
今回は、自分自身をどう整えていくかについてです。
この記事でわかること
- 儒教の教え 「修身・斉家・治国・平天下」
- 無人島生活と人生の本質
- 自己コントロール力を高める方法
記事の前半では、儒教の教えについて取り上げます。
そこから後半は、自分をコントロールする力をどうやって高めるかについて、3つの観点から掘り下げていきます。
ぜひ、最後まで記事を読んでいただき、キャリアやお仕事での参考になればうれしいです。
儒教の教え
まず最初に取り上げたいのは、儒教の教えです。
皆さんは、「修身・斉家・治国・平天下」 をご存知でしょうか?
これが意味するのは、まずは自分の身の回りを正しくする、次に家族を安定させる、それが国を治め、世の中を平和にするという教えです。
国の平定という大きなことを成し遂げるためには、何よりもまずは自分自身をしっかりと整えることの重要性です。
我が身を正す
私が大切にしている考え方に、「我が身を正す」 があります。
人間は性怠惰です。気にかけていないと、易きに流れたり怠けてしまいます。自分自身のことは、自分でしっかりと律しておきたいという考え方です。
我が身を正すことに関連する言葉に、「慎独 (しんどく) 」 があります。
慎独とは、儒教の経典の1つである 「大学」 に書かれている 「君子必慎其独也 (君子は必ず其の独りを慎むなり) 」 から来た言葉です。
慎独の意味は、自分一人の時も行いを慎み、道を外れないようにすることです。
自分の価値観や倫理観を大切にする
何か後ろめたいことであっても、人が見ていないところではついやってしまうことは、人は誰しも起こり得ます。
慎独は、その状況でこそ、自分を律することができるかを問います。人が見ていなくても、見られている時と同じような行動が取れるかです。
他人が見ていないということは、その状況を誰かに言わなければ自分だけしか知りません。少しくらいならいいではなく、自分の行ないを慎み、人としての道を外れないようにできるかです。
大事なのは、人の目があるかどうかは関係なく、自分の持つ価値観や倫理観に背く行ないであればやらないようにします。
慎独につながると思ったのは、ある本に書かれていたことでした。
無人島生活と人生の本質
人生を豊かに歩むために大切なこと どうでもいいこと という本に書かれていることをご紹介します。
以下は、この本からの引用です。
かつて僕は、尊敬する人から、こんな話を聞いたことがある。
「人間としての器が問われるのは、無人島に一人で流されたとき、朝起きてます何をするかだ」
無人島では、誰にも会うわけではない。だが、起きたらまず顔を洗い、ヒゲをそり、歯磨きをする。それができるかどうかが、優れた本質を持った人間である、と。
誰も見ていないところでこそ、人間は試される、ということだ。無人島できちんと生活できる人は、人間社会に戻ったときにもその生活は揺るがないだろう。これは、ライフ・マネジメントの核心を的確に表した話だと思っている。
結局、人生では、自分で人生をコントロールしているかどうか、が問われる。ダラダラと怠惰な暮らしをしているなまけものは、外でどんなに着飾っても見抜かれてしまう。顔つきや手つき、体つきに、すべて毎日の行動が出てしまうからである。もちろん人生に対する考え方も、である。
(引用:人生を豊かに歩むために大切なこと どうでもいいこと)
無人島での話から思うのは、1つ1つの当たり前が自分をつくっています。
毎日の思考、発する言葉、行動という自分の生き様が、自分の顔つきや身体つきになって表れます。
大事にしたいのは 「今」 というこの瞬間をどう生きるかです。自分の人生とは、これまでの全ての 「今」 を積み重ねたものだからです。
そのためにも、自己コントロール力がポイントになります。
では、自分をコントロールする力をどうやって高めていけば良いのでしょうか?
自己コントロール力を高める方法
どう自分をコントロールする力を高めるか。私が思うのは以下の3つです。
自己コントロール力を高める方法
- 刺激から反応する前に 「選択の自由」 がある
- 長期的に考える
- 自分のコントロール領域を意識する
では、それぞれについて順番にご説明していきます。
[方法 1] 刺激から反応する前に 「選択の自由」 がある
この考え方は、7つの習慣の第1の習慣 「主体性を発揮する」 からです。
私が7つの習慣から初めて知って、今も意識していることがあります。それが 「刺激と反応の間には選択の自由がある」 です。
刺激とは目の前で起こった出来事です。出来事に自分はどう反応するか、反応する前に自分には選択ができるという考え方です。
例えば同じ事象に対しても、瞬間的に怒りの反応をするのか、それとも冷静な反応をするかは自分の選択次第なのです。
反応の前に 「選択の自由がある」 と意識できると、自分をコントロールする力を高められます。
[方法 2] 長期的に考える
2つ目の方法は、時間軸の視野を広げます。
目の前の損得だけを見て感情的になったり行動するのではなく、時間軸を意識的に長くとって考えるようにします。
例えば、1週間後、1ヶ月後、1年後に、今の判断を振り返った時に自分はどう思うかです。
目の前の欲望にとらわれなるようにすれば、自分をコントロールすることができます。
[方法 3] 自分のコントロール領域を意識する
3つ目の方法は、自分がコントロールできること・できないことを分けて考えます。
ここで大事なのは、後者の 「自分がコントロールできないこと」 を無理にコントロールしようとしないことです。
自分のコントロール領域がどこにあるか、どこに線が引けるかを意識します。
できること・できないことに分けて、できることに注力していく。自分をコントロールする力を高めることにつながります。
まとめ
今回は自分を律する、自己コントロール力を高めるために、どうすればいいかを考えてきました。
いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
修身・斉家・治国・平天下
儒教の 「修身・斉家・治国・平天下」 は、自分の身の回りを正しくする、次に家族を安定させる、それが国を治め、世の中を平和にするという教え。
慎独
慎独とは、自分一人の時も行いを慎み、道を外れないようにする。人の目があるかどうかは関係なく、自分の持つ価値観や倫理観に背く行ないであれば慎む。
人生をつくるもの
毎日の思考、発する言葉、行動という自分の生き様が、自分の顔つきや身体つきになって表れる。大事にしたいのは 「今」 というこの瞬間をどう生きるか。自分の人生とは、これまでの全ての 「今」 を積み重ねたもの。
自己コントロール力を高める方法
- 刺激から反応する前に 「選択の自由」 があると考える
- 長期的に考え判断する
- 自分のコントロール領域を意識し、コントロールできることに注力する