
今回は、ブロックチェーンスマホについてです。
- ブロックチェーンスマホとは?
- ブロックチェーンスマホの登場は何を意味する (本質は) ?
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、ブロックチェーンスマホが登場したことの意味です。
機能面よりも、本質的に何を意味するのかを掘り下げています。ぜひ記事を最後まで読んでみてください。
ブロックチェーンスマホとは
coindesk が、ブロックチェーンスマホの記事を出しています (2019年9月) 。
以下は、記事からの引用です。
これまで発表されているほとんどのブロックチェーンスマホは、カメラやメールなど一般的なスマホが持つ機能のほかに、暗号資産を管理できるウォレット機能 (ハードウェアウォレット) を搭載している。
言い換えれば、ブロックチェーン技術を活用する機能以外はほかのスマホとさして変わらない。
(引用: 「ブロックチェーンスマホ」 は何ができるのか? - サムスン、HT C、シリンラボ、フォビ、プンディ X ほか|coindesk)
もう一つ別の記事です。
TechCrunch が、HTC が安価でのブロックチェーンが登場する記事を配信しました (2019年10月) 。
この記事で印象的だったのは、以下の内容でした。
ハードウェアウォレットと Bitcoin ノードへのアクセスが可能なことだ。
HTC の Phil Chen (フィル・チェン) 氏はリリースの中で、「我々はユーザーがプライベートキーを保存できるようにしたが、さらに一歩進んで、完全に Bitcoin ノードを実行できるようにした」 と述べた。
「私たちは普遍的なベーシックファイナンスへとアクセスするツールを提供する。ある意味、スイスの銀行をポケットに入れるための道具だ」 。
(引用:HTC から3万円を切るブロックチェーンスマホが登場|TechCrunch)
特に興味深いと思ったのは、引用の最後の部分である 「ある意味、スイスの銀行をポケットに入れるための道具だ」 です。
これについて、もう少し掘り下げて何を意味するのかを考えてみます。
ブロックチェーンスマホが意味すること
先ほどの記事を読んで考えさせられたのは、ブロックチェーンスマホの登場が何を意味するのかです。
自分の考えを整理すると、次の3つです。
ブロックチェーンスマホが意味すること
- スマホが個人データや資産を保存し持ち歩くものになる
- 中央集権から個人分散への大きなシフト
- クラウドと逆の概念が個人側にできる
以下、それぞれについてご説明します。
[意味すること 1]
スマホが個人データや資産を保存し持ち歩くものになる
スマホは、スマートフォンの略からもわかるように、元々の機能は 「持ち歩ける電話」 でした。
スマホ以前の携帯電話も含め、機能の進化により様々な役割を持つようになりました。
携帯電話やスマホの役割 (発展のプロセス)
- 電話ができる
- メッセージが送れる
- ネットにつながる
- カメラ機能
- エンタメ機能 (ゲーム, 動画, 音楽)
- 支払いができる
これらの役割に加え、ブロックチェーンスマホの登場により個人データや金融資産をまるごとデバイス内に保存し、常時持ち歩くようになります。
[意味すること 2]
中央集権から個人分散への大きなシフト
ブロックチェーンスマホの登場が意味する2つ目は、中央集権から個人分散への大きなシフトです。
先ほど、1つ目の意味は、個人データや金融資産をデバイス内に保存し持ち歩けることだとしました。
従来はこれらは、中央に預けるものでした。
お金は銀行口座、株や債券などの金融資産は証券会社の口座です。まとまったお金があれば、自宅や財布内に入れておくよりも、銀行に預けることが当たり前の考え方でした。
個人データは、GAFA などの大手のプレイヤーに預けている状況です。データはクラウド上にあり、いつでも本人はアクセスできる利便性がある反面、面倒な管理は任せています。
つまり、個人データや金融資産は、自分ではない他者 (中央) に預けているわけです。
これらの当たり前は、ブロックチェーンスマホの登場によって当たり前ではなくなります。未来の当たり前は、「 (個人データや資産などの大事な) 自分のものは自分で管理をする」 というものです。
ブロックチェーンの強固な保存機能に加え、搭載された AI が管理や運用の手間や面倒を解消してくれます。これが意味するのは、個人が自分だけの情報銀行・お金の銀行・証券会社を持つということです。
[意味すること 3]
クラウドと逆の概念が個人側にできる
自分のデータや情報がクラウドに保存されていることは、一般的になりました。
ブロックチェーンスマホの登場で思ったことは、クラウドとは逆の概念が個人側にできるのではないかということです。
というのも、ブロックチェーンが実装されているからとはいえ、常時オンラインにつながったデバイスで個人データや金融資産を保存するのには、少なからずの流出リスクがあるように思います。
暗号資産 (仮想通貨) の管理を、ホットウォレット (オンライン) とコールドウォレット (オフライン) という2つに分けるように、ブロックチェーンスマホでも手元のデバイスで仮想的にホットとコールドを構成するようになるのではないでしょうか。
イメージでたとえると、
- 空に雲がある [クラウド]
- 雲につながったビル [ブロックチェーン]
- ビルの中は1階以上の地上階は雲につながっているが、B1 より下の地下階層はつながっていない
つまり、向こう側にクラウドがあるなら、こちら側には 「ベースメント (地下室) 」 というネットから隔離された階層ができるということです。これが、ブロックチェーンスマホ内で仮想的にオフラインのコールド領域を持つという意味です。
ベースメントというクラウドとは逆の概念が個人の側にできるのです。
まとめ
今回は、ブロックチェーンスマホについてでした。
ブロックチェーンスマホの登場が意味する本質は何かを掘り下げました。
最後に今回の記事のまとめです。
ブロックチェーンスマホが意味すること
- スマホが個人データや資産を保存し持ち歩くものになる
- 中央集権から個人分散型への大きなシフト
- クラウドと逆の概念が個人側にできる
[意味すること 1] スマホが個人データや資産を保存し持ち歩くものになる
スマホ以前の携帯電話も含め携帯電話やスマホの役割は、電話ができる、ネットにつながる、エンタメ機能 (ゲーム, 動画, 音楽) だった。ブロックチェーンスマホの登場で、個人データや金融資産をまるごとデバイス内に保存し、常時持ち歩くようになる。
[意味すること 2] 中央集権から個人分散への大きなシフト
個人データや金融資産は、クラウドや銀行という自分ではない他者に預けている (中央集権) 。
ブロックチェーンスマホにより、自分のものは自分で管理できるようになり、個人が自分だけの情報銀行・お金の銀行・証券会社を持つようになる。
[意味すること 3] クラウドと逆の概念が個人側にできる
暗号資産 (仮想通貨) の管理を、ホットウォレット (オンライン) とコールドウォレット (オフライン) という2つに分けるように、ブロックチェーンスマホでも手元のデバイスで仮想的にホットとコールドを構成する。
向こう側にクラウドがあるなら、ブロックチェーンスマホによって、こちら側には 「ベースメント (地下室) 」 というネットから隔離された階層ができる。