
今回は、企業の事業についてです。成長する事業の条件とは何かを解説します。
- 事業がうまくいくかどうかは、何を見て判断できる?
- 成長する事業になるための5つの条件とは?
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、成長して強い事業になるための条件です。
私の仕事は、フリーランスの立場で複数のベンチャー企業の経営や事業、営業の戦略立案と実行に携わっています (2019年7月現在) 。前職は Google のアジア太平洋地域のマーケティング部門に所属していました。
これまでの経験から、成長する事業とはどういう特徴があるかを見てきました。
この記事では、どんな条件がそろえば、事業として成功する確率が高くなるかを解説します。自分の会社、取引先、競合企業の事業を見る時に役に立つと思います。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、仕事での参考にしてみてください。
成長する事業の条件
事業が成長していくためには、どのような特徴があるのでしょうか?
私が考える、成長する事業になるための条件は、以下の5つです。
成長事業の条件
- 人の優秀さ
- 参入市場の成長性
- 戦略
- リーダーシップ
- 実践力
以下、それぞれについて解説します。
[条件 1] 人の優秀さ
私が事業が成功するかどうかを見る条件で、最初に見るのは人です。優秀な人がいるかどうかです。
仕事は人でまわるので、どんな人がいるか、一人ひとりの集まりである組織が機能するかどうかは、ひとえに各メンバーの働きにかかっています。
もちろん、人だけでは事業が必ず成功するわけではありませんが、どれだけプロフェッショナルだと言える人が集まっているかが1つ目のチェックポイントです。
[条件 2] 参入市場の成長性
次に見る視点は、事業が参入している市場です。
まずは、市場の成長性です。
市場が成長段階にあるのか、成熟してしまって市場の今後の拡大や変化が小さいのかです。プロダクトサイクルにおいて、どの段階にある市場にいるのかを見極めます。
市場が拡大基調で上りエスカレーターであれば、その勢いが事業を成長させてくれます。
そして、市場で自分たちが勝てる見込みがあるか、儲かるかもポイントです。
自分たちが事業で何をするかの前に、どこで戦うかの選定が大事なのです。
[条件 3] 戦略
3つ目の成長事業の条件は、戦略です。
戦略とは、事業の目的を達成するために何をやるか、何をやらないかです。自分たちが持っているリソースを、どこに集中して配分するかの指針です。
戦略で大事なのは、やらないこと (捨てるもの) が明確になっているかです。戦略の本質は捨てることにあります。意思を持ってどこにはリソース配分をしないかです。
戦略では 「あれもこれも」 ではなく、「あれかこれか」 を決めることが重要です。
やらないことの明確化も含めて、良い戦略の条件は次の5つです。
良い戦略の条件
- 明確な目的
- 絞りと集中
- 具体性と一貫性
- シンプル
- 実行できる
[条件 4] リーダーシップ
成長事業の4つ目の条件はリーダーシップです。戦略を現場に落とし込み、実行をやり抜くためのリーダーシップです。
戦略を現場に伝え浸透させるためには、ロジックだけではなく、どれだけ一人ひとりに腹落ちしてもらうかです。
現場メンバーが頭でも心でも納得がいくためには、以下がポイントになります。
腹落ちに必要な要素
- ロジックに筋が通っている
- 全体ストーリーがわかりやすい (シンプルで具体性があり、全体に一貫性がある)
- 共感できる
- 自分たちもできる、やってみたいと思える
これらを丁寧に、リーダーが情熱を持って、ある時は冷静に、意思を貫き実行に落とし込んでいきます。
なお、私が考えるリーダーに求めるられる力は、次の5つです。
リーダーに求められる力
- 構想力
- 決断力
- 意思力
- 実現力
- 人間力
[条件 5] 実践力
事業が成長するための5つ目の条件は、実践力です。
戦略は、実行されて初めて価値があります。実行されない戦略は絵に描いた餅です。
戦略は 100% 完璧につくり込むよりも、未完で不安が残る中で実行に移します。あえて未完成の状態で実行に落とし込みます。
戦略を実行するために、戦術という具体的なアクションプランにします。戦略はリソース配分の指針であり、戦術になって何をするかの具体が見えるようになります。
実行後はフォローを徹底します。
PDCA ならぬ、戦略 (Strategy) から始まる SDCA サイクルをどれだけ早く、何度もまわせるかです。
戦略は実行により中身が磨かれます。戦略を立てた段階では、あくまで仮説です。実行により、想定と違うこと、何の前提が間違っていたのかがわかってくるので、SDCA によって戦略と戦術に反映します。
組織で SDCA をまわし、事業に必要な個々人が持っている暗黙知を、組織全体の形式知に変えていくのです。
まとめ
今回は、成長する事業かどうかの条件を解説しました。
最後に今回の記事のまとめです。
- 成長事業の条件は、
- 人の優秀さ
- 参入市場の成長性
- 戦略
- リーダーシップ
- 実践力
- [条件 1] 人の優秀さ
どれだけプロフェッショナルだと言える人が集まっているか
- [条件 2] 参入市場の成長性
市場が成長段階にあるか。自分たちが勝つ見込みがあり、儲かるか。自分たちが事業で何をするかの前に、どこで戦うかの選定が大事
- [条件 3] 戦略
自分たちが持っているリソースを、どこに集中して配分するかの指針がある。戦略では 「あれもこれも」 ではなく、「あれかこれか」
- [条件 4] リーダーシップ
戦略を現場に落とし込み、実行をやり抜くためのリーダーシップ
- [条件 5] 実践力
戦略を戦術という具体的なアクションプランにする。実行後はフォローを徹底する