今回は、仕事で 「問題」 と 「課題」 を区別することの大切さです。
- 問題と課題は違いとは?
- 問題解決や目標設定の前にやるべきこととは?
- 問題設定の方法
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、問題設定の方法です。
ビジネスの現場ではよく起こる、「問題」 と 「課題」 の混同を取り上げ、問題と課題の違いは何か、問題設定をどうやればよいかを書いています。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、仕事での参考にしてみてください。
問題と課題の違い
いきなりですが、問題と課題には、どういう違いがあるでしょうか?
2つは、ビジネスの現場で本来の意味を混同して使われがちです。
それぞれの意味をシンプルに書くと、次のようになります。
問題と課題の違い
- 問題: 「現状」 が 「あるべき姿」 になっていない阻害要因
- 課題:問題 (あるべき姿を妨げている要因) を解決するためにやること
課題とは、問題を解決するためのアクションです。この意味において、問題解決という言葉はありますが、課題解決は本来の言葉としては適切ではありません。
課題というアクションをやることによって、問題を解決します。
問題設定の5つのステップ
もう1つ、ビジネスの現場でよく起こるのは、いきなり問題解決に入ってしまうことです。
問題解決の前にやることがあります。答えを出す前に、その問題設定が正しいのかを見極めることです。
具体的には、次の5つのステップを踏みます。
問題設定の5つのステップ
- あるべき姿の描写
- 現状把握
- 問題設定
- 課題設定
- 目標設定
最初にやることは、あるべき姿を描き、それに対して現状はどうなっているかです。できていることと、特に何ができていないかを把握します。
次に問題設定です。あるべき姿になっていない阻害要因は何か、現状との間にあり、あるべき姿をになることを妨げている原因は何かです。一見すると問題らしきものも、たとえ解決してもあるべき姿につながらなければ、問題ではありません。
問題を見極めたら課題設定をします。問題解決のために何をやるかです。課題が決まれば、目標を設定します。
目標とは、課題としてやることを注力する的 (ターゲット) であり、目標に到達または超えれば課題をやり切ったと言える目安です。
問題設定と課題設定の例
架空の例で、問題設定と課題設定を具体的に考えてみます。
あるコンシューマー向けプロダクトを運用していて、プロダクトアップデートをしたというケースです。アップデートの目的は、より多くの人に、今まで以上にプロダクトを使ってもらうことだったとします。
1. あるべき姿
あるべき姿は、アップデートによりユーザー数が増え、さらに一人当たりの利用時間も増えることです。
2. 現状
しかし現状は、そうなりませんでした。1日当たりのユーザー数 (Daily Active Users: DAU) は減少し、一人あたり利用時間も減りました。
3. 問題
原因を調べると、特にヘビーユーザーが離れていったことがわかりました。アップデートにより新規ユーザーは獲得できているものの、ユーザー層としてはライトユーザーが多く、ユーザー全体ではヘビーユーザーの離反をカバーできていません。
さらに原因を探ると、ヘビーユーザーがよく使っていた機能 (例: コメント機能) がアップデートにより重くなり使いづらくなってしまっていました。
4. 課題
問題解決への対策は、ヘビーユーザーに戻ってきてもらうことです。
課題として設定したのは、コメント機能の UI を改善し、単に元通りにするのではなく今まで以上の UX にすることです。新規ユーザーにも、使うのに慣れてきたら今後はこの機能を紹介し利用を促すことにしました。
5. 目標
具体的な目標設定は、ヘビーユーザーの DAU と利用時間をアップデート前の水準になっていること、そして、全体では以前よりも DAU を 10% 増、一人あたり利用時間を 15% 増やすことです。
以上のように、問題が発生した時にいきなり解決策に入るのではなく、あるべき姿と現状を捉え、本当に解決すべき問題は何かを見極めることが大事です。
適切な問題設定があって、課題設定を考えることができるのです。
まとめ
今回は、問題設定についてでした。問題と課題の違い、問題設定から解決までの流れをご紹介しました。
最後に今回の記事のまとめです。
問題と課題の違い
- 問題: 「現状」 が 「あるべき姿」 になっていない阻害要因
- 課題:問題 (あるべき姿を妨げている要因) を解決するためにやること (アクション)
問題設定の5つのステップ
- あるべき姿の描写
- 現状把握
- 問題設定 (あるべき姿になっていない阻害要因)
- 課題設定 (問題解決のためにやること)
- 目標設定 (到達または超えれば課題をやり切ったと言える目安)
問題が発生した時にいきなり解決策に入らない。あるべき姿と現状を捉え、本当に解決すべき問題は何かを見極めることが大事。
適切な問題設定があって、課題設定を考えることができる。