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戦略と実行についてです。
エントリー内容です。
- 戦略と実行
- 戦略を実行するために必要なこと
- 戦略家の役割
戦略と実行
戦略は実行されて、はじめて意味を持ちます。
立案段階では、戦略は仮説にすぎません。実行してみないと本当に正しいかどうかがわからないのです。戦略を立てた時にはどんなにすばらしいと思えるものでも、実行が伴わなければ絵に描いた餅です。
戦略を実行するために必要なこと
戦略を実行するためには、何が必要なのでしょうか?
私は次の2つが条件だと考えます。
- 目的・戦略・戦術の一貫性と具体性
- 実行できる組織の土壌
目的・戦略・戦術の一貫性と具体性
実行されるために必要な条件は、目的・戦略・戦術に一貫性と具体性があるかです。
まず、これらの3つには次のような関係があります。
- 目的:戦略の上位には達成すべき目的がある。戦略は目的に依存する (目的設定が十分でないと戦略も曖昧になる)
- 戦略:目的達成のために自分たちが何をやるか・何をやらないか。戦略とはやらないことを決めること
- 戦術:戦略として決めたやることを、具体的な実行案に落とし込んだもの
3つは、上から順番に、目的、戦略、戦術です。
戦略を実行するにあたっての条件は、3つに一貫性があること、そして、それぞれが複雑もしくは抽象的ではなく、自分の言葉で語れるくらいの具体性があることです。
実行できる組織の土壌
ただし、一貫性と具体性の条件が整っていたとしても、戦略の実行にはまだ足りません。大事なのは、実行するための組織の土壌ができているかです。
具体的には、次の3つです。
- 納得感
- 組織力
- 精度向上
以下、それぞれの補足です。
納得感
実行する人に、目的・戦略・戦術が腹に落ちているかです。組織内の一人一人が3つを理解し、納得して自分ごと化できているかです。
戦略が正しくても、実行する人が中身を理解していなかったり、やらされ感のある状態では、戦略の実行力は高まりません。
組織力
戦略の実行を組織で行えるかです。戦略や戦術があっても、実際に行動する組織に遂行能力がなければ、結果が伴いません。
戦略は実行してはじめて意味を持ちますが、実行する部隊が組織として受け入れと行動の態勢や能力があるかです。
精度向上
実行をやりっ放しではなく、振り返りと次への改善・改革ができるかです。
戦略と実行とは、仮説と検証です。実行の過程で、戦略と戦術の何が正しく、何がうまく機能しないかを学び、次につなげます。いわゆる、PDCA です。検証からの学びを戦術と戦略にフィードバックし、精度を高めます。
最後に (戦略家の役割)
今回は、戦略と実行について書きました。
私は、戦略家とは、戦略立案だけに責任を負う人ではないと考えます。戦略は目的を達成するためにあり、いかに実行できる状況をつくるか、実行によって目的を達成するかまでを責任範囲とすべきという考え方です。
戦略は実行され、目的を達成してはじめて価値を生むものです。
最後に、関連エントリーのご紹介です。