今回は、差別化と価値提供についてです。
✓ この記事でわかること
- 戦略で大事なこと
- 差別化による価値提供と競争優位性
- 「やらない」 からのマイナスの差別化
- 「捨てる」 の2つの意味
この記事で書いているのは戦略の話からマイナスの差別化についてです。「やらない」 を決めることによって、差別化から価値提供の方法を掘り下げます。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
戦略で大事なこと
いきなりの質問ですが、戦略と聞いてどのようなイメージを持つでしょうか?そもそも戦略とは何でしょうか?
私の一言の定義は、戦略とは目的を達成するのための 「やること」 と 「やらないこと」 の決めごとです。
戦略で大事なポイントは、他との違いをつくることです。「やること」 と 「やらないこと」 で他と違う状態を目指します。
ビジネスでは 「違う状態」 、つまり差別化を顧客への価値提供の源泉にし、競争優位につなけます。
ここまでを整理すると、次のような流れです。
やること / やらないこと → 差別化された価値提供 → 競争優位の実現
ではここからさらに掘り下げて考えていきたいのは、「やらないこと」 からの差別化です。
マイナスの差別化
まずは具体的なビジネスの事例で、やらないことからの 「マイナスの差別化」 を見てみきましょう。() 内はやっていないことです。
✓ マイナスの差別化の例
- スターバックス (喫煙席の提供)
- QB ハウス (カット以外のサービスと設備)
- セブン銀行 (店頭窓口, 融資業務)
- ライフネット生命 (セールスレディの営業)
- カーブス (男性客の集客)
いずれも、それまでの業界の常識を覆しました。
やらないことを徹底して追求することによって顧客への提供価値が絞られ、その価値を必要とする人たちに支持されたのです。
「やらないこと」 から生まれた提供価値
では、上記の 「やらない」 からはどのような価値が顧客にもたらされたのでしょうか?
✓ 「やらないこと」 から生まれた提供価値
- スタバはコーヒーの香りが楽しめる。非喫煙者が安心して行ける
- QB ハウスは早く安い
- セブン銀行は近くのコンビニで ATM が使える
- ライフネットは保険料がリーズナブル
- カーブスは女性が気軽に行け運動できる
他社とは違う独自性が確立され、「やらないこと」 による価値が競争優位につながりました。
捨てることの2つ意味
この記事では最初に戦略とは何かを考えました。戦略とは目的達成のための 「やること」 と 「やらないこと」 の決めごとです。
戦略で大事なのは 「あれもこれも」 と考えられる全てのことを足していくことではありません。「あれかこれか」 の引き算です。A or B で、まず B を捨てると決めます。
今回の内容で、先ほどのスタバなどのマイナスの差別化の事例から一般化して学べることは、「捨てる」 には2つの意味があります。
1つは、やることに注力するためです。A and B ではなく、A or B で B を捨て残った A に全力で取り組むのです。
もう1つは、捨てたこと自体から顧客への価値提供を生み出します。
例えばスタバでは喫煙席をなくしました。これは喫煙者を顧客から外したわけです。店内にたばこの煙と臭いが一切ないことによって、コーヒーの香りをスタバでは楽しめます。
喫煙者も非喫煙者もではなく、喫煙者か非喫煙者かから非喫煙者を選びました。「やらないこと」 が価値をつくったのです。
まとめ
今回は 「やらないこと」 からのマイナスの差別化は取り上げました。
戦略的に捨てることを決め、差別化と価値提供からの競争優位の実現です。
最後にまとめです。
戦略で大事なこと
- 戦略とは目的を達成するのための 「やること」 と 「やらないこと」 の決めごと
- 戦略で大事なポイントは、他との違いをつくること
- やること / やらないこと → 差別化された価値提供 → 競争優位の実現
「捨てる」 の2つの意味
- やることに注力するため。「あれもこれも」 ではなく 「あれかこれか」 から残ったやることに集中する
- 捨てたこと自体から顧客への価値提供を生み出す
- 例えばスターバックスは喫煙席を捨てた。コーヒーの香りが楽し、非喫煙者が安心して行ける価値