
今回はビジネスキャリアについてです。
✓ この記事でわかること
- 「具体と抽象からの横展開」 なキャリア (意図的)
- 「後から点と点がつながる」 キャリア (創発的)
- キャリア形成の醍醐味
ご紹介したいのはキャリアの2つの考え方です。意図を思ってキャリアをつくっていく方法と、時には偶然の要素からも気づけばキャリアができていくアプローチです。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考になればうれしいです。
具体と抽象からの横展開
最初にご紹介したいのは 「具体と抽象からの横展開」 です。
まずはイメージから共有すると、下の図のようになります。

具体的な事例を一度抽象化し、見出した本質を別の具体に横展開します。流れは赤色の矢印のように進みます。急がばまわれがポイントです。
では 「具体と抽象からの横展開」 をビジネスキャリアに当てはめてみます。
意図的につなげるキャリア
3つのステップである 「具体」 「抽象」 「横展開」 を、仕事とキャリアに応用すると次のようになります。
✓ 具体
- 実務に全力を注ぐ。仕事を通して価値を提供する
- 仕事で自分の役割を果たす
- 専門スキルを新たに獲得し、獲得したスキルを伸ばす
✓ 抽象
- 節目で良いので自分の仕事を振り返り棚卸しする
- 仕事を通して得られた経験や専門スキルが 「要するに何か」 を考える
- 自分の得意・やってきたことに一言のネーミングをする (例: 「◯◯ 屋さんというラベル化)
- 例えば 「事業戦略を支援するマーケティング屋さん」
✓ 横展開
- 抽象化した自分の知見やスキルを別の機会で活用する
- 例えば社内での部署横断の新しいプロジェクトに参加
- 他には社外の副業活動、プライベートの趣味のコミュニティや地域での活動に活かす
予め想定して横展開をする
ご紹介した意図的につなげるキャリア形成は、抽象化したことを横展開する時にある程度の成功を想定しています。横展開は意図を持ってやります。
例えば会社の本業で得たマーケティングスキルを、副業で知人の会社がやっているビジネスにマーケティングコンサルタントの立ち位置で関わるようにです。
* * *
ではもう1つのキャリアのつくり方である、創発的なキャリア形成を見ていきましょう。
創発的につながるキャリア
後から点と点がつながるキャリア形成です。
1つ目にご紹介した意図的なキャリアは 「つなげる」 だったのに対し、こちらは創発的に後から 「つながる」 です。
具体的な例でご説明しますね。
後から振り返れば道ができている
例えば会社内で新商品開発を担当しているとします。
次のように一通りの開発プロセスを経験しました。
✓ 経験した新商品開発のプロセス
- 市場機会の発見
- アイデアから企画とコンセプト立案
- 商品販売への社内承認
- 販売予測を立てる
- 目標達成のための予算獲得と戦略・施策立案
- 営業への展開
これとは全く別の機会で、たまたま声をかけてもらった友人のスマホアプリ開発で、アプリサービス提供開始までのプロジェクトマネジメントを手伝いました。
2つの全く異なる経験から、ある時にふと自分の中で共通点に気づきます。自分は 「新規事業開発のマネジメント屋さん」 というラベルができた瞬間です。後から異なる2つの点がつながったわけです。
ここでのポイントは、あらかじめ 「新規事業開発のプロ」 を目指して仕事を選んだわけではないことです。
時にも偶然の要素もあり、関わる機会に出会えたのはたまたまの運としか言えません。だから後ろを振り向いた時にキャリアという自分が通った道ができているのです。
キャリア形成の醍醐味
創発的に後からキャリアができているのは、キャリア形成の醍醐味です。
自分のキャリアを振り返った時に、あらかじめ計画的に今の自分になったかと言うと決してそうではありません。むしろ5年前や2年前でも思ってもみなかった自分がいます。
偶然の機会を生かすも殺すも自分次第です。
気まぐれにやってくる波をチャンスと捉え、フットワークを軽く新しくやってみる姿勢がキャリアを彩らせます。
まとめ
今回はキャリアについてでした。意図的にキャリアをつくるアプローチと、後からキャリアがつくられるアプローチをご紹介しました。
最後に記事のまとめです。
「具体と抽象からの横展開」 なキャリア
- 意図を思ってキャリアの幅を広げていくアプローチ
- 仕事での具体の経験を抽象化し (一言のネーミング) 、別の機会に意図的に横展開する
- 横展開先にはあらかじめうまくいく想定をしている
「後から点と点がつながる」 キャリア
- 全く異なる経験から、ある時にふと自分の中で共通点に気づく
- 後ろを振り返った時にキャリアという自分が通った道ができている。創発的に後からつながる
キャリア形成の醍醐味
- 創発的に後からキャリアができているのは、キャリア形成の醍醐味
- 自分のキャリアを振り返った時に、計画的に今の自分になったわけではない。2年くらい前からでも思ってもみなかった自分がいる
- 偶然の機会を生かすも殺すも自分次第。気まぐれにやってくる波をチャンスと捉え、フットワークを軽く新しくやってみる姿勢がキャリアを彩らせる