
今回は、戦略とビジネスキャリアについてです。
- 戦略の本質とは?
- 「常に変わり得る」 の意味
- 戦略思考から個人のキャリアで学べること
こんな疑問に答える内容を書きました。
この記事でわかること
- 戦略とは何か
- 前提や状況に目を向ける大切さ
- 戦略思考を個人のキャリアに当てはめた示唆
戦略的なものの見方や考え方は、ビジネスの実務からキャリアと幅広い範囲で汎用的に使えます。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考にしてみてください。
戦略とは何か
皆さんは、戦略という言葉にどのようなイメージを持っているでしょうか?
ビジネスでは日常的に聞く言葉ですが、そもそも戦略とは何でしょうか?
私の一言の定義は、戦略とは 「目的を達成するためのリソース配分の指針」 です。目的達成のために 「やること」 と 「やらないこと」 の方針です。
戦略で大事なのは、何をやらないかです。やらないことが明確になっているからこそ、やることにリソースを集中的に投入できるわけです。ここで言っているリソースとは企業であれば具体的には、人、モノ、資金です。
もう1つ大事な視点は、戦略は目的達成のための手段であることです。
目的を達成するために戦う必要がなければ、戦いをしないほうが良いです。貴重な戦力 (リソース) を使わなくて目的達成ができるなら、むしろそのほうが良いわけです。
戦略は状況によって変わります。この意味で、戦略とは相対的なものです。
相対的とはどういう意味でしょうか?
戦略は相対的
戦略は、置かれている状況によって変わります。戦略に唯一の正解はありません。
では、状況とは具体的には何でしょうか?
ここで言う状況は、次の3つに因数分解できます。
戦略の要素
- どこで (戦場)
- 誰と (敵)
- 何を争うか (目的達成, 勝利条件)
この3つを、例えばマーケティングに当てはめるとどうなるでしょうか?
マーケティングと戦略
マーケティング戦略では、3つは以下のようになります。
マーケティング戦略の要素
- 参入する市場 [どこで]
- 競合他社やブランド [誰と]
- 顧客獲得 [何を争うか]
マーケティングで意識されるのは、3つ目の 「顧客獲得」 です。様々なマーケティング施策から、どうやって新規顧客を獲得し、既存顧客を維持するかです。
ここには前提となるものがあり、それが3つの1つ目と2つ目です。
参入市場と競合です。どこで誰と争うかによるので、戦略は相対的なものなのです。
では、ここからは、戦略を個人のレベルで当てはめると、何が学べるかを掘り下げてみましょう。
戦略思考とキャリア
ここまで見てきた戦略についてを、個人のビジネスキャリアに応用してみます。
戦略の要素である3つ 「どこで」 「誰と」 「何を争うか」 は、キャリアではそれぞれ何になるでしょうか?
キャリアへの当てはめ
- 働く場所 (業界, 会社, 組織やチーム) [どこで]
- 一緒に仕事をする人, 顧客 [誰と/誰のために]
- 仕事の進め方 [どう働くか]
3つ目の仕事の進め方とは、皆さんご自身の専門スキル・経験・人脈などのリソースを使って成果を出し、それによる価値提供です。
働き方を考えると、目がいくのは3つ目の 「仕事の進め方」 です。しかし、ここには前提となる状況があります。それが1つ目の 「働く場所」 と、2つ目の 「一緒に仕事をする人, 顧客」 です。
戦略をつくり実行する時に大事なのは、前提となる状況の把握です。特に変化の兆しを見逃さないことです。
まとめ
今回は、戦略とビジネスキャリアについてでした。
最後に今回の記事のまとめです。
1.
戦略とは目的を達成するためのリソース配分の指針。やらないことを明確にし、やることにリソースを集中的に投入する。
戦略は目的達成のための手段。目的を達成するために戦う必要がなければ、戦いをしないほうが良い。貴重な戦力 (リソース) を使わなくて済む。
2.
戦略とは相対的なもの。状況によって変わる。
- どこで (戦場)
- 誰と (敵)
- 何を争うか (目的達成, 勝利条件)
3.
マーケティング戦略への当てはめ
- 参入する市場 [どこで]
- 競合他社やブランド [誰と]
- 顧客獲得 [何を争うか]
4.
キャリアへの当てはめ
- 働く場所 (業界, 会社, 組織やチーム) [どこで]
- 一緒に仕事をする人, 顧客 [誰と/誰のために]
- 仕事の進め方 [どう働くか]
5.
戦略をつくり実行する時に大事なのは、前提となる状況の把握。特に変化の兆しを見逃さない。3つで言えば 「どこで」 と 「誰と」 。