
今回は、マーケティングについてです。
この記事でわかること
- 顧客の不を解消する
- 表面的な不、本質的な不
- 本質的な不を見つける方法
顧客の不という視点から、そもそも不とはか、2種類の不、そして記事の後半では 「本質的な不」 を見つける方法をご紹介します。
マーケティングのものの見方や考え方は、ビジネスで汎用的なスキルです。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
顧客の不
マーケティングで大事なのは、お客の不をどう解消するかです。ここで言ってる不とは、例えば不満、不便、不安といったものです。
不において、意識しておきたいことがあります。
2種類の不
不満や不便などは2種類があります。
表面的な不と、本質的な不です。
表面的な不は、一見するとお客が不満や不便に思っていることですが、時には辻褄を合わせるように言っているだけにしか過ぎないようなものです。
もちろん、表面的な不を解決することは大事ですが、解決をしても一時的なものです。
では、一方の 「本質的な不」 とは何でしょうか?
本質的な不
本質的な不は、顧客本人も普段は自覚できていませんが、そうと気づかされれば人を動かすほど強い、奥にある気持ちです。
マーケティングでは 「心の琴線に触れる」 と表現することがあります。本質的な不とは、まさにこれです。
ではどうすれば、顧客の本質的な不を見つけることができるのでしょうか?
本質的な不を見つける方法
ここからは、顧客の 「本質的な不」 を見つける方法についてご紹介します。
本質的な不を見つけるための方法は姿勢も含めて、次の3つです。
本質的な不を見つける方法
- N1 分析
- 遠回りで掘り下げる
- 「なぜ」 よりも 「何が」
それでは、順番にご説明していきます。
[方法 1] N1 分析
ここでいう N1 分析とは、1人の人間を深く理解し、共感していくアプローチです。
1人の顧客に向き合い、本人も言葉にできていない、あるいは意識していない奥の気持ちまで掘り下げていきます。
その後で一般化させて、共通する人同士でくくっていきます。グループになったものがターゲット顧客になります。
[方法 2] 遠回りで掘り下げる
本質的な不というのは、顧客に直接聞いても出てきません。
表面的な不とは異なり、普段は本人も自覚できていないからです。聞いても答えられない、上手く言葉にして説明ができません。
そこでアプローチとして直接ではなく間接的に、遠回りで聞いていきます。
例えば、顧客が 「既に満たされていること」 や 「こだわっていること」 、「好きなこと」 への日常や非日常のシーンから深掘りをしていきます。
そこから、それができていない状況はどんな時かを聞いていくわけです。これが 「遠回りで掘り下げる」 の意味です。
顧客の不に臨む姿勢として、直接顧客から教えてもらうというよりも、自分で発見する・見つけるというスタンスが大事です。
[方法 3] 「なぜ」 よりも 「何が」
これは質問の仕方です。
掘り下げる時に 「なぜか」 と聞きたくなりますが、なぜよりも 「何がそうさせているか」 と聞くといいです。Why よりも What です。
というのは、人はなぜと聞かれるとつい理屈で答えようとします。人によっては詰問を受けている印象を持ちます。
発見をしたいのは本質的な不ですが、本質的な不というのはまだ言語化されていなかったり、自覚されていません。
この状態で 「なぜ」 と聞かれると、その場で辻褄を無理やり合わせるような作られた回答になってしまいます。これは本質的な不ではなく、表面的な不として出てきます。
そこで 「なぜ」 ではなくて 「何が」 と聞くのです。例えば、「なぜ好きなのか」 ではなく 「好きにさせているのは何か」 、「何があなたを満たしてくれるのか」 という聞き方をします。
まとめ
今回はマーケティングについて、顧客の不を掘り下げて考えてきました。
いかがだったでしょうか?
相手の、とりわけ本質的な不を深掘りしていくのは、マーケティングに限らず、様々なビジネスシーンで有効です。さらにはビジネスだけではなくて、プライベートでも扱えるアプローチです。
最後に記事のまとめです。
1.
マーケティングで大事なのは 「お客の不」 をどう解消するか (不とは不満・不便・不安) 。
2.
不には 「表面的な不」 と 「本質的な不」 の2種類がある。本質的な不は、顧客本人も普段は自覚できていないが、そうと気づかされれば人を動かすほどの強い奥にある気持ち。
3.
本質的な不の見つけ方
- N1 分析 (人の人間を深く理解し、共感する)
- 遠回りで掘り下げる (直接的に不を聞くのではなく 「満たされていること」 や 「こだわっていること」 から不を見つける)
- 「なぜ」 よりも 「何が」 で深掘りする (人は 「なぜ」 と問われれば理屈で答え、表面的な不が出てくる)