転職活動から学べたことは、今後に自分が面接官側になった時に役に立つと思っています。