今回はカスタマーサクセスについてです。
解約というユーザー体験から見ていきます。
✓ この記事でわかること
- カスタマーサクセスの五つのポイント
- 解約への考え方
- あるサービスでの苦痛な解約ユーザー体験
- 解約への UX チェックポイント
この記事で書いているのはカスタマーサクセスです。
私自身が経験したあるサービスの解約プロセスから、ユーザー体験をより良くするためにはどうすればいいかを掘り下げています。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
カスタマーサクセスの五つのポイント
マーケティングやセールスにはカスタマーサクセスという考え方があります。
端的に言えば、カスタマーサクセスとは文字通りの 「顧客の成功」 に貢献します。順番は顧客の成功があり、巡り巡って自分たちの成功にもつながります。
ではカスタマーサクセスを実現するためのポイントは何があるでしょうか?
五つあります。
✓ カスタマーサクセスの五つのポイント
- LTV を上げる (末永く顧客になってもらう)
- 短期的には赤字、中長期では収益化をする (損して得取れ)
- 売って終わりではない。売ってからが始まり
- 顧客を理解し続ける
- 提供価値を上げ続ける
解約への考え方
カスタマーサクセスの一つ目のポイントは、LTV (生涯顧客価値) を上げることでした。
ここから考えていきたいのはカスタマーサクセスにおける解約への考え方です。解約という顧客関係の終了をどのようにとらえればいいのでしょうか?
提供者の立場からすれば、LTV を重視するのでなるべく解約はしてほしくありません。一方で顧客側からすると、やめたい時にはストレスや手間なく行いたいです。
ここに両者のギャップがあります。ではどうすればいいのでしょうか?
顧客視点を優先するなら、あえて解約のハードルを下げていつでも終了できる姿勢が望ましいと考えます。
あるサービスでの解約ユーザー体験
これは私の体験の話です。ある Web サービスの解約です。
解約をするのに手間がかかり、特に気持ちでの面倒さを感じました。一言で言えば苦痛なユーザー体験でした。
具体的にどのようなものだったかを整理すると、次のようなプロセスでした。
✓ ある解約ユーザー体験
- 解約方法が Web ページの深いところにあり、見つけにくい
- 解約プロセス詳細のページでは何回もクリックして進む必要がある (途中で何度も 「本当に解約しますか?」 と聞かれる)
- ようやく行き着いたかと思えば、解約には電話での問い合わせしか対応していないことが判明
- 電話での本人確認が何度もされる (最初の機械音声でのダイヤルアップで生年月日を入力、オペレーターに繋がった後も口頭で氏名と生年月日を伝える)
- デバイス返却先の連絡が SMS で来ず (送ると言ったはずなのに) 、ネットで自分で調べてようやく見つかる
サイトの構成が分かりにくくあえて複雑にしてあるように感じたり、同じことを Web と電話で繰り返す必要がある、やると言ったことがされないなどと、手間のかかる解約プロセスでした。何よりも精神的な面倒さが後味として悪く残りました。
以上の体験は苦痛でしかありません。もう顧客ではなくなるとはいえ、ユーザー体験は悪かったです。
今後もし別の機会があるとしても、このブランドサービスの利用したいとは思いません。
この体験から何が学べるでしょうか?
解約への UX チェックポイント
反面教師としてサービス解約への UX の重要性を改めて考えさせられました。
✓ 解約への UX チェックポイント
- そもそもとして UX の設計をつくっているか
- つくっていてもユーザーにとって不便、分かりにくい、精神的な面倒さになっていないか
- ユーザー視点でいつでも終了できる姿勢でいるか
カスタマーサクセスではたとえ解約でも、最後の最後で良い UX を設定したいです。去ってしまう顧客にも、最後まで 「顧客の成功」 に貢献するのがカスタマーサクセスです。
まとめ
今回は解約の観点からカスタマーサクセスを取り上げました。
最後にまとめです。
カスタマーサクセスの五つのポイント
- LTV を上げる (末永く顧客になってもらう)
- 短期的には赤字、中長期では収益化をする (損して得取れ)
- 売って終わりではない。売ってからが始まり
- 顧客を理解し続ける
- 提供価値を上げ続ける
解約への考え方
- 提供者の立場では LTV を重視するのでなるべく解約はしてほしくない
- 顧客側からすると、やめたい時にはストレスや手間なく行いたい
- 顧客視点を優先するなら、あえて解約のハードルを下げていつでも終了できる姿勢が望ましい
解約への UX チェックポイント
- そもそもとして UX の設計をつくっているか
- つくっていてもユーザーにとって不便、分かりにくい、精神的な面倒さになっていないか
- 去ってしまう顧客にも最後まで 「顧客の成功」 に貢献するのがカスタマーサクセス