
今回は、戦略についてです。
- 戦略的思考を身につけたい
- 「戦略はつくってからがスタートライン」 とは?
- つくった戦略を戦略的に壊す方法
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、戦略の扱い方です。
戦略は、実行によって磨かれていくということを解説します。
戦略的な思考は、仕事で広く役に立つスキルです。ぜひ最後まで記事を読んでいただき、仕事やビジネスキャリアへの参考にしてみてください。
戦略とは
いきなりですが、戦略と聞いてどんなイメージが思い浮かぶでしょうか?
私の一言の定義は、戦略は目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 です。
限りあるリソース (時間・お金・エネルギーなど) を、どこに配分するかの指針が戦略です。戦略の肝は捨てることにあります。何をやらないかを明確にするからこそ、やることにリソースを集中投下できるのです。
戦略への理解で大事なのは、戦略は立てた時点ではまだ仮説だということです。最も確からしいリソース配分の指針です。
戦略は実行して初めて価値があります。逆に言えば、実行できない戦略は絵に描いた餅です。
仮説である戦略は、実行によって中身が磨かれていきます。
戦略の2つのタイプ
ここからは、戦略のつくられ方には、2つのパターンがあるという話をしていきます。
イノベーション・オブ・ライフ という本には、2つのタイプの戦略が取り上げられています。
2つとは、意図的戦略と創発的戦略です。それぞれ、次のような戦略です。
2つの戦略
- 意図的戦略:あらかじめつくっていた計画的な戦略
- 創発的戦略:当初は想定していなかった予期せぬ機会から偶然に発見し、後付けで戦略になったもの
戦略の磨き方
先ほど、戦略は実行することによって中身が磨かれると書きました。
戦略はあくまで最初は仮説です。仮説は検証によって真実に近づいていきます。
意図的戦略は、実行することにより中身が強化されます。
戦略には、以下の要素があります。実行することによって、より具体的になり解像度が上がっていきます。
戦略の要素
- 戦場
- ターゲット (例: ターゲット顧客)
- 提供価値
- 価値を提供する手段 (厳密には戦略の実行プランである戦術に当たる)
戦略の壊し方
もう1つの戦略である創発的戦略は、どうなるのでしょうか?
創発的戦略とは、当初は想定していなかったものです。何かの偶然から気づき、後付けで戦略になっていくのが創発的戦略です。
偶然によって発見するというのは、あらかじめ計画していたものではありません。創発的戦略は意図的戦略を実行していく中で見えてくるものです。
つまり、創発的戦略を本格的に採用するとは、意図的戦略の否定だということです。創発的戦略に切り替えるのは、プロダクトやサービス開発におけるピボットと捉えることができます。
ピボットとは想定していた前提がそもそも違ったことにより起こる、大きな方針転換です。
戦略に当てはめると、先ほどの戦略の4つの要素のいずれか、または複数において想定が違っていたということです。
戦略の要素 (再掲)
- 戦場
- ターゲット (例: ターゲット顧客)
- 提供価値
- 価値を提供する手段
戦略家に問われること
戦略家に問われるのは、相反する2つの姿勢を同居させることです。
自分たちの戦略が正しいと信じる一方で、戦略への健全な批判的精神を持っておきます。
仮説は反証されてこそ強化されます。戦略も同じです。
戦略を実行し想定と違う事象が起これば、先入観に囚われずに解釈します。
戦場が合っていないのか、ターゲットがずれているのか、自分たちが提供するものが価値だと思われていないのか、提供手段が適切ではなく価値が実現されていないのか、戦略の前提から何が起こっているのかを見極めます。
状況によっては意図的戦略の見直し、さらには創発的戦略に切り替えます。
忘れていはいけないのは、戦略は目的を達成するためのあくまで手段だということです。
まとめ
今回は、戦略について書きました。
解説をしたのは、戦略とは何か、2つの戦略のタイプ、戦略の見直しや大きな方針転換についてでした。
最後に今回の記事のまとめです。
戦略は目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 。戦略の肝は捨てること。何をやらないかを明確にするからこそ、やることにリソースを集中的に投下できる
戦略は実行して初めて価値がある。戦略は立てた時点ではまだ仮説。仮説である戦略は、実行によって中身が磨かれていく
戦略には2つのタイプがある。
- 意図的戦略:あらかじめつくっていた計画的な戦略
- 創発的戦略:当初は想定していなかった予期せぬ機会から偶然に発見し、後付けで戦略になったもの
意図的戦略は、実行して中身が強化される。より具体的になり解像度が上がっていく。
実行により想定していなかった機会が発見され筋が良いと判断すれば、創発的戦略として本格的に採用される。意図的戦略が否定されると捉えることができる
戦略家に問われる姿勢は、自分たちの戦略が正しいと信じる一方で、健全な戦略への批判的な精神も持っておくこと。
戦略の要素において、どの想定が違っていたのかを見極める。
- 戦場
- ターゲット (例: ターゲット顧客)
- 提供価値
- 価値を提供する手段
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