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Google に学ぶ、顧客のホープ起点でマーケティングをする方法


今回はマーケティングです。

顧客起点でマーケティングをやっていく方法をご紹介します。

✓ この記事でわかること
  • サブスクでの顧客起点の訴求メッセージ
  • 格言に見る 「売り手と買い手の認識ギャップ」
  • 顧客のホープ起点で訴求しよう
  • ホープを見つける方法 (ドリルで穴を開けた先の顧客心理から)

マーケティングで重要なのは顧客理解です。この記事では 「顧客のホープ」 を見つけ、ホープ起点でマーケティングをやる方法を解説しています

顧客のホープ



Google のオウンドメディア Think with Google で、サブスクについての記事を読みました。

サブスク利用に至る 5 つの動機 —— 生活をアップグレード、テンポラリーな需要を満たしたいなど|Think with Google

以下は記事の最後からの引用です。

以上を踏まえると、サブスクビジネスを展開している事業者は、そのビジネスがサブスクであることの認知を高めるよりも、そのサービスがもたらす体験と生活者との距離感をいかに縮めるかという点に注力すべきと言えるでしょう。

これまでサブスクビジネスでは、「月額 xx 円で使い放題」 や 「専門家が選んだ商品が毎月あなたの元へ」 といったビジネスモデルを前面に出した訴求が多く見られました。

しかしそうではなく、本来発信すべきはその先のメッセージです。家具のサブスクなら 「季節に応じておしゃれな部屋で過ごせる」 、コーヒーのサブスクなら 「いつでも自宅でカフェ気分を味わえる」 のように、サブスク環境に身を置いた人々の 「ホープ」 を起点にした発信を意識することが重要です。

ドリルではなく 「穴を開けたい」



Think with Google 記事の引用箇所から思い出したのは、マーケティングの有名な格言です。

People don't want to buy a quarter-inch drill. They want a quarter-inch hole.

顧客は4分の1インチのドリルを買いたいのではなく、顧客が欲しかったのは4分の1インチの穴である。

この格言が言っているのは 「売り手と買い手の認識ギャップ」 です。

売り手からすると顧客はお金を払ってドリルを買ってくれたと見えますが、お客にとってはドリルは手段です。あくまで穴を開けるために買ったのであり、手段としてのドリルなのです。

この話を先ほどのサブスクに当てはめると、お客がサブスク登録をするのはその先にやりたいこと、つまり 「ホープ」 があるからです。サブスクは手段であって、目的ではないのです。

サブスクの登録をすればホープを得られると、たとえお客ははっきりと自覚していなくてもそう思っているわけです。


ホープを見出す方法



先ほど引用した Think with Google の記事で考えさせられたのは、顧客のホープ起点でメッセージをつくり発信していくことの重要性です。

では顧客のホープをどうやって見つければいいのでしょうか?

先ほどのドリルの話につなげると、「ドリルではなく顧客にとって穴は何か」 、さらに 「穴を開けるのは何のためか」 を掘り下げていくといいです。ポイントは、1つ先の 「穴を開ける」 だけで顧客理解を止めないことです。


穴の先の顧客のホープ


では具体例として、DIY のガーデニングの棚を作る状況に当てはめてみましょう。

ここでの 「穴を開けた先のホープ」 とは何でしょうか?

✓ 顧客の本当のホープ
  • 自分の手でガーデニング用の棚を完成させること (完成させた達成感) 
  • 棚に植物を飾り、自宅の庭で四季折々の自然を身近に感じられること (安らげる気持ち) 
  • 植物をまるで我が子のように育てる楽しさ (植物を愛しみ成長を見守りたい) 

これらの気持ちは本人も意識していなかったり、聞いても言葉で人に説明できない潜在的な奥にある感情です。深層心理としてこうした気持ち、つまりホープを叶えるために、穴を開けて、そのための手段としてドリルにお金を払うわけです。

ここに顧客のホープ起点でマーケティングを展開するヒントがあります。

提供者として意識しておきたいのは、「お客はドリルを買ってくれた」 だけなのか、それとも 「顧客のやりたいこと (例: 穴を開ける) 」 と、さらに奥にある顧客心理や本音まで深く顧客を理解できているかです。

そして理解したことから、顧客のホープ起点のメッセージを打ち出していきます。


まとめ


今回はマーケティングで、顧客のホープ起点でメッセージをどうつくるかでした。

最後にまとめです。

売り手と買い手の認識ギャップ
  • マーケティングの格言 「顧客は4分の1インチのドリルを買いたかったではなく、顧客が欲しかったのは4分の1インチの穴だった」 
  • 売り手には顧客はお金を払ってドリルを買ってくれたと見えるが、お客にとってはドリルは手段

顧客のホープ起点でのメッセージ
  • お客はドリルを買ってくれたで思考を止めず、「顧客のやりたいこと (例: 穴を開ける) 」 と、さらに奥にある顧客心理や本音まで深く顧客を理解する
  • 奥にある気持ちとは例えば、棚に植物を飾り、自宅の庭で四季折々の自然を身近に感じられること (安らげる気持ち) 
  • 顧客のホープ起点でマーケティングを展開、メッセージをつくる


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多田 翼 (運営者)

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。