2才の娘の予防注射のため、かかりつけの小児科に行ってきました。
大泣きだった予防注射
注射前の診察では機嫌よく先生に診てもらいました。しかし、これから注射をするのがなんとなくわかると、前に痛かったのを思い出すのか怖がり始めました。
注射された瞬間こそ反応しないのですが、針が刺さった直後に大泣きをします (注射の瞬間から泣くまでに数秒のタイムラグがありました) 。注射が終わった後は5分程度泣き続けますしたが、抱っこをし痛かったことの娘の気持ちを受け止めるようにすると、その後は機嫌も直っていきました。
娘にとっては、普段は出さないような大きな声で泣くので、相当痛いのでしょう。大人でも予防注射では針が刺さった時は痛みを感じるので、小さい子どもにとってはなおさらです。
医療でのサービス提供者と顧客
ところで、医者と娘を、医療行為サービス提供者と顧客と見ると、両者の関係は通常のサービス提供者と顧客の関係ではないことに気づきます。
顧客である娘は、提供されるサービスを怖がり、サービス中 (注射中) は泣いて痛がります。顧客が嫌がり望まないことを、サービス提供者は無理やり実施しました。子どもが注射を嫌がるのは普通ですが、あらためて考えると、興味深い提供者と顧客の関係です。
本当の顧客は娘ではなく親
一方で、娘の親である私は、子どもの予防注射をしてもらうことに価値を感じています。将来、娘が病気に罹る可能性を下げてくれると期待できるからです。
そう考えると、注射をしてくれる小児科の本当の顧客は、娘 (子ども) ではなく親だと言えます。
顧客の奥にいる顧客へ
一般化すれば、医療サービス提供者の顧客は、患者だけではなく、その背後にいる患者の家族です。B to C (患者) ではなく、B to C (患者) to C (患者の家族) が成り立ちます。価値を届ける相手は 「顧客の奥にいる顧客」 でもあるのです。
この考え方は色々と応用が効きます。自分が提供するものは何で、それは目の前の相手にとってどんないいこと (価値) があるのかです。さらに、その相手の先にいる相手にも価値を届けられているかです。それはどんな価値なのかです。
娘の予防注射は、自分にとっても考えさせられる日常の一コマでした。