
今回はマーケティングについてです。マーケターの役割を掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- マーケティングの本質
- マーケティングは魔法の杖ではない
- 5つの役割
- 結果を出し続けるマーケターの分岐点
この記事で書いているのは、そもそもマーケティングとは何かと、後半ではマーケターの役割を5つに整理しています。5つとは結果を出し続けるマーケターに求められることです。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
マーケティングの本質
最初にそもそもマーケティングとは何かを考えてみましょう。
マーケティングの定義は様々な方が色々な表現をされています。ここでは私のマーケティングの定義を紹介させてください。
私の一言は、マーケティングとは 「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」 です。活動全般と言っているようにマーケティングを広く捉えています。
ポイントは 「選ばれる理由」 です。別の表現をすればお客さんへの提供価値です。お客さんから選ばれるのを偶然に頼るのではなく、意図的に高めるのがマーケターの役割です。
マーケティングは 「魔法の杖」 ではない
マーケターとして商品やサービスの売上増などの成功に貢献すると、マーケティングが万能なツールに思えてしまうことがあります。ともすると驕りや慢心につながりかねない状態です。
自戒も込めて意識しておきたいのは、マーケティングは魔法の杖ではないことです。マーケティングをやったからといって急に売上が伸びるとは限らないんです。
マーケティングでやることは地道で泥臭い働きかけです。というのは次で詳しく触れるように、マーケターの役割は1つ1つが簡単ではないからです。
役割の因数分解
あらためてマーケターの役割を整理すると5つです。
✓ マーケターの役割
- 顧客理解
- ソリューションの具体化
- コミュニケーション
- ブランド構築とコアファン化
- 顧客の成功や幸せの実現
ではそれぞれについて、順番にご説明しますね。
[役割 1] 顧客理解
マーケターに求められる1つ目の役割は、顧客が求めていること、時には顧客自身も自覚できていない気持ちを見極めます。
明確な 「欲しい」 というニーズであれば分かりやすいですが、そうではない場合です。そうと気づかされて初めて 「これが欲しかった」 と思う顧客の奥にある気持ちの理解です。
自分のことでも本当の気持ちや欲求を理解するのは難しいですが、マーケターはお客さんという赤の他人のことを本人以上に理解することが求められます。
[役割 2] ソリューションの具体化
2つ目の役割は顧客へのソリューションです。
顧客理解が仮にできたとして、気持ちや隠れた欲求を満たす方法を自分たちが実現しないといけません。顧客の無自覚な奥の気持ちを叶える商品やサービスをソリューションとして具体化します。
[役割 3] コミュニケーション
顧客理解をしてソリューションを実現できたとしても、まだ道半ばです。 お客さんにそもそもの存在を知ってもらわなければ、買ってもらったり利用されることはありません。
コミュニケーションを通じて、顧客に自分たちが提供する商品やサービスのことを知ってもらいます。単に名前を認知されているだけではなく、商品やサービスの特徴を理解してもらいます。
認知と興味喚起、理解促進から買いたい気持ちを生み、実際に買って使ってもらうのです。このように認知から利用までのいくつものハードルを越える必要があります。
[役割 4] ブランド構築とコアファン化
顧客にソリューションを提供するのは自社だけではありません。
他社から競合商品やサービスが存在する中で、自分たちの比較優位を見出し、顧客に認識を持ってもらいます。顧客の頭の中にある商品・サービスへの認識がポジショニングです。
認識が表面的なものではなく、商品やサービスを使ってのユーザー体験から感情移入がされれば、商品・サービスはブランドになります。
この意味で、マーケティングでのブランドの私の定義は 「ブランドとは顧客からの望ましい感情が伴った商品やサービス」 です。望ましい感情とは、好き・共感・満足・誇り・憧れです。ブランドとは顧客の頭の中にある知覚です。
ブランドになると、コアなファンがつきます。ファンな人ほど商品・サービスを選んでくれます。
一度使って終わりではなく、二度や三度と飽きることなく顧客であり続けてもらいます。そのためには過去と同じことをただやっているだけでは、いずれはお客さんは飽きてしまいます。
ここまで見てきたマーケターの役割である 「顧客理解」 「ソリューション」 「コミュニケーション」 から提供価値を上げ続け、商品やサービスをブランドにし、その結果としてファンであり続けてもらえるのです。
[役割 5] 顧客の成功や幸せの実現
マーケターの役割の5つ目は、顧客の成功を実現させることです。
BtoB ビジネスのマーケティングでは 「顧客のビジネスの成功」 、BtoC のマーケティングは 「生活者の生活をより良くする」 「少しでも幸せになってもらう」 ことを目指します。
マーケティングは、もっと言えばどんなビジネスも顧客がいて初めて成立します。そしてビジネスが存続できるのも、お客さんから自分たちが選ばれ続けるからです。
お客が選ぶのは、価値があるからです。価値が得られると、お客さんはその商品やサービスがなければできない 「望み」 が叶い、「困りごと」 が解消されます。つまり、お客の成功や幸せにつながるわけです。
マーケターの存在意義は、突き詰めると 「お客の成功や幸せの実現」 なのです。
言うは易く行うは難し
ここまでマーケターの役割を5つに整理してご紹介しました。
✓ マーケターの役割
- 顧客理解
- ソリューションの具体化
- コミュニケーション
- ブランド構築とコアファン化
- 顧客の成功や幸せの実現
1つ1つだけでも簡単なことではありません。言葉にするとできそうに見えるかもしれませんが、実現するのは 「行うは難し」 です。
簡単ではないからこそ、世の中にはほんの一部のヒット商品やロングセラーが存在する一方で、その裏では大半の新しい商品・サービスが日の目を見ることなく消えていくのです。
この現実をどのように捉えるでしょうか?
この問いへの答えが分岐点になります。
結果を出すマーケターの分岐点
ネガティブに思うか、それとも挑戦しがいがあり困難へのチャレンジをおもしろいと思えるかです。
ここに私は、結果を出し続けるマーケターの分岐点を見ます。マーケティングの仕事は一見すると華やかに見えるかもしれません。しかし実際は考えたりやっていることは、地味で泥臭いことばかりです。
それでも 「結果を出し続けるマーケターを目指すか?」 が、あらためて1人のマーケターとして問われます。今の私の答えは Yes です。
まとめ
今回はマーケティングについてでした。
最後にまとめです。
マーケティングの本質
- マーケティングとは 「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」
- ポイントは 「選ばれる理由」 。別の表現をすればお客さんへの提供価値
- 顧客から選ばれるのを偶然に頼るのではなく、意図的に高めるのがマーケターの役割
マーケターの役割
- 顧客理解 (奥にある無自覚な気持ちまで)
- ソリューションの具体化
- コミュニケーション (認知, 興味喚起, 理解, 買いたい・欲しい)
- ブランド構築とコアファン化
- 顧客の成功や幸せの実現
結果を出し続けるマーケターの分岐点
- マーケターの役割は1つ1つだけでも簡単なことではない
- 簡単ではないからこそヒット商品やロングセラーが存在する一方で、大半の新しい商品・サービスが日の目を見ることなく消えていく
- これを挑戦しがいがあると思えるかが、結果を出し続けるマーケターの分岐点