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バームクーヘン専用の AI トースター 「THEO」 に学ぶ、「志は大きく スタートは小さく」 を体現する方法

出典: PR TIMES

今回は事業開発や、仕事の向き合いについてです。

✓ この記事でわかること
  • ユーハイムのバームクーヘン専用の AI トースター THEO
  • THEO の開発ストーリーとビジョン
  • 業務用の THEO のリース事業
  • リース事業に見る 「Think big, start small」 の体現
  • THEO から学べること

おもしろいと思った AI トースターと事業展開から、ビジネスや日々の仕事への向き合い方を掘り下げていきます。

よかったら最後まで読んでみてください。

バームクーヘン専用の AI トースター


今回ご紹介したいのが、ユーハイムが開発したバームクーヘン専用の AI 搭載トースターです。

名前は 「THEO (テオ) ) です (公式サイトはこちら) 。

出典: PR TIMES

特徴を一言で説明するとバームクーヘンの作り方を AI が機械学習し、職人の焼き方を再現できることです。また遠隔操作もできます。

職人が焼く生地の焼き具合を各層ごとに画像センサーで解析し、その技術を AI に機械学習させデータ化します。学習により THEO は職人と同等レベルのバームクーヘンを焼きあげることができます。機械学習を利用することによって、職人が 5 ~ 10 回焼けばその職人の焼き方を THEO は学習するとのことです。


THEO の開発ストーリー


開発にはベテランの菓子職人のほか、ロボット工学の研究者、AI の専門家、デザイナーなどの様々な人たちとのコラボレーションから、5年がかりで THEO は誕生しました。

THEO が開発されたのは、世界中に美味しいお菓子を届けたいという想いからでした。南アフリカの子どもたちに焼きたてのバームクーヘンを食べてほしいという気持ちからです。


THEO が目指しているのは、南アフリカにバウムクーヘンを届けることに加えて、バームクーヘンのおいしさの改善、さらには地産地消と職人の技術の結びつけることです。

また職人の技術がデータ化され知財化されることで、職人さんの地位向上と職人ネットワークの構築も狙っています。

THEO が生まれたのは、こうした実現したい世界観 (ビジョン) からでした。

* * *

飲食店向けのリース事業


THEO について興味深いと思ったのは開発ストーリーやビジョン、 AI (機械学習) を搭載したバームクーヘン専用トースターとしてだけではなく、THEO のリース事業の中身もです。

ユーハイムは THEO を飲食店向けにリースをしています。

THEO の特徴は、AI がバームクーヘンの焼き具合を学習し職人技を再現することでした。一度学習させれば職人が作ったようなバームクーヘンができますが、これは裏を返せば導入のために学習させるハードルがあるということです。

THEO を導入したいお店によっては、必ずしもバームクーヘン専門の職人がいるわけではなく、THEO を導入する (リースする) にあたって誰が THEO に学習をさせるかという課題があるわけです。


導入時に職人を派遣


日経新聞の記事に書かれていたことで、ユーハイムでは、THEO のリース導入の時にバームクーヘンの職人の方がお店に行き、導入をサポートしているとのことです。

そのお店に合った、例えば、バームクーヘンに使う食材、提供したいバームクーヘンイメージ、他に売られているメニューなどに適したバームクーヘンの焼き方を職人の人が THEO の AI に学習させます。

ユーハイムがやっていることを一般化すると、お客のビジネスでの成功支援です。提供するモノを作って終わりではなく、またリース用のモノを届けて完了ではなく、導入サポートや使い方まで丁寧に職人が伝えているのです。


大きな絵と地道な対応


THEO が目指しているビジョンは、世界中の人々が美味しいお菓子を食べられる世の中です。

人と AI の協力によって、遠隔操作ができる THEO はこのビジョン実現のための手段です。1つの打ち手として THEO の業務用のリースビジネスがあります。

理想とする大きな絵を描き、同時に足元ではリース先の1店1店に職人が行き導入をサポートするという地道な活動をしています。

これは 「Think big, start small」 という、日本語に訳せば 「志は大きく スタートは小さく」 を体現しています。


学べること


では最後に、バームクーヘン専用の AI トースター THEO から私たちが学べることを整理してみましょう。

学びとして挙げたいのは、自分たちがやっているビジネス、個人のレベルでも仕事のやり方と向き合いに 「Think big, start small」 があるかを、一度立ち止まってあらためて考える重要性です。

ビジネスで、普段やっている業務にはどんな 「大きな志」 があるか、理想として実現したい世界観は何かです。日常の仕事ではそんなことは考える機会はないかもしれませんが、だからこそ適宜のタイミングで目指すビジョンを考えてみたいです。

同時に目の前のやっていることは、そうしたビッグピクチャーの実現につながっているかを問いかけることも大事にしたいです。


まとめ


今回はユーハイムのバームクーヘン専用の AI トースター 「THEO」 を取り上げ、学べることを掘り下げました。

最後にまとめです。

バームクーヘン専用の AI トースター THEO
  • ユーハイムが開発。バームクーヘンの作り方を AI が機械学習し職人の焼き方を再現できる。また遠隔操作も可能
  • THEO が開発されたのは、世界中に美味しいお菓子を届けたいという想いから

飲食店向けのリース事業
  • ユーハイムは THEO を飲食店向けにリース事業を展開している
  • THEO のリース導入時にバームクーヘンの職人がお店に行き、導入をサポートしている
  • モノを売ったり届けて終わりではなく、導入サポートや使い方まで丁寧に職人が伝え、お客のビジネスでの成功を支援している

学べること
  • THEO が目指しているビジョンは、世界中の人々が美味しいお菓子を食べられる世の中
  • 理想とする大きな絵を描き、同時に足元ではリース先の1店1店に職人が行き導入をサポートする地道な活動をしている (Think big, start small (志は大きく スタートは小さく) ) 
  • ビジネスで、普段やっている業務はどんな 「大きな志」 があるか、目の前のやっていることはビジョンの実現につながっているかを考えてみよう


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多田 翼 (運営者)

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。