
運用型広告 - プロの思考回路 という本に、広告の運用者に求められる5つのスキルが書かれています。
今回は、この5つのスキルをご紹介します。
- プラットフォーム各社の動きや考え方を読み取るスキル
- クロスチャネルでカスタマージャーニーをモデリングするスキル
- 膨大なデータから本当に必要なインサイトを見極めるスキル
- 手動と自動のバランスを取るスキル
- 新しいことにチャレンジするスキル
1. プラットフォーム各社の動きや考え方を読み取るスキル
Google や Facebook などの広告メディアプラットフォーム各社は、提供する広告サービスの開発を進めています。定期的に新機能が発表され、常にアップデートしています。広告運用者はプラットフォーム各社のスピードに付いていくことが求められます。
さらには、実装された新しい機能の意図、各プラットフォームが描く理想や方向性を理解しているかも問われます。
- プラットフォーム各社がどんなミッションやビジョンを持っているか
- 広告主や生活者にどのような体験を提供したいと考えているか
- 他の広告メディアにどんな影響を与えるか
発表された新しい機能を、一歩引いた業界全体で見られるバランス感覚も重要です。各社が新しい取り組みをしたときに、大枠の方向性や意図を理解し、適切に提案できたり活用していくスキルです。
2. クロスチャネルでカスタマージャーニーをモデリングするスキル
広告キャンペーンのプランニングで、ターゲット顧客の立場でキャンペーンを設計するスキルです。
ネット広告、ソーシャル、動画、テレビ、屋外広告などを統合するクロスチャネルでキャンペーンを展開するケースも増えています。メディア横断で展開する広告運用者には、ユーザーのカスタマージャーニーをいかに描くかが求められます。
カスタマージャーニーを可視化 (モデル化) しユーザー理解を深め、施策を設計することが大切です。ターゲット顧客がどんなシーンで、どのような感情で行動するかを描き、各ステージにおけるシナリオを、具体的かつ詳細に設計できるかです。
3. 膨大なデータから本当に必要なインサイトを見極めるスキル
広告はますます多様になり、精緻なターゲティングが可能になるほど、そこから集められるデータ量が増加します。全く新しい広告フォーマットが出れば、今までになかった指標とデータを扱うことになります。分析に役立つデータもあれば、役立たないデータもあります。
広告運用者には求められるのは、膨大なデータからインサイトを見極めるスキルです。
定型レポートからインサイトを見つけることだけではありません。今までに見落としていた数字や傾向はないか、定点観測に加えるべき指標はないかと、現状を常に疑い貪欲に掘り下げていく姿勢です。
4. 手動と自動のバランスを取るスキル
広告メディアのプラットフォーム各社は、サービスの複雑化に伴い入札機能やレポーティングの自動化に力を入れています。
ただし、自動化は万能ではありません。自動化ツールは、扱うその範囲で対応スピードや精度が高まります。一方で、システムでできないことの対応も、必要に応じてやることが広告運用者には求められます。
レポーティング業務では、データ収集や加工は自動化に任せますが、アクションにつながる有益な意味合いや解釈の抽出は、人が見て判断をする必要があります。
自動化に頼りすぎず、過剰な手作業に時間を取られすぎてもいけません。自動化でできることとできないことを見極め、自動と手動のバランスを取ります。自動化による効率化を追求する一方、試行錯誤も繰り返す覚悟と行動力が求められます。
5. 新しいことにチャレンジするスキル
本書では5つのスキルのうち、最も大切なのが 「新しいことにチャレンジする力」 だと言います。
広告商品、機能や運用手法は新しいものが出てきます。今まで学んだ知識や身についた方法にしがみつきたい気持ちになっても不思議ではありません。人は誰しも、変化は怖いと感じます。
変化に対応するのは簡単ではないありません。しかし、環境変化のスピードに付いていくだけではなく、常に最新情報を追い、ときには業界全体をリードする気構えが求められます。
知っていることとできることは違います。ベータ版の状態でもやってみる、取り入れてみることが大切です。