
今の仕事での役割は 「マーケティングリサーチマネージャー」 です。
マーケティングリサーチとマーケティング
マーケティングリサーチというのは、マーケティングとは切っても切り離せないものです。リサーチが求められるのは、マーケティングの課題を解決し、マーケティング目的を達成するための一助になることだからです。
マーケティングの目的があり、そのためのマーケティングの課題があります。
例えば、目的と課題は次のようになります。
- 目的:新商品をターゲットとなる消費者に知ってもらう
- 課題:新商品を知ってもらうその方法は適切なのか
マーケティングリサーチの目的は、マーケティング課題を解決することです。つまり、マーケティング課題 = マーケティングリサーチ目的となります。
仮説検証の注意点
リサーチを行なうにあたって、大抵の場合は仮説があります。例えば、新商品を知ってもらう A という方法は B という方法よりも費用対効果が高いというものです。これをリサーチから検証します。
注意が必要なのは、いつしか、仮説が必ずそうなると思ってしまい、仮説通りにリサーチ結果を出すことが目的のような錯覚になってしまうことです。つまり、自分たちに良い結果を出すことありきになってしまうのです。
そうなった時に、良い結果が出なかった場合どうなるでしょうか。
マーケティングには不都合な結果を隠したり、もっとやってはいけないのは結果を勝手に変えてしまうことでしょう。データという数字は、意図的に作り変えたり、見せ方次第で黒のものが白に見えたりするものです。それを意図的にやってしまう。実際にやらないまでも、誘惑に駆られることもあるのかもしれません。
なぜそうなるかは、リサーチの目的が 「良い結果を出すこと」 といつの間にか置き換わってしまったからです。リサーチは、仮説が正しいかどうか検証することが目的であり、リサーチの結果として仮説通りと言えるのであって、はじめから良い結果ありきではいけないのです。
リサーチは真実を知ることが目的
たとえリサーチ結果がネガティブであったとしても、リサーチ依頼主 (例: クライアント) には公開するのが誠実な態度です。リサーチをした以上は事実として、責任を持ってその結果を出すべきという考え方です。
リサーチは、必ずしも望むような結果は出ません。
そうした時に大切なのは、ポジティブではない結果だからこそ事実として向き合うことです。そして、なぜそうなったのか、今後どう活かすかに建設的に使われるべきです。
結果が良いものだけ伝え、そうでないものをオープンにしないのは本末転倒であり、何よりマーケティングや依頼主にとって良いことではありません。
リサーチは良い結果を出すことではなく、真実を知ることが目的です。