今回は、新規の顧客にソリューション提案をする時のフレームをご紹介します。
この記事でわかること
- ソリューション提案営業を企画するフレーム
- [フレーム 1] 業界構造の把握
- [フレーム 2] クライアント課題の掘り下げ
- [フレーム 3] ソリューションと顧客の成果
この記事では新規顧客への提案をつくる時に、汎用的に使えるフレームをご紹介します。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
ソリューション提案営業の企画フレーム
提案営業の前提として、提案先の見込み顧客は自分がまだ馴染みのない新規の業界と設定しています。
この前提の下で、今回の記事でご紹介する企画提案の全体像は、次のようになります。
ソリューション提案企画をつくる全体像
- 業界構造の把握
- クライアント課題の掘り下げ
- ソリューションと顧客の成果
ではそれぞれについて順番に見ていきましょう。
[フレーム 1] 業界構造の把握
最初に把握をするのは、その業界の市場構造です。具体的には以下です。
市場
- 市場規模、成長性 (市場ライフサイクル) 、市場セグメントの切り口
- 業界内の各プレイヤーの関係性 (売り手, 買い手, 中間プレイヤー)
- 競争環境 (寡占状況, 新規参入の容易さ, 変化の激しさ, 代替や新規サービスの可能性)
次に市場の中でもさらに解像度を上げて、エンドユーザーと業界における勝ち筋を理解します。
エンドユーザーと勝ち筋
- 買い手・エンドユーザーの特徴 (規模, 具体的な描写, 抱えている不, ジョブ (片付けたい用事) , 予算の出どころ (誰の何の予算か) )
- 業界の競争ルールと勝ち筋 (何を持っていれば・何をどうすれば勝てるのか, KSF)
業界の売上やコスト構造も見ます。
売上構造
- 売上の因数分解 (客数 × 客単価。必要に応じてそれぞれをさらに分解する)
- コスト構造、利益を生み出せる構図
[フレーム 2] クライアント課題の掘り下げ
業界構造が把握できたら、次に掘り下げるのは提案先の企業の課題です。
具体的な論点は次のようになります。大きくは戦略と問題設定です。
クライアント課題の掘り下げ [戦略]
- 上場企業なら PL などを IR 情報から確認 (定量情報と定性情報)
- 業界でのポジショニング、強みと弱み
- ビジネスモデル (提供価値と収益モデル)
クライアント課題の掘り下げ [問題設定]
- エンドユーザーが抱えている不
- クライアント企業が抱えている不
- それぞれの不に対して既存の解決方法 (その方法から解決していること・できていないこと)
「エンドユーザーが抱えている不」 と 「クライアント企業が抱えている不」 から、解決すべき問題を設定します。
この問題設定が適切で、提案先の企業から見て 「まさにこの問題をお金を払ってでも何とかしたい」 と本質を突いているほど、提案が通りやすくなります。
[フレーム 3] ソリューションと顧客の成果
クライアント課題の掘り下げから設定した問題に対して、自分たちは何をやるか、どう解決するかのソリューションに落とし込みます。
併せて、なぜそのソリューションが自分たちは実現できるのかという根拠も示します。
ソリューションと共に提示したいのは、ソリューションから問題解決をした後に提案先の顧客が手にする成果 (アウトカム) です。 例えば売上が上がるとして、売上を因数分解した時のどの要素に寄与するから売上が上がるのかを提示します。
提案先の相手にとって、ぜひやりたいと思える成果を示し、成果イメージの認識を合わせます。
まとめ
今回は、ソリューション提案企画のフレームをご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
ソリューション提案企画をつくる全体像
- 業界構造の把握
- クライアント課題の掘り下げ
- ソリューションと顧客の成果
業界構造の把握
- 市場の定量と定性からの理解。規模や成長性, 業界内の各プレイヤー, 競争環境
- エンドユーザーの特徴 (具体的描写, 抱えている不, 予算) と勝ち筋
- 売上やコスト・利益構造
クライアント課題の掘り下げ
- PL 、業界でのポジショニング、強みと弱み、ビジネスモデル
- エンドユーザーが抱えている不、クライアント企業が抱えている不
- 不を解決する既存手段 (できていること·できていないこと)
ソリューションと顧客の成果
- 問題設定に対しての解決手段
- 実現できる理由
- 提案先の顧客が手にする成果 (アウトカム)