
投資バカの思考法 という本がおもしろかったのでご紹介します。
エントリー内容です。
- 本書の内容
- 未来から今を見て価値があるものに投資をする
- 全力を尽くす
本書の内容
著者は藤野英人氏です。ひふみ投信のファンドマネージャーであり、レオス・キャピタルワークス最高投資責任者 (CIO) です (2016年現在) 。
本書の内容紹介ページから引用です。
「本書は、私がこれまで25年間で磨き上げてきた、投資のプロとしての経験と知見、メソッドを一冊に凝縮したものです。『投資』と『お金』の考えをすべて詰め込みました」
著者の藤野英人氏は、「ひふみ投信」 のファンドマネジャーとして、R&I ファンド大賞を4年連続で受賞、デフレやリーマンショック、東日本大震災など、どんな経済状況でも、25年以上実績を出し続け、「カリスマ投資家」 と呼ばれている。
著者は、「投資とは、日経平均を予測するギャンブルではない。未来が予測できなくても、長期的には勝ち続けることは不可能ではない」 という。
なぜ、激動の時代でも勝ち続けることができたのか。その方法を、すべて明かしたのが本書である。
「損するのが怖い」 と投資にしり込みしている人、貯金ばかりで未来が不安な人、日々トレードをこなしている個人投資家。誰も教えてくれなかった 「投資」 「お金」 「経済」 の本質がつまった1冊!
未来から今を見て価値があるものに投資をする
この本は、著者の藤野さんの哲学が書かれています。投資への哲学だけではなく、こういう生き方をしたいという人生観まで含まれます。
藤野さんの投資の考え方は、未来から今を見たときに価値があるものに投資をする、そして、価値と株価は長い目で見れば連動するので、投資をして価値が上がれば株価も上がるというものです。
藤野さんが、母親から 「ファンドマネジャーの仕事はどういうものか」 と尋ねられたときに答えたエピソードが書かれています。
「会社を公平公正に見て、公平公正に評価して、その会社に価値があるのかを判断して、価値が認められるのであれば、投資をする。
投資をして価値が上がれば株価も上がるし、価値が下がれば株価も下がる。
結果的には、価値が上がる会社に投資できているから、お客様から預かったお金が増えているんだよ」
(引用:投資バカの思考法)
全力を尽くす
どうすれば会社の成長を予測し、価値を評価できるのでしょうか?藤野さんはそのために 「全力を尽くすこと」 を強調します。
死に物狂いになるという意味ではなく、自分が持っている全ての能力、知恵、経験を出し尽くすことです。
ここに、本書のタイトルに入っている 「投資バカ」 に込めた意味が読み取れます。本書から、該当箇所を引用します。
ファンドマネジャーであれ、職人であれ、サラリーマンであれ、プロフェッショナルの仕事とは、「全力を尽くして、お客様を満足させること」 だと私は考えています。
そして、目の前のタスクに対して全力投球できるようになったとき、自分のやるべきことに対して夢中で入れ込み、真摯に、一途に取り組めるようになったとき、その人は周囲から、敬意を込めて……
「○○ バカ」
と呼ばれるのではないでしょうか。
(引用:投資バカの思考法)
この考え方は示唆に富みます。読んでいて印象的でした。投資だけではなく、私自身の仕事でもできているかを問われたように思い、本書の中でも特に印象に残っています。
最後に
本書で興味深く読めたのは、藤野さんの投資の考え方です。例えば、投資する会社の価値を見極めるために、普段から何を考え、どういうふうに行動をしているかが紹介されています。
マーケットを判断するための視点、その会社に投資をするかをどう決めるか、判断と決断の違い、レオス・キャピタルワークスの採用基準です。
投資銘柄の中にはあえて仮説に合わないものを入れておく 「不完全さを保つ」 という考え方も興味深かったです。