
今回はマーケティングについてです。
この記事で分かること
- 「0 → 1」 「1 → 10」 「10 → 100」 とは?
- 三つのフェーズごとにマーケティングがやること
この記事で書いているのは、「0 → 1」 「1 → 10」 「10 → 100」 のそれぞれの状態でマーケティングで何をやるかです。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
「0 → 1」 「1 → 10」 「10 → 100」 の違い
事業や商品・サービス開発において、三つの段階に分けると状況が整理しやすいです。
三つとは、「0 → 1」 「1 → 10」 「10 → 100」 です。それぞれの中身は次のようなものです。
0 → 1
- 新しく生み出し、アイデアの初期仮説を検証する
- どのアイデアの筋が良いかを検証し見極める
- ゴールは、再現性のための 「型」 をつくるかどうかの意思決定
1 → 10
- 事業にするための型を作り、他の人にも再現できるようにする (仕組みをつくる)
- 暗黙知が形式知に変わる
- ゴールは、型ができあがる (再現性ができる)
10 → 100
- 型で事業を拡大し、より効率化する
- 形式知の強化
- ゴールは、型で拡大しさらに効率化される (組織で勝手にまわる)
ではここからはマーケティングに当てはめて見ていきます。三つのフェーズそれぞれで、マーケティングでは何をすればいいのでしょうか?
三段階ごとのマーケティング
「0 → 1」 「1 → 10」 「10 → 100」 ごとに、マーケティングでやることを順番に見ていきましょう。
「0 → 1」 でのマーケティング
この段階でまずやることは市場性があるかの把握です。Product Market Fit (PMF) という自分たちの商品やサービスが市場に受け入れられるかの検証です。
そのためには初期顧客を見極めます。初期顧客とは例えば最初のお客さんになる100人は誰かです。
顧客課題は何で、自分たちのアイデアが顧客課題にどう貢献するかを見極めます。初期顧客との対話から彼ら彼女らを理解し、アイデア仮説を検証します。
この段階でのマーケティングは、地道に顧客と向き合い、データや情報を泥臭く掘り下げていきます。関われる顧客は多くはないので、データは量よりも質を重視します。
「1 → 10」 でのマーケティング
初期顧客に対してうまくいったことを、顧客の範囲をもう少し広げてきいます。
アーリーアダプター気質の顧客に、自分たちのアイデア、商品やサービスが魅力かどうかを確認します。目安の一つはお金を払ってでも欲しいと思ってもらえるかどうかです。
顧客が範囲を広げていくので、「0 → 1」 のフェーズよりもマーケティングでやることの仕組み化も整えます。さらにこの先の 「10 → 100」 フェーズを見据えて、マスに広げるためにどんなマーケティング戦略と施策が必要になるかを考えます。
一方で、撤退基準とシナリオも考えておきます。
「10 → 100」 でのマーケティング
顧客をマジョリティに広げていくためのマーケティング戦略と施策をつくります。必然的に今までよりもマーケティングリソースを多く投入することになります。
顧客として向き合う相手がマジョリティになるので、アーリーアダプター層が支持しているという前例を打ち出すとマジョリティに効果的です。
拡大のために攻めると同時に、次の新しい 「0 → 1」 の種を探す活動も並行してやっておきます。いわば、これまでやってきたことの深化と、新しいことへの探索という経営論の 「両利きの経営」 です。
まとめ
今回は 「0 → 1」 「1 → 10」 「10 → 100」 の三段階から、それぞれでマーケティングでやることを掘り下げました。
いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
「0 → 1」 「1 → 10」 「10 → 100」 の違い
- 0 → 1: 新しく生み出し、アイデアの初期仮説を検証する
- 1 → 10: 仕組みから再現性をつくる
- 10 → 100: 型で事業を拡大し効率化する
三段階ごとのマーケティング
- 市場性があるかの把握。初期顧客の見極めと対話から仮説検証 [0 → 1]
- アーリーアダプターにアイデアや商品・サービスが魅力かどうかを確認する。仕組み化も整える [1 → 10]
- 顧客をマジョリティに広げリソースを投入する。拡大と同時に、次の新しい 「0 → 1」 の種を探す [10 → 100]